女子優勝は桜花学園 2003.12.27

<第34回全国高校バスケットボール選抜優勝大会>
第34回全国高校バスケットボール選抜優勝大会(ウインターカップ)は27日、東京体育館で女子決勝・3位決定戦と男子準決勝を行った。女子決勝は、桜花学園が東京成徳大学を下し、2年振りの優勝を果たして今年度3冠を達成した。3位には鶴鳴長崎学園女子が入った。また、男子の準決勝はいずれも接戦となった。

*優秀選手:内海亮子、児玉美菜子、諏訪裕美(以上桜花学園)、金子元美(東京成徳大学)、谷川雅(鶴鳴長崎女子)



<第34回全国高校バスケットボール選抜優勝大会 女子3位決定戦 鶴鳴長崎女子vs秋田経法大附>
12月27日(土) 会場:東京体育館

             
 
81
24
1st
11
50
 
鶴鳴長崎女子
27
2nd
9
秋田経法大附
(長崎)
15
3rd
15
(秋田)
15
4th
15

序盤、秋田経法大附は#7高橋を中心に鶴鳴長崎女子#15ジャトゥを良く抑えるが、開始4分過ぎからフロントコートからプレスディフェンスを仕掛けられると、パスミスからレイアップシュートを決められて5-13とされてしまう。さらに#15ジャトゥの1on1で加点され、11-32と離される。5人全員を交代させリズムを変えようとするが、引き続き運びで苦戦し20-51とされて前半を終える。

第3クォーター、秋田経法大附は#15保坂のポストプレイ、#4佐藤のカットインなどで得点するが、鶴鳴長崎女子にもパスカットからの速攻や#15ジャトゥをうまく使ったオフェンスをされ互角の展開となり、差を詰められない。最終クォーター、やっといくつからしいバスケットが見られるが、リズムを変えるには至らず、50-81で終了した。

鶴鳴学園長崎女子が3位、秋田経法附が4位となった。両校ともに大きな拍手が送られた。


<第34回全国高校バスケットボール選抜優勝大会 女子決勝 桜花学園vs東京成徳大学
12月27日(土) 会場:東京体育館
             
 
108
30
1st
17
75
 
桜花学園
30
2nd
21
東京成徳大学
(愛知)
29
3rd
9
(東京第1)
19
4th
28

3冠を狙う桜花学園と、インターハイ・国体の雪辱を誓う東京成徳大学の顔合わせとなった女子決勝は、立ち上がりから息も付かせぬ展開となった。

桜花学園は、ジャンプボールから東京成徳大学#9水澤に走り込まれて先制される。さらに東京成徳大学#7大西、#9水澤のゴール下の1on1で加点されるが、183cmの#7諏訪がゴール下で得点を決める。瞬く間に5分が過ぎ、19-11とわずかにリードする。ここから徐々に、#7諏訪が東京成徳大学#6高田をポジション争いで圧倒していき、東京成徳大学の1on1のシュートが落ち始めると差を広げ、30-17として第1クォーターを終える。第2クォーターも桜花学園#7諏訪が好調を維持し、ゴール下シュートで加点する。ディフェンスでもリバウンドを支配し、アウトサイドシュートをケアして38-60と大量リードして前半を終える。

後半も#7諏訪を中心に#4内海のシュートなどで差を広げ、第3クォーター残り2分で85-42とダブルスコアにすると、選手を全員入れ換える余裕を見せる。ベンチメンバーも変わらぬプレーを見せ、リードを保つ。第4クォーター、東京成徳大学#8吉田のカットイン、#11小林の3ポイントシュートを許すが、108-75とリードを守りきった。

桜花学園は今年度の全国大会3冠を達成。東京成徳大学は‘3度目の正直’はならなかった。


<第34回全国高校バスケットボール選抜優勝大会 男子準決勝 県立能代工業vs延岡学園>

12月27日(土) 会場:東京体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
91
19
1st
15
69

 
県立能代工業
25
2nd
20
延岡学園
(秋田)
15
3rd
16
(宮崎)
32
4th
18

能代工業は3ポイントシュートで先制。さらに#7北向が連続3ポイントシュートを沈め、16-9とリードする。しかしここから延岡学園#7高橋のバスケットカウント、#14太田の速攻で詰められ、第1クォーターを19-15とされる。第2クォーターは、#7北向、#8宮城、#9富田のガード陣が次々に3ポイントシュートを決め、41-26と差を開く。しかし残り2分を切ってから、リバウンドを粘られて44-35として折り返す。

後半立ち上がり、延岡学園のゾーンディフェンスを攻め切れず、46-39と詰められる。さらにリバウンドからの速攻を出され、残り4分30秒で46-43とされる。勢いを止めたいがアウトサイドシュートが来ず、残り3分延岡学園#11花畑のカットインで48-49と逆転される。能代工業はリバウンドで粘り、#4高橋のパスフェイクからのカットイン、#7北向の体勢を崩しながらの3ポイントシュートで56-49と再びリードする。さらに終了間際、170cmの#8宮城が延岡学園#15ママドゥのチェックの上から3ポイントシュートを決め、59-51として第4クォーターへ。

第4クォーターは、延岡学園のインサイドの攻め手をつぶし、外のシュートもケアする。そして#8宮城の3ポイントシュート、リバウンドからの速攻で点差を広げて、最後はシュートの確実性の差を見せて91-69で決勝に駒を進めた。


<第34回全国高校バスケットボール選抜優勝大会 男子準決勝 洛南vs福岡大附属大濠

12月27日(土) 会場:東京体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
80
31
1st
17
81

 
洛南
17
2nd
23
福岡大附属大濠
(京都)
12
3rd
24
(福岡)
20
4th
17

男子準決勝第2試合は高さの洛南と、スピードとスタミナを生かしたプレスディフェンスが武器の福岡大大濠が対戦した。

第1クォーター序盤、福岡大大濠は#6児嶋らのカットインで、#7木村理を中心とした洛南のインサイドプレーに対抗するが、中盤、洛南#10西垣、#12佐々木にミドルシュートを決められ11-19と離される。中に入れず、外のシュートが来ない福岡大大濠は、得意のプレスディフェンスを出せず、リバウンドを支配されてこのクォーター17-31と大量リードを許す。第2クォーターは福岡大大濠#9寒竹、#14山田の下級生センターがリバウンドに粘り、残り6分30秒、26-35と一桁差に戻す。さらに、#4竹野の3ポイントシュート、パスカットからのシュートで33−38と一気に詰める。しかし、そこから洛南の気迫のディフェンスにあい、24秒バイオレーションを取られるなど得点が止まる間にインサイドで加点され、再び36-48と離されてしまう。最後に#6堤がフリースローを得て40-48と何とか一桁差にして折り返す。

後半は両校ディフェンスが厳しさを増し、残り4分になっても50-58と一進一退の攻防となる。福岡大大濠はここから、速いオフェンスから丁寧なフィニッシュで連続得点、さらに3ポイントシュートで55-58と再び詰め寄る。洛南にインサイドで攻められるが、そのゴール下シュートを身長に劣る福岡大大濠がブロック。それを#4竹野が速攻につなげ、61-60とついに逆転する。このクォーター残り5秒から#4竹野の3ポイントシュートも決まり、64-60とする。

しかし第4クォーター開始早々、洛南#10西垣のシュートで65-65と追いつかれ、#7木村理のフリースローで65-67と再逆転される。互いにゴール下での戦いが熾烈になる中、福岡大大濠のシュートが惜しくも外れる一方、洛南に24秒ぎりぎりでシュートを決められ、残り4分で72-77と少し離される。さらに残り2分、マークがカバーに出た瞬間洛南#7木村理にミドルシュートを決められ、72-79と苦しくなる。#14山田のリバウンドシュートで食らいつく福岡大大濠。決死のオールコートプレスを張ると慌てた洛南からターンオーバーを奪い、それをスリーポイントシュートにつなげて77-79として残り1分。ゴール下でのリバウンドをもぎ取って、#4竹野が速攻に走る。洛南ディフェンスにコースに入られるが、#4竹野のスピードが勝りディフェンスファールとなる。チームファールによるフリースローを得て、これを冷静に2本決めて残り30秒で79-79の同点とする。しかし、次のディフェンスでは洛南#7木村理のゴール下シュートをファールでしか止められず、逆にフリースローを与えてしまう。1投決められて79-80。再逆転を狙い#6堤がシュートを放つが決まらず、残り22秒でリードする洛南ボールに。勝負あったかと思われたが、時間を稼ごうとした洛南のパスを#6堤がカット。ワンマン速攻に持ち込み、土壇場で81-80とリードする。残り5秒での洛南のインサイドのオフェンスを全員で止め、福岡大大濠が劇的な幕切れで決勝進出を決めた。

<取材・文 北村美夏>

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