<キリンカップ2004> | |
8月1日、東京・代々木第2体育館で、キリンカップ2004第3戦目が行われ、男女とも勝利し、3連勝で終えた。 |
<キリンカップ2004 第3戦> 8月1日(日) 会場:代々木第2体育館
スターティングメンバー 日本:#4濱口、#6大山、#9楠田、#10矢野、#15永田 ブルガリア:#9、#11、#12、#14、#15 第1クォーター、日本は先制を許す一方でなかなかシュートに持って行けず、開始2分の#15永田のカットインで初得点。その後は#9楠田がジャンプシュート、アシストと積極的に攻め、6-4と逆転してブルガリアにタイムアウトを取らせる。その後バックコートからのトラップディフェンスを仕掛け、ブルガリアに無理なシュートを打たせるも、リバウンドを取り切れず、セットオフェンスでも攻めあぐね得点が止まる。しかし再び#9楠田が速攻からそのままジャンプシュートを決めて打開すると、#15永田から#4濱口へナイスパスが通り残り3分30秒12-9とする。だがトラップを抜けられた後のカバーディフェンスが遅れ、フリーのレイアップなどにつなげられるなど引き離せず、残り35秒で17-18と逆転される。だが最後に#15永田の2連続リバウンドから#4濱口がロングシュートをブザービーターで決め、19-18とする。 第2クォーター、#4濱口が積極的にポストでポジションを取っていくが、そこからの展開が出来ず19-22と再び逆転を許す。だが、交代で入ってきた#13大神がスリーポイントシュートを入れて同点とする。そこから#12立川らベンチメンバーを起用していくが、残り3分25-24とついていき主力を休ませる。その後、コートに復帰したばかりの#9楠田の3ポイントシュート、#4濱口のゴール下シュートが決まり、一気に30-24とする。ブルガリア#9のインサイドプレイで30-28まで詰められるが、残り1分を切ってから#15永田のリバウンドシュート、#9楠田のパスカットからのバスケットカウントとなるレイアップで35-28とし、終了間際には#15永田が3ポイントシュートをブザービーターで決め、38-31とリードして折り返す。 第3クォーターは互いに1本ずつ決めた後#10矢野がフリースローを2投決め、残り7分42-33とする。ブルガリアの1on1をコースに入って止め、ゴールに近いシュートを落としてくれたこともあり残り5分まで無得点に抑える。だがブルガリアがタイムアウトあけ、3-2ゾーンを仕掛けてくるとややてこずって得点が止まり、ブルガリア#11の3ポイントシュート、#12のバスケットカウントで残り3分46-39とじりじりと詰められる。日本は#13大神がジャンプシュートでつなぐが、ブルガリア#9のインサイドプレイなどで残り1分40秒48-44となる。#5紺野がうまくフリースローをもらってなんとか50-44とし、最終クォーターへ。 第4クォーター 、ブルガリアにナンバープレイでじっくり攻められる。だがフィニッシュを防ぐと、#9楠田が3ポイントシュートを決め、さらに#15永田の1on1で残り8分20秒55-46とし、ブルガリアをタイムアウトに追い込む。その後#4濱口、#15永田、#12江口が積極的にインサイドに突っ込み、得たフリースローを確実に決めて残り5分61-49と点差をキープする。その後は互いに攻めあぐねるが、残り2分でのタイムアウト後、#13大神が3ポイントシュートを決めると、#12立川も続き、残り1分71-53と引き離す。さらに#13大神がもう1本決め思わずガッツポーズ。その後のブルガリア#9の1on1を押さえ、#14矢代がリバウンドシュートを決めて76-57で3戦全勝を飾った。 |
リバウンドで流れを作った永田 |
浜口のフックシュート |
少ない出場時間を生かした大神 |
<インタビュー> 内海ヘッドコーチ 「今日の試合を含め、3戦を通してディフェンスそのものは機能していたと思うし、よく頑張っている。ただシュート率が良くなかった。しかし、少し思い切りが悪く、タイミングがずれているだけなので、これに関しては現地に入って集中力が高まってくれば大丈夫だと思う。」 濱口選手 「自分の出来に関してはこんなものではないかと思います(笑)。むしろヨーロッパ遠征でのスペイン、ロシア戦のように、もっと攻めればよかったな、という反省が残りました。」 大山選手 「ヨーロッパ遠征で自分達のバスケットが出来ているという手応えをつかみ、この3戦どう戦うかは大事でしたが、シュートの確率が良くなかったので、それは反省しています。ディフェンスでは、リバウンドとルーズボールでまだ若干まずいところがありますが、今日はそれを意識してやれた分良かったのではと思います。」 楠田選手 「ゲームメイクに関しては、昨日萩原コーチから色々とアドバイスをもらいました。日本がアテネでどう戦うかを、皆さんはこれを見て判断すると思うので、とにかく一生懸命やりました。」 ブルガリア・ボシコフヘッドコーチ 「今日の試合は、ほぼ自分達のバスケットが出来たが、最後の2分間に11点取られてしまったことを反省している。3戦を通しては、自分達は12日間しか準備できずベストコンディションとは言えなかったが、出来る限りのことはしたし、日本のアテネへ向けての準備の手助けが出来たのではと思う。日本のディフェンスに関しては、組織的なオフェンスでないと崩せないだろうし、アテネで対戦するチームも苦戦するだろう。」 ブルガリア・#9アルベナ選手 「この大会では本当に色々なことを学びました。自分達のチームのいいところ、弱点が見えました。日本のディフェンスは、1戦ごとにアグレッシブになっていき、スタミナと身体能力を持って臨まなければいけませんでしたが、自分達には出来ませんでした。いいリズムで出来ていると思うので、アテネにつながるのではと思います。 日本で過ごすのは楽しかったし、また来られたら良いと思います。アテネでの活躍を祈っています。」 |
『ラストゲーム』 試合後の記者会見には、内海HC、大山キャプテンに加え、濱口・楠田が呼ばれた。3人とも足にいくつか氷を当てて入ってくる。ベテランの3人は、受け答えも慣れたもの。揃ってディフェンス面の手応え、オフェンス面の課題を口にした。 だが、最後にぶつけられたこの質問には、3様の答えが返ってきた。 「この試合が、アテネ五輪前に日本のファンの前でプレーする最後の試合となりますが、どうですか?」 アテネ五輪で現役引退を表明している3人にとっては、 “アテネ五輪前では最後”は、“現役では最後”と同じ意味になる。 「普段通りのプレーを見せたいと思っていた」と濱口。 「初めは“最後”と意識もしたが、試合をやっているうちにアテネへ向けて、という気持ちになった」と大山。 楠田は、こみあげてくるものがあって声にならなかった。 だが、コートではこの3試合で得意の3ポイントシュートや持ち味の高速ドライブを存分に発揮してきた。 声にならなかった気持ちは、きっと“日本のファン”に伝わっている。 |
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<取材・文 北村美夏>
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