<第45回関東大学バスケットボール新人戦>
<第45回関東大学バスケットボール新人戦> |
第45回関東大学バスケットボール新人戦は16日、代々木第2体育館で3回戦が行われた(全ての結果は→関東学連公式サイト)。 この日でベスト8の残り半分が出揃った。明日17日に準々決勝4試合が行なわれる。 ベスト8:専修、明治、日大、早稲田、青学、法政、東海、筑波 |
|
<第45回関東大学バスケットボール新人戦> 6月16日(木) 会場:代々木第2体育館
スターティングメンバー 日体大:#7榊原、#8宮村、#9小沢、#11眞庭、#12鈴木 青学大:#4広瀬、#5荒尾、#7熊谷、#8竹松、#9梅田 |
青学大#7熊谷 抜群のボディバランスから 得点を量産 |
日体大#8宮村 最後まで声を出し続けた |
青学大#4広瀬 難しい1on1も次々決めた |
青学大#9梅田 強気が持ち味のルーキー |
日体大#5樋本 前半3Pでつなぐ |
|
『もっと走れる』青学大 「勝っちゃいました」という苦笑が長谷川健志監督の1言目だった。 その理由の1つは6人のエントリーメンバーのうち3人が4ファールとファールトラブルに陥ったこと。 「4人になるかと思いました。“でも3分なら4人で勝てるな”って思ったりしながら。ボックスのゾーンを敷いて、2ポイントはいいから3ポイントをケアして…とか。(戦術的には)いらないタイムアウトも取って休ませて乗り切りました。 4つになったらディフェンス何もしなくなったから、“そうじゃないだろ、4つでどうするかっていう練習だ”と言ってやらせました」 そしてもう1つは入りにブレイクを出し切れなかったことだ。 |
開始早々カミナリ。緩急使い分けた采配は 青学のもう1つの見物 |
「ファーストブレイクはうちの真髄なのに、前半はミスが多かった。そこが上級生と1・2年生の違いだね。上級生だったらもっと目の覚めるようなブレイクを出していましたよ。そこを後の3試合で、ただ勝つのではなくチームとしてやってきたことが出るようにしたいですね」 しかし、それでも前半2点ビハインドに抑えて後半につなげた。 「やっぱりインサイドのアドバンテージと、点が止まった時やファールトラブルになった時、ゾーンでごまかせたのがよかったですね。ゾーンは昨日は見せていなかったですし。(日体#5樋本の3Pが入ったが)確かにシューターだってわかっているのにまだ意識がなりないね。でもやられたとしても2・3本なんですよ。逆にあそこでインサイドを使われたりとかファールを取られたら厳しかったです。 そんなにうちがいいというわけではなかったけれど、そこは新人戦ならではですね。こっちのが頑張れた、ゲームプラン通りできたということでしょう。ディフェンスはマンツーとゾーンを使い分け、オフェンスはインサイドに利があるのでそっち中心でいきました。それからもう1つは、日体大が負けだした時にシュートをあれだけ打って入らないということもありますね。競っていたらわからなかったけれど、悪いシュートをポンポン打ち始めてくれてラッキーでした」 “前半はトントン、ちょっとでもリードできればいいなと思っていた”と大きく構えられたのは、1つの自信からだった。 「うちは6人とも走れるし、体力がある。その部分は絶対ゲームで出るし、能力は出せないように出来ても体力を止めることは出来ない。だから4Qまで何とかくらいついていけば勝つチャンスがあるんです。後はリバウンドで勝てれば勝てますよね」 |
#4広瀬はリーダーシップを発揮して さかんに周りに声を掛けていた |
2戦連続スタート全員2桁得点を達成していることも彼らの“体”力を証明している。 「皆のいいところが出てるんじゃないですか。#9梅田も#7熊谷も、#4広瀬も。#8竹松なんて昨日からほとんどフル出場だからね。声を出しているし、あの体(193cm)でリバウンドにも少しでもからんでっていう気持ちが見えているよね」 未完成な各新人チームのなかで、3・4年生と変わらぬ少数精鋭ぶりを発揮している青学大。 「けがとファールだけがこわいね」 1番上まで走り切れるか。 |
|
法政大#5山田 連続得点で勝利の立役者に |
<第45回関東大学バスケットボール新人戦> 6月16日(木) 会場:代々木第2体育館
スターティングメンバー 国士舘大:#4小松、#5秋澤、#6柴田、#7陳、#17立花 法政大:#4深尾、#5山田、#7福田、#16佐々木、#17梅津 |
法政大#4深尾 しっかりとゲームメイク |
国士舘大#18杉村 ファールトラブルを埋める |
国士舘大#5秋澤 小柄ながらリバウンドで活躍 |
法政大#7福田 相手を見て展開するうまさ |
|
ピックアップ!国士舘大『もう1歩』
タレント軍団の法政大にあと1歩に迫ったが、金星はならず。小倉一訓監督は言う。 「こんなもんでしょう。新人戦はどこが勝ってもおかしくない。トーナメントでも新人戦でもうちのチームは強いチームが相手でも競る事が出来た。最後は自信ですね、それがあれば」 前半は1点差とついていくが、3Qに法政大#5山田の連続得点で15点差がつく。その後何度も5・6点差に詰め寄るが、その度に法政大#7福田に決めれ及ばなかった。 「後はまぁたらればですが、今日は#16寺嶋・#17立花のファールトラブルもあったしね」 |
ポイントガードの#17立花は1Qで3ファール。3Qに戻ってくるも早々に4ファール目でベンチに座らざるを得なくなった。トーナメントでもカットインやそこからのアシストで相手を翻弄していただけに残念な展開となった。 「でもちゃんとファールしないでつけるかどうかも実力のうちなんですよね。体の当たりが弱かったことと、それから相手の5番(法政大#5山田)が経験があって、駆け引きされてファールになってしまいました」 しかし、もちろんこの敗戦から得たこともあった。 「それに2年生や控えのメンバーが頑張ってくれて、他の1年生もいい経験になりました。あの2人(寺嶋・立花)も安心できなくなったでしょう。だからチームとしては負けてもいい雰囲気ですね。1部の中にいてもおかしくないチームになってきたでしょう」 勝つ力は持っている。だが実際に勝つことは難しい。勝って喜べる日まで、あともう1歩ある。 |
|
国士舘大#4小松『これからがホントに大切な時間』
国士舘大は小松のシュートで一気に乗る。他のチームなら1本やり直すだろうというところ、例えばオフェンスリバウンドのパスアウトを受けての場面でも思い切って打つ。それが国士舘というチームのリズムだと言える。 「トーナメントの時もそうなんですが、チーム一丸となって、コートに出ている人・ベンチの人・応援してくれている人皆が1つの気持ちで試合に臨みました。試合の前に集まって盛り上がって行こう!って言っていたので本当にやりやすかったし、いいリズムで国士舘らしいバスケットができました」 と互角に戦った前半を振り返る。 勝敗が分かれたのは“3Q”だ。 「3Qの出だしがいつも悪いんです。ここで決まると先生も言っていたのでしっかり意識して臨んだんですけど、法政の5番(山田)にやられてしまいました。あそこだけチェックしていればもっと楽に試合を運べたんじゃないかなって思います。それから相 |
#4小松 |
手にオフェンスリバウンドを取られてしまった時、こちらは焦って体勢を崩したシュートが多くなってしまって、自分達のリズムが崩れてあっちのリズムになってしまいました。本当に3Qの出だしですよね。相手が5番にパスを集めてきて、ディフェンスが甘くてシュートや3ポイントシュートを決められる場面が多かったですね。うちはシュートを打っていましたが入っていなくて」 期待のルーキーのファールトラブルもあった。 「大介(#17立花)が、いつもならしていなんですけどファールが多くて。出だしは不安もありましたけど、逆に皆の気持ちが引き締まりました。2年生がもうちょい頑張んないといけないって。#5秋澤と#7金がリバウンドを取ってくれたので、シュートを打ちやすかったし思い切り出来ました。それでつなげられましたね」 結果は8点差と1歩及ばず。しかし15点ちかくのビハインドから、4点・5点差まで何度も詰めた。 「トーナメントでも下級生が出る事が多かったし、いい経験になりました。今度はリーグ戦に向けて、まずはディフェンスですね。全員走れる、そういう能力はあるので、ディフェンスからの速攻を出して、自分達のリズムに持っていくのが今後の課題です。それからシュートの精度、シュート力をあげないといけないですね。リーグ戦は3部といえども今年は強いチームが多くてあなどれませんから」 リズムをつかむと爆発力を発揮するが、昨年も戦った相手が揃うリーグ戦ではそう簡単にはつかませてくれないだろう。 「自分達のリズムをつかむのが試合ではできたりできなかったりなので、それを出だしからやりたいです。そうじゃないと相手のリズムになってしまうので」 しかし、コートの彼らには強力な味方がいる。ベンチで見つめる上級生。スタンドで声の限りに叫ぶBチームの面々。コートに立ったメンバーがそれに応えようとするから、支え合える。 「国士舘、だんだん変わってきたと思います。 チームで、みんなで戦うことを意識してやっていかないとBチームの人にも失礼だし、コートに出ている代表の責任を持って、そういう意識で皆やってます。 リーグ戦に向けては、悪い面や、課題もわかったのでどれだけ修正できるかですね。それから期間が長いので、いい、引き締まった練習をしていかないといけませんね。リーグが始まる前に結果は出ていると思います。それまでの時間を大切に使いわないといけないと思っています」 ちなみに、総勢約70名の大所帯でキャプテンを務めた小松。「各学年の代表というか責任者の役割があって、1年間務めてきたので」と謙遜する。だが、その後に続けた「皆がついてきてくれたのでやりやすかった」という言葉は、はからずも4年生の山口憲昭キャプテンが口にしたものと同じ内容だった。 大切な時間を、みんなで。 |
|
<第45回関東大学バスケットボール新人戦> 6月16日(木) 会場:代々木第2体育館
スターティングメンバー 白鴎大:#5木村、#6杉本、#16フィルユン、#17店橋、#23池田 東海大:#4小林、#5石谷、#13西村、#15中濱、#16小倉 |
白鴎大#17店橋 |
白鴎大#4片岡 闘志溢れるキャプテン |
東海大#15中濱 リバウンドで貢献 |
白鴎大#18田中×東海大#13西村のルーキーガード |
白鴎大#16フィルユン 落ち着きあるプレーを披露 |
|
ピックアップ!白鴎大『可能性』 2部の駒沢大を破り、臨んだ東海大戦。ロースコアの接戦も「最後の駆け引きのところは向こうの経験が上回りましたね」(斉藤一人監督)。 「1Qを見たらやっぱり普段と違うやつもいましたね。経験の差です。でも目標はリーグなので、それまでに積んでいきたいですね」 1Qは東海大もシュートが落ちていたが、そこにつけ込むことは出来なかった。だが、これで終わりではない。これからが始まりだ。 「控えの選手が頑張って、誰が出ても同じことができるよう |
になってきました。こういう展開をイメージさせてそれが実際にできたけれど、残り2分30秒から、ここからということころで勝てなかったのは(トーナメントの)順天堂戦と同じパターンですね。この苦い経験が活きることを期待しています」 このチームはまだまだ可能性を秘めている。 例えば昨年、1年生ながらスタートに名を連ねた#7エンクボルトはトーナメント時の故障でDNP。#16フィルユンはサラダリーグ・トーナメントの時とは見違えるようなファールケアを見せた。「彼は真面目でしょう。小学生の時から日本で過ごして、インターナショナルスクールに行っていたので日常会話もできますよ」(斉藤監督)。アグレッシブなカットイン・ディフェンスを見せるも10分間のプレータイムのとどまった#4片岡は「キャプテンシーがある分いい流れの中だと緊張してしまうから勝負所で、と課題を与えたんです」 “いいチームなんですよ!”と繰り返した斎藤監督。そのおおらかな愛情のもと、選手達は可能性を伸ばしていってほしい。 |
|
中央大#4富田 |
<第45回関東大学バスケットボール新人戦> 6月16日(木) 会場:代々木第2体育館
スターティングメンバー 中央大:#4富田、#5中山、#7田原、#8眞部、#10清水 筑波大:#4吉田、#5木村励、#14富田、#15梁川、#16中務 |
中央大#8眞部 苦しい時に声を出した |
中央大#11佐藤 のびのびとプレー |
筑波大#16中務 コンスタントに活躍 |
筑波大#15梁川 ゴールへの気持ちがにじむ |
|
『思い切りやるだけ』筑波大 「前半は向こうのペースを把握するのに時間がかかってしまいました。誰も中央のイメージをつかめていなかったので。3Qからはディフェンスが機能していきましたね。それまではやっぱり富田(敏幸・中央#4)くんを意識しすぎて、彼を止めるのはいいけれどその後のローテーションができずに簡単に3ポイントシュートを打たれ、リバウンドのポジション取りも良くなかったです。でもそれはハーフタイムに伝えて、3Qは修正できました」 と吉田健司HC。中央大は#4富田・#5中山・#10清水の高速3ガードにシューター#7田原、インサイドで体を張る#8眞部とどこも油断できない布陣。だが、焦らず守り、逃げ切った。 特に中央の得点源#4富田に#6山城をつけると、長い手で裏パスをカットしてしまうなど要所で流れに乗せないことに成功した。 「スピードでやられるかなと思って最初は木村(励・筑波#5) を出したのですがファールトラブルになってしまって。そうしたら高さが思った以上にプレッシャーになったようですね」 としてやったりの笑顔を浮かべた。 そして攻めては1年生の活躍。 「#15梁川は筑波のタイミングではないところでも打っているのだけれど、彼の外に今日は救われましたね。#17川口は |
3Q開始直前のベンチ 中央#4富田に10cm背の高い#6山城をつけると スティールを量産した |
何を考えているか分からないくらいの思い切りの良さがいいでしょう」 昨日1日の中休み、各チームの戦いぶりをスタンドで見つめたそうだ。 「各チーム特色がありますよね。新人チームということもあり、インサイドのチーム、アウトサイドのチーム、とチームカラーがはっきりしている。中外のバランスが取れているチームは少ないし、強いなと思いました」 筑波大はバランスの取れたチームに見える。 「いえ、うちは外です。インサイドは1年生ですから。2人とも勉強中です。課題をあげるとすれば、そこと体の当たりですね」 その中で、「私の仕事はぼろが出ないようにすること」と笑う。 「選手には思い切ってやってもらう。将来のあるプレーヤーたちですから、1つ1つ頑張ってやってもらいますよ」 昨年度優勝と気負わず、目の前のことをやっていくことが1番いいのだろうが、実行するのは難しい。しかし、吉田HCの笑顔を見ていると、選手は気がつくとそれができてしまっていそうな気がしてくる。 |
<取材・文 北村美夏> |