<第45回関東大学バスケットボール新人戦>
<第45回関東大学バスケットボール新人戦> |
第45回関東大学バスケットボール新人戦は15日、代々木第2体育館他で2・3回戦が行われた(全ての結果は→関東学連公式サイト)。 |
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<第45回関東大学バスケットボール新人戦> 6月15日(水) 会場:代々木第2体育館
スターティングメンバー 専修大:#5田中、#6浅野、#8飯田、#9喜多川、#14堤 東農大:#4高良、#6秋元、#8大竹、#9杉山、#10安藤 |
東農大#8大竹 |
東農大#10安藤 合わせのプレーで加点 |
専修大#8飯田 冷静にインサイドを突いた |
専修大#14堤 スキを突く嗅覚は抜群 |
専修大#6浅野 向上心が要所の3Pを呼込む |
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ピックアップ!東農大『素直で一生懸命』 1部の専修大相手に3点差の好ゲームを演じた。しかし、東農大・梶山孝泉監督は言う。 「よくやりましたよ。最初は“試合になるかな”ってところから始まっているからね」 「メンバーを見てもらえば分かるのだけれど、7人しかいないし、その上#5前田は骨折しているしで。でもちびっ子軍団でも専修と渡り合えた。欲を言えば勝ちたかったけどね」 3・4年生を含めても人数の少ないチーム。そのうちガードの3人はそれぞれ#4高良166cm、#6秋元165cm、#7土田163cmと特に小柄だ。だがそれを感じさせない、逆にそれを活かしたプレーさえ見られた。 まずはディフェンス。 「ボールマンプレッシャーをしっかりかける。後は基本的なことですね。シュートを打ったらアウトをする、カバーに回るなど。それを確実にやることです」 ポストにボールが入ればガード陣が死角から寄ってきて下げたボールをスナップにいく。ボールにさわれなくても専修の集中を逸らせるには十分だった。そして打たせたシュートのリバウンドでは、インサイドがしっかりアウトし外から飛び込んでつかむ。 そして、攻めては#4高良と#6秋元の2人が抜群のキープ力でコントロール、#10安藤との合わせや#8大竹の3ポイントシュートを演出した。 専修大にリズムをつかませずリードして折り返す。 3Q、専修大に速攻から逆転される。だが54-59で始まっ |
忙しい仕事の合間をぬって、この2週間毎日指導に。 「人数が少ないけれど、その分濃い、 妥協のない練習が出来ました」(梶山監督) 残り3分30秒、#8大竹が3ポイントシュートをバスカンで 決める。2回戦の東京成徳戦では、2Qに8本連続で 3Pを決めて35-5のスコアを叩き出した立役者となった |
た4Q、連続得点して開始わずか1分半で60-59と再逆転する。専修大#8飯田のインサイドで再びリードを許し、さらにせっかく守るも運びで専修大#14堤のスティールからレイアップで2点を献上。#4高良は“くそっ”と漏らして得点板を見上げるが、ここでシューター#8大竹のスイッチが入る。連続3ポイントシュートで残り4分71-71と振り出しに戻す。さらに攻守から#10安藤の速攻で逆転、#8大竹が3ポイントシュートをバスケットカウントで決めてみせる。ワンスローも決めて77-71とリード。 しかし、4ファールの専修大#6浅野に戻るなりリバウンドシュートをバスケットカウントで決められてしまう。1on1を決めきれず、チームファールによるフリースローも落ちる。残り40秒、#8大竹がぶつかられながら出したパスアウトを専修大#14堤がカット。そのドリブルを#6秋元が体で止めると、「時間を使え!」と声が飛ぶ。だが、ルーズボールを拾った#4高良はコーナーの#8大竹へパス。3ポイントシュートは落ち、リバウンドから逆に専修大#6浅野の3ポイントシュートを許した。残り31秒、77-78と土壇場で逆転される。 |
残り2分、フリースロー時にストレッチする#4高良。 シューターの#6秋元も足にきていたか、 ショートで2本とも落としてしまう 残り30秒、直前のディフェンスでつった足を伸ばす#6 秋元の、得点板を見上げる表情は希望を失っていない |
タイムアウト後、慎重に攻めるが#10安藤へのパスをカットされ、専修大#14堤がよく見てフリーで前を走る#8飯田へ。ゴール下を決められ残り5.5秒。#8大竹に託すが、3ポイントシュートはリングに跳ね返された。 「最後は高さでしょう」と梶山監督。「あのリバウンドにしてもそうです。ノーマークで3ポイントシュートが入っていれば変わったかもしれないけれど、向こうの勝ちたい気持ちが上回りましたね」 しかしこうも言う。 「他のチームに比べて能力はない。でも本当に真面目なやつらで、一生懸命やっていました。難しいシュートを打ってもしょうがないからノーマークを確実に決めていこうとか、リバウンドでインサイドを皆で抑えてカバーして…というのができていましたからね。その結果ですね」 この試合は、“ちびっ子軍団”にとって、どんな意味を持つだろうか。 「自信につながると思いますよ。3・4年生に力のあるメンバーがいるのでなかなか出番はなかったけれど、素直で一生懸命やっています。これからはその能力が高い上級生とどうバランスをとっていくか。 彼らのこれからの課題としては、もっとブレイクを出せるようにすること。やっぱり160cmが走っても190cmが待っていたら上ではたかれてしまいますからね。スピードと高さですね。 夏にどう組み立ててやろうかなって思っています。」 秋のリーグまで長い時間がある。この経験を経た1・2年生が、3・4年生の中でどんな役割を果たせるか楽しみだ。 |
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明治大#14鈴木 積極的にゴールを狙った |
<第45回関東大学バスケットボール新人戦> 6月15日(水) 会場:代々木第2体育館
スターティングメンバー 拓殖大:#4宇田、#6柳澤、#7加々美、#8山田、#9寒竹 明治大:#5岡田、#6北向、#10古橋、#13根岸、#14鈴木 |
明治大#6北向 |
拓殖大#23高橋 |
拓殖大#7加々美 |
拓殖大#9寒竹 |
<第45回関東大学バスケットボール新人戦> 6月15日(水) 会場:代々木第2体育館
スターティングメンバー 順天堂大:#4加藤、#5高橋、#7長嶺、#8庄村、#18綿貫 早稲田大:#4菅川、#5近森、#6前川、#7木下、#9加藤 |
順天堂大#4加藤 |
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ピックアップ!順天堂大『戦う気持ち』 「言うことはないですね」とは順天堂大・中村剛コーチ。 「選手はよく戦ったと思います。あと勝てなかったのが…」と大きく息を吸い込んだ。 「新人戦なので我々仕掛ける身としては、精神的にしても技術にしても相手の完成度の低い部分をつこうと思っていました。負けは最終的にベンチの責任ですね」 組み合わせを見た瞬間は「とにかくエイトだ!そして日体大に勝つぞ!」と練習してきたという。今年のチームは「例年に比べても極めて小さい」というハンデを持つが、高校時 |
代の経験があり、トーナメント時には上級生の故障で出番が回ってきたこともあって、戦術の浸透は早かった。この早稲田戦でも多様で勢いのあるディフェンスを披露した。 「スティールはできなくても、時間を稼いで相手が打つのではなく打たないといけないというシチュエーションにすれば相手のシュートが落ちるはずだと考えました。2Q追い上げたところもターンオーバーをしてくれて、当たりましたね」 |
3Q開始早々にエースシューターの#7長嶺を4ファールでベンチに戻さざるを得なくなるが、じりじりと詰める。最終4Qになってもカットインのキレは衰えず、#18綿貫のバスケットカウントで72-77と前半途中には20点も開いた差を埋め、詰め寄る。しかしここで焦りからかボールが落ち着かなくなる。#7長嶺をスタンバイさせるが、入る前に早稲田大#5近森の3ポイントシュートで残り6分30秒77-87
と再び10点差がつく。 もう1度ディフェンスを集中しなおすが、イージーシュートが惜しくもこぼれてしまう。ベンチから「ここであきらめたらダメだ」と声が飛ぶが、86-96と10点ビハインドのまま残り2分を切る。 チームファールによるフリースローを1投決めた後、前か |
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#18綿貫(右)・#19北村のルーキーも活躍した |
ら当たる。スティールし、#7長嶺がワンドリブルをついて3ポイントシュートを放つがこれも入らない。ベンチからは「当たれ!当たれ!」「行け!」という中村コーチの声が聞こえてきた。そしてもう1度ボールを奪うと、#7長嶺が3ポイントシュートを決める。6点差。 しかし激しいディフェンスが今度はファールとなる。チームファールでフリースローラインに立ったのは当たっている早稲田#9加藤。2投目を落としてくれるも、早稲田#10高橋にリバウンドを取られてしまう。残り56秒、早稲田ベンチからは“回せ”と指示。だが3ポイントシュートを打って落とし、そのリバウンドから#18綿貫が突っ込む。早稲田の選手に「2点はいい!」と声がかかり、ノーマークでふわりとしたレイアップを打つがこれが落ちる。 残り42秒、ファールゲームに出ると、1投決められた後#4加藤が自ら運んで3ポイントシュートを放つがこれもリングに嫌われる。残り34秒には早稲田#9加藤が2投とも落とすも#5近森にリバウンドシュートを許す。90-100と10点差がつくが、残り27秒#19北村が難しい体勢から3ポイントシュートを決め、さらにプレスでチャージングを奪う。コーナーで待っていたノーマークの#19北村が3ポイントシュートを沈め、残り15秒で4点差。さらにディフェンスで早稲田のガードを追い込み、ラインクロスを誘う。そして#4加藤が合わせのジャンプシュートを決め、残り11秒で98-100のワンゴール差に。 |
最後まであきらめずにボールを追った 残り27秒、前からのディフェンスで #4加藤がチャージングを誘う |
ここで早稲田#5近森が冷静なキープを見せる。パスフェイクでかわすとドリブルで進まれ、#4加藤がスティールにいくとなんとアンスポーツマンライクファールのコール。残り3.9秒、#5近森はこれをきっちり2投決め、さらにスローインをキープすると終了のブザーとなった。 結果は惜敗。だが早稲田と互角に、時間帯によっては互角以上に渡り合った。 「勝たないといけない試合だったけれど、できるんだってことが本人達もわかったと思います。1年を通して“あの新人戦の負けが良かった”となるように鍛えていきたいです」 その言葉通り、チームはこれから作られていく。だがこの試合で、このチームが既に持っている力も見えた。声。ディフェンス。最後の1秒まで途切れなかった。 「それは僕が出しているからです。戦ってるって気持ちを出したい。戦術の争いになったら勝てるわけはないんです。ただ何をしなくてはいけないのかとチームに気持ちを伝えるのが仕事です。勝てる試合をチンタラやっているのだったら違いますが、怒ったりするよりも盛り上げていく。 練習中からこうです。短パンTシャツで一緒になって走ってますから(笑)。それは普段から根付いていることなんです」 バスケットは誰か1人でもあきらめたら終わる。この試合の順天堂は、観ている人まで信じさせてしまうような力を持っていた。 |
<取材・文 北村美夏> |