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〈4〉『強いという優しさ』

勝又穣次(かつまたじょうじ)／OSGフェニックス

196㎝115kg／PF
新潟県出身　北陸高-大東文化大

“すごい”の代わりに“非常に”を使う。
大学の時の話をする時は、関東の強豪校にもかかわらず、
「大東文化大と言って、関東の…」と丁寧に説明してくれる。
強靭な身体の内に、優しいこころが詰まっているのだ。
ゴール下で戦う覚悟は、きっとこの優しさから生まれている。

　ルーキーなのに体格で見劣りしない。むしろ目立っている。トランジッションの中ではまだ戸惑いも見えるが、ハーフコートで外国人選手と対戦するのを見るのが楽しみな選手だ。

社会人としてのメリハリ
「今こうして東海にいるというのは頭になかったですね。東京に残ると思っていたら決まって。ここしかバスケットをするところはないから来ました。自分にとって、バスケットは一番やりたいことなんです。それを今、出来ているのだから一番良いですよね。
やっとちょっと慣れてきたかなという感じですね。学生の時は学校に行って練習だったのが、今は会社に行って練習。切り替えが必要ですよね。学校の勉強は少しならおおらかなところがありますが、会社では1つのミスも許されませんから、そこを切り替えるのも難しかったです。会社のことで忙しいですが、慣れてきました。
プレーでも全く大学と違いますね。こちらは組織的です。それから、リバウンドが厳しい。まさかここまで取れないとは、というくらいギャップがありますね。入ってはじめて思いました。でも体格では負けていないと思うので、あとは気持ちですよね。びびったりしないでやりたいです。」

OSGの一員として
「先輩が多い分安心して入って来れましたね。とにかく熱いです！チームカラーの赤みたいに。他の人はどう見ているかわからないけれど、自分はスーパーリーグはチャラチャラしているというイメージがあったのですが、OSGは皆スーパーリーグの選手というプロ意識を持っています。挨拶、態度なども“選手”らしくて、その中にいたら自分も人間的にもよくなるなと思いました。若い選手が多いからこそ、チャレンジの気持ちを持ってやれるし、速いバスケットを展開できるチームです。
バスケットでは、速い展開が持ち味です。やっている方はつらいんですけど(笑)、観ている方が「なんで？！」というくらいなのが面白いですよね。」

優勝の味
「今年は良く優勝！って言い合っているんですよ。とにかく勝ちたいというのがありますね。シーズンに入るまでしっかり準備して、チームの勝利に貢献できたらと思います。
大学の時はインカレで2位だったし、高校の時から考えてもまだ優勝したことないんですよ。スーパーリーグで優勝したら、確実に日本で1番ですよね。はやく経験したいです。」

こぼれ話1・言葉遣い
「丁寧ですか？仕事がお客様と接するところなので自然に身についているのでは。怖そうとは言われますが(笑)、こちらの人はよく声をかけてくれます。」

ゴール下へのこだわり
「持ち味は身体を使ったプレー、リバウンド、ポストプレイです。それらは外国人選手にマッチアップしても、負けていない時があるし、それを生かして相手を抑えたいです。そこを出そうという努力はすごくしています。でも全然出ていないなと日々思っています。あとはとにかくルーズとかボールを追いかけることですね。
40分フル出場から、同じポジションの外国人選手が疲れたときに交代で出る、という感じに変わるけれど、そのポイントポイントで、その時間内でぶったおれるくらいの仕事をしてこい！と皆に言われています。コートに立つ以上、プレイタイムが何分でも自分の仕事をしようと思います。
小さい頃からずっとセンターなんです。大柄だったので。でも今はこの身長(197cm)だと、本当は3・4番もできたほうがいいんでしょうが、できないんですよ。やっぱり自分はゴール下でパワーでシュートしたり、競ってリバウンドをとったりすることなどが好きなんですよね。外に出ることより。
みんな自分より大きいし、厳しいです。でも下を向いても何にもならない。自分より大きい人はいっぱいいるし、伸ばそうとしてももう伸ばせないから、パワーで負けないようにしたいです。
インサイドは常に身体をはっている場所です。こいつには絶対負けない！という気持ちがないとやっていけない。インサイド、ゴール下は1番楽にシュートできてしまうので、打たれたらダメだし、ボールを持たせてもダメ。身体をはって守るのが、インサイドの仕事ですよね。」

（2004年9月2日インタビュー）