<第34回日本車椅子バスケットボール選手権大会> ピックアップ・エキシビ・コート外レポはこちら
5月2〜4日、千駄ヶ谷の東京体育館で第34回日本車椅子バスケットボール選手権大会が行われた。
最終日のエキシビションゲームは、ポラリスの会とジュニア日本代表という世代を超えた対戦が実現した。
今年度からはじまった3位決定戦は、宮城MAXが長野WBCに快勝した。
決勝戦は、千葉ホークスがワールドを終盤突き放し、昨年準優勝の雪辱を果たした。

<最終順位>

優勝:千葉ホークス(関東)

準優勝 :ワールドBBC(東海北陸)
3位:宮城MAX (東北)
敢闘賞:K9長野、福岡Limits、山形WBC


MVP:京谷和幸(千葉ホークス)
得点王:藤本怜央(宮城MAX) 128点
ベスト5:東海林和幸(宮城MAX)、阿部匡志(千葉ホークス)、白丸文明(ワールドBBC)、大島朋彦(ワールドBBC)、藤本怜央(宮城MAX)

優勝旗を受け取るホークス#4安

なぜかホークスの選手がいっせいにタッチ

記念品が山盛りのベスト5

ピックアップ!:宮城MAX、NO EXCUSE、高知クラブ

…3位入賞した東北の雄・宮城MAX、千葉ホークスを苦しめたNO EXCUSE、
笑顔が印象的な高知クラブ。

エキシビションゲーム:ポラリスの会vsジュニア日本代表

…8月の世界選手権(イギリス)に挑むジュニア代表へ、これまでの代表を
支えてきたポラリスの会チームから受け継がれる“たすき”

フォトギャラリー・“コートの中、コートの外”

…運営するひと、応援するひと、挑戦するひと…も含めて大会が成り立って
います。また、コート内での表情豊かな選手は必見!

の3つはこちら


<第34回日本車椅子バスケットボール選手権大会 決勝>
5月4日(祝) 会場:東京体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
56
16
1st
9
41
 
千葉ホークス
10
2nd
12
ワールドBBC
12
3rd
12
 
18
4th
8

ホークス、優勝への気持ちが上回り2年ぶりのV

スターティングメンバー
ホークス:#4安・#7田中・#9阿部・#11香西・#15京谷
ワールド:#8長谷川・#12田丸・#13三宅・#14杉浦・#15大島

 ジャンプボールは16歳の千葉#11香西と34歳のワールド#15大島。香西が勝ち、#15京谷のミドルシュートにつなげる。 その後も香西のミドルシュート、さらにスティールからの速攻で開始2分6-0と千葉の勢いが勝り、ワールドはたまらずタイムアウトとなる。するとその後#15大島のリバウンドから#13三宅の得点につなげるとバスケットカウントなど連続得点で追い上げ、残り4分20秒10-8として今度は千葉のタイムアウトとなる。千葉はディフェンスでプレッシャーをかけてワールドを3秒オーバー・24秒に追い込み、16-9と引き離す。

  2Q、ワールドは#15大島のマークがきつく思うようなプレーが出来ないが、逆にそこを付いて#12田丸・#13三宅がシュートを決めていき残り5分20-17
と追い上げる。千葉は速攻のミスからリズムを崩し、タイムアウトを取るも残り3分20-21と逆転される。だが#4安がうまくフリースローをもらい23-21とすると、残り36秒には優勝への執念が上回るかのように#11香西の3ポイントシュートも決まり、26-21とリードして折り返す。

大舞台でここ1番の活躍をした
ホークス#11香西

  後半も両者譲らず、インサイドにボールを入れられない。千葉は#7田中、ワールドは#13三宅がロングシュートを決めて残り4分25秒34-29と点差は変わらない。だがその後、千葉のエース#4安がリバウンド・スクリーンで続けてファールを取られ、2分を残して4ファールとなってしまう。ここで千葉は#4安・#15京谷に代えて#13森・#14鈴木を入れると、起用に応えて得点に絡む。だがワールドも残り30秒から8秒オーバー、ヘルドボールなどでマイボールにして粘り、残り2秒で#12田丸がバックドアを決めて38-33とついていく。

  試合が動いたのは4Q。引き続きコートに立った千葉#14鈴木がローポストでうまくポジションを取り、ふわりとしたパスをもらって連続得点する。フリースローも決め、残り3分48-39とシュートの落ちるワールドを引き離す。ワールドは3ポイントシュートを狙うが外れ、残り1分#15大島のゴール下で52-41とした後ファールゲームに出る。だが大島の、千葉#鈴木へのファールはアンスポーツマンライクファールを吹かれ、残り30秒53-41でスローイン。ワールド#12白丸は千葉#7田中へのパスをカットに出るが、これもアンスポーツマンライクとなる。このフリースローを決め、残り20秒千葉はキープに入るがボールのないところでチャージングを取られる。だがワールドはロングパスをミス。千葉は#7田中がフリースローを決め、56-41で2年ぶりの優勝となった。

  ワールドは1回戦からパラ神奈川SC、明和BBC、宮城MAXと並み居る強豪を蹴散らしてきたが、最後に力尽きた。
(北村美夏)


ファールトラブルもチームを
支えたホークス#4安

絶妙のポジションにいた
ホークス#14鈴木

器用なプレーが健在の
ワールド#13三宅

存在感を発揮した
ワールド#15大島


前半終了間際、#11香西の3Pが決まって


ラストのFTが入るごとに回しておいたタオルを振り上げる


終盤、アンスポーツマンライクファールの判定に


最後までコミュニケーションをとって


チアの花道を通ってコートへ


ホークスのテーブルにはこの紙が


手を組んで戦況を見つめる

<勝ち上がり表>
3日
(準々決勝
敗者戦)
チーム
2日
( 1回戦)
3日
( 2回戦・準々決勝)
4日
(3決・決勝)
60
千葉ホークス
 
56
74
78
3決
決勝
NO EXCUSE
59
42
Risky熊本
37
52
56
73
Dukes
66
36
O・D ALPHA
55
25
北海道作業所WBC
41
42
28
K9長野
48
49
山形県WBC
31
45
71
東京クールス
64
長野WBC
 
62
52
宮城MAX
 
83
61
38
81
41
三重チャリオッツ
49
45
高知クラブ
47
57
福岡Limitz
48
38
埼玉ライオンズ
58
76
ワールドBBC
54
54
64
パラ神奈川SC
43
25
TEAM UNION
58
40
40
岡山WBCウインディア
29
明和BBC
 
71



<取材・文 北村美夏>