<HOOP IMPACT2004

7月11日、専修大学生田校舎総合体育館で、HOOP IMPACT 2004 GALLERY・2 CUPが行われた。ストリート、車椅子、デフ、クラブ、学生、社会人と垣根を超えたダイナミックな戦いが展開され、車椅子・デフのエキシビションにも拍手が起こっていた。

参加チーム(12):臨海クラブ(Sauce)、DOPE、FAR EAST BALLERS、WEST STREETZ、NYC、GODS、UNITED FLOW、MASTER PEACE、長野日大OB、オール専修大、Team-S、大塚商会ALPHAS


<HOOP IMPACT 2004 決勝>
7月11日(日) 会場:専修大学生田校舎総合体育館

TEAM
 



 
TEAM
オール専修大
50
32
EX
19
49
大塚商会ALPHAS
18
EX
30
 

前半立ち上がりは6-7と互角の展開。大塚商会は、オール専修がイージーシュートを落とす間に加点し残り5分11-8とするが、専修・中川和に3ポイントシュートを決められると、それを皮切りに波多野のバスケットカウントなどで残り3分半13-14と逆転される。さらにアウトレットパスをスティールされての専修・菊地の3ポイントシュートなどで17-24とされたところでタイムアウトを取る。だがオフェンスのリズムを作れない一方ファールがかさみ、19-32と大量リードを許す。

後半はまず1本づつ決め、21-34で残り8分。ここからディフェンスがよくなり、2連続パスカットや3ポイントシュートブロックなどが飛び出し、28-34と追い上げる。だが専修・中川が1on1からアシスト、3ポイントシュートと攻撃の起点になり、残り5分30秒28-42と再び離される。ここでタイムアウトを取り、清水・安斉を入れて追い上げを図るが、専修・菊地の3ポイントシュートで31-45となり、残り4分と時間が少なくなっていく。
だがあきらめずにプレッシャーをかけ、カットからの速攻、リバウンドへの合わせで残り2分37-45とする。この後ゴール下で手を叩いてしまいフリースローを与えるが、これを2投とも落としてくれると、清水が3ポイントシュート、レイアップと連続得点し残り1分42-46と詰め寄る。その清水を中心に積極的にカットを狙っていくが、惜しくもファールとなり専修#25にフリースローを与える。これも2投目を落としてくれるが、そのリバウンドを拾われ42-49。だが高岡が3ポイントシュー

専修・中川和と大塚・御手洗
トを決め、残り36秒で45-49と再び4点差となる。
するとさらにパスカットから清水が3ポイントシュートを決め、残り15秒で48-49。この次のエンドからのスローインもカットに行くが、これが惜しくもファールとなる。専修・中川和に1投決められ残り13秒。十分逆転可能だったが、ボール運びの1on1で手間取り、やっと清水にボールを渡すもはりつかれ3ポイントシュートが打てず、カットインして2点を狙うもシュートを打つ前に終了ブザーがなり、追い上げは及ばなかった。



大塚商会・清水太志郎選手
こぼれたリバウンドに「あーっ!」と声を漏らすなど最後まであきらめずにディフェンス。攻めても要所でシュートを決めた。
「JBLチームが来る!って皆楽しみにしてくれていたので、負けないように、と思っていたのですが…前半に点差がつきすぎましたね。最後は熱くなりすぎて時間見てなかったんですよ(苦笑)。
今日は、ストリート系のお客さんが多かったけれど、せっかくのこういうイベントだしもっとPRしたら、普通に人にも見てもらえて、楽しくて真剣な試合が出来るんじゃないかなって思います。」

大塚商会・御手洗貴暁選手
終始手を抜かずに真剣にプレー。決勝では、専修・中川和とマッチアップしている時に交代となってちょっぴり残念そうにベンチに戻る場面も。
「真剣なのはそれがとりえですから(笑)。
今日は車椅子に乗れたりできて良かったですね。クラブチーム、ストリートの人は上手くて勉強になりました。
中川和とのマッチアップは途中で交代になってしまって残念…もうちょっとやりたかったです。やっぱり一番楽しいんで。」

2人は車椅子バスケのエキシビションにも参加(左は清水選手)し、楽しんでいた。ともに実力派ルーキーとしてJBLでの活躍が期待される。



<HOOP IMPACT 2004 準決勝>
7月11日(日) 会場:専修大学生田校舎総合体育館

TEAM
 



 
TEAM
オール専修大
47
24
EX
14
46
Team-S
23
EX
32
 

前半立ち上がり、Team-Sはフリーのレイアップも落としてしまうなどシュートが入らず、残り8分0-9でタイムアウト。しかしどうしても焦ってオフェンスが狭くなってしまい、それをオール専修の速攻につなげられる。さらに要所で外のシュートも決められ前半を14-24とする。

後半は20-29とついていくが、その後は速攻ミスの応酬となる。だがインサイドで確実に決めて22-29と詰めるが、専修・中川和の3ポイントシュート、さらに長澤のアリウープ・菊地の3ポイントシュートと立て続けに決められる。しかし1本ずつ返していき、残り4分半でも28-37と離されない。
そして専修が中川和からボールをリズム良くさばけなくなる
間に、#4の1on1、#25の3ポイントシュートが決まり、33-37まで追い上げる。この後すかさず専修・中川和に決め返され33-40となるが、#6の1on1、リバウンドを粘ってのフリースロー、そして#4の3ポイントシュートで残り1分30秒ついに39-40と1点差とする。さらに専修・伊藤の無理な3ポイントシュートを速攻につなげようとしたところをファールで止められ、#4がそのフリースローを1投決めて40-40と振り出しに戻る。
残り1分を切って専修・中川和に3ポイントシュート、カットインへのファールで与えたフリースローを1投決められ40-44となり、時間が過ぎていく。#4の3ポイントシュートは外れ、#25のリバウンドから#6が放った3ポイントシュートもリングに嫌われる。残り20秒となってファールゲームへ。1投決められるが、#25が3ポイントシュートを決め残り10秒43-45と望みをつなぐ。次のファールでは中川和に2投決められるが、今度は#6が3ポイントシュートを決め1点差とする。しかし、残りの5秒うまく逃げられてファールすることが出来ず、そのままやぶれた。だが、観客からは大きな拍手が起こった。



<HOOP IMPACT 2004 決勝トーナメント1回戦>
7月11日(日) 会場:専修大学生田校舎総合体育館

TEAM
 



 
TEAM
オール専修大
38
17
EX
22
34
FAR EAST BALLERS
21
EX
12
 

立ち上がりFAR EAST BALLERSのシュートが面白いように決まり、開始1分で0−12とリードされるオール専修。長澤のインサイドでやっと初得点すると、小納・半田の社会人コンビを投入。それでも1on1で翻弄されるも、終盤FAR EAST BALLERSのシュートが落ちて、それを波多野らの速攻につなげて前半を17-22とする。

後半は、中川直(写真右)が登場すると力強いリバウンドでチームを勢い付け、残り5分伊藤の速攻で30-29と逆転に成功。ここで長澤・波多野の現役インサイドを入れると、長澤がいきなり1on1を決めるなどパワーを見せつけ34-29とする。この後さらに裏パスからのフリーシュートが決まって36-29として残り1分。勝負あったかに思われたが、波多野のシュートミスを速攻で3ポイントシュートにつなげられ、36-32とわからなくなる。その波多野にかえて半田を投入し、ボールキープ・ファールゲームにも備えるが、スローインをカットされ、FAR EAST BALLERSの3ポイントシュートを思わずファールで止めてしまう。残り6秒で2投入り、2点差となるが、最後の1投が入ったためそのスローインをらくらく半田のレイアップにつなげ、1回戦屈指の好カードはオール専修が制した。

<エキシビション1>

今イベントでは、2つのエキシビションが行われた。1つはデフバスケットボール(難聴・ろう者のバスケットボール)。日本代表選手4名東京のROUGHチームの選手2名が参加した。
まず、スクリーンの時の合図(スクリーンボイスが聞えないため)、審判のやり方などを説明。
スクリーンでは、教えるときは肩を叩き、スイッチの場合はその肩を行ってほしい方向に押してコミュニケーションを取る。
審判には、片手に黄色の手袋をはめてもらい、笛を使わないことを説明。プレーを止めるときはその手を振って注目させるか、右のように体を使って止める。
最後にイベント参加者有志と一緒に10分前後半のゲームを行った。前半はデフ・健聴混合チーム、後半はデフvs健聴。終了後には暖かい拍手が起きた。

今回のような紹介は、デフバスケを広く知ってもらう上で貴重な場であり、とても良い試み。しかし、肝心のプレーの方で、「周りに気を使っていっぱいいっぱい」「あくまでPRだから…」と“こんなバスケットをするデフチームを応援したい!”と思ってもらえるような、本来の姿を見せられなかったことが残念。少しずつPRを続けていくうちに、デフバスケらしさが伝わるようになって欲しい。


<エキシビション2>

続いては車椅子バスケ。千葉ホークスより、頼れるエース・安直樹選手(アテネパラリンピック日本代表)と、笑顔の絶えないシューター・田中恒一選手が参加した。
まずオールコートを使っての2メン。ロングパスも当たり前のように飛ぶ。続いてシューティングを行った後、1on1。互いに細かく切り返して攻め、守る。安選手の片車輪浮かしてのシュートや、田中選手のロングシュートが決まると喝采。
次に体験会。会場から挑戦者を募り、安選手のパスを受けてレイアップ。なかなか届かない。決勝を待っていた大塚商会の清水選手、御手洗選手も参加。やや戸惑いながらも笑顔でシュートを決めていた。

安直樹選手「5on5が出来たらよかったですけどね。シューティングではシュートが入らなくてはがゆかった!入ればもっと盛り上がったと思うんだけどね…いつも公園とかではやっているのだけど、ここはちょっと感じが違ったので。」

確かにシューティングでは普段の調子が出ていなかった。目の覚めるような3ポイントシュートや、車椅子バスケならではの“当たり”(車体の幅を使ったスクリーンやインサイド、ディフェンスのコースチェックなど) は、是非試合会場で!




<HOOP IMPACT 2004 決勝トーナメント>
7月11日(日) 会場:専修大学生田校舎総合体育館
50
47
34
FAR EAST BALLERS(A1位)
38
オール専修大(2位a)
 
 
46
50
Team-S(B1位)
23
長野日大OB(3位a)
 
48
37
67
NYC(C1位)
22
UNITED FLOW(2位b)
 
 
48
71
大塚商会ALPHAS(D1位)
8
MASTER PEACE(3位b)



<HOOP IMPACT 2004 決勝トーナメント進出決定戦>
7月11日(日) 会場:専修大学生田校舎総合体育館
2位a
WEST STREETZ(D2位)
18−35

オール専修大(C2位)

2位b
UNITED FLOW(A2位)
32−21
GODS(B2位)
3位a
臨海クラブ(Sauce)(D3位)
17−26
長野日大OB(C3位)
3位b
DOPE(A3位)
22−27
MASTER PEACE(B3位)


オール専修・伊藤とマッチアップする
WEST STREETZの選手は大東の…?


全試合にわたってパワー全開のインサイドを見せた
オール専修・長澤のアリウープ


<HOOP IMPACT 2004 予選リーグA>
7月11日(日) 会場:専修大学生田校舎総合体育館

FB
UF
MP
FAR EAST BALLERS
×
○36
○32
1位
UNITED FLOW
●14
×
○30
2位
MASTER PEACE
●22
●21
×
3位



<HOOP IMPACT 2004 予選リーグB>
7月11日(日) 会場:専修大学生田校舎総合体育館

DOPE
GODS
Team-S
DOPE
×
●25
●19
3位
GODS
○27
×
●16
2位
Team-S
○46
○34
×
1位



<HOOP IMPACT 2004 予選リーグC>
7月11日(日) 会場:専修大学生田校舎総合体育館

オール専修大
NYC
長野日大OB
オール専修大
×
●24
○48
2位
NYC
○33
×
○37
1位
長野日大OB
●13
●7
×
3位



<HOOP IMPACT 2004 予選リーグD>
7月11日(日) 会場:専修大学生田校舎総合体育館

臨海クラブ
WS
大塚商会
臨海クラブ(Sauce)
×
●21
●20
3位
WEST STREETZ
○29
×
●28
2位
大塚商会ALPHAS
○29
○38
×
1位

<取材・文 北村美夏>
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