<平成17年度関東実業団バスケットボールリーグ戦>
<平成17年度関東実業団バスケットボールリーグ戦> |
関実リーグ戦1部スタート! |
関東実業団1部リーグのチーム(順位は昨年のリーグ戦の結果)
6月4日(土)初日のこの日は東京都日野市にある東電学園体育館において昨年の1位−8位・2位−7位・3位−6位・4位−5位の4試合が行なわれた。 |
<ピックアップ・ゲーム>
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後半オフェンスが機能した日本無線が、新人・辻内を擁する三井住友海上を第3ピリオドで一気に引き離し勝利 スターティングメンバー 日本無線:#10箱崎、#13小山、#15尾崎、#16樋渡、#18鈴木 三井住友海上:#5金崎、#7柏木、#11田邊、#12玉井、#20辻内 昨年度のリーグ戦では横河電機本社にわずか7点差で敗れ連覇(2001年から3連覇)が途切れた日本無線はスタートのメンバーに新人2人を起用、新たなチームとしてスタートした。対する三井住友海上は昨年関東リーグ戦・インカレと2冠を取った慶應義塾大学の主力・辻内が加入し、こちらも新たなチームとして登場した。 序盤どちらも硬さが見られなかなか攻めきらない展開が続く。ようやく得点が入ったのが開始から1分47秒の日本無線#15尾崎のフリースローだった。すぐに三井住友海上#20辻内に1on1から得点されるが、動きのよくなった日本無線は#13小山・#15尾崎と連続で得点しリードする。しかし、三井住友海上の#20辻内にディフェンスが集中するのを上手くつかれ#12玉井・#11田邊に連続シュートを許し、リードが広がらない。 |
日本無線#15尾崎 |
さらに第2ピリオド序盤では三井住友海上にトランジションゲームを仕掛けられ、15−19とリードされる。流れは完全には渡さないもののなかなか自分たちのゲームが展開できない日本無線だったが、第2ピリオド終盤に#4小原の3ポイントが決まると徐々に勢いがついてくる。残り1分2秒には今シーズンから日本無線に復帰した#6島田がゴール下でバスケットカウントを決め同点とし、第2ピリオドを終えた。 |
<その他の対戦> 横河電機本社(1位) 83 − 79 東京電力(8位) 東京電力に終盤追い上げられるも横河電機本社なんとか逃げ切る 横河電機本社は常にリードするも、#15小納をベンチに下げると東京電力に追い上げられ、東京電力#5阿部・#8涌井の速い攻撃と#6新井のシュートで点差を詰められてしまう。第4ピリオド中盤にその横河電機本社#15小納が接触で鼻を強打しベンチにさがるアクシデントがあったが、ここで横河電機本社#20田ヶ谷が勝負強さを発揮し、地力に勝る横河電機本社が東京電力の追い上げを振り切り、83−79で勝利した。 リーグ戦初戦、昨年の優勝チーム横河電機本社は強さは見せたものの、#15小納のいない時間帯の不安定さも現れたゲームとなった。 東京電力のガード陣#5阿部・#8涌井は昨年と変わらず早さが武器。ここに#6新井のアウトサイドシュートが決まると流れはよくなる。勢いのあるオフェンスは見ていて楽しい。 |
曙ブレーキ工業(4位) 75 − 101 大倉三幸(5位) |
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<<ザ・チーム>>〜紹介編・1〜 |
「うちには速さが足りない。」と中沢コーチが昨年語っていたが、その補強として今年トランジションが武器の青山学院大から PG 鈴木(# 18 )を獲得。さらに「走れてシュート力のある」明治大の樋渡(# 16 )も加え、新人 2 人がスタートメンバーとなった。オフェンスの中心は# 15 尾崎で 1on1 からのドライブやミドルシュート、さらにパスもさばけると攻撃パターンも多彩。インサイドの# 10 箱崎は勝負強さと上手さをあわせ持つ。ウイングの# 13 小山はシュート力と豊富な運動量でチームに流れを呼ぶ。 ベンチメンバーは落ち着いたプレーでチームをまとめる CAP # 4 小原・強気で攻める# 7 篠原・インサイドでは今年からチームに復帰した# 6 島田・勝負どころの 3 ポイントシュートとオフェンスリバウンドが強い# 11 江川など人材は豊富。 新人 2 選手をスタートにしたことで「若返った分、歯止めがきかない怖さがある。(中沢コーチ)」 PG に鈴木が入ることで速さは出るが、元々がディフェンスのチーム。「点の取り合いになっては勝てない」と中沢コーチ・小原キャプテンともにそう語る。 2 年ぶりの新人に期待する部分は大きいが、チームのスタイルである“ディフェンス重視”は変わらない。 「うちは“地味”なんで」と中沢コーチは何度もそう笑いながら言う。“地味”なディフェンス重視のチームが速さと勝負強さをあわせ持つだろう今シーズン。若返った日本無線というチームの更なる成長が期待される。 |
チームキャプテンが語る『実業団バスケの魅力』 “一生懸命”日本無線 # 4 小原憲裕 「実業団の魅力は“一生懸命さ”です。みんな仕事をしながら、限られた時間の中で頑張って練習してやっていっています。そういうバスケットに対する“一生懸命さ”を多くの人たちに見てもらいたいですし、自分たちも少しでもいいプレーをしていきたいです。」 |
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<<ザ・プレーヤー>>〜ルーキー編・1〜 |
新人でPGとしてスタートで出ることに「プレッシャーはないです。」と語る。しかし「まだチーム自体の状態がよくわかっていないんです。昨年までのチームを見たことがなかったし、聞いていることだけではやはり十分ではないです。これからやっていくうちに判っていくしかないのでしょうがね。」とPGとしてチームを把握しきれない不安をのぞかせる。さらに彼を戸惑わせたのが実際にチームに入って感じた“年齢差”だった。「30代の人とかいて、それは思っていた以上に体力とか違っていて…今までそういう環境でやったことがないので、どうやっていっていいのかわからないところがあります。」 チームについてたずねると笑顔で答える。「みんないい人ばかりで、いろいろ話してくれるし、雰囲気もいいです。」と。しかし「このチームがどうして強いのか、まだ自分にはよくわからないんですよね。」と苦笑いに変わる。他のチームの方が強く感じて、「自分たちは勝てるのだろうか」と思ってしまうのだ。 |
大学卒業後バスケットボールを続けることを選んだ彼は「もっともっと自分自身がうまくなりたい。」という強い思いを持つ。また昨年までのPGが引退(今シーズンはアシスタントコーチ)し、「自分が入って負けるようになったとは言われたくない。」とも思う。 だから彼は練習中誰よりも積極的にチームメイトに声をかけ、コート上では誰よりも多く声を出す。1年目だからと遠慮してはいられない。チームを把握し、チームを勝利に導き、そしてなにより彼自身がさらに成長するために、限られた時間の中で懸命にプレーする。 |
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<取材・文 渡辺美香> |