<U-18男子代表第2次強化合宿>
7月18日、東京の国立スポーツ科学センターで、9月にインドで行われるアジアジュニア大会に向けたU-18日本代表第2次強化合宿が行われた。最終日のこの日は、U-24との強化試合行った。結果は3本とも大差がついたが、それぞれが光るものを見せた。

参加選手(12名):川村卓也、梅津敬介、宮城徹、富田卓弥、西村文男、荒尾岳、木村理、佐々木亨、太田匠、寒竹隼人、佐々木瑛、嶋田基志
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<強化試合 男子U-24代表vsU-18代表>
7月18日(日) 会場:国立スポーツ科学センター

TEAM
 



 
TEAM
98
32
1st
13
45

 
U-24代表
38
2nd
17
U-18代表
28
3rd
15

スターティングメンバー
U-24代表:中川、瀬戸山、佐藤、大西、大宮
U-18代表:荒尾、太田、川村、寒竹、佐々木亨  

 第1クォーター、U-24大西にいきなり1on1を決められてしまう。さらにシュートミスを速攻に持ち込まれるが、U-24大西がレイアップを外し、寒竹が逆速攻を決める。だがハーフコートオフェンスではなかなか自由に出来ず、最後はガードへの長いスローインをカットされ、U-24瀬戸山の速攻を許す。しかし太田が3ポイントシュートを迷わず放ち、残り7分30秒5-8とついていく。この後ファールがかさむが、U-24のフリースローが落ちる。だがそのリバウンドからの速攻でパスが合わないなどコミュニケーションミスが見られる間に、U-24中川に3ポイントシュートを決められ、さらにオールコートプレスディフェンスを仕掛けられる。宮城が何とかスピードで切り抜けるが、その後が続かずターンオーバー・苦しいシュートが続き、それをことごとく速攻につなげられ残り4分一気に5-18とされる。この後代わった梅津が215cmの菅谷に怖がらず向かっていき、さらに川村がパスを受けてすぐに放った3ポイントシュートを決め残り2分12-28とするが、U-24蒲谷・加々美の1on1を止められず、結局13-32とされる。

 得点をリセットして行われた第2クォーターは、ポストのセンターに西村が走りこんでいい合わせを見せるなど序盤2-4とし、さらに太田が一瞬の動きでディフェンスを大きくずらして遅れたマークマンからファールを得て、このフリースローを1投決める。さらにU-24石崎の3ポイントシュートが連続して外れるとそれぞれ荒尾の速攻、太田の3ポイントシュートにつなげ、残り6分10-13と互角の展開を続ける。だがこの後フリーのミドルシュートのチャンスをものに出来ず、攻撃が単発になってしまい、U-24町田の速攻を許すなど残り4分10-25とされ、タイムアウトを取る。太田を残して梅津・宮城・川村・富田を入れて流れを変えようとするが、U-24も大宮・佐藤・瀬戸山・大屋に代え、その大屋の3ポイントシュートなどで主導権を握り続け、残り3分ついには10-30となる。太田がカットインを試みるが、U-24のカバーがはやくフリーのシュートにつなげられない。能代工コンビの宮城のスピードあるレイアップが惜しくも外れ、梅津もいい形でシュートまで持っていくもこれも外れ、大宮の速攻ダンクを許してしまう。残り30秒で川村が3ポイントシュートを決めるのが精一杯で、17-38となった。

再びリセットして行った最後の10分間は、太田の1on1でスタート。中川のパスから大西のアリウープを許すが、残り8分30秒4-3とわずかにリード。さらに余裕を見せていたU-24佐藤のレイアップを木村が惜しくもファールとなったがブロックし、川村が1on1でバスケットカウントを決め盛り上がる。だがU-24大西のパスアウトから中川の3ポイントシュートを決められ残り7分7-9と逆転を許す。だがここで代わった佐々木瑛がパス&ランでレイアップを決めるなど積極的な動きを見せ、またこのクォーターから登場の嶋田もリバウンドで体を張ってフリースローを得るなど残り3分50秒13-19とついていく。だがこの後打ち急いだシュートが短く、速攻につなげられ残り2分13-23。さらにU-24蒲谷の3ポイントシュートで13-26とダブルスコアになる。この後荒尾がリバウンドシュートでファールをもらい、フリースローを2投とも決めるが、反撃もここまで。最後にU-24加々美にミドルシュートを決められ、15-28となった。

シューターらしさを見せた川村
状況を打開した太田のカットイン

リバウンドを掴む期待の2m選手・荒尾

<インタビュー>

田中聡監督
我々もこういう機会が欲しいと思っていたので、今日は本当にいい経験になりました。まだチーム内部でしか実践的な練習をしていなかったので、外のチームとやることで、メンバーの組み合わせ、誰がどんなことが出来るかなどを確かめられました。いいところ、鍛えるべきところが両方見られましたね。でもまだ“個”の段階で、このチームのスタイルが浸透していないので、これからの合宿で詰めていきたいです。太田・川村のビッグガードは、ファンダメンタルがしっかりしていて、よくやってくれましたが、ちょっと自分のスタイル(所属高での点を取るスタイル)に戻ってしまったかなというのもありました。」

川村卓也キャプテン
軽い動きからノールックパスや3ポイントシュートを繰り出し、天性のバスケットセンスを存分に発揮した。
「はじめちょっと雰囲気にのまれちゃいました。でも積極的に挑戦しないと始まらないし、ミスを怖がっていたら胸を貸してもらっているのに失礼だし、自分達の成長にもつながらないので、皆自分が出来ることをやっていきました。U-24とやると聞いたのは一昨日の夕食のときで、“えっ?!”と思ったし、皆に伝えた時も動揺していました〈笑〉。試合をしてみて、自分達と違うなぁと思ったところは、やっぱりシュートの確率ですね。自分達は足が止まると得点も止まってしまいました。でも最後は皆走れていていいところが見せられたと思います。
自分のプレーでは、チームでは45度より下が多いので、ついつい下がってしまってもっと上(トップより)でプレーしろと言われてしまいました。
このチームではガードなのですが、マッチアップしたU-24のガードの選手は、自分より小さくてもどんどん仕掛けてくるし、カバーとか合わせとかガードとしての判断のところは参考になりました。
今日は本当にいい勉強になったと思います!このチームはこれからです。インターハイなどあって合宿が少なく、なかなか集まって練習できないけれど、その短い中でもやれるメンバーが集められていると思うから、
U-24やA代表の皆さんに負けないように大会(9月のアジアジュニア選手権)でいい結果を残したいです。」

太田匠選手

1歩、ワンドリブルの幅が大きく何度も鋭いドライブを見せ、得点が止まったときの頼りとなった。
「今日の試合はU-24が相手だし、勝つとか勝負というよりは、自分達のバスケットをどれだけ出来るかということによりウェイトを置いていました。U-24は僕らと比べて、パワーがあったし、シュート力もありましたね。8月にまた合宿があるので、もっとスピードをつけて、(それぞれの高校)チームに帰ってからもシュート練習をしないといけないなと思いました。
自分のチームではドリブルが多いのに対し、このチーム(U-18)ではパス&ランをよく使うのですが、今日は上手く出来たと思います。」

荒尾岳選手
身長200cmの期待のビッグマン。その大きさを感じさせない運動量・器用さも持っている。
「(途中マッチアップしたU-24・菅谷選手(215cm)は)高かったです…(笑)。U-24はやっぱり当たりが違いました。1番感じたのはリバウンドを取るとき。自分は思うように取らせてもらえなかったです。それからボールをもらう時の体の使い方ですね。自分はまだうまく使えていないなぁと思いました。」


ジェリコA代表HCのアドバイスを聞くU-18代表

<取材・文 北村美夏>
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