<第44回関東大学バスケットボール新人戦>
<第44回関東大学バスケットボール新人戦> |
第44回関東大学バスケットボール新人戦は19日、代々木第2体育館で準決勝と5-8位決定戦を行った。 |
<第44回関東大学バスケットボール新人戦 準決勝> 6月19日(土) 会場:代々木第2体育館
スターティングメンバー 法政大:#7末廣、#9高久、#11福田、#14山田、#16深尾 筑波大:#4小松、#5尾崎、#14山城、#15吉田、#16木村 |
法政大は#7末廣の3ポイントシュートでスタート。筑波大#16木村に得点を許し入れ合いとなるが、#7末廣のジャンプシュートが決まり第1クォーター残り5分19-12とリードする。だが筑波大にスクリーンアウトを徹底され、リバウンドから#16木村にバスケットカウントを決められ残り3分30秒21-18となる。その後は#9高久、筑波大#4小松が決め合い、残り1分で27-27と振り出しに戻るが、その直後に筑波大#14山城に3ポイントシュートを決められ逆転される。残り30秒から#7末廣が3ポイントシュートを放つが外れ、27-30とする。 |
筑波大#5尾崎 |
筑波大・吉田ヘッドコーチ 「法政対策としては、#7末廣、#14山田の3ポイントシュート、そして#9高久のインサイドを抑えること。でも3つ全ては難しいから、とりあえず高久を止めようと臨みましたが、始まってみると外のシュートが入らなかったですね。そこでヘルプ、ガードの走り込みを抑えることで高久に1on1しか出来ないようにさせた。4つ目のファールの時は(相当追い詰められていたはずなのに)ベンチは何故替えないのだろう?と思いましたね。でも退場になってからは逆に外を決められてしまいましたね。 オフェンスでは#14山城の3ポイントシュートが苦しいところで入ってくれた。前半で55得点というのは筑波では珍しいことでしたね。 2ガードは#7畑田が今日は出られなかったので、吉田を本来の2番で使いました。 明日の東海は、トーナメントでも当たったし互いに知り尽くしている相手。やるべきポイントを整理し直して臨みます。普通には、やりませんよ…(笑)」 |
筑波大・#4小松選手 法政大のキーマン高久とマッチアップ。“我慢比べ”を制した。攻めてはアシストを量産、終盤は自らの1on1で勝利を呼び込んだ。 「うちは誰か跳びぬけた選手がいるわけではないので、ディフェンス、リバウンド、ルーズボールを最後まで頑張りました。今日のディフェンスのポイントは法政の#9高久、末廣を抑えること。#7末廣は#16木村がよく抑えていたと思います。高久には前半で20点くらい取られてしまったけれど、ヘッドコーチに“でも40点、50点取るような選手じゃないから”と励まされました。なので退場してくれたときは、“これで勝てる”と正直思いましたね。実際リバウンドも取りやすくなったし、攻めやすくなった。オフェンスでは、ドリブルで詰まるとリズムが良くないので、パスで展開することを心掛けました。個人的には、高久がディフェンス苦手だから(笑)、そこを攻めようと思っていました。 明日は決勝。ここまで来られたのは、平成ではないみたいですね(1988年以来)!東海には去年、ベスト8をかけたところで負けているんですよね。 明日もいつも練習でやっていることを試合でもやりたいです。このチームは1人1人が自覚を持っています。筑波らしく、地道に頑張ります。」 |
<第44回関東大学バスケットボール新人戦 準決勝> 6月19日(土) 会場:代々木第2体育館
スターティングメンバー 東海大:#4石崎、#5阿部、#6内海、#7井上、#8松山 日体大:#5高田、#6瀬木、#7松本、#8田中、#10樋本 |
東海大は、日体大の運びをカットし#7井上のダンク、#6内海の速攻と残り6分30秒10-2と先手を取る。日体大の1on1をはやいヘルプで追い込み、#5高田にも外からのシュートしか打たせない。その後どちらもシュートが外れるが第1クォーター終盤に#6内海のフリースロー、ブザービーターで19−6とリードする。 第2クォーターは、日体大に2本の3ポイントシュートを決められ22−12になるが、#15小林のバスケットカウントで流れを渡さない。守っても1on1を速いカバーで中に入らせず、3ポイントシュートをチェックしてそのリバウンドを速攻につなげ残り4分には33−18となる。この後日体大#9田中に3ポイントシュートを決められ残り2分37−24となるが、代わったばかりの#18西垣が決め返す。前半終了間際に#4石崎が速攻のレイアップを決めて42−28と大量リードする。 第3クォーターも日体大に無理なシュートを打たせて残り7分49−30と引き離す。この後3ポイントシュートを連続で決めてお株を奪い、残り3分60−33とする。63−38で迎えた第4クォーターも日体大の持ち味を消し、日体大#6瀬木に何度も3ポイントシュートをエアーさせる。スタートメンバーを休ませる余裕を見せ、残り6分#14淵上のバスケットカウントで74−42と30点差。日体大の運びでトラップを掛けてそれをレイアップにつなげ、残り3分には84−43と40点差とし、そのまま88−48で押し切った。 |
東海大#7井上のリバウンド |
『2つの顔のルーキー』 東海大#15小林慎太郎は、普段はお茶目なキャラクター。いつも積極的に声を出し、先輩からもよくちょっかいを出されている。しかし、18日の準々決勝のハーフタイム、コートの外の廊下を1人走っていた小林の顔は別人だった。こわばっていたのか、集中していたのか。ただいつもの笑顔からは想像できないほど厳しい表情をしていた。 「走っていたのは陸川監督に“準備しとけ”って言われていたからです。動いておかないといきなり入るのは不安があったので。結局昨日は出ませんでしたけど、流れやタイミングがありますからね。昨日起用された#18西垣の持ち味はシュートなのに対して、自分はディフェンス。昨日は点が欲しくて、今日は守りたかったんでしょう。今日は出てす |
ぐシュートも決められたしスティールもいくつか出来たし、持ち味を存分に発揮できたと思います。」 そのせいか、コートを走る小林にはいつもの笑顔に戻っていた。 「いや、がらにもなくすごく緊張していたんですが、先輩が盛り上げてくれたんですよ。」 その先輩の後押しを受け、試合終盤では司令塔も任された。 「オフェンスではカットインもシュートもバランス良く、というのを求められています。そう、#4石崎さんみたいな感じになって欲しいんだなって感じます。もちろん少しでも近づけるようにしていますが、でも同じことをする必要もない。元気さ、盛り上げ、その中で司令塔を務められたらいいなと思います。練習ではいつも石崎さんと1on1とか組まされて、勉強になっていますよ。 ディフェンスでは、“気付き”に気を付けています。相手が苦手なところに気付いてそこに追い込むとか。そのために、周りを見て情報収集することを怠りません」 いいディフェンスをするには、その情報収集に加えて地道でつらい練習を要する。それをあえて売りにするのは、ある気持ちを秘めているからだ。 「自分は能力が高いわけじゃない。だから“気持ち”を大事にしています。声を出すことやルーズボール、自分にはそれしかないんです。うまいわけじゃないのにコートに立てるのはそこを見てくれている人がいるからだと思うし、それに応えたい。 (出身の小林高校は3年時全国大会出場なしのため)自分のことを知っている人は少ないかもしれないけれど、無名だから下手とか有名だから上手とかないと思うんです。そのレッテルみたいなものを剥がせたらなと思います。」 明日の決勝戦では、きっと同じ気持ちでプレーしてきた小林高の同級生・吉田周平のいる筑波大とあたる。 「もちろんコートに立ちたいけれど、立てないときもある。力がないから。力があったとしても出られなければ力がないのと同じなんです。そういう時は、ベンチから声を出すこと、それから流れが悪いときにどこが悪いかをアドバイスしてあげられたらと思います。そして出られたら、必死さを見て欲しいですね。 筑波には、この前のトーナメントで負けている。自分は1人だけメンバーに入っていてその悔しさを経験しているので、是非倒したいです。」 その試合が終わった時、“東海に小林がいる”そう思わせるようなプレーが見たい。 |
<第44回関東大学バスケットボール新人戦5-8位決定戦> 6月19日(土) 会場:代々木第2体育館
スターティングメンバー 専修大:#6勝久、#7五十嵐、#11横村、#12田中、#13喜多川 早稲田大:#4岩隈、#14風間、#18菅川、#20近森、#21前川 |
立ち上がりはどちらも点が入らない状態だが、早稲田大は#4岩隈、#20近森が得点する。だが専修大にインサイドでの得点を許し、残り4分8−7となる。残り3分30秒、司令塔#21前川が2つ目のファールで#17木下と代わると少し落ち着き、第1クォーターを20−13とする。 第2クォーターはその#17木下がアシストを量産し、#14風間らが気持ちよくシュートを決めて残り5分34−21とする。その後専修大#9浅野の1on1などでじりじり詰められ、残り7秒で専修大#5松本の3ポイントシュートで39−34となるが、リードを保って折り返す。 第3クォーター立ち上がりは一転決め合いとなり譲らないが、インサイドでリバウンドシュートなどを決められ、残り6分専修大#13喜多川のゴール下で43−44とついに逆転を許す。だが#4岩隈のスローインからの3ポイントシュートで48−46とすると、3ファールの#21前川に代わっていた#17木下が連続で3ポイントシュートを決め、56−48と再び突き放し、このクォーターを60−52とする。 最終クォーターは、#20近森にボールを集め、#18菅川がリバウンドに絡んでこれをフォローし、バスケットカウントを奪い65−52とする。するとディフェンスでもインサイドの得点を許さなくなり、専修大にマークの外れていない1on1、無理な3ポイントシュートを打たせ残り5分69−54とする。その後もディフェンスで集中し#4岩隈の速攻、#18菅川の3ポイントシュートブロックなどで残り1分30秒75−64とリードを保つ。最後はファールゲームのフリースローを決め、専修大の3ポイントシュートを抑えて85−67で勝利した。 |
早稲田大#18菅川 |
<第44回関東大学バスケットボール新人戦 5-8位決定戦> 6月19日(土) 会場:代々木第2体育館
スターティングメンバー 日本大:#4菊池、#5太田 、#9小野寺、#10香野、#15齋藤 拓殖大:#4長谷川、#6仲村、#7猪崎、#9宇田、#12佐久間 |
拓殖大は、この大会初めてスタートに起用した#9宇田の得点などで残り7分4−4とついていくが、日大#4菊地に連続得点を許し4−12とされる。#4長谷川が3ポイントシュートを決めるのが精一杯で、タイムアウトを取るも日大#4菊地のドライブ、#5太田のインサイドを抑えられず、残り2分9−20となる。第1クォーターのこり3秒で#日大15齋藤にドライブも決められいきなり12−26と劣勢に立つ。 第2クォーターも頻繁に1・2番プレイヤーを交代するがオフェンスのリズムを作れない。日大のシュートも落ち残り5分16−33となる。この後ディフェンスから速攻が出て20−33まで詰めるが、残り2分から日大に連続得点を許し21−41と20点差。前半を22−43と苦しくなる。 後半巻き返したいが、日大#4菊地のドライブ、#5太田のバスケットカウントで開始1分で22−49となる。この後日大#4菊地に3連続得点を許し22−54と早々と30点差がつく。#14小下のドライブで残り7分後半最初の得点を入れるが、日大#5太田に速攻でのダンクを許すなど勢いを止められず、24−59となる。しかしこの後#15柳澤、#4長谷川のポイントシュートブロックが決まり、さらにファールで得たフリースローをきっちり決め残り2分38−64まで詰める。第3クォーター残りは入れ合いとなり、41−69とする。 第4クォーターは、日大#4菊池・#5太田の得点に対し#4長谷川・#9宇田の得点で対抗し、残り3分#4長谷川の1on1で53−78とする。だがこの後はフリースローの得点にとどまり、日大#21松本に連続得点を許して56−88と大差で敗れた。 |
<取材・文 北村美夏> |