<平成17年度関東実業団バスケットボールリーグ戦>

関実リーグ戦1部・第4戦!

4月9日から始まった関東実業団バスケットボールリーグ戦。6月4日からは1部リーグがスタートした。1次リーグでは8チームの総当りで行なわれ、続く2次リーグは1次リーグの上位4チームと下位4チームに分かれそれぞれ総当りで対戦する。最終日は7月18日(祝・月)代々木第二体育館で行なわれる。

6月19日(日)は東電学園体育館で第4戦が行なわれた。1位−5位・2位−6位・3位−7位・4位−8位の対戦は、接戦もあったが全て上位チームが勝利した。
この日で上位(1−4位)と下位(5−6位)の対戦は終わり、次回から1−4位・5−6位それぞれで対戦、合計7試合の結果から2次リーグの上位(1−4位)と下位(5−6位)が決定する。

日程・結果は関東実業団バスケットボール連盟(代々木第二体育館・駒澤体育館での有料ゲームの入場割引券あり)


写真:31得点の横河電機本社#20田ヶ谷

関東実業団1部リーグ・各チームの勝敗(6月19日終了時・順位は昨年のもの)
       
1−横河電機本社
4 勝0敗
2−日本無線
3 勝1敗
3−東京日産
2 勝2敗
4−曙ブレーキ工業
2 勝2敗
5−大倉三幸
3勝1敗
6−三井住友銀行
0勝4敗
7−三井住友海上
1勝3敗
8−東京電力
1勝3敗

<ピックアップ・ゲーム・1>
TEAM
 



 
TEAM
99
28
1st
24
79
横河電機本社
21
2nd
19
大倉三幸
(1位)
23
3rd
12
(5位)
27
4th
24


要所を押さえ大倉三幸の勢いを封じた横河電機本社が全勝対決を制す

スターティングメンバー
横河電機本社:#4佐藤、#11飯島、#12小野、#15小納、#20田ヶ谷
大倉三幸:#4近森、#5有田、#10奥、#15遠藤、#16山本

 試合開始から大倉三幸#5有田に積極的に攻め込まれ、大倉三幸に流れを握られる。0−7となったところで横河電機本社はようやく#20田ヶ谷が1on1からシュートを決め、流れを止めようとする。しかし大倉三幸#15遠藤にミドルシュートを確率よく決められ、3−11とリードが広がる。ここで横河電機本社はPG#15小納がディフェンスリバウンドを受け取るとそのままドリブルで運び、ディフェンスをかわしてシュートを決める。この1本で試合の流れは横河電機本社に傾く。横河電機本社は#20田ヶ谷がオフェンスリバウンドに飛び込み得点を重ね、一気に13−13と同点に追いつく。その後も横河電機本社は#15小納を中心に#20田ヶ谷、#11飯島が得点を重ね、じりじりと差をつけていく。残り2.2秒、大倉三幸#5有田に3ポイントシュートを決められ、28−24と横河電機本社が4点リードし第1ピリオドを終える。

第2ピリオドのスタートから横河電機本社は#15小納、#20田ヶ谷をベンチに下げる。ペースが掴めない横河電機本社は序盤大倉三幸に追い上げられ、残り6分半には逆転を許す。残り6分22秒横河電機本社が#15小納と#20田ヶ谷をコートに戻すと、試合は徐々に横河電機本社のペースとなるが、大倉三幸#5有田や#15遠藤の得点を抑えられず、なかなか点差はひらかない。しかし横河電機本社の新人#18小西がミドルレンジから1on1で得点を重ね、リードを保つ。49−43と横河電機本社が6点リードし前半を終える。

 第3ピリオド、スタートでペースを握れない横河電機本社は大倉三幸に追い上げられ、リズムに乗った大倉三幸に上手いパス回しからの#10奥のゴール下を決められ、51−49と1ゴール差に詰められる。しかし残り7分40秒、横河電機本社#20田ヶ谷がゴール下に攻め込みバスケットカウントを決めると、大倉三幸のPG#16山本を3個目のファールでベンチに下げさせる。その後横河電機本社#15小納が要所で自ら攻め込み流れを作る。終盤大倉三幸のファールが増えると、そのフリースローを確実に決め、72−55とリードを17点として第3ピリオドを終える。最終ピリオドは大倉三幸の得点を#5有田や#10奥の単発に食い止めると、横河電機本社がさらにリードをひろげ、99−77で全勝対決を征し、無敗を守った。


<ピックアップ・ゲーム・2>
TEAM
 



 
TEAM
83
18
1st
20
80
東京日産
16
2nd
22
三井住友海上
(3位)
31
3rd
13
(7位)
18
4th
25


集中力の戻った東京日産が接戦を守りきり 三井住友海上に勝利

スターティングメンバー
東京日産:#8朝永、#9矢治、#10上原、#12樋渡、#14吉武
三井住友海上:#7柏木、#11田邊、#12玉井、#14陸歎、#20辻内

 三井住友海上に第2ピリオドでリードをひろげられるも、第3ピリオドに東京日産#10上原が連続3ポイントシュートを決めるなどで一気に追いつき10点のリードで最終ピリオドに。しかし第4ピリオドに入って三井住友海上#11田邊のミドルシュートが次々と決まり追い上げられると、残り3分43秒には三井住友海上#20辻内の速いカットインにファールをしてしまい、そのフリースローを決められ逆転される。ここから東京日産は一人ひとりが強気で攻め、流れを引き戻す。ディフェンスでプレッシャーをかけ、三井住友海上の得点を抑えると、東京日産は#12樋渡がスチールや1on1で得点を重ね、逆転する。残り9.7秒三井住友海上#12玉井に3ポイントシュートを決められ82−80と2点差に詰められるも、最後を守りきり、83−80で勝利した。

東京日産#12樋渡

 両チームにとって6月11日のゲームとはまさに正反対の結果となった。東京電力に逆転負けをした東京日産は「絶対負けられない」気持ちを強く持って最後のプレーを展開できた。「先の敗戦のイメージは多少なりともあったかもしれない」と倉石監督も言う。「だからこそ逆に“絶対負けられない”という気持ちで選手たちがプレーできましたね。」逆転負けを契機に、チームが勝つことに向けて方向を合わせられるようになってきた。
 「勝てる試合でしたよね。」試合後三井住友海上#20辻内は残念そうに言った。「勝ちたい」気持ちの強さと必死さが勝敗を分けた。

曙ブレーキ工業(4位) 82 − 78 東京電力(8位)

曙ブレーキ工業が東京電力の勢いを止め 接戦に勝利
  曙ブレーキ工業が11日の三井住友海上戦で途中ファールアウトした#10市元の活躍でリードをひろげ、最後の1分からの東京電力の追い上げを振り切った。



日本無線(2位) 83 − 69 三井住友銀行(6位)

ベストメンバーが組めない日本無線は苦戦するも チーム力の差で三井住友銀行を退ける


曙ブレーキ工業#10市元



<<ザ・ゲーム>>〜コメント編・1〜

横河電機本社vs大倉三幸

 この試合の前まで3戦全勝同士の対決となった横河電機本社vs大倉三幸。結果は20点と大きな差が出た。勝敗を分けたポイントなどをそれぞれチームの指揮者が語った。

 『敗戦から』−大倉三幸・茂木コーチ

 「今日はうちの完敗です。」開口一番、大倉三幸・茂木コーチはよどみなくそう言った。「今日は小納と田ヶ谷と飯島にやられました。」 この3人に横河電機本社の99点中71得点(小納21点、田ヶ谷31点、飯島20点)を取られている。

  時に大倉三幸の流れになりそうな時もあった。しかしその度に横河電機本社#15小納のオフェンスで流れを断ち切られた。「やはり上手い」と改めて感じた。

  また飯島のゴール下や田ヶ谷の反応の速い飛び込みリバウンドに対応できず、「向こうにオフェンスリバウンドを取られすぎた」ことも流れを呼び込めなかった要因だった。

  それでもいい面もあった。「やはり上手い」小納に対して少しずつだがいいディフェンスが見られた。「やれると思えた面と、チームの課題と。そのどちらも見えました。」今後につながる結果にしたい。



横河電機本社#12小野

 『勝因と課題』−横河電機本社・奥山監督

 本来のスターティングメンバーである#10阿部が出場できないとなって、「チームスタッフとガード陣とで話し合った」結果代わりに入ったのが#12小野だった。「新人の小西もあがっていたのですが、マッチアップ相手(大倉三幸#4近森か#5有田のどちらか)を考えるとちょっと新人にはきついだろうと判断し、小野にしました。」小野の経験とディフェンス力、そして「やるべきことをしっかりとやれる」力に期待した。そして小野はその期待に応えるプレーをした。

 「最初相手にリードされた時はちょっと心配しました。」勢いのある大倉三幸をのせてしまうと試合は難しくなってくる。ここでタイムアウトをとも思ったが、ガード陣がとめた。「もう少し待ちましょうと言ってきました。そうしたら小納のオフェンスが爆発したわけです。」小納の持つ独特の試合感とチームのベンチワークが上手く噛み合えばゲームの流れは掌握できる。

 「小納と田ヶ谷のいない時間をどうするか」という問題はまだあまり改善はされていない。しかしこのゲームで能力の一端を見せた新人・#18小西の活躍は、チームにとってもこれからを期待させる。

<<ザ・チーム>>〜紹介編・3〜

『チームルールは“楽しく!”』大倉三幸 

昨年の成績:リーグ戦5位・東京都選手権優勝・関東選手権ベスト8・全日本選手権3位

創部13年目、1部に上がって4年目となる。じりじりと力をつけてきたチームだが、昨年の春のリーグではチームメンバーが変わったことなどから苦戦し上位リーグに入ることができなかった。しかしそこからチームを再生、昨年秋の東京都選手権ではチーム初の“優勝”を経験する。現在上昇中のチーム。




大倉三幸株式会社のHP内にバスケットボール部のページがあります。メニューの「クラブ案内」からお入りください。
 チームルールは「楽しく!」「シュートを打ちましょう!」「仕事との両立!」の三つ。参加しているメンバーみんなが楽しめるバスケットをすることが大切だという。しかし試合に関してはやはり「勝つこと」が優先される。だからこそ練習や普段の生活上でのバスケットは「みんなで楽しく」やりたいのだと茂木コーチは語る。茂木コーチ自身プレイングコーチであり、練習ではみんなと一緒に汗を流し、バスケットを楽しむ。

 創部以来会社の協力もあり毎年数人の新人が入っている。そこにもこのチームが確実に力をつけてきた一因がある。

 スタートメンバーはチームを支えるキャプテンの#4近森、ドライブや3ポイントシュートと多彩な攻撃ができる#5有田、高いオフェンス能力を持つ#15遠藤、インサイドの要#10奥、そしてスピードのある展開をつくる新人PG#15山本(早稲田大)がチームに溶け込み、チームに勢いを呼び込む。

 ベンチメンバーは粘り強いディフェンスと3ポイントシュートの#6木村実、堅実なプレーで流れをつなぐ新人#7木村行(早稲田大)、落ち着いたゲームメイクの#8清水など。

  昨シーズンの結果から“追われる立場”にもなってきた。しかし今シーズンからチームキャプテンとなった#4近森は「うちにはまだ安定した力はない」という。主力が若く、勢いがつくと一気にいけるが、ディフェンスで流れを止められると自分たちのバスケットができなくなってしまう。

  それでも(6月11日の)日本無線戦でロースコアの接戦を勝利したことは、チームの成長を感じさせ、また自信にもつながった。

 「今年も大会優勝を!」楽しみながらもゲームに勝つバスケットを目指す。

チームキャプテンが語る『実業団バスケの魅力』

“つながりの強さ”大倉三幸#4近森洋介

「うちのチームに関してですが、うちは全員同じビルで仕事をしていて、つながりが強いんです。横のつながりがしっかりしているというのは、すごくうれしいですね。会社の人たちもよく見に来てくれています。
見ている人には楽しくバスケットをやっているところを感じてもらいたいです。」

<取材・文 渡辺美香>

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