<第1回スタンコビッチカップ>

11月26日スタンコビッチカップ第6日目、日本は5−8決定戦の1戦目となるクウェートとの試合を行った。相手のゾーンディフェンスに苦しみながらも粘り強くプレーし、クウェートに勝利した。明日27日の5位を賭けインドと戦う。

また、上位リーグは韓国がシリアに勝ち、カタールがチャイニーズ・タイペイに勝利し決勝進出を決めた。
明日の対戦は、7位決定戦がクウェートvsフィリピン、5位決定戦が日本vsインド、3位決定戦がチャイニーズ・タイペイvsシリア、決勝が韓国vsカタールとなった。

写真:ゲーム終盤に見せた#10竹内公のダンク


<第1回スタンコビッチカップ 5-8位決定戦>
11月26日(金) 会場:台北市立体育学院体育館

TEAM
 



 
TEAM
61
24
1st
11
48
 
日本
11
2nd
13
クウェート

(Bグループ3位)

14
3rd
15
(Aグループ4位)
12
4th
9
 


スターティングメンバー
日本:#7五十嵐・#9仲村・#10竹内公・#11網野・#13古田
カタール:#5Rowa・#12Ru・#13Robah・#14Mohamma・#15Mubarak

第1クォーター序盤は両チームともなかなかシュートが決まらないが、日本は積極的な攻めでファールを誘い、フリースローからの得点で6−0とリードする。しかし、残り5分59秒に日本#7五十嵐が3個目のファールをしてしまう。他にもファールが込んできた日本は少しリズムを崩し始め、クウェートにフリースローやスチールからの速攻を与えてしまい、残り5分半には13−6となる。そこで日本は#9仲村・#11網野がチームオフェンスを引っ張りとく得点につなげ、残り5分6秒には16−6とする。そこからしばらくどちらも攻めのリズムが作れず、ターンオーバーやオフェンスファールを取られ、およそ3分間両チームとも無得点が続いた。タイムアウトでプレーの修正を行なうと日本は速さを活かした攻撃を展開し、#11網野の3ポイントシュートやディフェンスリバウンドからの速攻を決め、クウェートを引き離す。残り10秒にクウェート#10に3ポイントシュートを決められ、終了間際の残り3秒に得た速攻のチャンスも日本のシュートがはずれ、24−11と日本が13点リードして第1クォーターを終える。

第2クォーターも日本はディフェンスでのファールが続く。攻めてもクウェートのゾーンディフェンスに苦しみ、開始からおよそ4分間フリースローの1点のみの得点にとどまる。しかし残り6分4秒、日本は#4柏倉の粘り強いオフェンスのリードからようやくこのクォーター初のフィールドゴールを上げ、27−11とする。5分をきって日本は#14伊藤のインサイドを中心にオフェンスを展開し、#14伊藤がゴール下でファールを多くもらい、残り1分24秒には35−18とリードをひろげる。しかし、その後クウェート#13に3ポイントシュートを決められると、残り53秒の日本#14伊藤のフリースローは2本ともはずれ、終了間際にクウェート#6に3ポイントシュートを決められると、35−24とわずかにリードを縮められて前半を終える。

第3クォーター開始は日本#9仲村のミドルシュートで始まるも、その後クウェートに連続得点され、残り8分には37−30と7点差に詰められる。残り5分14秒には日本#11網野が4個目のファールでベンチに下がるが、日本は#7五十嵐・#8柏木が厳しいディフェンスから速さを活かした速攻を繰り出し、クウェートの追い上げムードを断ち切る。さらに終了間際に日本#10竹内公の豪快なダンクシュートも決まり、なんとかクウェートの追い上げをしのぎ49−39と10点リードで第3クォーターを終える。

第4クォーター序盤はクウェートにペースを握られる。ファールが込んでいる日本のディフェンスの隙をついてクウェート#15が1on1を仕掛けると、残り6分には51−45と6点差にまで迫られる。しかしここでクウェートのインサイド#5が立て続けにファールをし5ファールとなってベンチに下がり、さらに残り4分59秒にはクウェートのオフェンスを引っ張ってきた#10が5ファールでベンチに下がる。リズムの悪くなったクウェートに対し、日本はタイトなディフェンスと速さを活かしたオフェンスでゲームの流れをつかむと、#13古田・#10竹内公が得点を重ね、守っては終了までの6分あまりをクウェート#15の3ポイントシュート1本に抑え61−48で日本が勝利し、5位決定戦に駒を進めた


堅実な攻守でチームに貢献#9仲村

粘り強いプレーを見せる#4柏倉

積極的なオフェンスを組み立てる#8柏木

日本 パブリセビッチヘッドコーチ
「今日はとても厳しい試合でした。チームの準備が十分でないことがひびきました。クウェートは我々の速さを怖がって、とてもゆっくりとしたペースでゲームを進めてきました。そして第2クォーターからはディフェンスにゾーンを持ってきて我々を苦しめました。しかし、我々は我慢してプレーを続けることで勝利することができました。今日は残念ながら何人かの若手がチームに貢献できませんでした。そのためチームにいいリズムが作り出せませんでしたね。しかし、経験としてはいいゲームだったと思います。我々は我慢してゲームをすることを学びました。
明日のインド戦は我々にとってとても難しい試合になります。インドは韓国にも勝っていますし、4人の2mを超える選手がいる。さらに#14ロビンソンは得点王になる勢いです。しかし、我々が自分たちらしいプレーができれば、決して負けることはないはずです。ポイントはリバウンドになるでしょう。」

日本 #4柏倉選手
「自分はつなぎの役目としてできることをやるだけです。今日は相手のゾーンディフェンスにてこずってしまいましたが、PGとしてパスを的確に裁いていくこと、スペースを広げることを意識してプレーしました。もっとドライブとかも使っていかないといけないのですが、それがなかなか上手くできなかったですね。少しオフェンスが止まるような時は意識してドライブに行くなど積極的に自分が行くようにしました。途中両チームとも熱くなる時間がありましたが、自分は熱くなるのはいいと思っています。でもなり過ぎないように声をかけるなどして気をつけましたね。ディフェンスは決して悪くなかったと思います。相手に楽に点を取らせてはいなかったので。
明日のインド戦もディフェンスが大切になりますから、頑張ります。」

日本 #10竹内公選手
「今日のダンクはこの大会では初めてでしたね。ようやく調子が戻ってきたように思います。自分のとりえはリバウンドですから試合ではいつもリバウンドだけは負けないように考えてます。今日はちょっと手が触れるとファールを取られていたので大変でした。明日のインド戦はリバウンドが鍵になると思いますのでがんばります。」


 この試合は両チームともレフリングに悩まされた感があるが、日本はファールが込んでも集中を切らさず、粘り強くゲームを進めることができていた。ゾーンディフェンスに対してはまだまだ課題は残るものの、少しずつ選手たち自身で打開する術を切り開いているように見える。また、日本の“速さ”は群を抜いており、その速さを活かした自分たちのペースに如何にもっていけるかが重要になってくる。今日は相手チームが日本の速い展開を避け、ゆっくりとしたペースで展開してきたが、こういうときこそディフェンスでのプレッシャーとリバウンドが重要になってくると改めて感じた。
(渡辺美香)

<第1回スタンコビッチカップ 決勝トーナメント>
11月26日(金) 会場:台北市立体育学院体育館

TEAM
 



 
TEAM
82
24
1st
14
88
シリア
20
2nd
27
韓国
(Bグループ1位)
16
3rd
26
(Aグループ2位))
22
4th
21




<第1回スタンコビッチカップ 決勝トーナメント>
11月26日(金) 会場:台北市立体育学院体育館

TEAM
 



 
TEAM
49
8
1st
15
71
チャイニーズ・タイペイ
15
2nd
15
カタール
(Aグループ1位))
7
3rd
9
(Bグループ2位))
19
4th
32




<第1回スタンコビッチカップ 決勝トーナメント>
11月26日(金) 会場:台北市立体育学院体育館

TEAM
 



 
TEAM
111
25
1st
19
93
インド
27
2nd
17
フィリピン
(Aグループ3位))
25
3rd
29
(Bグループ4位))
34
4th
28


<取材・文 渡辺美香>

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