<平成16年度関東実業団バスケットボール選手権大会>
<平成16年度関東実業団バスケットボール選手権大会> |
11月3日(祝)は駒澤体育館で男子3回戦が行われ、ベスト8が出揃った。 東京大会では8位で終わった黒田電気がシードの東京電力(東京7位)に勝利し、さらに、全国大会でも常に上位に入っている千葉バジャーズ(千葉1位)がクラヤ三星堂(東京10位)に敗れる波乱があった。 この3回戦を勝利した8チームはこれで全国大会への切符を手に入れた。また、ここで敗れた8チームは11月20・21日の敗者復活(9〜11位順位決定)戦に全国大会出場をかけて臨む事になる。 写真:千葉バジャーズに競り勝ったクラヤ三星堂 |
また、女子はこの日同じく駒澤体育館で1回戦の4試合のうちの3試合が行われた。 |
<平成16年度関東実業団バスケットボール選手権大会> 11月3日(水・祝) 会場:駒澤体育館
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要所で3Pを決め、チームに流れをもたらしたクラヤ三星堂#8才ノ元 |
第4クォーター序盤から千葉バジャーズの勢いのある攻撃に連続得点を許し、残り7分46秒には53−54とリードを奪われるが、相変わらず好調のクラヤ三星堂#13篠崎がミドルシュートを2本連続で決め、57−54と逆転する。しかし、残り3分半に千葉バジャーズ#17井村に3ポイントシュートを決められると、さらに#15エフラムに積極的に攻められ、残り2分3秒、61−62とまたもや逆転され、タイムアウトを取る。その後クラヤ三星堂#15渡辺がドライブインからファールをもらい、そのフリースローをきっちり決めると、続けてまたもや#15渡辺がドライブインからバスケットカウントを決める。このフリースローは外れるもクラヤ三星堂がリバウンドを取り、#6佐藤のミドルシュートにつなげ、67−62とリードする。千葉バジャーズ#!5エフラムにスチールからの速攻を許し67−66と1点差とされると、残り29.2秒クラヤ三星堂#15渡辺がまたもやドライブインからバスケットカウントとフリースローを決め、なんとかつなぐ。残り10秒をきって、千葉バジャーズ#15エフラムに決められてしまい、70−70と同点とされるが、最後の攻撃を積極的にゴール下に運び、#6佐藤のブザービーターとなるゴール下のシュートが決まり、72−70とクラヤ三星堂がわずか2点のリードで勝利し、初のベスト8を決めた。
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クラヤ三星堂・吉野健児コーチ 「今日は相手が格上のチームなので、チャレンジャーの気持ちで臨みました。#8才ノ元と#15渡辺はチームのオフェンスの中と外の要なのですが、年齢的なこともあり40分通しての活躍はなかなか難しいです。なのでこの2人のプレータイムの配分がとても重要になってきます。今日のように2人ともが活躍してくれる時は珍しいですね。#13篠崎は大学時代は全くミドルシュートは打てなかったし、大学では必要とされていませんでした。今日は本当によく決まりましたが、これはいつもではないですね。どちらかというと悪いほうが多いです。今日は神がかっていましたね(笑)。また、千葉バジャーズは#5太田がキープレーヤーだと思っていたのですが、速い時間帯で3ファールとなりベンチに下がってくれたのが助かりました。今日は先に上げた3人のみでなく、みんな1人1人がしっかり自分の仕事をしてくれました。うちはわりと能力の高い選手が揃っているので、控えの選手たちでもあまりレベルが変わらずやれます。なので40分間を同じレベルで戦うことができるのです。残り1分あたりのタイムアウトでは選手たちはみな「負けて元々だ」と言ってベンチを出て行きました。そういうチャレンジャーの気持ちがいい結果につながったのだと思います。 これで全国大会が決まりましたが、これは3年ぶりですね。4年前には2回目の出場で全国でベスト8に入ったんですよ。でもあれからメンバーはそれほど変わっていないのにずっと勝てなくなっていました。今回ようやく勝てましたね。それにベスト8入りで全国大会を決めたのははじめてなんですよ。正直次(準々決勝)を考えていなかったので、今のミーティングで「次はどこですか?」と聞かれて組み合わせ表を見ないとわかりませんでした(笑)。 このチームは1度下り坂をずっと下まで下ったので、これからは上向いていきたいですね。もっとチームとして強くなっていかないといけない。残りの試合は上に挑戦して、どこまで頑張ってできるかというような、自分たちの力を試していくようにしていきたいです。」 |
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<EDITOR'S VOICE>
クラヤ三星堂は前半流れが変わりそうなところで#8才ノ元の3ポイントシュートが効果的に決まり、リードを保つことができた。また後半は#13篠原、さらに終盤は#15渡辺と流れを作るプレーが出たことが勝利の要因だろう。また、ベンチからの声もよく出ており、チーム自体に勢いがあったように思えた。 千葉バジャーズは出だしクラヤ三星堂の勢いやファールトラブルから自分たちの ペースでゲームが展開できなかった。要所でのフリースローやシュートミスも最終的には響いたと思われる。第3クォーター1度もリードできなかったが、ここでもしリードを奪っていたら、その後の展開は変わっていたかもしれない。行けそうで行けないという、千葉バジャーズにとっはフラストレーションの溜まるゲームとなったように思う。 |
<平成16年度関東実業団バスケットボール選手権大会> 11月3日(水・祝) 会場:駒澤体育館
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スターティングメンバー 黒田電気:#4鈴木、#5屋良、#10新原、#11村岸、#14堀 東京電力:#4川上、#5阿部、#7新家、#8涌井、#17伴 第1クォーター、まず黒田電気#14堀がカットインからシュートを決める。すぐに東京電力#17伴にフリースローを2本とも決められるが、その後攻めきれない東京電力に対し、黒田電気は#11村岸がオフェンスリバウンドを決める。しかし、残り7分49秒に東京電力#7新家にドライブインからバスケットカウントを決められ、4−5と逆転される。すぐに黒田電気#4鈴木がローポストからの1on1で再びリードすると、残り7分13秒黒田電気#11村岸が得たフリースローを2本ともはずしてしまうが、そのリバウンドが黒田電気のボールとなり#10新原がミドルシュートを決め、8−5とリードする。残り6分42秒、黒田電気#11村岸が2個目のファールをしてしまいベンチにさがる。東京電力#7新家にそのフリースローを2本とも決められると、続けて東京電力#17伴にオフェンスリバウンドを決められ、8−9と再びリードされる。そこから交互に点を取り合うシーソーゲームとなるが、残り3分42秒黒田電気が連続得点し、18−15とわずかにリードする。残り39.4秒に東京電力#17伴にフリースローを2本とも決められると、その後の黒田電気の攻撃もシュートが決まらず、22−21で黒田電気がわずかに1点リードして第1クォーターを終える。 |
攻守に活躍した黒田電気#14堀 |
第2クォーター、ディフェンスを立て直した黒田電気はゲームのペースをつかみみ、残り5分43秒に黒田電気#14堀が1on1からミドルシュートを決め34−27として、東京電力にタイムアウトを取らせる。その後東京電力#8涌井に3ポイントシュートを決められるも単発で抑え、黒田電気は途中出場の#7藤本や#9斎藤の連続得点でさらにリードをひろげる。残り24.8秒に東京電力#17伴にフリースローを2本とも決められるが、43−33と黒田電気がリードを10点にひろげて前半を終える。
第3クォーター序盤は東京電力#17伴にカットインから得点されるが、黒田電気は#11村岸・#14堀の連続得点で一気にリードをひろげる。残り1分40秒にはその#11村岸が4個目の個人ファールをしてしまうが、流れは変わらない。このクォーターの東京電力の得点をわずか6点に抑え、66−39と黒田電気がさらにリードをひろげ、第3クォーターを終える。 第4クォーターも黒田電気の勢いは変わらない。東京電力に#5阿部・#17伴に得点されるも、黒田電気は厳しいディフェンスからリズムを作り、さらにリードをひろげていく。終盤東京電力#18関に連続得点をされてしまうが、黒田電気も#10新原が連続得点し、残り23.8秒に黒田電気#11村岸が5ファールでベンチに下がるも大勢変わらず、104-64で黒田電気が東京電力に勝利しベスト8を決めた。 |
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<EDITOR'S VOICE>
黒田電気は序盤ファールが込み、なかなかリズムが掴めなかったが、1on1でのディフェンスを強化し、要所で#14堀のスチールが出るなど、東京電力にペースを渡さないでゲームを進めることができた。9月の全日本選手権前に怪我をしてベンチだった#7藤本も復帰し、選手層にさらに厚みができた。点差が離れても雑にならず、集中したゲーム展開ができていた。 東京電力は序盤は得点に関してはいい感じでできていたが、個人技に頼る面が多く、黒田電気が1on1のディフェンスをきっちり行うようになると、とたんに得点が伸びなくなった。動きのできるいい選手がいるので、もう少しチームオフェンスができていればよかったように思った。 |
<平成16年度関東実業団バスケットボール選手権大会> 11月3日(水・祝) 会場:駒澤体育館
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<平成16年度関東実業団バスケットボール選手権大会> 11月3日(水・祝) 会場:駒澤体育館
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<取材・文 渡辺美香> |