<第54回関東女子学生リーグ戦>

第54回関東女子学生リーグ戦は25・6日、駒沢体育館他で1部の4週目を行った。全4試合の詳細は以下の通り。



<第54回関東女子学生リーグ戦 4週目>
9月25、26日(土、日) 会場:駒沢体育館、浦和駒場体育館


TEAM
         
TEAM
69
22
1st
15
56
 
筑波
17
2nd
5
専修大
14
3rd
18
16
4th
18

TEAM
         
TEAM
77
15
1st
29
71
 
筑波
17
2nd
13
専修大
25
3rd
19
20
4th
10

(9/25分)
スターティングメンバー
専修大:#4関・#5川村・#6長南・#8山下・#11岩崎
筑波大:#4田渕・#9宇佐美・#11加藤・#16櫻田・#17鈴木

第1クォーターは開始から交互に点を取り合う展開になる。筑波は、11-8とリードしていた残り5分25秒、チームファールが5個を超えて専修#6長南に2回連続でフリースローを与えてしまう。しかし、これをそれぞれ1本ずつ外してくれ助けられる。その後、専修のもう1人の中心選手・#5川村からオフェンスファールを取り、ベンチへ下げさせる。ここからポストを上手く使って中-外と攻め得点をかさね、19-10とリードを広げる。専修#8山下に3ポイントシュートを決められるも、第1クォーターは22-15と7点リードして終える。

第2クォーターに入るとさらに勢いづく。#11加藤のローポストからの攻撃を軸に連続得点。また、ディフェンスでは速いローテーションとヘルプで専修にオフェンスを組ませず、残り1分まで無得点に抑える。結局このクォーターで一気に得点を伸ばし、さらに相手の得点を5点に抑えて39-20とリードを19点に広げ、前半を終える。

第3クォーター、専修#5川村に果敢にゴール下に飛び込まれて何度もオフェンスリバウンドからの得点を許すも、中・外とバランスよく得点し、点差は変わ
ローポストから果敢に1on1を
仕掛ける筑波#11加藤
らない。しかし、ディフェンスにゾーンを使われると、ポストを使った攻撃が封じられ、攻めあぐむ。残り3分にはスティールから速攻に走られ、#11加藤が専修#6長南にアンスポーツマンライク・ファールをしてしまい、そのフリースローを2本とも決められて流れが専修へと傾く。だがそれまでの点差が大きく、その後専修#10伊藤・#14渋川に3ポイントシュートを決められるも53-38と15点のリードを保つ。

第4クォーターは専修#4関の3ポイントシュートで始まる。そこから筑波が連続得点し離しにかかるが、またもや専修#4関に3ポイントシュートを、続けて#5川村にミドルシュートを決められ、なかなか離せない。残り3分10秒には専修#8山下に3ポイントシュートを決められ、62-51と11点差にされるも、その後も落ち着いてゲームを進め、リードを保つ。残り5.6秒に専修#6長南にゴール下のシュートを決められるも、69-56と12点差で筑波が昨年のリーグ優勝校・専修に勝利した。

筑波大学 内山治樹監督(9/25試合後)
「今日は相手のオフェンスのパターンを止めていくことが課題でした。上手くいきましたね。具体的には…秘密です(笑)。明日も頑張りますよ。」

専修大学 児玉監督(9/25試合後)
「先週の敗戦は、1日目に大勝したせいで気持ちが入っていなくて負けてしまいました。今日は筑波ということで、手強いことはわかっているし、モチベーション的には問題はなかったのですがね。オフェンスで取り掛かりのところを止められて、次につなげる展開ができなかったことが敗因です。自分たちのオフェンスが上手く組めなかった時に焦ってしまって、フリーランスでのオフェンスにつながらなかったです。逆に筑波には加藤(#11)にポストで1on1をやられてしまって…本当はマンツーマンでしっかり守らないといけないのですが、1on1で止められなかったので、ゾーンに切り替えました。それで筑波の攻撃も少し鈍りましたね。でも、結局うちがしっかり攻められませんでした。川村(#5)の調子も先週からいまひとつです。勝気な子なので、チームの流れが悪くなると1on1が多くなる。いい時はそれでいいのですが、悪い時はボールの回りが止まってしまいがちですね。
明日はまずは筑波の#11加藤を止めること。あとは、やはりガードですね。ガードが上手くゲームをコントロールできるかどうかですね。
正直、ここにきてこういう経験をするというのは、選手たちにとっても、チームにとってもなかなかつらいものです。もうリーグに入っていて、なかなか途中で修正はできないからです。しかし、ゲームをやりながら修正していくしかないですよね。そしていい形でインカレにつなげたいです。」

<EDITOR'S VOICE>
 筑波は先週から好調の#11加藤をポストに使い、積極的に1on1を仕掛けさせた。途中ゴール下のシュートが落ちる時間帯があったが、ほぼゲームを通して止められることはなかった。専修がゾーン・ディフェンスへとチェンジした際はオフェンスの足が止まり、ボールの回りが悪くなったが、#4田渕を中心に果敢に中に切れ込み、ディフェンスを崩していけた。また、ディフェンスでは外のシュートに厳しくチェックをいれ、特に専修の得点源#5川村に楽にシュートを打たせず、チームをリズムを崩して56点というロースコアに押さえることができた。追い上げられた場面でも、先の日体戦がいい経験になったのか、慌てることなく対応ができていた。
 専修は前の週のゲーム・東女体との2戦目を落とし、チームとしては“絶対負けられない”意識は強かったはずだが、逆にそれが空回りした感もある。オフェンスでやりたいことをやらせてもらえず、リズムに乗れないまま最後までいってしまったような感じであった。いつもは多少のプレッシャーでも決めてくる#5川村の3ポイントシュートが全く決まらなかったことも、波に乗れなかった一因と思われる。後半川村もオフェンスがドライブ中心になるが、個人の得点は取れるものの、チームのリズムにはつながらず、勢いは出なかった。リーグ前“危機感”を口にしていたが、ここにきて本当の“危機感”を感じているのではないだろうか。



<第54回関東女子学生リーグ戦 4週目>
9月25、26日(土、日) 会場:駒沢体育館、浦和駒場体育館


TEAM
         
TEAM
 
73
18
1st
30
56
 
早稲田大
17
2nd
11
拓殖大
11
3rd
11
27
4th
4

TEAM
         
TEAM
 
62
14
1st
15
81
早稲田大
15
2nd
17
拓殖大
6
3rd
20
27
4th
29

(9/25分)
スターティングメンバー
拓殖大:#4伊佐・#8石岡・#9梅崎・#11藤本・#12鍋田
早稲田大:#4堀江・#5宮本・#7松井・#8半澤・#18谷

第1クォーター開始から、早稲田は拓殖の強いインサイドとドライブの突破にファールがかさみ、リズムを作られてしまう。残り5分で4-16と一気に離され、さらに勢いに乗る拓殖に速攻を決められて8-24と点差はひらいていく。しかし、そこから、インサイドの#8半澤が果敢にゴール下に攻め込み、ファールをもらってそのフリースローを確実に決めていく。残り1分をきって、#4堀江がカットインからゴール下に合わせ、18-28と10点差にするも、残り26.7秒に拓殖#11藤村にフリースローを決められ、18-30と12点リードされて、第1クォーターを終える。

第2クォーターは#11荒瀬のインサイドと、#4堀江のアウトサイドを中心にオフェンスを展開する。また、拓殖のインサイドに対し、ヘルプとプレスを繰り返し、オフェンスのリズムを崩してく。そして#11荒瀬のゴール下で24-34と10点差とするも、チームの要#4堀江が3個目のファールをしてしまう。しかし積極的に1on1からドライブインをしかけ、ファールを多くもらう。残り1分には#9市川がミドルシュートを決め、35-38と3点差にまで迫る。最後は拓殖#4伊佐に速攻を決められるも、点差を6点と半分に減らして、前半を終える。
拓殖大の高さに挑んだ
早稲田#8半澤
第3クォーター開始は早稲田ペースとなる。残り8分40秒には#4堀江が速攻を決め、41-41と同点とする。しかし、拓殖#11藤本にポストからの1on1を連続で決められ、さらには残り5分15秒には拓殖#7重村に3ポイントシュートを許し、43-48と5点差をつけられる。その後しばらくどちらも攻めあぐねるが、最後に拓殖#11藤本にバックコートからそのままドライブインされ、46-52と6点差のまま第3クォーターを終える。

第4クォーターは開始から連続得点し、52-52と一気に追いつく。ディフェンスのプレッシャーとピックアップを速くし、拓殖にチームオフェンスを組ませず、楽にシュートを打たせない。だが、ゴール下のシュートを落としてしまいなかなか点差がひらかない。それでも、#9市川のカットインや#4堀江・#17谷内の3ポイントシュートで残り5分には63-52と11点差をつけ、完全にペースを握る。拓殖#11藤本に最後まで粘られるも、順調に得点を重ね、56-73で逆転勝ちした。

<EDITOR'S VOICE>
 早稲田は何度も離されかけながらも、オフェンスでは#4堀江を中心に積極的に攻め込み、ディフェンスでは拓殖のインサイドにプレッシャーをかけて機能させず、第4クォーターに逆転に成功した。#4堀江は、前半でファール3個となるも強気で攻め続け、第4クォーターの勝敗を決める3ポイントシュートを決めたときは自ら拍手をするほど、チームに勢いを与えていた。リーグ序盤の昨年の1・2位のチームとの対戦では、接戦を演じながらも連敗したが、ここに来て息を吹き返してきたように思われる。
 拓殖は追い上げられた時のオフェンスの組み立てが上手くいかず、それを引きずったままディフェンスに入り、バタバタしてしまったという感がある。こういう時チームを引っ張る#4伊佐のスキルを使った攻撃も、今日はことごとくシュートが入らなかった。#11藤本が最後まで気を吐くも、チームとして機能しなくなった状態では踏ん張ることはできなかった。



<第54回関東女子学生リーグ戦 4週目

9月25、26日(土、日) 会場:駒沢体育館、浦和駒場体育館

TEAM
         
TEAM
 
80
21
1st
25
77
 
日女
19
2nd
16
松蔭大
24
3rd
14
16
4th
22

TEAM
         
TEAM
 
65
19
1st
25
60
 
日女
16
2nd
16
松蔭大
14
3rd
8
16
4th
11

(9/25分)
スターティングメンバー
松蔭大:#5中沢・#6堀内・#7山西・#14関根・#15幡矢
日女体大:#4成田・#5鈴木・#8渡邊・#15森川・#18水沢

第3クォーター終了時点で9点ビハインドの日女体は、第4クォーター残り2分74-74と同点とすると、フリースローを確実に決めて逆転、80-77でリーグ初勝利を飾った。

<EDITOR'S VOICE>
  元々高さで勝つ日女体は、丁寧にインサイドを攻め、自分たちのリズムをつかんだ。第3クォーターは松蔭の速さにディフェンスを崩されかけるも、点差を一桁に食い止めた。このチームの良さはメンバー全員が同じ“意識”でプレーできる点だ。同等の相手なら、気持ちが切れることが少なく、最後までチームとして集中してゲームを行えるチームである。ただ、オフェンスにおけるオプションの不在が課題。今週で上位との対戦は終えるが、今後も下位とはいえ日体・専修を破った筑波、拓殖に逆転勝ちした早稲田、松蔭と同じく速いオフェンスと粘り強いディフェンスが持ち味の東女体と厳しいゲームが続く。
 松蔭はスタートが3年生と1年生という若いチームであり、競った試合ではやはり経験不足が現れてしまう。オフェンスがチームで組めなくなり、個人技中心となる。個人技はディフェンスのいいチームにはなかなか通用しないし、チームの勢いには通じにくい。残り3週、どこまでチームとしての機能を上げていけるかが上位に残るカギとなる。
期待のかかる長身センター
日女体#15森川

日本女子体育大学 柴田監督(9/25試合後)
「ようやく1勝しました。今日は相手が小さいので、中で勝負するようにしました。ディフェンスでは、むこうにはいい3ポイントシューターがいるのでとにかく外は打せるなと言いました。ドライブの2点は3ポイントよりはいいし、カバーもできる。なによりむこうが盛り上がるのは3ポイントシュートだからです。
スタートに2年生の森川(#15・190cmのセンター)を入れているのは、これからを期待してですね。先の拓大戦から少し点も取れるようになってきて、リバウンドにも絡めるようになりました。でも、まだまだ弱いですよね。もっともっと変わっていかないといけない。
今日のゲームは終了間際まで競っていて、同点で松蔭の(#5)中沢さんがフリースローを2本とも落としたのは、本当にラッキーでしたね。彼女はそんなに落とすような選手ではないでしょう。プレッシャーですかね。松蔭のオフェンス自体がかなりバタバタとしていて、焦っていましたよね。
しかし、なんといってもこれでようやく“1勝”ですから。明日も頑張って勝たないといけないですね。」



<第54回関東女子学生リーグ戦 4週目>
9月25、26日(土、日) 会場:駒沢体育館、浦和駒場体育館

TEAM
         
TEAM
85
24
1st
14
69
 
日体大
17
2nd
24
東女体大
28
3rd
7
16
4th
24

TEAM
         
TEAM
79
25
1st
23
69
 
日体大
10
2nd
19
東女体大
16
3rd
18
28
4th
16

(9/25分)
スターティングメンバー
日体大:#4加藤・#6野田・#7松尾・#13石川・#14胡
東女体大:#4三木・#5柳沼・#6野田・#15飯塚・#18張替

前半41-38と3点差で競るも、第3クォーター一気に引き離した日体が、前の週専修を下し勢いに乗る東女体に力勝ちした。

<EDITOR'S VOICE>
  日体は前半東女体の速さのあるオフェンスと、粘り強いディフェンスになかなかリズムがつかめなかったが、第3クォーター、トランジションの速い攻撃で、一気に得点を重ねることができた。これまで不調だった#7松尾も肩のテーピングが取れ、体調が戻ったのか、いい3ポイントシュートを決めていた。これまで危うさは見られたものの、負け知らずできた日体が、先週初の敗戦を経験し、チームの危機感と集中力がアップしたのだろうか。
 東女体は前半までいい展開でいけていたが、後半リズムに乗れずオフェンスがばらつき、相手にブレイク(速攻)を多く出されてしまった。格上の相手に対し、自分たちのリズムでプレーできないことは大きな痛手となった。粘り強さが身上のチームだけに、点差が離れてしまうと、なかなか勢いも出にくいだろう。

東京女子体育大学 玉置監督(9/25試合後)
「うちのダメなパターンでしたね。オフェンスの終わり方が悪い。それで特に第3クォーターはたくさんのブレイク(速攻)を出されてしまって、一気に大差をつけられました。1度リズムが崩れると、なかなか立て直せないですね。第4クォーターは開き直ってやって、少しはよかったですが。
とにかく“我慢”です。ファールにしても、ディフェンスにしても、どこまで我慢してプレーを作っていけるかですね。
明日も我慢するしかないです。勝ち負けではなく、我慢して、1プレー1プレーをしっかりやって、次につながるゲームをしなくてはいけないです。」

<取材・文 渡辺美香/構成 北村美夏>

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