<平成17年度関東実業団バスケットボールリーグ戦>
<平成17年度関東実業団バスケットボールリーグ戦> |
関実リーグ戦1部・第6戦! |
関東実業団1部リーグ・各チームの勝敗(7月2日終了時・順位は昨年のもの・太字は上位リーグ・斜字は下位リーグ決定)
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<ピックアップ・ゲーム・1>
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爆発力のあるオフェンスで流れをキープした東京電力が三井住友銀行をアップセット 2勝目を上げる スターティングメンバー 三井住友銀行:#4北郷、#8上田、#9手嶋、#16小村、#17菊池 東京電力:#4川上、#5阿部、#8涌井、#17伴、#18関 試合開始からおよそ2分間はどちらもシュートが入らず無得点が続く。最初の得点は東京電力のディフェンスリバウンドからの速攻だった。これを東京電力#18関がバスケットカウントで決め、3−0とすると、ここから勢いのついた東京電力が得点を重ね、三井住友銀行にペースを作らせない。しかし残り5分から三井住友銀行#4北郷に3ポイントシュートを決められると、流れは三井住友銀行に傾きかける。ここで東京電力はオフェンスリバウンドを#4川上の3ポイントシュートにつなげると、三井住友銀行に傾きかけた流れを断ち切り、18−10と8点リードして第一ピリオドを終える。第2ピリオドは三井住友銀行の#9手嶋と#15黒木の2ガードに速い展開で攻められ、得点されるも、東京電力も速攻や#6新井のシュートで加点し、点差は変わらない。 |
東京電力#4川上 |
第3ピリオド序盤に東京電力がトランジションで一気に引き離すと、三井住友銀行の得点を#8上田や#15黒木の単発に抑え、このピリオドで点差を22点とひろげる。第4ピリオドに入って三井住友銀行に#4北郷、#8上田、#15黒木と続けて3ポイントシュートを決められるも、最後は東京電力が続けて得たフリースローを決めていき、82−58と24点差で東京電力が勝利し、1次リーグ最終戦に上位進出をつなぐ。 |
試合後東京電力の遠藤コーチは「今日のポイントはディフェンスでした。」と語った。三井住友銀行のスコアラーであり、2年連続3ポイント王でもある#8上田への厳しいディフェンスと、インサイドへのダブルチームの徹底が三井住友銀行にペースを作らせず、東京電力の流れを呼び込んだ。チームの中心であるPG#8涌井が不在のまま臨んだ先週の大倉三幸戦は大敗となったが、まだ上位への望みがあり、この試合の重要性は選手みんながよく理解している。若いチームだけに勢いだけではなく、しっかりとした粘り強いディフェンスが重要となってくる。 |
<ピックアップ・ゲーム・2>
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ベテラン陣の活躍で大倉三幸が三井住友海上の追い上げを振り切り 1敗を守る スターティングメンバー 大倉三幸:#4近森、#5有田、#7木村実、#10奥、#15遠藤 三井住友海上:#7柏木、#11田邊、#12玉井、#13東浦、#20辻内 試合開始からどちらも速い展開で点を取り合う。残り6分をきってから大倉三幸が#4近森のスチールからの速攻や、#10奥の3ポイントシュートで引き離しにかかるが、三井住友海上#20辻内に3ポイントシュート2本を含む8得点で追いつかれる。ここで大倉三幸の#5有田と#15遠藤の息の合ったパス&ランが決まり、21−19と大倉三幸がわずかに1ゴールリードして第一ピリオドを終える。 第2ピリオド残り8分から大倉三幸が#5有田のゴール下でのプレーで勢いに乗ると、#7木村実の連続得点を含む14連続得点で三井住友海上を引き離す。守っては三井住友海上の#20辻内を#7木村実が止め、三井住友海上にオフェンスを組み立てさせない。このピリオドだけで14点の差をつけ、大倉三幸がリードして前半を終える。 |
大倉三幸#11太田 |
第3ピリオド開始早々、三井住友海上#12玉井に3ポイントシュートを決められ、続く大倉三幸のオフェンスで#4近森がオフェンスファールを取られると、三井住友海上に流れが傾く。他のメンバーの動きがよくなったことで#20辻内へのディフェンスも甘くなり、ドライブインや速攻、アシストパスとオフェンスのリズムをつくられ、止められない。大倉三幸も#10奥のゴール下などで粘るも、残り1.3秒に三井住友海上#20辻内に1on1から得点され、64−60と点差を10点以上詰められ、第3ピリオドを終える。 |
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日本無線(2位) 56 − 47 曙ブレーキ工業(4位) |
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<<ザ・チーム>>〜紹介編・5〜 |
「キャプテン不在」の状況の中、チームの核がないまま思うようなゲーム展開ができない東京日産。ようやく1週間前にキャプテンが決まったところだ。 現コーチの倉石氏は平成12年の優勝時MVPを獲得した元東京日産の選手。このチームのことはよくわかっている。倉石コーチはチームカラーを「基本的にはトランジションで、フリーランスな型にはめないオフェンス」と語る。実際にはチームカラーは毎年変わり、今年に関してはみんなが気持ちよくプレーすることが大切と「オフェンス」に力が注がれている。 現在(6/29)チームの中心である#11高橋が怪我のためプレーできず、スタートメンバーは得点力のあるPG#10上原、攻守ともに高い能力を持つ#9矢治、3ポイントシュートで得点を量産する#12樋渡、気迫あふれるプレーでチームを牽引する#8朝永、インサイドで我慢強くプレーする#14吉武。 ベンチメンバーでは新人2人が頑張っている。シュート力のある#16松谷(東洋大)と202cmの長身を活かしたい#4早川(早稲田大)。まだ#4早川の高さを活かしきれていないが、徐々にチームとのあわせの部分の出てきており、今後力強い戦力として期待される。また、ベテランPG#5山崎もチームが安定するには重要な存在だ。 #10上原(3年目)と#9矢治(2年目)には倉石コーチ、高橋・新キャプテンともに期待する面が多い。PGとしての上原の能力がもっと高まること、矢治が本来持っている能力を発揮したプレーができること、この2点は今後の東京日産のチーム力に大きな影響を与える。 三井住友海上戦では追い上げられながらも逃げ切る強さを見せた東京日産。しかし倉石コーチは「まだ選手たちは(チームの向上を)感じていません。」と評価する。勝てていないことで選手たちの中にフラストレーションが溜まっていることも事実だ。しかし、まもなくキャプテンの高橋も復帰しチームの核ができれば、個々の能力やチームへの思い、勝利へ向かう気持ちも高まってくることだろう。 現在チーム再生中。また「強い東京日産」を見ることができるに違いない。 |
チームキャプテンが語る『実業団バスケの魅力』 “活躍のチャンス”東京日産#11高橋健太郎 「実業団では大学とかではそれほど活躍できなかった選手にも十分活躍するチャンスがあります。仕事もやってバスケもやってと大変ですが、その中でみんなともいろいろ話せるし、共通の目標も持てます。」 |
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<取材・文 渡辺美香> |