4月29日から5月5日まで、国学院大学たまプラーザキャンパス第一体育館・東農大学世田谷キャンパス体育館・駒沢大学体育館で、第24回サラダリーグが行われた。 参加校:東農大、駒澤大、国学院大、大東文化大、関東学院大、青森大、東海大、白鴎大、東京成徳大、東経大、国際武道大、仙台大、札幌大、神奈川大、慶應大、日本大、早稲田大、専修大、筑波大、法政大 ※番号はリバーシブルのもので、プログラムに番号の記載のない選手は番号のみです。ニューエントリーとは、昨年のサラダリーグ・関東トーナメント・関東リーグのプログラムに載っている選手以外の選手です。 |
|
サラダリーグって? 新鮮な生野菜や卵・ハム等がごちゃまぜになって入っている“サラダ”のイメージ=各地域・リーグの枠を超えて、互いに切磋琢磨して強くなろう、という意味で國學院大學永井監督が命名したものです(大会プログラムより)。 永井雅監督:「これだけの学校が集まるリーグは他にありません。もうひとつゴールデンウィーク中に京王電鉄杯というリーグもあるけれど、どちらとも大学生のバスケットを盛り上げていければいいなと思います。」 日程全てを全校で行なうわけではなく、従って優勝校がないのが特徴です。 |
|
ピックアップ!:東農大
エントリーは15名の少数精鋭だが、昨年のスタートのうち4人を残している。 司令塔には最高学年の上野健太。抜群のボールキープ力と強気のゲームコントロールが持ち味だ。味方を生かすと同時にカットインでかき回すこともできる。交代しても乗り出して戦況を追うなど責任感もある。 フォワードには3年生の会川剛史。1on1のスピード、キレは、所属する3部A では別次元のものと言える。さらにフリーにすればすかさず3ポイントシュートを沈めるなど高いオフェンス力を持つ。 そしてセンターには4年生の三原大樹(190cm)と武藤寿亮(192cm)。特に三原はダブルチームもものともしないパワー、器用さがある。課題は2人がベンチに退いた時のリバウンドだ。1年生の杉山真治(190cm・横浜商大付高)はセンター登録ながらオールラウンドなプレイを披露した。 他に小知和広心(3年)はボールを呼んで果敢に3ポイントシュートを打っていきシューターらしさをアピール。秋元大和、土田透(いずれも2年)らガードのバックアップは170cm以下となるがそのぶん機動力を発揮していた。 |
東農大#33会川 |
自分達の試合後、東経大-東京成徳大戦を真剣に見つめていた。オフェンスは破壊力、魅力ともに抜群。あとは同格相手でも流れの悪い時、格上と対戦する時にチームで耐えられれば好成績につながるだろう。バックアップの充実にも期待したい。
ニューエントリー 茅根健二(3年/171cm/F)、大竹栄治(1年/177cm/F/逗葉)、杉山真治(1年/190cm/C/横浜商大付) |
#24上野 |
#26武藤 |
#20三原 |
#45杉山 |
|
駒澤大#31小林 |
ピックアップ!:駒澤大 こちらは登録30名+応援側にも10名ほどの大所帯。今リーグでは11名も登録された1年生を積極的に起用していた。不動のガード・上村健太の卒業でオフェンスではややまとまりに欠けたが、ディフェンスではトラップやプレスなど様々なチャレンジをしていた。 インサイドはキャプテンの小林芳隆(190cm)と3年生の柾木英夫(194cm)。接触でやや押し負けるところもあるが、経験がある。倉津勇也(189cm・小林高)ら1年生がファールになってしまった時にはアドバイスを送っていた。 ガードには安定感のある塩山隼輔(2年)。#32・#51の1年生も積極的にプレーし、ベンチに戻るとコーチからすぐに指示をもらっていた。1・2番どちらも担えるキープ力・シュート力が光る。 フォワードでは矢野幸司(4年)・片貝尚(3年)の昨年のスタートコンビに加え 柳田俊輔(188cm)、上原正章(187cm)、鈴木裕也(187cm、いずれも2年)らサイズと機動力があり、3〜5番をこなせる選手が多数控えている。 そして変わらないのが応援のノリの良さ。ルーズボールでベンチに選手が突っ込むと喝采で送り出すなど、表情豊かな選手ばかりだ。 |
チームオフェンス・ディフェンスの精度が増せば、完成度の高いチームになるだろう。 ニューエントリー 中谷隼人(2年/183cm/F)、井上知徳(1年/184cm/F/市立柏)、大泊博之(1年/182cm/F/八王子)、上沢健太(1年/1 80cm/F/湘南工大付)、倉津勇也(1年/189cm/C/小林)、小林克(1年/171cm/G/和光)、桜井洋佑(1年/180cm/F/ 前橋育英)、鈴木伸章(1年/193cm/C/市立船橋)、西祐輔(1年/184cm/F/駒場)、河田英和(1年/170cm/G/藤沢翔陵)、石田誠也(1年/171cm/G/駒大)、相川雄貴(1年/178cm/G/駒大) |
#1塩山 |
#16鈴木 |
#32 |
#51 |
|
ピックアップ!:白鴎大
今年はA・Bに分かれて参戦した。2部Bのアシスト王だった荒井尚光以外の4人のスタートメンバーが残る。 中でも3年の劉衡が文字通り軸となる。得点、リバウンドはもちろん、ポストとしても働く。インサイドで組むのが2年のアナラ・エン九ボルトと1年のピーター・ジョン・フィルユン。フィルユンはファールを我慢し切れないところもあるが、パワフルさが魅力だ。 フォワードでは身体能力の高い杉本勇太郎(2年)と、昨年の3ポイント王・東海林隆(4年)が控える。ガードもポジションは今回はBとして参加ながらハートのある渡邉裕人(2年)らがしのぎを削る。1年生ではビッグマンに加え、田中秀太(東和大昌平)、店橋翔(新潟商業)が楽しみな存在だ。 ただ、あふれる個性がまとまりきれていないのも事実で、もろさもある。昨年も2部B3位とあと1歩足りなかった。チームは国学院大戦後、長いミーティングを行なっていた。1人1人の意識が変われば、彼らの世界もきっと変わる。 ニューエントリー(全て1年) |
白鴎大#1劉衡 |
A:池田陽介(194cm/高岡工芸)、福田真也(175cm/鹿沼東)、田中秀太(170cm/東和大昌平)、店橋翔(178cm/新潟商業)、ピーター・ジョン・フィルユン(194cm/Stonybrook) B:柏瀬悟(191cm/白鴎大足利)、徳丸和樹(182cm/市立船橋)、安藤太郎(175cm/市立船橋)、岩崎ミッシェル(182 cm/宇都宮短大付) |
#2ピーター・ジョン・フィルユン |
#32田中 |
#17杉本 |
|
東京成徳大#1浜田 |
ピックアップ!:東京成徳大 こちらも昨年の主力メンバーを残し、勢いがある。 バックコートは直江信吾、浜田陽介、藤井敏明の4年トリオ。3人とも突破力、得点力を持ち、スピーディなバスケットを演出する。特に直江は昨年のリーグ戦骨折で出場できず、雪辱を期す。 インサイドはいずれも195cm、3年の副島淳、大木圭修。 リバウンドからチャンスを作る。 今リーグではクォーターによって5人交代も試みたが、ガードの高橋昭彦(3 年)は落ち着いてゲームメイク。フォワードでは正木裕章(4年)がオールラウンドに活躍、延敏鉄(2年)は193cmながら柔らかいプレーを披露した。 川北準人監督の大きな声のもと、体いっぱいプレーする姿に注目だ。 ニューエントリー 松口大和(180cm/F/4年)、綿貫学(175cm/G/4年)、深堀耕作(188cm/F/八王子/1年)、鎌田晃輔(178cm/G/市立柏/1年)、高橋祐紀(170cm/G/鶴岡工業/1年)、谷国裕介(183cm/F/伊奈学園/1年) |
#10藤井 |
#32延 |
#55大木 |
#30副島 |
|
ピックアップ!:國學院大
昨年2部A(今年度から2部)に返り咲き、満を持してのシーズンとなる。 「昨年より小さいチーム(192cmが最長身)なのでその分速い展開を目指しています。また、対ビッグマンなどチームでディフェンスをどれだけ頑張れるかですね」(城所俊哉コーチ)。今リーグではそれが成功している。運動量豊かにプレッシャーをかけ、マイボールにするとポジション関係なく走り圧倒していた。 インサイドは平本琢と蓼沼裕輔(4年)が体を張る。フォワードはオールラウンダーの岡田慎吾(4年)と大石雅史(3年)でボール運びからリバウンドまでをこなし、菊地健之(4年)・大崎春徳は高い得点力を誇る。ガードは斉藤恵三(4年)と青木崇記(3年)で、力強く堅いゲームメイクをする。また、様々なメンバーを起用する中で、1年生の長谷川達也(鹿沼東)らも堂々とプレーした。 トーナメントでは法政大の山に入った。好ゲームを期待したい。 ニューエントリー 君島壮美(187cm/SF/2年)、新垣七海(172cm/PG/2年)、井上隆史(181cm/ |
國學院大#88岡田 |
SG/土浦日大/1年)、須永祐輔(171cm/PG/幕張総合/1年)、成田拡明(190cm/PF/実戦学園/1年)、長谷川達也(190cm/C/鹿沼東/1年)、深澤勇(187cm/PF/逗葉/1年)、米良佳紘(176cm/PG/小林/1年)、犬伏将人(175cm/ PG/阿波/1年)、真部貴之(179cm/PG/國學院大學久我山/1年) |
#30長谷川 |
#42蓼沼 |
#8真部 |
#82菊池 |
|
ピックアップ!:仙台大
東北地域から参戦した仙台大。今回、男女を掛け持ちする児玉善廣監督は女子に帯同したため不在。「課題を与え、自分たちでやらせてみました」(児玉監督)との言葉通り、学生コーチ含め15名の選手1人1人で各試合を乗り切った。 インサイドは根岸城二(3年、188cm)と山崎教平(4年、191cm)。上背はないが、ポストとなって味方を生かしたり、ひるまず体をぶつけて勝負していた。 アウトサイドはスピードのある川崎直樹(2年)、シューター相馬直仁(4年)とこちらもアグレッシブ。ルーキーもプレータイムをもらっていた。 東北内で練習ゲームをやろうとしても、校数が少なく公式戦で当たる確率が高いため気を使ってしまう。今リーグは様々なタイプのチームと対戦できた。ぶつかって飛ばされたり、普段のリズムでもワンテンポ遅く抜けなかったりといった経験も含めて、今後に生かしてほしい。 ニューエントリー(全て1年) 古澤太啓(175cm/G/宮城広瀬)、相沢航(166cm/G/京北)、平澤紘成(181cm /CF/東日大昌平)、板橋毅(180cm/F/秋田南) |
仙台大#41川崎 |
#14山崎 |
#25根岸 |
#34相馬 |
#40 |
|
ピックアップ!:東海大
A・Bチームでで参加。205cmの竹内譲次は日本代表候補合宿のため不在だったが、それを感じさせない層の厚さを見せ付けた。 西堂雅彦、池田雄作(4年)、石崎巧、内海慎吾(3年)、小林慎太郎(2年)の布陣は貫禄が漂う。インサイドは昨年の新人戦で主力として貢献した3年の井上聡人・松山晃士はもちろん、納富健介(3年)・淵上聡彦(2年)もサイズがありながら速攻にどんどん参加し、フォワード的な働きもする。1年生では中濱達也(土浦日大)が思い切りの良いプレーを見せアピールしていた。 バックコートも混戦。上背はないが高い技術と身体能力を持つ西村文男(北陸)・安部潤(松江東)のルーキーは長くプレータイムをもらっていた。安定感のある原田裕作(4年)、ディフェンスの良い阿部佑宇、シューター西垣仁貴(2 年)も控えている。 それぞれがのびのびとプレーする姿が印象的だった今リーグ。今後は、挑戦者でありながら倒すべき相手として他校から意識されもする。どう仕上げてくるか楽しみだ。 ニューエントリー A(全て1年):安部潤(176cm/PG/松江東)、小倉久典(189cm/F/鳥取東)、長野勇気(185cm/F/小林)、中濱達也(199cm/CF/土浦日大)、西村文男(176cm/SG/北陸)、鳩貝雄太(175cm/G/土浦日大)、松岡耕平(170cm/PG/東海大三)、山根広和(187cm/CF/育英) B:崔成基(180cm/G/4年)、柴田駿介(193cm/C/2年)、鈴木敏嵩(183cm/F/2年)、西村智(182cm/F/2年)、矢崎文昭(178cm/F/2年)、石田陽輔(181cm/F/南)、西尾友貴(183cm/F/広島皆実)、古庄政啓(181cm/F/東海大高輪台) |
|
ピックアップ!:大東文化大
昨年のスタートメンバー4人が卒業とがらっと変わるが、下級生を中心に能力の高い選手が揃う。 軸となるのは高橋昌史を始めとする2年生。これを岩永敏夫、金城茂之ら3・4年生がバックコートで支える。スパイスとなる1年生では、山本エドワード・鮑宇の北陸コンビが物怖じせずプレーしていた。特に鮑は身長200cmらしからぬオールラウンドな働きを見せていた。 速攻が出た時は勢いがあり、シュート力も低くない。だが、若いチームだけにターンオーバーもやや多く良い時と悪い時の差が大きい。 1人1人の力が集まったとき、どれだけプラスアルファの力を出せるかが鍵となる。軸をどこに置くと力を出しやすいか春の間に確かめたい。 ニューエントリー 伊丹大輔(185cm/W・P/2年)、八木祐樹(171cm/G/2年)、山本エドワード(173cm/G/北陸/1年)、鮑宇(200cm/P/ 北陸/1年)、石原啓吾(189cm/W/前橋育英/1年)、坂下直也186cm/W/白樺学園/1年)、渡部司佐(197cm/P/土浦日大/1年)、山崎真(180cm/G/大麻/1年)、鈴木豊(187cm/W/大麻/1年)、赤石裕介(184cm/W/樹徳/1年)、小原利之(187cm/W/高知工業/1年) |
<取材・文 北村美夏> |
|