<男子代表国際試合>

8月11日、東京の代々木第2体育館で、男子代表国際試合3戦目最終戦が行われた。

チャイニーズ・タイペイSBL優勝チームユーロン(裕隆)・ディノスとの2戦目は、後半突き放し、通算3勝1敗とした。

男子代表は、 12日にユーロンと練習試合を行い、今年度の活動を終える。


<男子代表国際試合>
8月11日(水) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
67
19
1st
22
92
ユーロン・ディノス

13

2nd
17
日本
16
3rd
26
19
4th
27


スターティングメンバー
日本:#8柏木・#10竹内公・#11網野・#12渡邉・#14伊藤
ユーロン:#3チェンシンアン・#4チェンウェンティン・#5ツェン チィ チュン・#6リィショウリン・#15チョウシユアン

第1クォーター、日本はユーロンにゾーンディフェンスをぶつけられ、昨日に引き続き攻めあぐむ。だがユーロンのシュートも落ち、開始3分でも2-2。その後、スタートで起用された#14伊藤が、積極的に攻めてユーロン#4から3つのファールを奪うなどフリースローでつなぐが、ユーロン#6らに3ポイントシュートを決められ一進一退となる。日本は要所で#12渡辺が決めて、22-19とわずかにリードする。

第2クォーター、 ゴール下での当たりが激しくなり、#14伊藤がユーロン#4から4つ目のファールを奪い、その直後にユーロン#3とダブルファールになる。さらにユーロン#3は続けてオフェンスファールを取られ、4ファールとなってベンチに退かざるを得なくなる。その合間に#15竹内譲がロングシュートを決めて26-21とするが、ユーロン#15の連続3ポイントシュートで28-27と引き離せない。だがすぐに#7五十嵐が決め返し、#12渡辺も24秒クロックぎりぎりで3ポイントシュートを決める。残り30秒、ユーロン#51がフリースローを2投とも外してしまったのに対し、日本は#15竹内譲が残り時間ゼロでのファールによるフリースローを2投とも決め、39-32で折り返す。

第3クォーター、 #7五十嵐のロングシュートで41-32とする。さらに残り8分30秒、#12渡辺のカットインのヘルプに出たユーロン#4がブロッキングを取られ、ファールアウトとなると日本ペースになる。#13古田のバスケットカウントなどで得点し、ユーロンのゾーンディフェンスにもうまくパスを回して#15竹内譲がミドルシュートを決め49-32とする。その後どちらもファールがかさみ、チームファールによるものも含めフリースローが多くなる。残り3分、#4に代わったユーロン#51も#13古田へのファールでファールアウトとなり、そのフリースローが2投とも決まって58-37と20点差となる。その後ユーロンに続けて3ポイントシュートを決められるも、65-48と差を広げて最終クォーターへ。

第4クォーター序盤は互角の展開となり、残り6分73-55と点差は変わらない。ユーロンが#3の1on1頼みになるのに対し、日本は#7五十嵐・#8柏木コンビが速い展開を作り、残り2分30秒86-61と差を広げる。ここでコートに入った#17菅谷もリバウンドタップシュートを決めるなどのびのびとプレーし、そのまま92-67で公式最終戦を勝利で飾った。


リバウンドを争う竹内譲

ゴール下で身体を張る古田

調子が戻ってきた柏木のカットイン

ユーロン・ディノス リィ ユンクンAコーチ
「昨日までの試合をふまえ、日本の4番ポジションの選手がスピードが遅い事がわかったので、あえて小さくてもスピードのある選手をぶつけました。今日は、ゾーンディフェンスを崩されなかったので良い試合でした。しかし、レフェリーのことなどあって、戦闘意欲を失くしてしまいました。全体を通しては、我々の欠点を見直せた試合でした。」

#3チェンシンアン選手
「動き、精神的にも今日は良かったと思います。日本はこれまでと比べてチームディフェンスが良くなっていると思いました。」

日本代表 ジェリコ・パブリセヴィッチヘッドコーチ
「今日で5試合連続の試合でしたが、皆良くやってくれました。今日は、昨日の負けがあったのでユーロンの選手にプライドが見られました。ゾーンディフェンスには手こずりましたが、古田が積極的に動いてくれて解決できました。また、竹内公輔、譲次が良いディフェンスをしました。
内容は厳しかったかもしれませんが、点差は昨日と同じ。これが選手の力です。コンスタントにプレーできることを示しました。その後ろには長く厳しい4ヶ月の練習がありました。世界でもこんなに強化活動が出来るチームはありません。そして、選手が全力で頑張ったからこそ、ここまで成長しました。しかし、このチームには、キャプテンで最年長の古田も含め、まだ多くの可能性があります。このチームを土台に、2006年により良いチームが出来る自信が付いてきました。
06年に向かっては、90%が計画通りです。今年、山田(大治:トヨタ自動車)にもいて欲しかったが、怪我をしてしまいました。また、太田(敦也:日大)、加藤(吉宗:トヨタ自動車)も見たかったのですが、それぞれの事情で参加できませんでした。しかし、今年の合宿・ゲームを通して、竹内兄弟・桜井・柏木を見る事が出来、五十嵐・網野・渡邉などの若い選手でチームの中心部が出来てきています。5、7、10年努力し続ければ、代表でプレーできる真面目さ、アンビションがあります。去年の不満足が解決され、今年は良いシーズンを送る事が出来ました。」

#13古田選手
「今日は、やられているイメージがありましたが、それでも70点以下に抑えられたのがこのチームのいいところだと思います。今年は自分自身、またチームにとっても、とても良いシーズンでした。このチームはまとまっていて、自分は11年間代表を務めてきましたが、その中で一番良いチームです。今まで通り一生懸命頑張れば、もっと成長できるでしょう。自分はトシ(33歳)ですが、成長したいからやっているし、若い選手はもっと成長できると思うので、それぞれのチームでも頑張ってほしいです。そうしてまた4月に集まった時、それを発揮出来ればと思います。」

#12渡邉選手
「相手のゾーンに少し手こずりましたが、その反省をプラスにつなげられればなと思います。代表の活動は終わりますが、それぞれ学生リーグ、JBLで活躍して、また来年いい活動が出来たらと思います。1人1人弱点はあると思うので、それを改善してきたいですね。来年、また新しい選手が入ってくるかもしれませんが、2年間ほぼ同じメンバーでやったので、複雑ではあるけれど、チームに馴染める人なら、まだ入っていない選手の中にも良い選手がたくさんいるので、歓迎したいと思います。」

#15竹内譲次選手
「昨日はシュートセレクションが良くなく、HCにも指摘されたので、今日は打つべきところで打つことを心がけました。ディフェンスでは、相手のエース#3につきましたが、ドライブが多いのでそれに警戒していました。チームディフェンスでヘルプなどしてもらえたので守れたと思います。
代表では、特にディフェンスのことを良く言われたので、大学でも力を入れてやっていきたいと思います。チームとしては、いつも古田キャプテンが精神的支柱となってチームを支えてくれていますが、いなくてもプレーを引っ張って行けるようになれればと思います。」

<取材・文 北村美夏>
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