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〈6〉『先頭切って』

小菅　直人(こすげなおと)／新潟アルビレックス

187㎝75kg／SG
新潟県出身　柏崎工業高-近畿大

昨年度の西日本学生で近大を準優勝に導くなど西日本を
代表する選手の1人が地元に戻った。
「新潟はホームの力がすごい。
地元だからとかではなくてやりやすそうだなと思った」
トライアウトに合格、さらにA2からA1へ。
「学生時とのギャップはないです。集中できてやりやすい」
持ち味のスピードとシュートを生かすべく急ピッチで成長している。

　松下電器体育館での東芝とのプレシーズンマッチでは、前半からプレータイムをもらいJBLレベルでの経験を積んでいる。最後の勝負どころではフィジカルに負けてのファールもあったが、一時は逆転の3ポイントシュートを決めるなど思い切りの良いプレーが魅力だ。　

上のレベルに挑戦したい
「できれば上でバスケットをしたいという気持ちはありました。JBLスーパーリーグでトライアウトをやっているのは新潟だけだったので挑戦しようと思ったんです。大学の監督と相談して、大学で現役生に混じって練習させてもらって準備して。トライアウトでは、はじめはボールをもらったらシュートを必ず狙うなど持ち味をアピールすることを心掛けました。終わりの方は逆にチームの力になることを意識しましたね。初めて会った人ばかりで合わせるのは難しかったけれど、皆うまいのでそこそこできました。終えてみて、自分のスピードやシュートは通用するなという手応えはありました。合格と聞いたときはフツーに嬉しかった（笑）。
　その後の1ヶ月はA2です。それなりにつらいこともありました。練習時間が夜でサイクルが違うとか。でも同じバスケットですから楽しかったですよ。それで5月にトップチームと試合をして、あげてもらうことができました。ゲームは…ボコボコにされましたけど（笑）。廣瀬監督からはスピードを生かしたプレーをしてほしいと言われています。チームスタイルでもある速攻の先頭を切って走れればと思います。」

合格の裏に大学時代の成長
「高校生の時は無名校の無名選手で、もちろん選抜でもない。それを大学に拾ってもらった感じなんです。近大はインカレにも出ているようなチームだしそれこそ全国レベルの人が集まっている中で、自分はレベルが1つ下だと思って練習したので上達できました。最後はキャプテンもやらせてもらって、1番成長できたところですね。」

まず頭を使ったバスケットを学ぶ
「今の課題はもう全部です…。体の使い方など練習1つ1つが勉強ですね。あと、体が細いので当たりも。上の人はやっぱり1つ1つ考えて動いています。力じゃなく頭を使っているので、そこを見習いたいですね。考え過ぎてたまに混乱することもありますが（笑）、みな親切に教えてくれます。

こぼれ話1・スプリングキャンプ
「選ばれたことは良かったのですが、インカレでの右足の怪我が完治していなかったので、トライアウトを控えていたこともあって辞退、大学でリハビリも兼ねてウエイトやランニングを続けました」
こぼれ話2・目標
「プレータイムを少しずつ伸ばしてスタートで出ることですが、いつになることやら（笑）」

厳しい世界と思っていたけれど、メリハリがすごいですね。オフコートの時は優しくて本当にしゃべりやすいんですよ。かわいがられてる？かわいがられてますね。自分で言っちゃいます（笑）。」

怒られることも財産
「プレシーズンマッチでも今（9/25・東芝戦の試合前）はまだスーパーリーグのチームとあたっていないし、経験していないのでこの開幕1ヶ月前という時期がどういう状況かわからないですね。でも練習は皆で声を出していい感じでできていますよ。プレーできる、できない関係なしに充実しています。怒られることが多いけれど楽しみですね。
怒られることの内容は基礎中の基礎。次のプレー次のプレーになってしまって、やればできることをやらずに何回も同じことを言われるのを直さないといけないですね。レベルが高くてついていくのに必死です。注意されることもこのレベルならできるのが当たり前のことなんですよ。でも僕はそこまで見てもらってこなかった。だから自分にとってこうして言って貰えるのはすごくいいことですね。」

得意なプレーが通用するように
「機会を与えてもらえてもそれは短い時間です。その中で自分の仕事、つなげられるようなプレーをしたいですね。同じポジションの先輩は竹田（謙）さん・宅見（雅幸）さんです。その中で自分の得意のプレーが通用するようになるといいなと思います。今はいいところあるんだからと言われてやってみたら通用しているところもあるかな、という感じです。周りの先輩が“お前にこれをやられたら嫌だ”ということもアドバイスしてくれますね。今、そうして技術的にも成長しているし、学生の頃と違ってお金をもらってやっているからちょっとした甘えも許されないんだって精神的にも成長しています。
リーグが始まったらどうなるかって感じですね…。盛り上がるんでしょうね。ホームの雰囲気は好きです。たくさんの人が見ている方が、力が出るんです。」

（2004年9月25日インタビュー）