<第26回男子ジョーンズカップ>
8月1日、台北で、ジョーンズカップ男子が行われた。
最終8戦目の日本は、台湾ホワイトに挑むもやぶれ、通算2勝6敗となった。
今後U-24チームは、社会人1・2年目の選手もまじえ、来年のユニバーシアードを目指す 。

<男子ジョーンズカップ 第8戦>
8月1日(日) 会場:(台北)

TEAM
 



 
TEAM
 
71
18
1st
27
95
日本

19

2nd
18
台湾ホワイト
13
3rd
22
21
4th
28

スターティングメンバー
日本:#4中川・#6瀬戸山・#8大宮・#10佐藤・#11大西
台湾ホワイト:#6LEE・#7TIEN・#8CHANG・#9TSENG・#13CHEN

第1クォーター、開始直後に台湾ホワイト#13CHENに3ポイントシュートを決められる。さらに#8CHANGにも2本続けて3ポイントシュートを決められ、開始2分で0-9となる。日本はなかなか攻めきれず、得点につながらない。ディフェンスでもプレッシャーを十分にかけていけず、その後も#9TSENGのダンクや#6LEEのスティールからの速攻で、一気に0-13と離される。残り6分50秒に、#8大宮が1on1からファールをもらい、そのフリースローを2本とも決めて、やっと日本の初得点となる。そこからリズムを取り戻した日本は、#4中川が自ら持ち込んでのドライブ・レイアップシュート、#7蒲谷のスチールから#8大宮のダンク、#7蒲谷のドライブインと連続得点し、8-15と台湾ホワイトを追う。しかし、そこから台湾ホワイトに3連続得点を与え、またもや点差が開く。残り2分55秒にタイムアウトを取ると、その後途中から入った#12加々美が得点に絡み、自らの3ポイントシュートやミドルシュート、#8大宮のと合わせのプレーで得点する。終了間際には#13町田がオフェンスリバウンドをねじ込み、18-27と点差を1桁の9点として第1クォーターを終える。

第2クォーターは、#5熊谷・#13町田と日本の連続得点から始まる。しかしそこから日本はなかなかディフェンスが機能せず、残り5分には23-40と離される。しかしここで#4中川・#8大宮の専修大コンビが奮闘、まず#4中川がスティールからの速攻を決めると、#8大宮が3ポイントシュート、さらに#4中川が3ポイントシュートと連続得点し、残り3分37秒には31-40となって、台湾ホワイトにタイムアウトを取らせる。その後、台湾ホワイトのエースの1人#13CHENのドライブインシュートを、#15菅谷がブロックし、会場が沸く。さらに#15菅谷は#11大西のシュートがこぼれたところをタップで決め、#6瀬戸山も速攻からゴール下で得点し、37-42と5点差にまで迫る。だが、終了間際に台湾ホワイト#13CHENに3ポイントシュートを決められ、残り1.6秒でタイムアウトを取って最後のオフェンスを確認するも、結局得点には至らず、37-45と8点ビハインドで前半を終了する。

しかし第3クォーター、開始から日本はオフェンスが上手くかみ合わない。残り4分を切るまでに#6瀬戸山のフリースローと、#11大西のオフェンスリバウンドの3点のみの得点に抑えられる。逆に台湾ホワイトはこの日21得点と当たっている#8CHANGが連続得点し、さらに#13CHENに3ポイントのフリースローを3本とも決められるなどし、40-62と一気に22点差をつけられてしまう。しかし、日本も#7蒲谷の3ポイントシュートが決まり、守っては#15菅谷がゴール下でシュートブロックを見せ、簡単に台湾ホワイトにドライブさせない。台湾ホワイトのシューター#15CHOUにウィングから3ポイントシュートを決められるも、終了間際日本#12加々美がコーナーから3ポイントシュートを決め返し、何とか50-67として第3クォーターを終える。

第4クォーター序盤は、交互に点を取り合う展開となる。まず、台湾ホワイト#6LEEにドライブインから得点されると、#9大屋が#15菅谷のポストにあわせたプレーで得点。さらに台湾ホワイト#15CHOUにコーナーから3ポイントシュートを決められるも、#6瀬戸山がウィングから3ポイントシュートを決め返す。残り6分50秒には粘り強いディフェンスで#12加々美がオフェンスファールをもらい、流れは日本に来かけるが、ここで台湾ホワイト#13CHENにドライブインからディフェンスをかわしてのシュートを決められ、流れをキープされる。それでも最後まで攻め続け、#4中川が積極的なオフェンスを展開し、#7蒲谷の3ポイントシュートや、#15菅谷のトップからのミドルシュートをアシストする。さらに#8大宮がスティールからの速攻ダンクや、終了間際のオフェンスリバウンドをダンクでねじ込むプレーをみせるも、第3クォーターでの点差が大きく、結局71-95で台湾ホワイトに敗れた。

<インタビュー>
池内ヘッドコーチ
「今日は局面・局面ではいいところもありました。しかし、集中が必要な時に、やろうとしていることができるかできないかの差が大きかったですね。出だしも悪かったし…。身体能力の違いもさることながら、なにより選手たちに感じてもらいたいのは、”メンタル面の強さ”とか、”基礎技術がしっかりしている”ということです。例えば、ディフェンスの時、日本では今のステップで守れても、こういう場所では通用しないことや、一生懸命間合いを詰めてシュートチェックに行っても、それが相手にとってはたいしてプレッシャーになっていないということ。そういうことをもっともっと感じてもらいたいし、もっともっと練習していかないといけないですね。これからのそれぞれの大学での取り組みについては、とにかく意識を高く持ってプレーしていく事ですね。シュート1つでも、日本のプレッシャーが甘いのならば、絶対落とさないようになること、逆にディフェンスでは日本だからと流されないで、より激しく、しかしファールはしない。そういう”意識”をしっかり持って1つ1つのプレーができるようになっていかないといけないし、それが彼らにとって必要な事です。個々には力があるので、この経験をどう生かして、伸ばしていけるかですね。この大会のいわゆる”成果”は、半年後にわかってくると思いますね。
日本のこれからのためには、もっとファンダメンタルなことをやっていかなくてはいけないと思います。そこがもっと強くなれば、もっとしっかり世界と戦っていけると思いますよ。
今回は結果としては負けが多かったのですが、得るものもたくさんあったので、それを今後に活かしていきたいです。」

#4中川選手
「今日はファールが途中かさみましたが、行かなくては行けないところで行っていたので、必要なファールだったと思いました。(もし自分がファールアウトしたらとは)あまり考えなかったですね。必要なことなので。今日は自分らしいプレーがいくつかは出ましたが、やはり点がもう少し入ればよかったなと思います。
これからの日本の課題は、とにかく”意識”だと思います。今回は、“はじめて来ました”“こんな感じです”みたいなところがあったので、もっと自分たちが”代表なんだ”という意識でやること。”気持ちの強さ”ですね。」

#5熊谷選手
「今日は試合前から”行ける!”って言う雰囲気が全体にありました。でも今日のゲームだけ見ると、自分のやりたかったことはあまり出来ていませんね。今日は気持ちの面が違ってました。相手は台湾だし、観客も多いし…でも、初日の台湾(ブルー)戦の時は”なんだこれ!?”って思いましたが、今日はそれほど思わなかったです。試合に集中ができていました。
この大会を通して、”気持ち”の面が大きいなと改めて感じました。(所属する)拓殖大は、そういう”気持ち”の面で弱いところがあるので、今回いっしょに参加した加々美とそういうことをきちんと伝えていかないといけないし、(キャプテンの)清水(誠太)ともいっしょにチームを引っ張っていかないといけないなと思いました。
今の目標はまず”1部”ですが、今回こういう国際大会を経験して、来年のユニバの選考にも入っていって、上のレベルでプレーしていきたいです。」

#6瀬戸山選手
「自分の弱いところがわかった大会でした。これから帰ってもっと練習したり、意識していくことが必要です。それができれば、“もっと上”のレベルまで成長できると思います。(チームの中でのポジションの違いなどで)慣れない所もありましたが、コーチが目指すもの、そのチームのルールの中で、きちんとアジャストしながらやっていけるような選手にならないと、使ってもらえないと思うので、いろいろ考えながらやっていきたいです。
これからは、自分はチーム(筑波大)のキャプテンでもあるので、そちらの方を、しっかり集中してやって、ここで得たものを上手く表現できればいいと思います。」

#7蒲谷選手
「この大会では、一気にガンガンと行きましたね。自分的にも行きたかったので…。李相佰杯の時は、手の親指を痛めていたのもあって、なかなか思ったようにプレー出来なかったですし。(初日にした)捻挫はまだかなり痛いです。痛み止め結構飲んでやってました。それでもかなり痛かったですね。
この大会で自分の課題も出ました。ディフェンスであったり、身体の当たりであったり。全てのことにおいて、もっと自分を上に上げなくてはいけないし、レベルを上げていかないといけないと思いましたね。これからも頑張ります!」

#8大宮選手
「台湾は、去年のユニバのメンバーが揃っていて、その時は1度勝っていたので、この試合前にもそのビデオを何回も見てから臨みました。でも、去年のときより全然強かったです。
(A代表からこのチームに変わって)最初はA代表に比べると、モチベーションが低いなって感じましたが、徐々にチームとしてまとまってきて、特にこちらに来てからは、すごく気持ちも高まっていたので、よかったですね。
(キリンカップには残らなかったが)こちらに来れてよかったと思ってます。こちらのほうが試合数が多くて、プレータイムも長いと言うのもありますが、それ以上に”アウェイ”でやる経験ができたことが、本当によかったですね。国際大会の中で、食事とか環境とかのことを考える勉強ができたので。コンディションの調整はクロアチアを経験していたので、(他の選手たちはお腹をこわしたりとかもしていましたが)自分はそれほど大変ではなかったです。
今日の試合で台湾の#13CHENに自分の上からダンクを決められて…正直日本の大学の中で自分の上からダンクを決められる人はいないと思うので、そういう意味でもいい経験になりましたね。この“思い”を大切にして、次につなげていきたいです。」

#12加々美選手
「今日は積極的に狙ってみました。わりとよかったかなとは思いますが、他のチームとかはもっとノーマークをうまく作っているし、きちんと決めているので、そこがまだまだだなと思います。
本当にいい経験になったので、これを日本に持ち帰って、上手く生かしていきたいです。チーム(拓殖大)に戻っても、ゲームで競ったりとか、苦しいときこそ、こういう経験を思い出して、頑張っていきたいです。チームではとにかく1部にあがることが今一番大切なことなので、頑張ります!」

#13町田選手
「手応えのあった大会でした。(佐藤選手の不調によるスターターは)ある意味チャンスでもありました。“ここで頑張っておけば、次につながる”と思ってプレーしました。今日は一瞬ですが、自分のやりたかったプレーも出来ましたね。でもやはり悔しい負け方をしたと思ってます。いいところはあったけれど…、十分ではないですね。もっとやれたと思います。
今回の経験は、自分にとってははじめてのことなので、悔しい思いとか、通用して嬉しかった思いとか、これからも自分の中に残っていくと思います。これからしばらくは大学のチーム(法政大)の中でのプレーになりますが、ビデオとかを見たりして、常に上のレベルのプレーを意識していたいです。
今後の大学のチームの中で、今までよりもっと自分がやれると思うし、やっていかないといけないと思います。いい意味の自信もついたし、それ以上に使命感とか、責任感も湧いてきました。これからも頑張ります!」

#14石崎選手
「出るところは少なかったのですが、その中でも自分のプレーができたところもありました。今日の台湾(ホワイト)はそれほどレベルが違うとは思わなかったのですが…向こうがあまり本気を出していなかった感じもしましたね。
これからはチーム(東海大)に戻ってのプレーですが、今年は絶対1部に上がらなくてはいけないので、そういう意味でも、自分が高い意識をもってやっていく事が必要だし、それがまたモチベーションを維持していく事にもつながると思います。頑張ります。
来年もできればこういう選抜のメンバーに選ばれたいし、もっとプレータイムがもらえるようになりたいですね。」

#15菅谷選手
「(今日もシュートブロックが冴えていましたが)それしかないので…。(台湾ホワイトのエース#13CHENのドライブイン・シュートをブロックしたのは)全然覚えてないですね。ほんとですか?…無我夢中でした(笑)。これは自分の持ち味なので、頑張ろうとは思っていました。今日はオフェンスでも、積極的にハイポストにあがってプレーしました。自分が得点するより、周りの選手にしっかりボールをまわして点を取っていった方がいいと思ったので。こういうプレーは大学(京産大)ではあまりやらないですね。折角覚えたので、これから大学に戻っても、使っていけるようにしたいです。
これからの目標は、大学のチームの方で関西で優勝して、インカレで上位に上がることですね。この春からの経験を生かしていけたらいいと思ってます。」

<取材 渡辺美香/構成 北村美夏>
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