<第80回男子関東大学リーグ>
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タレント揃い、万年4位の汚名返上なるか
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<戦力分析> ロスターはこちら |
ポイントガードに小川、フォワードにエース山田謙・シューター末廣、そしてインサイドにはリーダーシップを取る亀井・ジョーンズカップ代表にも選ばれた198cmの町田という総合力のある布陣。さらにインサイドにはシュートエリアを広げた高久、リバウンドの良い高崎、1年生の福田も控える。これまで怪我の多かった4年生の小西にも期待したい。アウトサイドのバックアップも、深尾・山田健という実力のある1年生が加入したほか、2・3年生にも個性ある選手が揃う。波に乗ると強いチーム。4年生がいない分、リズムが悪い時に頑張りたい。 |
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<HEAD COACH PHILOSOPHY> |
『勝つ可能性を最大限に』佐藤崇行コーチ
「まず初戦ですね。リズム良く、練習でやってきたことを出し切りたいです。ゲームの準備はしているので、後はコンディショニングだけです。やってきたことというのは、状況判断。ゲームは状況判断の連続です。だから、それ以外の問題、リバウンド・ルーズや戻りのなど基本でミスしてはだめだよと言っています。体力的に厳しい場面もあると思いますが、約束事をやらないでボールを取られてしまうのはなしです。 リーグ戦は、学生ですから、メンタルが大きいですね。テーマを作ってどこでどう負けたらいけないかを知らせるようにしています。チームの中心は3年生の、小川・山田・亀井というところ。積極性があります。他のチームだって、4年生で固めているわけではないし、1年生の時からある程度出ている選手たちばかりだから心配ないですよ。いい意味でのずるさも持っているし、やってくれると思います。逆に暴走を抑えるのが難しいくらいですね(笑)。そこは私達指導陣がしっかり作りたいと思いますし、さっきの“状況判断”が出てきます。いかに出来るか。」 去年と同じ展開にはしない 「今年は去年とは全く違うチームですね。得点もチームで総合的に取る。ディフェンスはボールマン、2人目、3人目と基本は作ってある。後はその部品をどう組み立てるかだけです。その週の相手によって対応していく。インサイド中心のパワー系でも、スクリーン多様でも、アウトサイド中心でも、何でも大丈夫です。要は、それにどのくらい集中できるかですね。 オフェンスでは、ポストに大きい子が常にどてっという風にはしません。ある程度バスを回して、インサイドもフラッシュやカッティングで動かして行きます。 ポイントは初戦です。2千明光は相手を見ながらできるけれど、初戦だけはそうはいかない。去年は敗戦を相当引きずってしまったので、今年はバスケットをしないうちに走られて終わっている…ということのないようにしたいですね。 目標は全てのチームに勝ち越すこと。どこにも勝つ可能性があれば、どこにも負ける可能性があるのがうちだと思うんです。だからいいところを出して、勝てるほうに持って行きたいですね。 」 |
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<CAPTAIN'S EYE> |
『まだ振り返りたくない』 石田雄太選手(168cm68kg/PG/石巻高出身) 練習のスクリメージではとにかく声を出し続けていた。小柄だが、よく通る声の持ち主。若いチームをまとめる大役を担っている。 「ゲームで点を取れるからキャプテンになったんじゃないんです。ベンチにいることが多いけれど、去年からチームを盛り上げたり、状況を指摘したりしてきたので、それで任されたのかな。他の4年生もサポートしてくれています。うちは若いチームなので、気持ちの浮き沈みが大きい。だから、4年生が引っ張っていかないと、と思います。もちろん、出ている子も、小川・山田・亀井を中心に、自負をもってやってくれていますよ。2年生も、能力が高く、試合にもよく出ていてチームのためにやるべきことをわかってくれている子ばかりです。もう少し自分を出せるともっとよくなるかな。1年生も同じく試合慣れしている。後はもうちょっと1年生らしく元気を出してほしい。でもあえて言わないんです。気付いてほしいから。」 苦しんだ分、1戦の重みを知っている まだまだ、チームへの言葉が出てくる。 「チームのまとまりも出てきましたよ。特に町田の成長が大きいです。後は、もう |
少し皆でボールを守るディフェンスが出来たらな、と思います。あと、新人戦以外
はずっと4位なので、その上に行きたい!という気持ちは出ているメンツのいいモチベーションになっていますね。 まとまりは、前よりはあるんですけど、試合にならないと…というところもある。でも、ここ!って時は盛り上がりますよ。ここ!ってところは…やっぱり初戦ですね。去年、一昨年と5連敗しているので、崩れないようにしたい。でも逆にいうと1戦の重みを知っていますから大丈夫だと思います。その後は1戦1戦大切に戦いたいです。去年は得点が離れた時はそのままズルズルいってしまったこともありましたが、今年は1部らしさを出して、上位にいけるような内容の試合をしたいです。 でも目標は、上位進出じゃなくて、優勝です!最後のリーグだけど、これからが重要だし、まだ振り返りたくない。他の4年生も自覚を持って頑張っているし、今頑張ったなって思ったら、もう頑張れないから。 」 |
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<PICK UP!> |
『こわいけどみんながいる』 小川伸也(3年) 1年次から、ポイントガードとしてチームを引っ張ってきた小川。今年1年生に高橋・深尾・山田という実力のあるガードが入ったが、やはり“司令塔”はこの小川をおいていない。 「PGぶり?何もしていないですよ(笑)。コートでは、自分が声を出してリードしていかないと、まとまらない…というのはあります。ガードとしての役をはきっちり果たすためにも。でも思ったことを言うくらいですよ。こーしろ、あーしろっていう命令じゃなくて、5人で合わせる上で、こう“しよう”って。誰がまとめるとかはない。互いにまとめ合う感じです。コミュニケーションは昔より取れるようになりました。言うべき事を言い合うところまで来れていて、成長したかなと思います。」 この言葉から、さぞやチームはまとまっているのかと思いきや… 「今、チームはリーグを目前にしてやっとまとまってきたかなという感じです。本当に昨日、一昨日まではバラバラで…心配な面も多々ありますが、どうなるか楽しみと言えば楽しみだし、こわいと言えばこわいです。」 “チーム”で勝ちたい |
その入り混じった気持ちは、3年生ならではのものとも言える。過去2年はいずれも開幕5連敗という苦しみを味わった。 「出してもらっているのは3年生の自分達なので、しっかりしなきゃというのはありますね。でも、4年生に頼るところはしっかり頼らせてもらっているんですよ。ガードとしては…やっぱり経験を積ませてもらっているのは自分。だから引っ張らないといけないし、後輩に伝えていくのも自分の役目だと思います。 リーグでは全部大事ですよ!1つも落とせない。負けられない。1つでも多く勝ちたいですね。今まで3、4勝のぎりぎりばっかりだったんで(笑)。でもそれぞれ強いから、厳しい戦いになりますね。 それから勝つのも大事だけれど、“勝ち方”もある。5人で勝ったって正直楽しくない。チームが1つになって勝ててこそ嬉しいんです。負けても、チームが1つになっていたなら次につながるし。 プレッシャーだらけで、緊張もしているし正直こわいけれど、みんながいると思って、法政らしく“仲良く、楽しく、厳しく”やっていきたいですね。」 |
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『チームのために、思いきり』 福田大祐(1年) 亀井、町田、高久というインサイドのバックアップを務めるのは、2年の高崎と、この1年生の福田。新人戦の時は2年生の陰に隠れたが、ひるまないプレーでチーム内の5on5でもプレータイムが伸びている。 「出てるって言ってもBチーム(スタート組の相手)ですけど…頑張るしかないですよね。少しでもAチームの人を苦しめられるようにと思っています。試合でもやりたいように出来ないことはあるから。でもまだ出来ていないので、それじゃダメだと思って毎日やっています。 ポジションは、今Bチームではセンターについていますけど、チームの要求があればどこでもやりますよ。専門的になるのは好きじゃないのもあります。 」 型にはまらず、日々成長中の福田。そののびしろを買われ、アジアヤングメンに出場するU-20代表にも選ばれた。 「自分は高校時代、チームでは全国に出た事がないので、顔見知りもいたけれど、同学年にこんな人がいるんだ、って感じでした。リーグのことを考えると(日程がバッティング)選ばれても複雑ですし、チームから推薦された時点でちょっと |
へこみましたけど、しょうがないし、そういう選手ばかりの中で落ちるのもいやだし…。選考合宿では思いきりやってきました。」 まずはディフェンスから 「法政はコーチ・スタッフの人が本当に良くて、いい先輩もいて、入ってよかったなって思います。 新人戦は、要求にこたえられる選手と見られていなくて、自分の出来も良くなかった。でもリーグは…プレーよりも、まず先輩達がスムーズに試合に臨めるようにということに気を使いたいです。チームの物を預けられているわけだから、忘れ物しないようにとか(笑)。そっちに専念する時間が多くなると思うので。試合に出られたら、思いきりやりたいですね。でも自分の“良い”とスタッフの“良い”はまだまだ違うので、やりたいことより要求されたことをやりたいです。出来ないと、ここに来た意味がないので。 とにかく思いきりプレーして、特にディフェンスを頑張りたいです。中・高でサボっていた分まだまだですけど。今ディフェンスがダメだからまだAには上がれないんだと思う。試合でも、出る時はつなぎの役割が強いと思うので、リードが開いたりビハインドが詰まったりしなくても、しっかりディフェンスしてきたいです。」 |
<取材日 2004年9月9日>
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<取材・文 北村美夏> |