<第14回全国高校定時制・通信制バスケットボール大会>
<第14回全国高校定時制・通信制バスケットボール大会> |
7月29日〜8月1日、東京体育館で、第14回全国高校定時制・通信制バスケットボール大会が行われた。
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全国高校定時・通信制って? 「働き、勉強もしながらでもバスケットをやっている子に、輝かしい場所をつくってあげたいという思いから始まりました。働きながらなので体力的にきつかったり、なかなか集まれなかったりしますが、全日制で合わなかった子も、のびのびできるのが特色です。出場校には、県内に定時・通信のバスケット部が1、2個しかないところと、東京のように何十校かの代表と様々なので、1回戦ではやや差が付いてしまいますが、準決勝・決勝に残るチームの選手は全日でも通用する子ばかりです。登録は4年間のみですが、全日で日の目を見る事が出来なかった子にスポットを当てられる大会です。」(望月啓孝事務局長) |
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<第14回全国高校定時制・通信制バスケットボール大会 女子4回戦> 7月31日(土) 会場:東京体育館
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第1クォーター、札幌は秋田東の高さを生かしたオフェンスに苦しむが、センターへのパスを読んでカットし速攻につなげ、17-18とついていく。 第2クォーターはエース#4のミドル・ロングシュートが入らず、17-22と得点が止まるが、1年生の#11の3ポイントシュートが決まり、残り7分20-24とする。さらに1-2-2トラップディフェンスを仕掛けて秋田東を焦らせ、残り4分23-24とじりじりと差を詰める。だが、秋田東がディフェンスをゾーンからマンツーマンにすると攻めあぐむ。どちらもシュートが入らない展開となるが、高さに分のある秋田東にゴール下での得点を許す。札幌は#6が残り1分にミドルシュートを決めるのが精一杯で、25-32で折り返す。 第3クォーターは、秋田東に落ち着いてじっくり攻められ、残り3分15秒には35-44と差が開く。だが、#4のシュート、さらに速攻で得たフリースローで39-46とくらいつく。さらに秋田東の速攻ミスのリバウンドファールでで退場者が出て、流れは札幌へ。#9が速攻でレイアップを決め、残り2分15秒41-46として秋田東にタイムアウトを取らせる。あけた後も面取りで#9が秋田東のセンターを退場させ、そのフリースローをきっちり決めて43-46とする。さらに秋田東のロングパスミスから#11、リバウンドから#11、#4が同点の3ポイントシュートを狙うがこれは入らない。そのうちに残り1分から秋田東に連続得点され、43-50として最終クォーターへ。 |
追い上げを呼び込んだ 札幌#9のリバウンドシュート |
第4クォーターは第3クォーターの流れを維持し、#9がゴール下の1on1でバスケットカウントを得る。フリースローは外れるが、#4がリバウンドしてフリーの#11へ。3ポイントシュートは外れたが、#9がリバウンドシュートで再びバスケットカウントを得て、開始10秒で47-50まで追い上げる。そのフリースローは外れたが、自らリバウンドを取り、最終的には#9自身が決めて49-50とする。さらに焦った秋田東のスローインを#4がカットし、#9が決めて残り8分50秒51-50と一気に逆転する。だが秋田東にすぐさまゴール下シュートを返される。札幌は#11の3ポイントシュートがこないが、秋田東の速攻パスミスに助けられる。さらに#9にダブルチーム、#11へのパスをカットと読まれ始め、50-55と少しずつ離される。しかし#4がナンバープレイでアシストに徹し、速攻でもラストパスを出して追い上げ、残り5分20秒には自らの速攻で56-55とする。その後どちらもルーズボールやリバウンドに粘って取り合う展開となり、残り2分40秒でも58-59と譲らない。ここから、札幌#9がゴール下で囲まれながらも粘り、フリースローのチャンスを得るが、4本中1本しか決められない。だが秋田東もフリースローのチャンスを2投とも落とす。だが札幌は次のオフェンスで24秒ぎりぎりまでシュートに行けず、#7の3ポイントシュートは外れる。次のディフェンスでは何とか止めるも、リバウンドのルーズボールがラインを割って再び秋田東ボールとなり、#7にゴール下シュートを決められ59-61とされて残り1分を切る。札幌は#4が3ポイントシュートを狙うも外れるが、リバウンドのボールが外に出て再び札幌ボールのエンドスローイン。#11が3ポイントシュートを狙うも外れるが、リバウンドが#6に出て、再び託された#11が今度はきっちりと決め残り20秒で62-61と逆転する。だが秋田東#4からパスを受けた#7にフリーでバックシュートを決められ、62-63で残り7秒。札幌は#4が運んできてそのまま3ポイントシュートを放つが、惜しくもリングに当たって跳ね返り、追い上げは一歩及ばなかった。 |
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オフィシャルのミスで得点表示が2点差になった。最後のシュートを託された#4眞鍋は、3ポイントシュートを狙ったがボールはリングに当たって跳ね返った。1点差の敗北。号泣するチームメートを、眞鍋は自らも涙を流しながらも気丈になぐさめていた。 「得点は表示を見てあれっと思ったんですけど、1点差と知っていました。最後のシュートは入れたかったですけどね…。 一昨年は自分と7番と9番の3人になってしまったこともありましたが、今年はいい1年生が7人入ってきてくれて、この舞台に立つことが出来ました。9番の子は留年して3年生なんですけど、4年目なんですよ。ただ、このチームは4月からで時間が短く、ディフェンスしか練習できなかったので、今日の相手のようにプレスに対応されてしまうと、最後はオフェンスの差が出てしまいました。自分は経験者で、周りをどれだけ機能させられるかがポイントだったんですが、もともとはポイントガードじゃないし、難しかったですね。でもディフェンス |
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は今日が一番いい出来でしたよ!満足しています。出来れば、先輩が出した3位っていう成績を越えたかったんですけど、越せませんでしたね。 後輩達には、仲間を生かせるプレーが出来るようになって欲しいですね。それから、定時制は、すぐ辞めてしまってそれでチームが崩れて…ということがありがちなので、精神的に強いチームになって欲しいですね。」 試合中は厳しい顔つきで仲間に声を掛けていたが、一度コートを出ると、明るい、高校生の顔になった。 |
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<第14回全国高校定時制・通信制バスケットボール大会 男子4回戦> 7月31日(土) 会場:東京体育館
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第1クォーターは、船江の積極的なゾーンディフェンスが効き、6-11と前年度優勝の湘南をわずか11点に抑える。 第2クォーターもついていき、ディフェンスからの速攻で10-13とする。だが高さに劣る船江はファールがかさみ、センターへのパスをカットしようとした#10が残り8分にしてファールアウトしてしまう。だが湘南のイージーミスに助けられ、速攻・フリースローで差を詰め、残り5分30秒16-16と同点に追いつく。この後チームファールによるフリースローを与えて16-20となるが、湘南のセンター#8のゴール下シュートミス速攻につなげ、#4のリバウンドシュート、さらに3ポイントシュートで21-21と再び追い付く。ここで#11が負傷退場となるが、交代メンバーが踏ん張り、#7の3ポイントシュートで残り2分21-24と逆転する。この後の湘南の得点を#8の合わせのゴール下のみに抑え、#4が速攻で得たフリースローを、さらに残り6秒でのスローインから#7が3ポイントシュートを決め、28-23とリードして折り返す。 第3クォーターはインサイドで1本ずつ詰められ、残り5分30秒32-33となる。さらに湘南#9の連続得点で32-38、さらにはパスミスから#5に速攻を決められ残り4分32-40とされてタイムアウトを取る。その後は#6のカットイン、#7のパスアウ |
タイムアップとなり座り込む船江#4 |
トから#8のミドルシュートが決まり36-40とするが、連続得点を許し36-44となる。だが#7が3ポイントシュートを決めると、#7のパスを受けた#9もコーナーから3ポイントシュートを決め、残り1分42-44とする。さらに#7がカットインを狙うが、これはオフェンスファールを取られ42-44で終える。 第4クォーター、 最初のオフェンスで粘り、#7のカットインから#9が合わせて同点とする。この後インサイドでやられてきた湘南#8がオフェンスファールでファールアウトし、さらに湘南#4のミスが続いたのに乗じて、#9がカットインを決め46-44と逆転する。この後なかなか決められなくなるが、すぐにディフェンスの戻って耐える。だが残り5分30秒から、続けてオフェンスリバウンドを取られ、最後はフリースローを与えるパターンで46-47と再逆転される。だが#7がトップから3ポイントシュートを決めて残り4分49-47。だがすぐさま湘南#4に決め返される。だが#4がディフェンスの裏を取ってレイアップを決めて残り3分51-50と譲らない。残り2分湘南#4のゴール下シュートで51-52となり、#7の3ポイントシュートは外れる。そのリバウンドを粘るが、最後はパスカットから速攻されるが、レイアップを外してくれて救われる。さらに#4のコーナーからの3ポイントシュートをブロックされるが、スローインから#9がカットインを決めて53-52。だが次のディフェンスでは湘南のインサイドの合わせをファールでしか止められず、#10にフリースローを1投決められてしまい、残り1分15秒で53-53。#8がゴール下シュートを狙うが、3枚に囲まれ打てず、それを湘南#9の合わせのシュートにつなげられ53-55で残り50秒。#7は湘南#5のプレッシャーに合いシュートが打てないが、フリーの#6に渡す。ミドルシュートは外れるが、#8がリバウンドシュートでファールを得る。だがこのフリースローを1投しか決められず、54-55で残り22秒。ボールを回され時間を使われるが、湘南にパスミスが出て5秒が残される。タイムアウト後、その5秒を#7に託すが、ダブルチームを当てられてそれをかわすも無理な体勢のロングシュートとなり、ボールはボードに当たって54-55で敗れた。 |
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県立船江・渡辺一弥監督 試合中初めから終わりまで大きな声を出し続け、終了後にガラガラの声で湘南の生徒にエールを送った。 「練習や試合で気を付けていることは、怪我をしない、させないということです。皆昼に働いているやつばかりですからね。皆で話し合って、出来ることを頑張ってきました。今日は…去年のチャンピオンと当たれただけで、十分だと思いますよ。いい勉強になったと思います。新潟、そして全国のバスケット関係者のおかげでここに来られたので、皆さんに感謝したいです。」 |
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県立湘南のゾーンに対し、#7細川の3ポイントシュートが効いた。スタンドに戻ると、皆タオルで顔を隠して泣いた。 「最後のシュートは外れてしまって悔しい。去年は3回戦負けでしたが、今年のチームはまとまっていて、優勝を狙う気持ちで来ていたので…悔しい。 今日は、相手(昨年度優勝校)のことは考えず、自分達のバスケットをやっていこうと臨みました。皆頑張ったと思います。自分のシュートは…皆のおかげです。 自分は、中学の時からあまり学校に行っていなかったのですが、バスケットだけはすごく好きで、新潟で強いチームだと聞いていたのでこの学校を選びました。ここに来て良かったです。来年また来て、優勝を狙います。」 受け答えはしっかりとした、社会人の口調。強気のプレーが出来たのは、仲間を信頼しているからだった。 |
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札幌星園を応援 |
県立湘南(通)はスタンドにも部員がたくさん |
<第14回全国高校定時制・通信制バスケットボール大会 男子> 7月29日〜8月1日 会場:東京体育館
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新宿山吹-鳥城(男子) 追いかける鳥城#4のリバウンド |
博多青松-佐世保中央(女子) 青松#5と佐世保#5の1on1 |
静岡中央-鳴滝(男子) 昨年準優勝の雪辱を狙う静岡#8 |
<第14回全国高校定時制・通信制バスケットボール大会 女子> 7月29日〜8月1日 会場:東京体育館
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<取材・文 北村美夏> |
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