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〈7〉『バスケットが好き』

佐藤　浩貴(さとうひろたか)／松下電器

203㎝100kg／PF
神奈川県出身　相洋高-専修大

「こんにちは！佐藤です。」と気持ちの良い挨拶をする。
「話すのはあまり得意じゃないんです…」と考えながら1つ1つ話し、
「バスケットは大好き」と言えてしまう姿は好青年そのもの。
1つ1つ。でも確実に進んでいく選手だ。

　昨年、学生ながら日本代表候補に選出され、9月のアジア選手権(兼アテネ予選)の最終メンバー12名まで残って様々な経験を積んだ。今は今年1月の怪我の治療中だが、シューティングのパッサーを務めるなどプレー以外の面で貢献しようとしたり見て学ぼうとするなど成長できるポイントを見つけるのがうまい選手だ。

いい経験ができた大学・代表
「日本で1番上のリーグでやっているチームの一員としてやれているのが不思議です。正直まさかという感じ。大学時代から上のリーグでやりたいという目標はありましたが、声を掛けて頂いたのが他の人より遅くて就職活動もフツーにしていました。代表の合宿で見てもらえたことで、声を掛けてもらえましたね。
今までとはまず人数が全然違います。大学の時は30人くらいいて、けっこう楽ができた(笑)。でも今は、最初は日本人選手だけの12人で、しかも怪我人もいたら…と少ない。手を抜けない分いい練習をしています。
大学時代を今振り返ると、 3年で初めてインカレ優勝したのですがその時のメンバーだったことを誇りに思いますね。4年のリーグも途中抜けましたが優勝できて良かったです。ただ最後のインカレで、自分達の代で優勝できず残念でした。でもそれ以上に、プレー的にも人間的にもいい監督・いいチームメートに恵まれました。中原(雄・専大監督)さんにはプレーに限らずいろいろ教わりました。社会人になるためにどうしたらいいかなど、怒られもしましたが支えになってくれました。
代表の方は、そこに入るということは名誉なことですよね。日本のトップクラスの選手が集まってバスケットをする。雰囲気からして1番レベルが高いですね。
去年参加した時は毎日がセレクションでした。どうやって生き残っていくか、どうやってアピールするかを考えながらやるのは楽しかったです。自分にとっていい経験になりましたね。それを大学に戻ってチームに伝えたかったのですが、長く離れてしまった分うまく伝えられなかったのは残念です。松下でももちろん優勝したいし、また代表に呼ばれたいなというのもあります」

怪我は焦らず、声でも貢献できる
「実は今まだリハビリ中で、バスケットはやっていません。見ていて思うのは…チーム練習が2時間あったら、皆その前後に自主練している。意識の高さを感じますね。
足は順調ですよ。時間のかかるところ(左アキレス腱)なので、じっくり直しています。やっぱり100％出せないのに参加しても邪魔になってしまうので完治してからですね。焦ったりとかはないです。オールジャパンには間に合わせるつもりです。
プレーはまだできませんが、単純ですが声を出すなどチームの雰囲気を盛り上げるために色々できます。ベンチの盛り上げに関しては、学生と比べてスーパーリーグは大人しいですよね。その中で声を出していきたいです」

持ち味はオフェンスリバウンド
「代表で、ジェリコHCからオフェンスリバウンドが良いと言われました。そこを買われて入ったからにはきっちりやりたい、負けないようにしようと頑張りました。なのでその点では結構できたと思いますが、他のところでまた課題が見つかりもしました。
オフェンスリバウンドは、自分で本当に取れているのかなと思うこともありますが、でも認めてもらえたので。点を取ろうとかはないんです。取れたらいいんですが、なかなか難しくて。
あと、ディフェンスもできるようにしたいです。スーパーリーグで相手になる外国人選手は、同じ身長でもフォワード的な動きができる人がたくさんいます。それに、4・5番(インサイド)としては、相手がやりたいことをやらせないのが大事で

こぼれ話1・驚いたこと
「まず見学に来た時に、体育館にある松下幸之助さんの写真(上・手前に座っているのが佐藤選手)が大きくてびっくりしました(笑) 」
こぼれ話2・関西人のノリ
「関西に来るのは初めてですね。チームも関西出身の人が多くて話しかけてくれます。いじられる(笑)。でも、自分からしゃべれない方なので逆に嬉しいです。本当にどこに行ってもそうですね。良くしてくれるし、なじむのに時間がかかりませんでした。」

す。ぶつかり合いですが、パワーがないぶん気持ちだけは負けたくない。それにヘルプにもいかないといけないので自分の相手だけでなく周りの人も見てできるようにしたいですね。自分では今はポジションアップとかないですね。技術がまだまだなので。でも教えてくれる人はいるし、ブース(デビッド・＃30)とかのプレーを見せられて毎日が勉強できます。
アジア選手権に参加したので外国人選手には慣れているのですが、アジア以外の選手の動きにはなかなかかないません。でもその中でもできることはある。それが1日1・2個でも増えていったらなと思います。
尊敬している選手はデニス・ロッドマンですね。自分の役割がわかっていて、それに徹することができるのはすごい。素行は良くないかもしれませんが、やることをきっちりできる選手ですよね」

まだまだうまくなりたい
「自分はバスケットは高校から始めたんです。高校ではバレーボール部の人数が少なくて。あと中3から何もしていなかったので太ってしまってやせたかったんですね(笑)。身長は192cmありましたが誘われたとかはないです。でも小学校の時からNBAを見るのは好きでした。
周りの皆はミニから、中学からという中でその差は大きいです。始めた高校もインターハイに出るようなチームではなかったので、試合とかの経験が少ないんです。周りの人以上に細かいこと、シュートやドリブルなどの基礎を勉強中です。欠かさず努力しなければいけませんね。そういう気持ちをなくしたら、アスリートとして終わりなので絶対忘れないようにしたいです。
もしゲームに出られるようになったらチームのために頑張るしかないです。自分がどうのではなく、優勝したい。優勝はいいですよね。自分達の自信になるし周りも評価してくれます。それにスーパーリーグで優勝したら日本一ですからね。バスケットをするからには優勝したい。日本一を取りたいです。松下はしないとおかしいくらいのチームですから(笑)。
体が動く限りプレーヤーは続けたいですね。それが何歳かはわかりませんが…。バスケットが大好きなんです。何でだろう？いつのまにかです。まだまだうまくなりたいですね」

（2004年9月25日インタビュー）