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5月23日、プロバスケットボールリーグ・bjリーグはBumB東京スポーツ文化館で第2次トライアウトを行った。
全87名が参加した午前と午後のスクリメージは、ドラフトへ向けての最終アピールとなった。
合わせて各ヘッドコーチ(大阪は6月2日に発表)の紹介、ドラフト(6月6日)順抽選も行なわれた。

＜ヘッドコーチ、チーム編成担当者の紹介＞～チーム編成の方針、選考の着眼点など

仙台89ers・浜口炎ヘッドコーチ(写真最右)
1969年生、愛知学泉大卒。2002年4月、コーチ留学を目的に渡米。BIOLA(NAIA D1)ボランティアコーチ(2002年)、A
RIZONA STATE(NCAA D1)ボランティアマネージャー(2003年)、トヨタ自動車アルバルクアシスタントコーチ(2004年)
「チーム作りとしては、激しいディフェンスから速い展開に持ち込むバスケットを考えています。今日はディフェンス、ルーズボールに強い選手をチェックしたいと思います。」

新潟アルビレックス・廣瀬昌也ヘッドコーチ(写真右から2人目)
1967年生、青山学院大卒。熊谷組・大和証券でのプレーを経て、1998年大和証券のAコーチとして指導者の道をスタートさせる。2001・2003年のユニバーシアードなどナショナルチームのAコーチも務めた。
「新潟では6季目となります。チーム編成としては昨年のチームを主体に考えプロテクトの交渉をしています。といっても将来のスタープレーヤーになるであろう原石を発掘して帰りたいです。うちは華やかではない、むしろ泥臭いというか一生懸命なバスケットを新潟で5年間見せてきました。今回もそういうプレー、ハートを持った選手がいるかチェックしたいと思います。」

埼玉ブロンコス・Charles johonsonヘッドコーチ(写真右から3人目)
1961年生、米国出身。ミッドランド高・テキサス工科大ではキャプテン。プロショーバスケットチーム『シューティングスターズ』・メキシコプロリーグ『Tarascos』を経て、1989年来日、マツダオート東京(91年、アンフィニ東京ブロンコスに改名)仁入団。同チームラストシーズンにチームを離れるが、1996年市民チーム『所沢ブロンコス』に生まれ変わったチームに復帰。2002-03年にはMVP・ベスト5・アシスト王・スティール王に輝く活躍で日本リーグ初優勝に導き、花道を飾った。
「グッドディフェンス・オールラウンドゲームを心掛け、ファンを楽しませるエキサイティングなチームにしたいです。熱い選手、またスマートな選手をチェックします。」

大阪エヴェッサ・加藤秀尚企画広報部長(写真左から2人目)
「新ヘッドコーチ・強化部長・ロゴ・キャラクターは6月2日に発表します。内定しているのですが手続きがまだ残っているためです。その時にヘッドコーチ・強化部長・GMによるビジョンもお話したいと思います。選手獲得イメージとしては、最高の能力・技術を持っていることを前提に、マルチプレーヤーよりも何か突出した力を持つ選手を考えています。日本最高峰のリーグを築くと同時に日本最強を目指し、また大阪から世界へはばたいていきたいので、そのためにも個性を生かしたいのです。また、勝って和を持つ、強靭な心でチームをまとめていきます。勝つだけでなくいかに大阪のブースターに火をつけるか、五感に訴える熱いバスケットを目指します。」
※チーム名変更
より強固な運営基盤確率のため、新しいチーム運営母体「ヒューマンスポーツエンタテインメント株式会社」設立。同時にチーム名称も再検討。親しみやすさ・地域性の面から七福神の戎様を呼ぶ“えべっさん”を由来に“エヴェッサ”となった。

大分ヒートデビルズ・Jawann Oldhamヘッドコーチ(写真最左)
1957年生、米国出身。シアトル大卒業後、NBAで10年間プレー。1995年からは台湾・中国本土・韓国の東アジアで選手・コーチとして活躍。2003年からは熊本県・大阪府・愛媛県などスクールでの指導を中心にバスケットボールの普及活動に従事。
「チームとしてはディフェンシブマインドでいきたいと思います。またトランジッション、コートを走り回れるもとても気にしています。」

東京アパッチ・Joe Bryantヘッドコーチ(写真左から3人目)
1954年生、米国出身。コービー・プライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)の父。ラサール大からドラフト1巡目指名でフィラデルフィア・76ersへ。クリッパーズ・ロケッツの加え、イタリアンリーグでも8年間プレー。帰国後はPT・高校のコーチ・クリニックとバスケットに限らず親善大使としてやビジネスの面でも活躍。昨シーズンは米独立リーグABAのボストン・フレンジーで選手兼ヘッドコーチを務めた。
「子供達に夢を与えられるようなチームにしたいです。ディフェンスのみならず、オフェンスにも強い選手をこれから育てていきたいと思っています。」

5／23（月）
　コート2メンを使い、7分のスクリメージを行なった。ビブスの色によって3つに分けられたうち時間差で2グループが行なっていった。

　午前は、ビブスの番号によってあらかじめ編成されたチームで臨んだ。第1次トライアウトと比べ新しいことは特になかったが、JBL経験者やクラブチーム・大学の有力者を含む参加者のサイズ・能力が

より高くなっており見応えがあった。

　アウトサイドでは日下光(日本大)・喜多誠(新潟アルビA2)らのマッチアップ、インサイドでは栗野譲(OSG)・波多野和也(専修大)・岡村憲司(三菱電機)のマッチアップなどが観られた。また、斉藤勝一(OSG)・佐藤博紀(大塚商会)が貫禄のプレーを見せれば、清水耕介(ドイツ・ブンテスリーグ)・三友康平(福太郎クラブ)がきれいなシュートを披露した。ブロックが惜しくもファールとなった波多野にチームメートの仲西淳(サンタモニカカレッジ)が英語で“よくやった！”というように声を掛け、拍手を誘った。こうした1場面1場面がリーグが開幕してからの各チームのカラー、アピールになるのではと感じられた。
　その後、午後も残る選手62名が発表され、新たにチームが組まれた。午後は片面に“スポーツコート”を試用、感触を確かめていた。
　 23～28歳を中心に若い選手からベテランまでおり、経歴も様々。それぞれのプレーを披露し、ドラフトへ向けて最後のアピールとなった。

スタッフから説明を聞いていよいよスタート

“じゃんけん”で5人を決める

宍戸治一選手
「(ガードとしてどうか)やっぱりトライアウトなのでゲームを作ったりというのは多少やりにくいところもありますが、誰と組んでも関係ないですよね。選ばれないと意味がないので、自分のプレー、特にディフェンスをきちんとやりたいと思います。」

＜ドラフト指名順抽選＞

　午前と午後の合間に、ドラフト指名順抽選が行なわれた。抽選順は仙台→新潟→埼玉→東京→大阪→大分。各ヘッドコーチが箱から番号ついたボールを取り出し、笑顔で掲げて見せていた。
　結果、指名順は①大分②埼玉③仙台④埼玉⑤大阪⑥東京となった。大分の“残りものに福あり”となった。

＜ドラフトとは？＞
日時：6月6日13～15時
会場：東京・六本木のvelfarre(ヴェルファーレ)

ドラフト指名対象選手：新潟・埼玉・大阪の既存の選手、 2次選考参加選手、怪我などの理由により2次選考に参

加できなかった選手。
※対象選手のうち、ドラフトで指名されなかった選手は、ドラフト会議終了後、bjリーグに所属する全てのチームと契約交渉を行う事が出来る。

プロテクト枠：プロテクトとは、所属しているチームに引き続き契約する権利を認めるもの。新潟・埼玉・大阪の選手に関して、それぞれのチームはプロテクトする権利を持っている。

その他：指名は1チーム最大15人まで(選手契約を締結で

ドラフト指名順に並んで

きるのも15人以内)。1度指名された選手を他のチームは指名できない。また、プロテクトを行使したチームは、指名順位が最下位となる。

選手契約：A契約(通年契約…契約期間1年、基本報酬が300万円以上)とB契約(随時契約…A契約以外。契約期間1日以上1年以内、報酬の最低保障なし)に分かれ、このドラフトで指名された選手はA契約となる。

指名されるとどうなるか？：指名された選手には指名チーム会社による優先交渉権(次項)が設定され、指名チーム会社以外のチーム会社は契約交渉及び契約締結はできない。また、選手が契約交渉及び契約締結するチーム会社を選ぶことは出来ない。

優先交渉権：ドラフト会議でチーム会社が選手を指名することにより、チーム会社に対して発生する権利で、有効期間はドラフト会議終了時点から翌年度のドラフト会議開始時点まで。それまでにチーム会社と選手の契約交渉がまとまらない場合、この権利は失効、その選手が翌年にチーム会社と選手契約を締結するにはbjリーグが定めるセカンドシーズン以降の新人選手の採用手続きに従う必要がある。
※チーム会社は指名選手に対する優先交渉権を放棄することは出来ないが、トレードすることは出来る。これに関して選手は異議を申し立てることは出来ない。トレードした場合、トレード当日にトレード先のチーム会社に優先交渉権は移行する。

移籍(トレード)：選手はA契約・B契約を問わず、契約期間中ほかのチーム会社に選手契約を譲渡(トレード)される事がある。ただし、bjリーグが別途定める凍結期間中(リーグ戦の後半部分を予定)はトレードされることはない。トレードされると、当該選手と前所属チーム会社との間の権利・義務はトレード先のチーム会社に移転する。トレードに関して選手は異議を申し立てることは出来ない。

仮保有権：チーム会社が選手と選手契約を締結することにより、チーム会社に対して発生する権利。
・A契約→チーム会社は、当該選手の契約期間終了後においても、仮保有権のある期間は選手契約締結のために独占的に交渉し、契約する権利を持つ。
※仮保有権が失効する時…当該選手がフリーエージェント権(次項)を取得する時または当該選手がチーム会社とはじめてA契約を締結した時点から7年経過する時のどちらか早い時、チーム会社が仮保有権を放棄した時、チーム会社が前年度の報酬の75％以上を契約条件としたA契約の更新を申し入れない時。
※選手が海外のチームに移籍し、その後日本に帰国した場合…帰国時に当該選手の保留期間が終わっていても、チーム会社は帰国後1年間は当該選手に対して仮保有権を持つ。

・B契約→チーム会社は、契約期間終了日の翌日まで(24時まで)仮保有権をもつ。これまでに当該選手に対して、A契約と同等の条件の契約(契約期間当該シーズン終了まで、かつ報酬は①300万円×80％×残り試合割合と②
直前の契約の契約期間内の試合数割合で見た試合単価×75％×残り試合数の高い方)の更新を申し入れない場合は失効となる。
※契約期間終了がシーズン終了日の場合、チーム会社が翌日中にA契約締結の申し入れをしなければ失効となる｡

フリーエージェント権：リーグ戦の80％以上の試合にベンチ登録されたシーズンが3シーズン以上に達した選手に発生する権利。いずれのチーム会社とも選手契約を締結する事が出来る。ベンチ登録が80％に満たないシーズンがある場合は、それらのシーズンの出場選手登録日数をすべて合算し、80％に達したものを1シーズンとして計算する。トレードされた場合は、トレード元チーム＆トレード先チームでの実績を通算する。

	河内敏光コミッショナー(午前終了時点) 「(午前を終えて)最終選考ということで、ドラフトされたいという意志がすごく伝わってきました。すごく運動能力が高く、パス・ディフェンス・シュートの能力を持ち合わせている選手もたくさんいましたね。6チームのヘッドコーチは選手のピックアップを“すごく楽しみ”と言っていますし、僕自身もすごく期待しています。 (スーパーリーグ、日本リーグにどう追いついていくか)もう抜いています。プロとしての気持ち、そういう意味では抜いています。もちろんそれだけの技術も持ち合わせている選手もいますしね。 (スーパーリーグ、日本リーグの選手も受けに来た要因は)選手に聞いたわけではありませんが、現状よりももっと厳しいところに来てバスケットに集中したいということでしょう。リスクを背負っても日本のバスケットを何とかしたい、そういう精神でしょうね。」清水耕介選手【写真上】「(トライアウトを受けるきっかけは)バスケットをまだ続けたいと思っていたからです。中学からずっと、1番上のリーグでやりたいと思っていたのでこういった機会があるなら、と受けました。 (ドイツではどうだったか)大学生の時、ドイツのプロのコーチがクリニックに来てくれていて、2年生の時練習生として3週間くらいドイツでプレーしたり、連絡を取っていました。そこで、“望むなら来てもいいよ”と言ってくれたので去年の8月から3月までドイツでプレーしました。ケムニッツ99ersというディビジョン2のチームで、練習生でした。ドイツは日本に比べても高いですね。チームもカップ戦というトーナメントでディビジョン1のチームと当たっても4Q残り2分までは競る事が出来ました。 (帰国後のトレーニングは)毎日ですね。朝は図書館で教員になるための勉強、夜はバスケというのをずっと繰り返してきました。ドイツでは技術系の練習が多かったし、2月のトライアウトは走り込みが多かったと聞いたので、練習は走ること中心でしたね。(動きの軽さが目立っていました)でしょう？(笑)。 (アピールポイントは)やっぱりシュートですね。シュートならこのトライアウトの中でも負けないと思っています。あとドイツではシャイすぎたところがあったので…今日はここまで声を出してやっているし人間性もアピールしたいです！」仲西淳選手【写真中】「(日米の違いは)やっぱりシーズン制ってことですね。部活だと1つですが、色々な仲間・コーチとバスケットをすることができます。 (将来は)NBAは1つの狙いというか、目標です。オフシーズンはアメリカでトレーニングしたりサマーリーグに参加したりしてチャンスをうかがいたいですね。そのためにも常に自分のプレーをアピールしたいです。」波多野和也選手【写真下】「(午前をふまえて、午後は)ちょっとアピールできていなかったですね。しんどいですけど、体力はつきましたよ！大学で練習してきたので。粟野譲さんとかごついですけど、次やるときは倒したいです。 (リーグに向けて)特に考えていませんが､楽しいプレーを観せられるようにしたいです｡｣