<bjリーグ第1次トライアウト>
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2月12日、プロバスケットボールリーグ・bjリーグは小田原アリーナで第1次トライアウトを行った。全627名の応募者のうち、381名がこの東京会場にエントリーした。 |
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2/12(土)
午前は小田原アリーナの4面を手前から89ersコート・アルビレックスコート・ブロンコスコート・アパッチコートとし、さらに反面ずつA・Bコーのトに分けて計8面×3クールで行なわれた。時間差のグループは、メニューに1on1があることからAに大柄な選手、その他をBCとなるように分けた。 内容はその都度スタッフから実演されてすぐ行なう。まず5分間のフリーアップの後、ハーキーステップからスタート。スタッフの笛に合わせて上下左右に反応するドリルを20秒×2セット、4人ずつで行なった。続いてボードタッチジャンプ。スタンディングで10回続けてジャンプした後ハーフラインまでダッシュ、今度はランニングで1度だけジャンプする。その後はオールコートでパス&シュート。自分でボードに当てたボールをリバウンドし、遠くの方のフリースローライン辺りのスタッフへロングパスしてランし、レイアップ。帰りはドリブルチェンジを入れてのレイアップシュートを行なった。その後は1on1。1人に一定の持ち時間が与えられ(Aは1分20秒、Cは50秒)、連続して攻める。ディフェンスは1回ごとに同じグループの者が入れ替わる。そして最後にシャトルラン。順にフリースローライン・ハーフ・遠くのフリースロー・エンドのラインで折り返すダッシュを、30秒×インターバル15秒(30秒で帰れば15秒休めるで)5セット行なった。 ハーキーステップは小柄な選手の多いCグループが抜群のステップを見せた。1on1でも強く当たっていき白熱した。最後のシャトルラ |
<トライアウトの流れ>
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ンはメニューの最後と言うこともあってばててしまう者もいたが、現役の選手は涼しい顔をしているものもいた。
進行は、初めての試みで人数が多いということもありAクールから徐々におしていき午前の部は13:45にやっと終了となった。 その後本部で関係者が協議し、14:30に河内コミッショナーの挨拶と午前の部を通過した120名が口頭で発表となった。「遠く朝も早く、また初のトライアウトということで力を発揮できなかった人もいるかもしれませんが、それは次のチャレンジに生かしてください。受かる人もいれば受からない人もいますがその厳しさがいいと思います。落ちてしまっても鍛えてまた頑張ってほしいし、120名ももう1度セレクションがあります」(河内コミッショナー)。 120名は3つのグループに分けられ番号のついたリバーシブルを渡された。 |
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各コートの点呼からスタート |
ハーキーステップ |
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そして15:00から午後の部が始まった。3グループでそれぞれ1面ずつ使い、各グループをさらに1-20番と21-40番に分けて番号順に5人1組になってハーフコートの3on2からスタート。1セット1分半で、20分間行なった。ガードやセンターの選手がリーダーシップをとったり、他の組がやっている間にコミュニケーションを取っていった。続いてその番号淳の5人のままハーフコートの5on5。1回ごとにサイドスローインからスタートし、1セット3分でこれも20分間行なった。あたりも激しくなっていった。そして最後に17:00までの1時間15分にわたってオールコートの5on5を行なった。1セット5分で回していき、小柄ながらスピードと高い技術でゴールを射抜く選手が多く見られた。速攻のロングパスや3ポイントシュート、インサイドプレーとそれぞれ持ち味をアピールした。
これらをふまえてさらに協議され、終了の約30分後に2回目のセレクションを通過した62名が同じく口頭で発表された。5人ずつ(6人の組も2つ)呼ばれ、それが最終審査のチームとなった。 2面を使い、18:30までの約1時間、先と同じ1セット5分間でスクリメージを行なった。ここまでくると、もともとお互い見知った選手が多い上にチームでのプレーを重ねてきたこともあり、どちらかというと和やかな雰囲気で進んだ。 この62名と大阪通過者から、50名の1次トライアウト合格者が後日決定される。推薦選手の波多野和也(専修大)、蒲谷正之、城間修平、日下光(以上日大)、藤田浩二(日体大出)、宍戸治一(明治大)、青木康平(専修大卒)は通過。最年少16歳の選手も通過したが、本人の希望で氏名などは公表しない。 |
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通過発表のため全員がコートへ |
1次ステップ通過者はビブスを渡される |
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河内コミッショナー |
河内敏光コミッショナー(午前終了時点) 「11月にはじめるに当たってはじめてのトライアウトなので、こんなにたくさんの“バスケがしたい”若いプレイヤーが来てくれるとは。実際不安がありましたが、700名近い方に応募して頂いて自分は間違っていなかったと思いました。 (午前の部の感想は)皆さんも知っている選手・知らない選手といたと思いますが、知らなくてもいい選手には1人でも多くチャレンジさせてあげたいと思っています。この中から何人が実際に11月のコートに立つかわかりませんが、少なくとも何人かはその11月のスタートに向かって入ってくると思っています。今回たまたま落ちてしまった選手も、また来年もチャレンジしてもらえるよう声を掛けていきたいと思います。 (レベルはどう思うか)知っている選手の実力はその知っている通りです。知らなかった人の中にも、プロで1・2年鍛えていけばすごく変わるなという選手もl何人か目に付いたので非常に楽しみです。」 bjリーグ代表・木村育生氏(インボイス)(午前終了時点) 「ビジネスとしてバスケットを成功させていきたいと思っています。 NBAを見ていて、それから日本のバスケットも見ていてどこが違うのかというとスター性だと思います。今日の参加者は個性はあるけれど、主張があまりないなと思います。下手でもいいから参加者のなかで1番目立つ格好をするとか声をわーわー出しているとか、色々と個性をぶつからせてほしいです。技術を披露しているだけでは…。私達がやろうとしているのは実業団ではなくプロですから。ひとに見てもらってなんぼ、お金を取るんだというプロ意識を持てと、“お前らホントにプロになりたいのか?!”とがつんと言ってやりたいです。 (bjリーグの支援は)個人としてやっています。取締会で“会社としてやりたい”と言ったら今は全員反対です。なので、スポンサーと言うよりは株式会社として上場を目指す出資者をつのり、その資金でいい選手を集めて、2・3年してお客さんやメディアがついておもしろくなったらスポンサーについてもらいたいですね。前評判だけでスポンサーがつくほど甘くないなというのが感想です。メディアがおもしろいじゃないと言ってくれるまでインベスターを集めて運営し、有名になってスポンサーをつけるしか成功はないなと思います。」 仙台89ers・中村彰久氏(午前終了時点) 「1つのコートを担当していたので全体を見られていませんが、おもしろい人からこれからちょっと時間がかかる人まで色々なひとが来たなと思います。私が見たコートで言えばうちのチームでいいなと言う人がいたので午後じっくり考えたいです。 宮城出身の選手も20名ほど参加しています。選手を決めるときに基本的なコンセプトは実力が1番ですが、宮城のPGは仙台高校出身の選手など必ずいい選手がいるので午後チェックしたいと思います。」 新潟アルビレックス・廣瀬昌也氏(午前終了時点) 「1つのコートを担当していたので全体は見られていません。なので全体のレベルについてはわかりかねますが、午後じっくり見たいと思います。新潟出身者に注目したいですね。と言ってもチーム構成としては今リーグ戦中ですし、それが終わって2次のトライアウトなどで考えようと思います。 (チームでやってきたトライアウトと比べて)チームとして4年やってきましたが、6・70人くらいですよね。これだけのひとが来ているということはbjへの注目が高いんだなと驚いています。」 さいたまブロンコス・三木力雄氏(午前終了時点) 「自分はニュートラルに全体を見させてもらいました。レベル的にばらつきはありますが、これだけの応募者が興味を持ってくれてありがたいし、嬉しいという気持ちです。」 河内敏光コミッショナー(全体終了時点) 「総括としては午前にも言ったように、私達が知っている選手は知っている通りの力でした。あまり知らない選手で5・6人光る可能性を持っている人がいるなと思いました。バスケットのファンダメンタルを基礎から教わっている人が少ないのですが、いいものを持っている選手は目につきましたね。ただ、もっと自分をアピールしてほしかったなと思いますが、トライアウトと言う経験がないだろうし人がよすぎましたね。しかし参加費を払い、遠くまで来てくれたこの参加者達は、本当にバスケットがしたくてきてくれたんだなと思います。 この後は審査員が4〜1点の4段階で採点し、各10人の40名に絞ります。」 日下光選手 「(今日受けてみて)やっぱり基礎体力が大事だということがわかりました。こうしてトライアウトがあることで、バスケットをする幅が広がって良かったと思います。後は…そうだなぁ、もしbjリーグに入れたらファンの皆さんに応える事が僕達の仕事だと思うのでその辺りも頑張りたいです。2次トライアウトにも受かる事ができたら(進路は)仙台の方で教員と思っていたのですが、bjリーグが始まるということで挑戦してみようと思いました。(bjリーグの魅力は)今までバスケットをするといったら実業団だけだったけれど、もっとバスケットの面白さを知ってもらえるのではと思います。」 |
木村氏 |
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中村氏 |
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廣瀬氏 |
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三木氏 |
波多野和也選手
「(今日受けてみて)まぁとりあえず最初に(出てくるのは)疲れましたね(笑)。でもやっぱり久しぶりにゲームとかやると楽しいです。課題も自分なりに見つけましたし。もうちょっと痩せてちょっと動けるようにしないといけないですね。(アピールできたか)うーん、そこそこですかね。(普段あまりやることのないクラブチームの選手とやってみて)自分のことでいっぱいいっぱいだったんですよ。周りのことを気にしている余裕がなかったです。(動機は)やっぱりバスケットをやっている以上プロになりたいので、日本にプロができるということでやろうかな、と。バスケットをやっている人は、誰でも夢、最終目標はNBAだと思うんです。その過程の1つとしていい機会じゃないですか?もっと上を目指せますし、プロはバスケットだけに集中できますから。」 以前より手伝い、当日も現場で動いていた桜井スタッフ 「(始まるまでは)皆来るのかな、上手い人は来るのかなと心配でしたね。(ふたを開けてみると)意外と埋もれている人、有名どころではなくてもうまいなという人が何人かいました。そういう発見はトライアウトでしかできないから良かったかなと思います。(スタッフとして大変だったことは)やっぱりはじめてのことで不慣れで、時間がおしてしまったことです。もっとスムーズにやりたかったですね。でも、特に大学生がやる気になってくれて嬉しかったなと思います。」 |
<取材・文 北村美夏>
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