「バッシュ変えました!」と揃って真っ白のバッシュを指した。「大学入ってからずっと一緒です。別にわざとというわけじゃないですけど。」練習後にもかかわらず2人の表情はとても明るく、持ち味を発揮できている充実感が感じられる。他の選手も4年生から1年生まで笑顔と声が絶えず、とても良い雰囲気だった。
今年就任した塚本清彦監督はどんな印象ですか?
健:「…あつい。」
剛:「あついね(笑)」
健:「韓国遠征(5/12〜18)のとき、監督の部屋に行ってバスケの話をしたんですよ。」
剛:「そうしたら本当に止まらなかったです。最後はもう眠いから寝かせて、というくらいでした。」
健:「ちなみに僕らのことはだいぶ見分けてくれるようになりました(笑)。今もたまーに間違えますけど。」
チームの雰囲気はどうですか?
健:「変わりましたね。やらされているのではなく自分たちで盛り上げてやっていこうという感じになりました。」
剛:「すごくいいですね。」
しかし、京王電鉄杯(4/29〜5/4:1勝8敗)は成績がついてきませんでしたが…
剛:「勝ち負けについては、監督に今はそれほど意識しなくていいと言われていたんですよ。試合の直前は勝つぞ、と言ってましたけど、リーグ戦の時にピークを持っていきたいので。去年までみたいに春先頑張りすぎて後落ちるだけだだと失うものが多すぎますからね(笑)」
健:「京王杯は色々試す場でした。個人的にも今年からポイントガードになったので、言われていることをしっかりやろうと。言われていることというのは、今までの明治は皆が1on1に行こうとしていたのでフロアバランスを取ることと、ベンチから出るフォーメーションのコールが色々変わるのでそれをしっかり頭に入れながらやるということですね。」
剛:「この大会は今後に向けてのトライアウトと位置づけられていたんです。でも、実は風邪を引いて初日40度も熱が出てしまったんです。それでもやったんですけど。でもそれが尾を引いて次の日は点滴までして。シュートタッチも良くなかったです。でも、監督が我慢して使ってくれたから頑張れました。今はシュートタッチも戻りましたし。」
健選手のポジションチェンジがあって、2人は同じポジションになったんですか?
剛:「いえ、僕はシューティングガードになったんですよ。だから高校の時とまったく逆ですね。といっても今までも宍戸さんと出る時は2番の役割もやっていたのでそこまで戸惑いはないです。でも、お前は結構あるでしょ?」
健:「京王杯の時なんかはありましたね。でもだいぶ慣れてきたと思います。」
剛:「自分の方は感覚でやるタイプですが、健の方が考えていて、ディフェンスもギャンブルしないし堅いのでとてもいいんじゃないかと思います。」
健:「確かにディフェンスの時1人だけ前から当たれって言われますね。もう慣れましたけど。」
剛:「僕らはオールコートでやってこそ良さが出るタイプなんですよ。ハーフコートだと自分たちのリズムが作れない。」
健:「ディフェンスで苦しめて速い展開に持っていく、というのが合っているので苦しくないですね。でも1番ってシュートもあまり打たないし…いる意味あるのかなと思うこともあって、剛に相談しました。」
剛:「1番にありがちなんで、来ると思っていました(笑)」
チーム作りの方は今どのくらい進んでいますか?
剛:「まだ初期の段階ですね。監督には“夏殺す!”って言われました(笑)」
健:「秋のリーグ戦の頃にはだいぶ良くなっていると思います。…死んでいなければの話ですけど(笑)。韓国遠征はすごく良かったので、その時みたいな試合ができればいいですね。」
トーナメントの組み合わせを見たときはどう思いましたか?
健:「そんなにどうこうと言うのはありませんでしたけど…今年の2回戦は東農大なんですよ。だからいつもはもっと強いところで負けて終わりだったんのですが、今年はもう1ついけるかな?と。もちろん、東農大を甘く見てはいけませんが。組み合わせ的にはいいかな。」
剛:「相手は気にしていないですね。リーグ戦では相手によって作戦を変えたりもしますが、今はチーム作りの時期なので、思い切り、今まで一生懸命練習してきたことを出すだけですね。」
最後に、チーム・選手・自分について、トーナメントのここを見て欲しい、というところをどうぞ。
剛:「チームはディフェンスですね。春からずっと頑張ってきたので。選手では黒田(裕・3年)かな。今年に入ってバスケットについて話したんですよ。自分のやりたいことも伝えたし、向こうのやりたいこともわかってきてるので。個人ではやはりディフェンス。それから個人では、今年ははっきりとセカンドガードになったので、3ポイントシュートですかね。」
健:「チームは僕もディフェンスですね。選手はいないなぁ(笑)…やっぱり黒田かな。一番信頼できるし、あいつがいるとしっかり組み立てられるので、そういう存在感を見てほしいですね。個人ではディフェンスと、2番から1番になったということでゲームメイクですね。」
(文中敬称略/2004.05.22インタビュー)