<第80回男子関東大学リーグ>
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少数精鋭ながら、抜群の安定感で臨む
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わずか15名ながら、精鋭ぞろい。センターの佐藤は、李相佰杯・ジョーンズカップ代表としても活躍し、パワー・器用さとも2部リーグでは群を抜く。精神面・プレー面両方でその負担を軽くするのが4年の伊藤。ここぞという時に決める憎さがある。アウトサイドも、レフティで身体能力の高い大屋、2年生ながらクラッチシューターの岡田、そしてスピード溢れるキャプテン・鈴木が固める。バックアップは正中、怪我から復帰した梶原の2人のガード陣以外は苦しい。だが、1年生でいずれもサイズのある広瀬、竹松、熊谷のトリオに期待したい。 |
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<HEAD COACH PHILOSOPHY> |
『とにかく苦しいゲームに勝つ』長谷川健志監督
8月31日、初戦の明治大学体育館の暑さ対策として、わざわざ暑い体育館を使っての練習となった。参加メンバーは13名。1・2部あわせても、どこの大学よりも少ないだろう。しかしみんなで声を出し合って活気のある練習を行っていた。 「メンバーについては、延世大学とのゲーム中に大屋(3年)が怪我をして、今ちょっとプレーできない状態なのがかなり辛いですね。彼はジョーンズカップを経験して、非常に良くなっています。これは自分だけでなく、練習に来てくれたOBも言ってくれていました。うちで一番の点取り屋になってくれそうだったので、本当に残念ですね。今は心肺機能が落ちないように、トレーナーがつきっきりでトレーニングをしています。うちはそういう環境は揃っているので。チームとしてはきついですが、他の選手にもチャンスが回ってくるという要素もありますね。4年生の大宮や1年生の広瀬とか、あと、正中とかにもがんばってもらわないといけないですね。 トーナメントの時から、(鈴木)ノブの控えも厳しかったのですが…あの時は正中も焦りとかがあったようでしたし、リーグ戦は14試合あるので、その中で正中も使っていきたいですね。来年のこともありますから。上手くノブも休ませることができるといいなと思ってます。トーナメントの決勝では、(佐藤)託矢がファールトラブルになってしまって、上手くノブを休ませられなかったんです。」 1部の味を知っているうちに 「リーグの目標はもちろん1部復帰ですね。今の4・3年生は1部を知ってますが…ましてや今の4年生が1年生の時には1部で優勝していますから、そういうことを知っている選手がいるうちに上がらないと、少しずつ「絶対1部に上がる!」という気持ちが薄れてくる可能性もあります。 それもあって、期待しているのは、4年生の頑張りでしょう。大宮も、大屋の怪我もありますから出番も増えてくるでしょうし、(伊藤)明彦もこの春はまあまあよかったです。やはりノブだけでなく、4年生3人が気持ちの面でもチームを引っ張っていかないと駄目ですよね。4年生がしっかり引っ張るチームは強いですよ。 ライバルは全部です。うちはこれ(その日の練習は大屋を除いて13名)しか人数はいないですし、どこも強いと思いますよ。初戦は明治大ですが、あそこも強いですよ。うちは新人戦でも負けてますし。あと、明大体育館(第1週目の会場)はかなり暑いので、夏の間は冷房の効いた体育館で練習していたのですが、もうあと1週間ということで、こちらの暑いほうの体育館で練習をしています。あと、明治はまちがいなく使える選手の人数はうちより多いと思いますよ。もしかしたら各ポジション3人ずつ位いるのではないですか?暑さのこともありますし、そういう意味でもうちにはきつい部分がありますよね。それにのると強いチームですしね。」 日本で一番“走る”チーム 「うちはとにかく“走り勝つ”、小気味いいゲームを展開しますよ。交流戦を行った韓国・延世大の人たちも、「日本でこんなに走るチームは初めてだ」て言ってくれてました。速さやスペースの使い方の上手さとか、状況判断とか、そういうことを大事にしたゲームをしていきたいです。 「リーグに向けては、とにかく苦しいゲームに勝つことです。すごく苦しいゲームでも、粘り強く戦って勝っていきたいですね。そして、ただ勝敗だけでなくて、うちのバスケットをきちんとやって、先につながるゲームをやっていかないといけないです。そういうものがはっきりとわかるゲームをしていきますよ。」 |
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<CAPTAIN'S EYE> |
『もう一度“日本一”』 鈴木伸之選手(171cm64kg/G/桐朋高出身) 青山学院のスピーディなバスケットをつくるのがこの鈴木。クレバーさ・闘争心とガードとして、そしてキャプテンとしての資質を申し分なく兼ね備えている。 「いろいろ合宿でも経験してきたので、今、チームはいい感じだと思います。大屋の怪我は痛いと言えばそうですが、それでチーム力が落ちるようではどうしようもないので、常に目指すものに向かっていくだけですね。 身長は、2部の中ではそれほど低くはないのですが、2部で勝つことだけが目標ではなく、(1部の)専修とかのでかいチームにも勝つつもりでやってますから、関係ないですね。 走ることに関しては、トレーナーの方がしっかりプログラムを組んでくれているので、きついとは…でも、今月(8月)はきつかったですね。練習量が多かったですし、スケジュールが詰まっていたので、そこでどうコンディション保つかが難しかったです。でも、自分たちが目指しているバスケットがありますので、そういう意味では調子を崩したりとかはないですね。全員の個人の意識がすごく大事です。 チームの特徴は、ディフェンスから走るところです。課題は、延世大学と試合を |
やった時、相手がノーマークできちんとシュートを決めていたのを見習うこと。まだまだ波があるので、それをなくすために“ノーマークで決めていこう”と言ってやってます。波をなくしていくことが課題ですね。苦手なチームは個人的にはないですね。あっ、でも、外からやってくるチームは駄目ですね…。明治・順大あたりはだめですね、去年も(笑)。でも、個人的には苦手意識はなし、きちんとやっていけば勝てる相手だと思います。とにかくディフェンスから走ることをきちんとやっていかないと勝てないので、ディフェンスをしっかりやっていきます。」 リーグも負けたら終わりという気持ちで 「トーナメントの最終戦(決勝)は、バスケットを楽しめなかったんです。トーナメントは勢いがありますが、リーグ戦は1戦1戦、きちんと勝っていかないといけないので、そういう意味ではリーグ戦の方がきついですね。なので、プレータイムを特に気にせず、自分が出ているときは役割を集中してやるということですね。それに今年は絶対1部に上がるっていう目標もありますし。リーグをトーナメントのような気持ちで1戦1戦勝っていって、チームがよりいい形になっていくように頑張っていきたいですね。 1部を目指して頑張るので…最終的には“日本一”っていう目標がありますから、まだチームはきちんと出来上がってはいませんが、一生懸命頑張りますので、期待してください。」 鈴木が1年生の時、青山学院はわずかに1敗(21戦)でリーグ優勝。日本一の夢は、今の2部リーグでは果たせないが、冬のインカレにチャンスが残されている。春のトーナメントは1部校を次々破り準優勝。この秋のリーグでさらにステップアップして、冬を狙う。 |
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<PICK UP!> |
『相手のさらに上を行く』 伊藤明彦(4年) “期待している”と監督に言われた3人の4年生のうちの1人。ゲームでは、196cmの長身を生かし、もう1人のセンター・佐藤にマークが集まったところでミドルやリバウンドシュートを決める、他校にとっては“やっかいな存在”だ。 「試合数をこなしているので、怪我人はちょっと多いですが、今のチーム状況としてはいい感じですね。リーグには万全で臨めると思います。 春のトーナメントは、何もわからないままにただひたすら頑張っていたっていう感じなので…ある程度やれたのですが、リーグ戦は相手も研究してくると思いますので、トーナメントよりは上手く攻らめれないと思うし、上手く守れないと思う。だから、うちもそれを上手く考えてやっていかないと駄目だなって思います。 去年は、先輩のあとについていけばいいって言う感じだったのですが、今年は後輩を引っ張っていくっていう意識でやっていますね。青学は4年生中心のチームというのがずっと伝統であるので、やはり4年生が精神的にリードしていかないと後輩たちもついていけないでしょうし。 自分のポジションは4番ですが、時には5番もやりますね。どちらにしても自分に |
与えられた仕事をやるだけですね。ましてやリーグ戦は長丁場なので、ファールトラブルや怪我など、いろいろな事が起こる可能性がありますから、どのポジションでもできるようにしておかないといけないと思っています。 リーグに向けて、意識しているチームは拓大と東海ですね。初戦の明治はうちと似ているところもあるのですが、インサイドも結構小さいので、リバウンドはしっかりとっていきたいですね。」 |
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『去年とは違う姿に期待してほしい』 梶原剛(3年) 膝の怪我から復帰。貴重な戦力がリーグ戦に間に合った。 「膝はもう大分いいのですが、まだなにかしっくりこないものがありますね。痛みとかはないのですが…。2月ごろまでプレーしてたのですが、その2月のイメージで行ってしまって、本当だったらもっとドライブとか速いはずなのに、全然抜けなくて、自分の思ったプレーができていないです。その辺りをちょっと悩んでいます。 でも、 試合は楽しみですね。自分にとっては今年最初の大会だし、今年の2月に韓国に留学していて、それでやっていたこととかもあるし、自分がどこまでできるか楽しみです。 自分の役割、シックスマンっていうのは、ゲームの元々できている流れの中に入るっていうことで、その流れを維持していくためとか、逆に流れを変えてほしいとかあると思うのですが、そういう状況とかをよく見て、考えてやるようにしています。どんどんディフェンスから入っていって、自分が攻めるとかいうのではなく、チームに貢献したいですね。 リーグでは、自分たちが1年の時に2部に落ちて、来年が自分たちは最後なの |
で、その前に絶対1部に上がりたいです。今年はやはり気持ちとか、モチベーションが去年とは違っていて、「絶対上がりたい!」っていう気持ちがありますので、去年とは違った青学のバスケットを期待してもらいたいですね。今年は楽しいバスケットがお見せできるはずなので、期待していてください。」 |
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『来年はやっぱり1部でやりたい』 広瀬健太(1年) 大屋の負傷でスターターに抜擢された1年生。トーナメントでも、ポイントで出場した経験を生かしたい。 「スターターは、先輩(大屋・3年)の怪我のためなのですが、1年生の時からリーグ戦でスタメンになるっていうのはすごいチャンスだと思うので、出番が増えるようにしたいです。 5月のトーナメントの時は入ったばかりだったので、チームのことというよりも、自分をアピールするっていうことを考えていたし、勝ち負けはあまり気にしていなくて、楽にやっていました。 6月の新人戦の時はいろいろあって、試合に関係ないところでミスしちゃったので、その辺がちょっと、という感じでした。 そして秋のリーグに向けては、今年は上がらないといけない年って言っているので、頑張って来年1部でやりたいです。自分自身は1部の経験はないけれど、自分が中学生の時に見ていた青学は3冠をとったりすごかったので、そういうイメージに早く近づけたいです。それに自分自身、2部ではなく、1部でプレーしてみたいので、頑張りたいですね。同じ1年生には負けたくないです。」 |
<取材日 2004年8月31日>
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<取材・文 渡辺美香/構成 北村美夏> |