<第54回関東女子学生リーグ戦>

第54回関東女子学生リーグ戦が11・12日、野田市総合体育館・日本女子体育大学で1部の2週目を行った。全4試合の詳細は以下の通り。



<第54回関東女子学生リーグ戦 2週目

9月11、12日(土、日) 会場:野田市総合体育館、日本女子体育大学

TEAM
         
TEAM
 
100
24
1st
19
64
 
東女体大
30
2nd
13
松蔭大
21
3rd
27
25
4th
25

TEAM
         
TEAM
 
78
29
1st
25
85
東女体大
6
2nd
21
松蔭大
21
3rd
23
22
4th
16

(9/12分)
前半は松蔭が速さを活かした攻撃で、46-35と10点以上の差をつけて終了する。

第3クォーターも松蔭ペースは変わらない。松蔭はチームリーダー#5中沢の1on1や#14関根のドライブなどでオフェンスを作っていく。残り5分を切って、63-41と松蔭が大きくリード。しかし、そこから東女体#15飯塚のドライブや3ポイントシュートなどで追い上げられる。一度は22点あった点差が、13点差まで詰められるも、なんとか10点以上のリードを保ち、69-56で第3クォーターを終了する。

第4クォーター、開始すぐに松蔭#15幡矢がオフェンスリバウンドからバックシュートを決め、またも松蔭のペースになるかと思われた。しかし、東女体#6野田・#15飯塚の速さを活かした1on1からの攻撃に、松蔭のディフェンスが崩される。残り8分から#15飯塚の3ポイントシュート2本を含めて、連続12得点され、残り5分には74-70と一気に差が縮まる。松蔭#14関根がカットインからのレイアップを決め、なんとか点差を保つも、すぐに東女体#5柳沼にローポストからの1on1を決められる。残り4分25秒、東女体#15飯塚のドライブを止められず、ファールとなり、そのフリースローで76-73と3点差となる。松蔭はなかなか攻めきれなくなるが、なんとか得意のブレークを出すことができ、点差を

松蔭#5中沢
保つ。残り3分には松蔭#5中沢のドライブイン・シュートが決まり、80-75と5点差とするも、東女体#15飯塚のドライブインからのパスアウトに合わせた#18張替の3ポイントシュートが決まり、80-78と2点差にまで迫られる。残り2分13秒、タイムアウトを取って、今後の確認をすると、積極的なオフェンスを展開し、流れを取り戻す。東女体になかなかボールを持たせず、残り21秒、ファールで止めさせる。そのフリースローを#6堀内がきっちり2本とも決め、85-78とし、さらに焦る東女体にプレッシャーをかけ、ボールをキープする。ファールゲームに持ち込ませず、85-78で勝利し、この対戦を1勝1敗と5分にした。

<EDITOR'S VOICE>
  松蔭は速さと勢いのあるオフェンスでリズムを作るチームで、先行されると、追い上げるのが難しくなる。そのためこの試合では序盤でリードをつけ、追われる側に回ったが、追いあげられることに慣れていないのか、自分たちでペースを作っていけなくなる。第4クォーター、一気に崩れたが、そこでなんとか踏みとどまり、さらに、最後の2分からは、ルーズボールへの反応もよく、集中したプレーが展開でき、なんとかリードを保つことができた。これで4戦を2勝2敗とし、上位進出に望みをつないだ。
  東女体は、第3クォーター終盤から#15幡矢が波に乗り、松蔭は全く止められなくなっていた。しかし、ディフェンスで松蔭の#5中沢を止められず、さらにそこから展開され、今一歩まで行きながら、追いつくことができなかった。これで4戦で1勝3敗となり、今後の10試合を5割近い確率で勝たないと、入れ替え戦回避が難しくなった。



1昨年1部に昇格し、昨年の1部での活躍が記憶に残る松蔭大学。しかし、その時の主力の多くが卒業し、今年は“新チーム”としてスタートした。スターターが3年生と1年生。「もう松蔭は終わった、と言われる」と小林監督の言葉にあったが、メンバーが変った今年も、そのスピードと前向きで集中したゲーム展開は、見る人を魅了している。
この“新チーム”でチームリーダーを務める3年生#5中沢選手に話を聞いた。

「去年から自分は結構試合に出てることが多くて、練習中からも自分が引っ張っていかなくてはいけないと言う意識はあります。監督からも言われてます。プレッシャーとかはあまりなくて、“やるしかない!”っていうのがあります。
チームは今、去年は去年、今年は今年なので、チャレンジャーっていう気持ちで、また1からやり直して、新しく挑戦する気持ちでみんなやっていますね。1年生の#14関根が得点源になっているのですが、今日はそれほどでもなかったですけど、普段は#7の山西もよく点を取ってくれます。あとは高さや能力がない分、切り替えとかを速くして、動きの中でとか、速さで崩せるように心がけています。逆に課題は、まだミスなども多くて、自分たちのリズムが悪くなった時にどんどん崩れていくということが多いので、ミスを無くしていって、常に自分たちのペースで試合を持っていけるようにしたいです。うちは速い展開からの攻めで得点が決まっていくと、ディフェンスでも足が動いていくので、オフェンスからリズムを作るようにしています。」

チームは“オフェンスから”の言葉通り、競った試合では積極的なドライブインでオフェンスを引っ張り、相手のリズムを崩していた。この日も監督の下、最後の試合まで観戦。“チャレンジャー”のチームは常に“上”を見ていた。



<第54回関東女子学生リーグ戦 2週目>
9月11、12日(土、日) 会場:野田市総合体育館、日本女子体育大学

TEAM
         
TEAM
 
86
16
1st
17
54
 
筑波大
22
2nd
10
拓殖大
20
3rd
8
28
4th
19

TEAM
         
TEAM
 
84
17
1st
17
65
 
筑波大
22
2nd
12
拓殖大
17
3rd
17
28
4th
19

(9/12分)
スターティングメンバー
拓殖:#4伊佐・#7重村・#8石岡・#9梅崎・#11藤本
筑波:#4田渕・#9宇佐美・#11加藤・#16櫻田・#17鈴木
第1クォーター、開始から筑波はディフェンスで強いプレッシャーを拓殖のインサイドにかけていき、ペースをつくる。開始3分で6-2とリードするが、残り6分27秒、タイムアウトを取った拓殖の#7重村を中心としての展開に対応できず、一気に追い上げられる。リズムを崩した筑波はターンオーバーを連発し、なかなか得点につながらない。残り5分を切って、拓殖#11藤本に速攻を決められ、6-9と逆転される。しかし、筑波も代わって入った#13内田が3ポイントシュートを決めて同点とし、ここからはシーソーゲームとなる。残り1分を切ってから筑波#4田渕がミドルシュートを決め、17-15とリードするが、残り39秒に拓殖#4伊佐のドライブインにファールをし、そのフリースローを決められ、17-17と同点となる。その後はどちらも攻めきれず、同点のまま第1クォーターを終える。

第2クォーターに入ると、筑波が流れをつかむ。#4田渕がチームを引っ張る積極的なオフェンスを展開し、守っては拓殖のインサイドに徹底的にディナイやダブルチームなどで、仕事をさせない。開始から4分で28-21と7点差をつけてリードする。さらに筑波はハーフコートでゾーンディフェンスに変え、拓殖の高さを活かした攻撃に対応する。しかし、残り4分から少しずつ拓殖のパスがインサイドに入るようになると、外のシュートも生きはじめ、残り1分には拓殖#4伊佐

積極的に攻めた筑波#4田渕
の3ポイントシュートで34-29と5点差にされる。しかし、筑波は#11加藤が3ポイントシュートを決め、さらに残り1秒には#8近藤がローポストからの1on1で39-29と10点差として、前半を終える。

第3クォーター、今度は開始からリズムを作れない。拓殖に連続で得点され、39-36と3点差にまで詰められる。しかし、筑波はこの日積極的に攻め込み、チームを引っ張る#4田渕がルーズボールに飛び込むなどファイトあふれるプレーをみせ、流れを持ち込む。さらに、残り2分から#13内田の2本の3ポイントシュートで、56-46と点差を戻す。残り2分からはどちらも攻めきれず、そのまま10点リードして、第3クォーターを終える。

第4クォーター序盤はどちらも点を取り合う展開となるが、残り5分から一気に得点を伸ばし、71-59と12点差とする。さらに残り2分30秒からも連続得点し、拓殖に全くペースを渡さない。結局65-84と19点差をつけて、筑波が昨日に続いて拓殖を破り、連勝した。

<EDITOR'S VOICE>
 筑波は高さのある拓殖に対し、徹底的にインサイドを機能させないディフェンスで、拓殖のペースを崩すことに成功する。ポストアップする拓殖#10などに対し、パスコースを読んでのヘルプや、ボールが入った瞬間のダブルチームなど、集中した絶妙のディフェンスを展開した。さらにオフェンスではキャプテンの#4田渕が積極的なオフェンスやファイトあふれるプレーでチームを鼓舞した。先週は#4田渕から#13内田へと交代することが多かったが、この日はこの2選手を同時にコートにおき、田渕により積極的な攻撃をさせると同時に、パスの回りをよくし、3ポイントシュートの確率をあげた。対拓殖(高さ)の意識がはっきりみられた戦い方だった。この連勝で成績を3勝1敗とし、全勝の2校に続く3位にあがり、来週の日体戦、再来週の専修戦へ優勝の望みをつなぐ。
  拓殖はインサイドが機能せず、苦しい展開を強いられた。センターの#10趙などが中ではボールが入らないので外に出てプレーすることが多くなり、ボールの回りが悪くなる。後半敢えて高さのある選手を下げ、速さで勝負にかかったが、なかなかチームでの連係プレーにつながらず、#4伊佐のスキルを活かした個人プレーが中心になってしまっていた。この連敗で成績を2勝2敗の5分とした。リーグ終盤に上位と当たるため、ここでの連敗はかなりひびきそうだ。
この2チームは春に行われたトーナメントの順位決定戦で対戦、拓殖が勝っている。その試合で悔しさを味わった筑波のほうが、拓殖より勝利への思いが大きかったのだろう。



<第54回関東女子学生リーグ戦 2週目>
9月11、12日(土、日) 会場:野田市総合体育館、日本女子体育大学


TEAM
         
TEAM
 
75
19
1st
14
67
 
日体
15
2nd
21
日女体大
23
3rd
15
18
4th
7

TEAM
         
TEAM
 
69
22
1st
14
55
 
日体
11
2nd
12
日女体大
15
3rd
17
21
4th
12

(9/12分)
スターティングメンバー
日体:#4加藤・#6野田・#7松尾・#13石川・#14胡
日女体:#4成田・#5鈴木・#8渡邊・#15森川・#18水沢
第1クォーター、スタートから日体のペース。1on1を積極的に仕掛け、8-0とリードする。日女体に#4成田の1on1などから徐々に得点されるも、日体の得点も止まらず、残り3秒には#6野田が中に果敢に飛び込むドライブからバスケットカウントで、22-14と日女体の追い上げをしのぎ、8点リードして第1クォーターを終える。

第2クォーターも序盤は日体のペースで進む。しかし、日女体に厳しいディフェンスからトランジッションの速い攻撃を展開され、スティールを3本されるなどで、残り5分54秒には28-23と5点差に迫られる。さらに残り2分30秒には、日女体#4成田に3ポイントシュートを決められ、28-26と2点差とされる。しかし、ここから日体も#4加藤・#6野田が奮起し、ドライブを使った速い攻撃で日女体のリズムを崩す。最後の2分30秒間、日女体を無得点に抑え、逆に日体が#4加藤の速攻などで得点し、33-26とリードを保ち前半を終える。

しかし、第3クォーターはスタート、日女体#8渡邊のミドルレンジでのシュートがよく決まり、一気に33-32と1点差にまで詰められる。焦りがでた日体はターンオーバーが多くなり、なかなかオフェンスが組み立てられない。残り7分、日女体#4成田にスティールからの速攻を決められ、35-36と逆転される。しかし、そこから日体もオールコートのゾーンプレス・ディフェンスで応戦、日女体のオフェンスのリズムを崩す。日体は#10養田の連続得点や、#9細川の3ポイ

ファイト溢れるプレーでチームを
引っ張った日女体#4成田
ントシュートにより、再びリードするが、最後まで日女体#4成田に粘りのオフェンスを展開され、引き離すことができず、48-43と5点リードで第3クォーターを終える。

第4クォーターは一転日体の速さのある攻撃で、日女体にペースを作らせない。残り6分には57-47と10点差とし、さらに日体は得点を重ねていく。残り2分30秒に粘る日女体の速いパス回しから#8渡邊に3ポイントシュートを決められ、さらに日女体のプレスディフェンスに、オーバータイム・バイオレーションを取られるなど、流れが日女体へいくかと思われたが、日体は焦らずゲームを展開。#6野田の3ポイントシュートで得点すると、最後まで粘る日女体を振り切り、69-55で日体が連勝した。

日女体の粘りのディフェンスからの速い攻撃に、一度はリードを奪われた日体だったが、自分たちもディフェンスを厳しくすることからペースを戻した。さらに要所でのチームリーダー#4加藤、司令塔#6野田の活躍で、流れを完全に相手に渡さなかった。また、選手層が厚く、主力の調子が落ちると、すぐにベンチに戻し、またチームのリズムが悪くなると投入するなど、多彩なベンチワークが展開できる点も、ゲーム強さをさらに高めている。これで開幕から4連勝となった。

<EDITOR'S VOICE>
  日女体は昨年2部から昇格したばかりのチームで、勢いがある。しかし、要所で自分たちのペースを作ることができなくなり、相手にペースを持っていかれることがこの数試合続いている。これで4戦4敗。この4試合は昨年の1・2位のチームということで、なかなか厳しいものもあっただろう。「いいところまでいくのですが、そこから止まってしまう。うちの課題です。」との柴田監督の言葉通り、この課題をどこまでクリアしていけるに、上位に入れるかどうかがかかっている。



<第54回関東女子学生リーグ戦 2週目>
9月11、12日(土、日) 会場:野田市総合体育館、日本女子体育大学


TEAM
         
TEAM
 
82
15
1st
25
79
 
22
2nd
19
専修
21
3rd
17
早稲田大
 
15
4th
12
 
9
OT
6

TEAM
         
TEAM
 
75
24
1st
14
67
 
専修
17
2nd
15
早稲田大
12
3rd
20
22
4th
18

(9/12分)
スターティングメンバー
専修:#4関・#5川村・#6長南・#8山下・#11岩崎
早稲田:#4堀江・#5宮本・#7松井・#8半澤・#18谷
第1クォーター、専修は#5川村が中・外と活躍、開始3分あまりで10-4とリードする。しかし、早稲田#18谷にゴール下での強さを発揮され、残り5分を切って、12-10と2点差にまで詰められる。ここからまたもや専修#5川村が3ポイントシュート2本を含む8得点と活躍。最後は専修#6長南がゴール下でのシュートを決め、24-24と10点リードして第1クォーターを終える。

第2クォーター序盤は、専修は#15柿原が、早稲田は#18谷が得点し、どちらも譲らない。しかし、専修が#10伊藤のインサイドや#4関の3ポイントシュートなどで37-20とリードを17点と広げる。その後早稲田に#10南の3ポイントシュートなどで追い上げられ、さらに残り1分37秒に専修#10伊藤がフリースローを2本ともはずすなどし、41-29と12点差とされ、前半を終えた。

第3クォーターは流れが早稲田に傾く。早稲田に厳しいディフェンスをされ、専修はなかなか自分たちのリズムが作れない。残り6分をきってから、早稲田#
5宮本にミドル、3ポイントシュートと連続得点され、45-41と4点差に。さらに残り3分25秒にはファールの増えた専修がチームファールから早稲田#8半澤にフリースローを2本決められ、47-45と2点差とされる。どちらもファールが多くなり、残り2分を切ってからはファールによるフリースローの得点ばかりになる。

要所で決めた専修#6長南

最後は専修#10伊藤がドライブイン・シュートを決め、53-49とわずかに専修がリードして第3クォーターを終える。

第4クォーター、スタートから専修は怒涛の攻撃にかかり、早稲田のディフェンスを機能させない。開始3分で64-49と15点とリードを広げる。しかし、そこから早稲田のプレスディフェンスが機能し始め、2本のスティールからの速攻を含む、連続7得点で追い上げられる。早稲田#11荒瀬のミドルシュートで66-58と8点差にされるが、ここで専修#5川村が1on1からのミドルシュートと3ポイントシュートを連続で決め、流れを早稲田に渡さない。しかし、粘る早稲田に#10南の3ポイントシュートなどで、残り40秒73-67と6点差にまで迫られるが、焦らずゲームを展開。残り29秒、#9中川が得たフリースローを冷静に2分とも決め、そのまま守りきり、75-67と専修が連勝した。

<EDITOR'S VOICE>
 専修はこの日#5川村がゲームを引っ張った。序盤のリード、そして、終盤の一気に引き離す場面での積極的なオフェンスで、流れを早稲田に渡さなかった。また、この試合では#6長南が中で勝負することが多かった。要所でのこの2人の活躍で、競りながらも危なげなく試合をリードできていた。これで4戦4勝。2連覇に向けて突き進む。
  早稲田は前日の接戦を落とし、負けられない試合だったが、#5川村を止められなかったのが痛かった。この試合では1年生の#18谷が活躍したが、要所では専修の上手さにやられることが多かった。早稲田は先の日体、この専修と強豪チームとの対戦で4戦4敗となった。入替え戦を回避し、上位に上がるためには、今後の試合を5割以上勝たないといけなくなる。

<取材・文 渡辺美香/構成 北村美夏>

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