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＜第54回関東大学バスケットボール選手権大会＞

第54回関東大学バスケットボール選手権大会（通称トーナメント）は23日、代々木第2体育館他で3・4回戦が行われた(全ての結果は→関東学連公式サイト)。
この日でベスト32が出揃い、明日からシードの関東リーグ1部校も登場する。

＜第54回関東大学バスケットボール選手権大会＞
5月23日(月）会場：代々木第2体育館

TEAM						TEAM
	77	27	1st	25	87
桐蔭横浜大		14	2nd	22		東京学芸大
		20	3rd	20
		16	4th	20

スターティングメンバー
東京学芸大：＃4中島、＃6安栄、＃7田嶋、＃9糸数、＃10狩野
桐蔭横浜大：＃4倉持、＃6大井、＃7鈴木、＃10高山、＃12

観て損なし！①～走る走る！桐蔭横浜大

　桐蔭横浜大は4部に上がりたてながら、1回戦からここまで117点、121点、116点と快調に勝ち上がってきた。その得点から分かるように、ハイスピードで走りきる魅力的なチームだ。

　4回戦の相手は昨秋3部2位の東京学芸大学。「正直勝つ気で来てたんですよ」(＃4倉持)との言葉通り、前半は思いきり良くシュートを打っていき互角の展開に持ち込んだが、鮮やかな速攻はなかなか決めさせてもらえなかった。戻りを速くし粘ったが、10点差の力負け。

　「うちは他の大学に比べて能力が高くないので、今日みたいながっぷり四つの展開になると持っていかれてしまいますね」 (＃4倉持)
　「気持ち的にやられた部分がありますね。ディフェンスから速攻、という形は上に行くほど難しくなる」(草柳Aコーチ)
　とそれぞれ分析する。

　だが、その顔に浮かぶのは“落胆”ではない。
　「上のレベルにいくには、セットオフェンスもやっていかないといけないということですね」 (＃4倉持)
　「本当は勝ちたかったけれど、学芸相手にあそこまでできたことは今後につながると思います」(草柳Aコーチ)

シューター＃7鈴木、インサイドで体を張る＃6
大井＆＃10高山､そして＃12・＃13ら1年生の
フォワードを司令塔＃4倉持がコントロールする

　 “青学とやる”という目標まであと1勝だった。これからの目標は、秋のリーグ戦で優勝すること。「6部、5部優勝ときているので、4部でも優勝したいです！」 (草柳Aコーチ)。今の時点でできたこと、できなかったことは見えている。リーグまでに克服すること、伸ばすべきことを目の前にして、彼らは立ち止まらない。

快進撃の秘訣は“みんなで”練習できていること
　今年度8名の1年生が加入し､全部で15名になった。昨年はわずか7名のエントリーだったということだが、既に“走る”スタイルを確立していた｡それも､ただ走るだけでなく走り切って4部優勝を果たす｡なぜそれが可能だったのか？と言えば、たった1人の4年生・＃4倉持勇気キャプテン(写真)の存在抜きには語れない。

　コートではリーダー、パッサー、そしてシューターでもある。ドリブル力もあるが、ボールを持ちすぎることはない。「速攻の時のパスを1番に考えていますね。小さいときから小さかった(現在167cm)んで(笑)、活路を見出すためにパスを色々なところから、様々な種類・タイミングでっていうのを常に意識しています。それからあいた時に3ポイントシュートを沈めることも」。この日も前半、速いタイミングのシュートで相手をもうならせていたが、後半は不調。実は、「右手の親指、突き指しちゃったみたいで感覚がないことにハーフタイムに気付いたんです」と残念がる。

　倉持はこのチームで、“普段からコミュニケーションを取る”ことに気を使っている。「信頼されていないと何か言ってもいい方向に向かっていかないんです。」

　バスケット専門の監督・コーチが不在のため、普段の練習も彼が中心となっている。“バスケットに対して常に一生懸命で志が高く、人柄でも後輩を引っ張ってくれるひと”とは草柳Aコーチ談。だが本人は、「自分が引っ張るというよりも、みんながついてきてくれるんです」と笑う。コートで強烈なリーダーシップを発揮している時とは別人のような表情だ。

　「監督・コーチがいないぶん自分達で、皆で意識の高い練習が出来ています」。草柳Aコーチも「上級生・下級生関係なくコミュニケーションを取りながら、意識してやっています」と口をそろえる。例えば、センターはスタートで言えば＃6大井187cm、＃10高山184cmと決して大きくないが、この日オフェンスリバウンドを何度ももぎとった。いいポジションを取ることを常に意識してやっていることが結果として表れている。「大きいセンターには負けませんね。今日みたいに外からやってくるセンターだとまだ厳しいのですが」(＃4倉持)。

　また、監督・コーチ不在に加え、体育館使用も限られているという。「シーズン中は一応週6日練習なのですが、他の部との兼ね合いもあって1時間くらいしか使えないんです」(＃4倉持)。だが、その中でも“もっと自分達が努力すればいい”と逆境をはねかえしてここまで伸びてきた。

　「今日はノーマークをなかなか作れなかったので、どうしたらノーマークになれるか練習で皆で考えます。それからあいたらポンポン打つスタイルなので、シュート精度をあげていきたい。観ている人も楽しめるバスケットを展開できればいいなと思います。うちには高校の有名選手は誰もいませんが、その分ルーズボールや(ディフェンスの)戻りを一生懸命やっているので、そういう地味なところも見て下さい！」(＃4倉持)

＜取材・文　北村美夏＞

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