<bjリーグドラフト会議2005>
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6月6日、プロバスケットボールリーグ・bjリーグは六本木ヴェルファーレでドラフト会議を行った。
5月23日の第2次トライアウトで決まった順に指名していった。既存のチームのうち新潟はプロテクトを行使した。最少は東京の2名、最多は大分の7名だった。 これからチームでのトライアウトも行い、メンバーを固めていく。 <今後の日程> 仙台:6月24日(金)練習生ワークアウト 東京:6月25日(土)チームトライアウト 大分:6月27日(月)チームトライアウト 新潟、埼玉、大阪:現在調整中 |
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<オープニング>
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会議開始直前の様子。 多くの報道陣が選手・スタッフ席をうつす |
映像でこれまでの歩みをダイジェストにして紹介。 照明、音楽ともオープニングらしく華やかだった。 |
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<コミッショナー挨拶>
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河内敏光コミッショナー 「お忙しい中お集まり頂きありがとうございます。 日本で初めてのプロバスケットボールリーグがスタートを控え、選手達がその第1歩を踏み出そうとしています。選手の皆さん、よくぞ今日このドラフト会議に来て頂きました。第1期生として君達がこのbjリーグをつくっていくと思っています。 bjリーグは、先ほどスクリーンでもご紹介があった通り、色々な思いから立ち上げることになりました。アジア各国にプロのバスケットボールリーグがある、世界中にこんな素晴らしい競技のプロがあるのに、 |
なぜ日本にはないのか、というところからスタートしました。 “バスケがしたい”、それは選手だけでなく、指導者や私を含め今まで日本のバスケットに携わってきた人がそう思っていると確信しています。
bjリーグ宣言の中に3つの宣言があります。まず1つ目はプロフェッショナル。日本で初めてのプロリーグとして、また職業としてのバスケット選手が誕生するわけです。日程的には非常に厳しく過酷ですが、その厳しい練習、またゲームは、必ずや選手にとって技術的なことはもちろん一社会人としても今後に生かせると確信しています。 2つ目はスポーツエンターテイメントです。今はまだありませんが、新しいバスケットのゲーム、ショーを皆が作っていきます。試合会場に入ってから、試合、全てのイベントが終わってアリーナから出てきた時、本当にブースターの皆さんが“また次も応援に来よう”となるような雰囲気を、選手の皆さん、一緒に作っていきましょう。 グローカル、3つ目の宣言です。地域の皆さんに愛されるような選手、チームになっていきたいです。2006年には世界選手権が日本で、2007年には翌年の北京五輪のアジア予選が行なわれます。私やチーム関係者一同は、そのアジア代表の選手に、今ここにいる、また今回トライアウトに申し込んでくれた選手の皆さんの中から本気で送り出したいと思っています。またアジア、世界にこのリーグから送り出したいと思っています。 プロとしての意識、自覚として、ゲーム・練習のみでなく、社会貢献、ブースターとのふれあい・サービスなどでも、最大限のパフォーマンスを発揮していきたいと思っています。 そして最後に、日本に創ろう、バスケットボールの文化を。」 |
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<プロテクト宣言>
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新潟・埼玉・大阪は既存の選手のプロテクト枠を持っており、権利を行使する意志をヘッドコーチが起立で示した。
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結果、立ち上がったのは新潟の廣瀬ヘッドコーチのみ。廣瀬ヘッドコーチはプロテクト選手を書いた封筒を司会に渡すと、背番号順に5人の選手の名前が読み上げられた。1人ごとに場内が暗転し、呼ばれるとスポットライトに照らされスクリーンには紹介映像が映った。
長谷川選手は米国にてトレーニング中のため、小菅選手が1番はじめに壇上へ上がると、廣瀬HCから新潟の帽子をかぶせてもらった。後の4人も続くと、1人ずつ抱負を述べた。 新潟は6巡目か他チームが指名権を放棄するまで指名できない。 |
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<ドラフト1巡目発表>
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1順目は、壇上まで各チームヘッドコーチが封筒を持って上がり、受け取った河内コミッショナーが読み上げる形を取った。 名前が呼ばれるとスクリーンに紹介が映り、選手は新潟のプロテクト選手と同じようにそれぞれのチームの帽子を河内コミッショナーよりかぶせてもらって一言ずつ気持ちを述べた。 名前が呼ばれる度に、招待席からは名前を呼ぶ声や口笛が聞かれ、家族や友人と抱き合う選手も見られた。 2巡目も同様に行なわれた。 |
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<ドラフト2巡目発表>
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<ドラフト3巡目以降発表>
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3順目以降は、封筒を受け取った司会から発表され、選手はその場で帽子を受け取ってかぶった。選手はほっとしたような笑顔や驚きの表情など様々なリアクションを見せた。新潟の4巡目は、チームでは1位指名となるので、他チームと同じように河内コミッショナーから発表された。 チーム関係者席では、1度指名された選手は他チームが指名できないため、読み上げられるとため息をつく場面も見られた。 権利放棄は、×と書かれた紙で示された。最も早く出したのは東京で3順目。これにより、4巡目から新潟に指名権が発生した。最も多く指名したのは大分で7人だった。 この結果、26名が指名された。 |
<3巡目>
<4巡目>
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指名放棄を示す“×” |
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<5巡目>
<7巡目>
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<6巡目>
<8巡目>
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<ヘッドコーチコメント>〜選考理由など
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全指名が終わった後は、チームごとにもう1度指名選手の名前が読み上げられ、フォトセッションとヘッドコーチからのコメントがあった。
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大分ヒートデビルズ・Jawann Oldhamヘッドコーチ
「ただ若いだけでなく、bjリーグでやっていけるだけの身体能力・精神力を兼ね備えているからです。bjリーグという歴史をつくることに貢献していきたいです。望むことならナショナルチームに選手輩出もしたいです。これから頑張ります。」 埼玉ブロンコス・Charles johonsonヘッドコーチ 「埼玉の望むプレーをしてくれる選手だからです。頑張れ!という言葉を掛けたいです。」 仙台89ers・浜口炎ヘッドコーチ 「まず今日のドラフトの結果には大変満足しています。チームとして激しいディフェンスから速い展開のバスケットを目指していて、それにマッチした選手をとれました。彼らを中心に初代チャンピオンを目指たいと思います。」 新潟アルビレックス・廣瀬昌也ヘッドコーチ 「まず今日ここに立てたこと、夢を始められたことが嬉しいです。プロテクト5名+ドラフト2名獲得できたことは、既存のチームから数人の選手が抜けた穴を埋めるには十分な補強ができたと思います。決して派手さはないかもしれませんが、しっかりとブースターの胸に響くバスケットがしたいです。」 大阪エヴェッサ・天日謙作ヘッドコーチ 「サイズとスピード、経験とバランスよくとれたと思います。」 東京アパッチ・Joe Bryantヘッドコーチ 「この2人を指名できたことは幸せです。2人はPGポジションなので、チームの基礎ができたといえます。これからも東京はチーム作りを続けていきます。」 |
大分 |
埼玉 |
仙台 |
新潟 |
大阪 |
東京 |
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<ヘッドコーチ、選手の声>
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今後の日程が紹介され、閉会宣言が行なわれた後は、一斉に囲み取材となった。時間ギリギリまで行なわれていた。 |
河内敏光コミッショナー
「いよいよという感じで今日を迎えました。それぞれのヘッドコーチの考え方の上でいい選手を選んだと考えています。選手はほんの少し前までも不安があったと思いますが、ドラフトされた選手は本当に目がぎらぎらしていて頼もしいという感じを受けました。昨日は私自身もやはり相当緊張していました。ただ今日のドラフトでこの熱気を感じ、僕達はまた1つ前に進んで成功の確信を持てました。チームはこれから練習が始まり、外国人選手も入っていくとチームが見えてくるでしょう。そこでもう1回開幕に向け怪我をしないように頑張ってほしいと思います。 (協会との関係は)プロ化検討委員会と1日でもはやく話したいです。1日でもはやく一緒になれるよう最大限やっていきたいとbjリーグとしては思っています。」 |
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大阪エヴェッサ・天日謙作ヘッドコーチ
「スピードもあり経験もあっていいプレーができる選手ばかりで、ほぼパーフェクトですね。1番見るのは一生懸命やっているかどうかですが、このメンバーは皆試合を見た事があって、それができる選手だと思って指名しました。1位指名の波多野君は足もあるし3番で使いたい。2位指名の中村君はあの身長(197cm)ですが軽い身のこなしを先天的に持っているのがいいですね。 あとはどれだけやる気にさせるか。僕の練習は、選手は知ってるかどうかわからないけれどしんどいことを要求するので、アメとムチを使い分けていきます。それで“バスケット、おもろいやろ!”っていうチームにしたい。 |
(外国人選手補強のポイントは)サイズ的に日本人は小さいので大きさと、今のチーム構成で何が必要かも見て決めます。外国人選手も含め、彼ら1人1人にこれというパート、仕事をちゃんと与えられたらいいなと思います。
(1位以外大阪出身の選手)地元密着も大事だし、確かに関係ない事はないですが、それ抜きにしてもいい選手です。大阪っていい選手多いんだなって改めて思いました。 (今後は)これから日本人選手があと3・4人、外国人選手が4人くらい入る感じになるでしょう。7月頭には練習に入りたいですね。それからさっきも言いましたが僕はアップダウンの激しいバスケットをしたいので、バスケットの練習をする前にトレーニングメニューもしっかりしたいなと思います。」 |
波多野選手の首元には “己信”のタトゥーが |
<指名選手の抱負> 1位指名・波多野和也選手 「やっぱりバスケットでお客さんが盛り上がるのはダンクだと思うのでいけるときは全部ダンクにいきたいと思います。」 2位指名・中村友也選手 「観客に喜んでもらえるよう、自分としてはこの身長でもガンガン走っていきたいです。」 3位指名・石橋晴行選手 「全く新しいステージにチャレンジできて光栄です。楽しい、大阪らしいバスケットが出来ればと思います。皆若いので、うまくガードとして使いながら自分も活きていきたいです。」 4位指名・太田和利選手 「観客に喜んでもらえるようなバスケットをしたいです!」 |
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新潟アルビレックス・佐藤公威選手(1位指名)
「(待っている時は)とにかくドキドキしていました。(そこから名前を呼ばれると)嬉しかったです。でも緊張はずっとしていて、その時のことをあんまり覚えていないんです(笑)。 (トライアウトは)自分のプレーができたと思います。強気で全部行っていたのでその部分を見てくれたんだろうなと思います。 (既存のチームに入ることになる)ちょっとでも追いついていけるよう頑張っていくつもりです。」 |
地元の新潟工業短大出身。1次トライアウトで 「きらりと光るものがある」と河内コミッショナーに 言わしめた。 |
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東京アパッチ・Joe Bryantヘッドコーチ 「(今の気持ちは)GOOD!でも、自分でプレーするほどの気分にはなっていないけどね(笑)。 (2人のみの指名だったのは)ガードの2人はコート上のコーチになれる選手です。後の選手は、1日だけのトライアウトでは決められないのでこれからじっくり見ていきたいと思っています。」 囲み取材では終始ごきげん。入団予定の外国人選手の名前を言ってしまい、「それはトップシークレットだよ!」と関係者を慌てさせる場面も。来日したこともあるエンターテイメント性の高い選手なので、正式発表をお楽しみに! |
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埼玉ブロンコス・三木力雄テクニカルアドバイザー
「(プロテクトしなかったのは)既存の考え方にとらわれず、もっとたくさんの選手を見てプロのチーム作りの中で選手をピックアップしようと思ったからです。もっと広い視野で見るための、“プロテクト放棄”なんです。その中で改めて指名がかかった安藤(毅・4位指名)はその視野に入った選手といえます。 もちろん、これまで一緒に頑張ってきたし心情的にはプロテクトしたかったんですよ。でもプロの世界だから、やっぱり強いものが残らないといけない。1からのスタートなので、そういう気持ちをかなぐり捨てていきました。今回指名しなかった選手も、チームトライアウトで視野に入れば、これから契約することは十分ありえますよ。 (自身は)今年はメインはサテライトで、全体を見て行きます。去年まではサテライトから上にあがるのはレギュレーションの面でできなかったけれど、今年はどんどん上を狙えるのでモチベーション高くやっていきたいです。」 |
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大分ヒートデビルズ・君塚大輔選手(写真左)
「(名前を呼ばれた時は)正直ビックリしました。(トライアウトは)あんまり自分のプレーはできなかったです。でも、2次の午前・午後と打ったシュートはほとんど入れられたんです。あとはリバウンドに飛び込むところとか、その辺を見てくれたのかな。(大分で新しいスタート)まだ行ってみないとわからないけれど、楽しくやりたいです。」 大分ヒートデビルズ・三友康平選手(写真右) 「(名前を呼ばれた時は)嬉しかったです!(トライアウトは)午前はぼちぼちだったんですけど、午後は体力的にきつかったです。アピールできたかはあまりよくわからないですね。」 |
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大分の3位指名・佐藤博紀と5位指名・君塚大輔は順天堂大学の先輩後輩。佐藤曰く、「腐れ縁ですよ」?! だが、攻撃力の高い2人が再び同じチームでプレーするのが見られるのはファンにとっては喜ばしいことだ。 「楽しみにしていて下さい!」(佐藤) |
<取材・文 北村美夏>
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