<平成16年度関東実業団バスケットボール選手権大会>

   11月21日(日)は平塚市総合体育館で男・女準決勝と男子9・10位決定戦のあわせて6試合が行われた。

 準決勝の黒田電気(東京8位)vs横河電機本社(東京4位)は横河電機本社が#15小納らの活躍で黒田電気を退けた。また、クラヤ三星堂(東京10位)vs日本無線(東京2位)は序盤から日本無線がリードし、そのまま24点の差をつけ勝利した。
 女子の準決勝は鷺宮製作所(埼玉1位)が大差で三井住友銀行(東京3位)をやぶり、また、丸紅(東京1位)は終盤までの10点以上ビハインドを残り7秒で逆転し、1点差でクラヤ三星堂(東京2位)に競り勝った。
  また、9・10位決定戦は東京電力(東京7位)が後半一気に逆転し富士通(神奈川1位)に勝利し、また千葉バジャーズ(千葉1位)も中盤までは競ったものの後半引き離し曙ブレーキ工業(埼玉1位)に勝利し、両チームが全国大会の切符を手に入れた。敗れた2チームは全国大会最後の切符を争って、11月23日に対戦する。

 写真:横河電機本社#20田ヶ谷と黒田電気#4鈴木

 決勝は男子が横河電機本社vs日本無線(16:20)、女子が鷺宮製作所vs丸紅(14:45)3位決定戦は男子が黒田電気vsクラヤ三星堂(13:10)、女子が三井住友銀行vsクラヤ三星堂(11:35)の対戦で、11位決定戦(10:00)とあわせて全て11月23日(祝)代々木第2体育館で行われる。

平成16年度関東実業団バスケットボール選手権大会
11月21日(日) 会場:平塚市総合体育館

TEAM
 



 
TEAM
80
14
1st
19
92
黒田電気
23
2nd
19
横河電機本社
(東京8位)
23
3rd
28
(東京4位)
20
4th
26



スターティングメンバー
黒田電気:#4鈴木、#5屋良、#10新原、#11村岸、#14堀
横河電機本社:#6飯島、#9瀧川、#12小野、#15小納、#20田ヶ谷

第1クォーター開始からいきなり横河電機本社が#6飯島の2本のシュートを含む6連続得点でリードを奪う。しかしすぐに黒田電気#11村岸に3本連続で決められ、6−6の同点となる。その後横河電機本社は#20田ヶ谷や#6のゴール下で、黒田電気は#11村岸を中心に点を取り合いどちらも一歩も引かない。最後は残り3秒で横河電機本社#15小納がフリースローの2本目をはずしたリバウンドを得点につなげ、19−14で横河電機本社が5点リードして第1クォーターを終える。

第2クォーターも序盤は横河電機本社が#15小納の1on1などでペースを握る。残り7分34秒横河電機本社#6飯島のミドルシュートで29−16としたところで、黒田電気にタイムアウトを取らせる。その後一旦ベンチに下げた黒田電気#10新原・#14堀をコートに戻されると、黒田電気のディフェンスのリズムがよくなり、横河電機本社の得点が止まってしまう。その間に黒田電気#12島の3ポイントシュートを含む4本のシュートで連続得点され、28−25と一気に詰められる。さらに黒田電気#11村岸の3ポイントシュートで30−28と2点差にされて、横河電機本社は#15小納・#20田ヶ谷をコートに戻す。

流れを作った横河電機本社#15小納
その#15小納がスチールで流れを変えようとするが、なかなか上手くいかない。その後も黒田電気に#12島や#14堀のミドルシュートや#7藤本のフリースローで追い上げられ、焦る横河電機本社はターンオーバーをしてしまう。残り30秒をきって黒田電気#12島に再び3ポイントシュートを決められ、35−37と逆転を許すが、終了間際の残り5秒、横河電機本社#10阿部が3ポイントシュートを決め、38−37となんとか横河電機本社がリードを守り、前半を終える。

第3クォーターは黒田電気#11村岸に1on1からの得点を許すものの、流れは横河電機本社に。残り7分36秒、横河電機本社#20田ヶ谷がスローインをゴール下で受け、バスケットカウント・ワンスローを決めると、すぐに#10阿部が3ポイントシュートを決め、50−41と引き離す。残り6分59秒にはその#20田ヶ谷が3個目の個人ファールでベンチに下がるが、流れは変わらない。横河電機本社#15小納のドライブで黒田電気のディフェンスを崩すと、#10阿部が3ポイントシュートを決め。56−43とリードをひろげる。しかし、黒田電気#14堀に3ポイントシュートを決められると、流れが黒田電気に傾く。そこで横河電機本社#15小納が1on1から流れを呼び込むが、再び黒田電気#14堀に2本連続して3ポイントシュートを決められ、58−52と追い上げられる。その後はどちらも点を取り合い、最後は黒田電気#4鈴木のミドルシュートがブザービーターとなり、66−60と横河電機本社が6点リードして第3クォーターを終える。

第4クォーター開始してすぐに横河電機本社#20田ヶ谷がオフェンスリバウンドをバスケットカウントで決める。黒田電気にも#4鈴木や#7藤本のゴール下で得点されるが、要所で横河電機本社#15小納の1on1からの展開での得点で点差を詰めさせない。さらに横河電機本社#15小納は黒田電気のディフェンスが落ち着かない隙をみて、ローポストでのポストアップを使ってのオフェンスを仕掛け、黒田電気のチームディフェンスを崩していく。残り3分からは横河電機本社が24秒をフルに使ってのオフェンスを展開し、黒田電気にボールを渡さない。焦る黒田電気にファールをさせると、そのフリースローを確実に決めリードをひろげる。終了間際の残り9秒、黒田電気#14堀に3ポイントシュートを決められるが、残り時間を横河電気本社がボールキープし、92−80と12点差で横河電機本社が勝利して決勝に進んだ。

黒田電気・#4鈴木選手
「いろいろな意味で力負けですね。こちらもいい時間もあったのですが、それが続かなかったし、頑張らなくてはいけないところでできなかった。リバウンド・1on1といったことが少しずつ向こうのほうが上でした。しかしこれで新たに課題も見えましたから、今後に生かしていきたいです。そういう意味で“いい薬”になりましたね。2月の全日本に向けてもう1回新たな気持ちでやっていきます。まずはこの大会最後の試合である3位決定戦は絶対勝ちたいですね。勝って終わりたいです。」

<EDITOR'S VOICE>
 横河電機本社は#15小納が相手にとって嫌なところをつくゲーム展開をしてくる。そこに得点能力の高い#20田ヶ谷や#6飯島・#10阿部が絡み、大きく崩れない。しかし、#15小納・#20田ヶ谷のいない時間帯はかなりゲームコントロールが悪くなる。決勝でもこの2人がファールトラブルなしにプレーできるとかなり強いだろう。
  黒田電気はディフェンスを強化してきたものの、今日は#15小納の1on1に上手く対処ができず、振り回された感がある。前回全日本実業団(9月18・19日)の対戦ではパス回しでかなり振り回され、外へのピックアップが遅れて得点を許していたが、今回はそういう意味では対応ができていたように思う(横河電機本社の小納兄弟の1人が今回出場していないことも影響はあるだろうが)。1on1を止めるにはまず“足”、次にヘルプとローテーションだと思うので、今回の試合から学び、さらにディフェンスの強化をはかっていってもらいたい。

平成16年度関東実業団バスケットボール選手権大会
11月21日(日) 会場:平塚市総合体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
47
21
1st
20
71
 
クラヤ三星堂
2
2nd
20
日本無線
(東京10位)
11
3rd
18
(東京2位)
 
13
4th
13
 



スターティングメンバー
クラヤ三星堂:#6佐藤、#8才ノ元、#13篠崎、#17水野、#18並木
日本無線:#9土屋、#10箱崎、#11江川、#18小山、#21篠原

第1クォーター序盤は日本無線がペースを握る。#21篠原のインサイドや#10箱崎の1on1で12−6とリードする。しかし、残り5分をきってクラヤ三星堂#13篠崎の3ポイントシュートが決まり、さらに続けて#18並木に1on1からミドルシュートを決められ、14−13と1点差に詰められる。残り2分にクラヤ三星堂#18並木の3ポイントシュートで16−16と同点とされると、その後点を取りあい、残り30秒再びクラヤ三星堂#18並木に3ポイントシュートを決められ、18−21とリードされる。残り10秒に日本無線#21篠原がスローインから得点すると、その後のクラヤ三星堂の攻撃をしのぎ、20−21と日本無線が1点ビハインドで第1クォーターを終える。

第2クォーターの序盤はどちらもなかなか攻めきれず得点が伸びない。しかし、残り7分にクラヤ三星堂にオフェンスリバウンドを3回取られながらもゴールを阻止すると流れは日本無線になり、トランジションの速いバスケットを展開し勢いに乗る。さらに厳しいディフェンスでクラヤ三星堂の焦りを誘い、チームオフェンスを組み立てさせない。23−40とこのクォーターをわずか2失点に抑え、一気に17点リードして前半を終える。

1on1が冴えた#10箱崎
第3クォーターに入っても日本無線のペースは変わらない。チームオフェンスが組めないクラヤ三星堂の得点を単発に抑え、日本無線#10箱崎の1on1を中心に得点を重ね、さらにリードをひろげる。58−34と24点差として第3クォーターを終える。

第4クォーター日本無線は途中から主力を下げるが、ゲームが流されてしまい、どちらもペースに乗れない。このクォーターは13−13とロースコアで終わり、結局71−47と日本無線がクラヤ三星堂を50点以下に抑え、決勝へと駒を進めた。

<EDITOR'S VOICE>
 日本無線はチームオフェンスと個人技が上手くマッチし、一気にゲームを決めることができた。また、勢いがついたところで相手の集中をそぐトランジションが上手く機能していた。ただし、最後は流された感があり少し残念だった。横河電機本社とのゲームでは最後まで集中してのプレーが必須であり、このゲームや準決勝のような展開では足元をすくわれかねないと感じた。
  クラヤ三星堂は「相手の方がレベルは上」であり「自分たちはチャレンジャー」という気持ちで臨んだ試合だった。第2クォーターに一気に離され浮き足立ってしまったことが悔やまれる。頼りにしている#8才ノ元の3ポイントシュートが不発だったことも気持ちに余裕がなくなる一因だったかもしれないが、自分たちのやるべきことを見失ってしまっていたように見えた。

平成16年度関東実業団バスケットボール選手権大会
11月21日(日) 会場:平塚市総合体育館

TEAM
 



 
TEAM
89
14
1st
20
61
東京電力
14
2nd
24
富士通
(東京7位)
31
3rd
8
(神奈川1位)
30
4th
9



東京電力は前半なかなかシュートが決まらず、第2クォーター終了時には富士通に16点リードされていたが、第3クォーターに入って#5阿部と#8涌井のガードコンビがスピーディーなゲームを展開し、一気に引き離す。ディフェンスでも後半の富士通の得点をわずか17点に抑え、89−61と大きくリードして勝利し、関東9位として全国大会への切符を手に入れた。


平成16年度関東実業団バスケットボール選手権大会
11月21日(日) 会場:平塚市総合体育館

TEAM
 



 
TEAM
81
14
1st
13
71
千葉バジャーズ
20
2nd
18
曙ブレーキ工業
(千葉1位)
21
3rd
23
(埼玉1位)
26
4th
17



前半は何度も千葉バジャーズがリードしながらも突き放せず、追い上げられてはリードをひろげるという展開だった。さらに第3クォーターでは千葉バジャーズのシュートがなかなか決まらず、逆に曙ブレーキ工業にトランジションの速い展開をされ、逆転を許すが、残り5秒に千葉バジャーズ#15エフラムのゴール下が決まり、55−54とわずかに1点リードして終わる。第4クォーターに入ると一気に千葉バジャーズのペースとなり、浮き足立ち始めた曙ブレーキ工業からスチールを繰り返し、一気に引き離す。曙ブレーキ工業のシュートも決まらなくなり、結局81−71と10点差で千葉バジャーズが勝利し、関東10位として全国大会への切符を手に入れた。



平成16年度関東実業団バスケットボール選手権大会
11月21日(土) 会場:平塚市総合体育館

TEAM
         
TEAM
98
28
1st
14
65
 
鷺宮製作所
30
2nd
18
三井住友銀行
(埼玉1位)
17
3rd
21
(東京3位)
23
4th
12

TEAM
         
TEAM
90
23
1st
25
91
 
クラヤ三星堂
24
2nd
19
丸紅
(東京2位)
27
3rd
19
(東京1位)
16
4th
28

<取材・文 渡辺美香>

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