<WJBL2004-05> |
WJBLは、10月21日に代々木第2体育館において、10月9日に台風のため順延となっていたWリーグ2試合、WIリーグ1試合のあわせて3試合を行った。 これまでここ代々木第2体育館では2連敗と振るわなかったJOMOは、富士通の中盤の追い上げを振り切り、3勝目をあげた。シャンソン化粧品も途中何度かトヨタに追い上げられるが食い止め、日本航空と並ぶ開幕5連勝となった。 WIリーグの 甲府はトヨタ紡織を大差でやぶり、今シーズン初勝利をあげた。 |
<WJBL 第3節(振り替え)> 10 月21日(木) 会場:代々木第2体育館
スターティングメンバー JOMO:#1大神・#8田中・#10矢野・#11川畑・#15諏訪 富士通:#1三谷・#7船引まゆみ・#9船引かおり・#15柳谷・#44佐藤 第1クォーター序盤は互角の展開となるが、開始3分を過ぎてからJOMOは#8田中・#15諏訪の外−中が上手くつながりペースをつかむ。富士通に#44佐藤の3ポイントシュートで追い上げられるが、残り1分から#8田中の3ポイントシュートと#15諏訪の1on1から得点し、24−14とJOMOが10点リードして第1クォーターを終える。 第2クォーター序盤は交互に点を取り合う展開となるが、残り7分半からどちらもファールがかさみ、なかなかペースが掴めず得点できない。JOMO#8田中に代わって入った#13花田が積極的にオフェンスを展開し、連続でシュートを決めるが、その後もどちらも攻めきれない。しかし残り31秒に富士通#1三谷の3ポイントシュートが決まり、36−31と5点差に詰められるが、残り17秒JOMO#15諏訪がゴール下のシュートを決めて、38−31とJOMOがリードして前半を終える。 第3クォーター開始早々にJOMO#10矢野が4個目のファールでベンチに下がる。JOMOは代わって入った#4立川がオフェンスを引っ張りリードを守るが、残り7分5秒から富士通#9船引かおりにドライブインシュートを決められると、さらに#8清水のゴール下で44−40と4点差に迫られる。ここでJOMOは#15諏訪がゴール下で強気で攻め、残り5分には50−40と再び点差を2桁に乗せる。しかし、残り3分3秒からJOMO#4立川が連続してファールをしてしまい、個人ファールが4個となってベンチにさがる。そこから富士通に連続得点され、54−49とされるが、JOMOは#11川畑・#15諏訪が粘り、リードを保つ。さらに残り31秒からJOMO#11川畑が、バスケットカウント・1スローと3ポイントシュートと連続して3点ずつ得点し、61−53でJOMOがリードして、第3クォーターを終える。 第4クォーター、JOMOは富士通の追い上げにあい、なかなかペースが掴めない。しかし残り6分にJOMO#15諏訪が1on1からシュートを決め、流れはJOMOに。ファールトラブルでベンチにいた#10矢野もコートに戻り、残り5分40秒には3ポイントシュートを決め、勢いづかせる。さらに#8田中・#11川畑・#4立川・#10矢野がたたみかけるように連続で得点し、残り3分をきって77−60と一気に引き離す。その後も富士通にチームオフェンスを組み立てさせず、残り8.5秒にはJOMO#11川畑がダメ押しのバスケットカウントを決め、83−67でJOMOが今シーズン代々木第2での初勝利をあげた。 |
攻守に安定感のあるJOMO#11川畑 |
富士通のルーキー#24今 |
鋭いドライブをみせるJOMO#13花田 |
富士通 中川ヘッドコーチ |
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<PICK UP!> 『ここからスタート!』JOMO #1 大神雄子選手(桜花学園高出身・4年目) オリンピック日本代表メンバーとはいえ、昨年まで楠田の控えとして、ベンチで過ごす時間も長かった。しかし今年はスタートPGというだけでなく、“常にコートにいなくてはいけない選手”となっている。 「今チームは本当に一生懸命に自分たちのプレーをやっているという状態です。相手チームがどうこうというのはあまり関係ありません。“JOMOのバスケット”をやっていくことが大切だと思っています。3選手の引退が、影響がないとは言えませんが、基本的な部分は変わらないので、今のチームでできることを一生懸命やるだけです。 PGとしてフルにでていることが多いのですが、試合後半とかに体力的にきつくなるときがあって、そういう時はシュート確率も悪くなりますし、メンタル的に弱くなって負けてしまいます。でも、そういう時こそ“周りを活かそう!”と思ってプレーするようにしてます。あとディフェンスを頑張ることも意識してやります。今まではサン(楠田・元J-エナジー)さんがやっているところに、“出してもらっている”っていう感じでしたし、エース(大山・元J-エナジー)さん、マック(浜口・元J-エナジー)さんのおかげでプレーできていたと思います。でも、今年は自分がしっかり成長していかないといけないという気持ちがとても強いです。」 |
同期の選手たちが最上級生としてプレーしている関東女子学生リーグ戦(9月4日〜10月17日)にも姿をみせた。 「桜花学園でチームメートだったチカ(今リーグ優勝の筑波大学キャプテン#4田渕明日香選手)とは大学に入ってからもいろいろ悩んでることとか聞いていたので、今回の優勝を見ることができて、本当にうれしかったです。彼女は本当に頑張っていたので、その頑張りがああいう結果で出たのを見て、自分も改めて“頑張ろう!”っていう気持ちにもなれました。」 昨年のチャンピオンチームのPG、日本代表PGの後継…様々なプレッシャーの中でプレーする大神選手。 「サンさんのあとにスタートPGになることにプレッシャーがないというと嘘になりますが、今は自分ができる精一杯のことをやっていくだけですから、それほど気にしていません。ゲーム中だけでなく、練習でもしっかり声を出して、チームの雰囲気をよりよくしていくようにもしています。昨年までの3年間でサンさんが自分を育ててくれましたから、ここから自分にとっても新たなスタートだと思っています。」 |
JOMOはいまひとつペースを掴みきれないながらも、#8田中・#1大神・#11川畑といったところが落ち着いてプレーし、富士通にリズムを持っていかれないでいられた。#10矢野もファールトラブルがありながらも、行くべきときは行くという積極的な姿勢でチームを引っ張った。1年目のセンター#15諏訪に合わて、活かしていこうという意識がとてもよく見える試合だった。少しずつだがチームとしての形と、個々の選手たちの意識がはっきりしてきているように感じた。 富士通は昨年とがらっとメンバーが変わっただけでなく、HCも変わっているため、まだまだチームとして機能しきれていないように見えた。特に前半、期待の新人#23今(日体大出身)がチームにフィットせず、ボールに絡めなかったのが印象的だった。個々に能力がある選手も多く、今後に期待したい。 (渡辺美香)
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<WJBL 第3節(振り替え)> 10月21日(木) 会場:代々木第2体育館
スターティングメンバー シャンソン:#0永田・#3三木・#7相澤・#8石川・#33河 トヨタ:#2桜庭・#4矢野・#8榊原・#15池田・#55角井 第1クォーター開始からシャンソンのペースになる。#33河の1on1や#3三木のバスケットカウント、#0永田のドライブインで立て続けに得点し、トヨタに付け入る隙を与えない。しかし、残り5分をきってから、トヨタに速いオフェンスの展開をされ、#2桜庭の3ポイントシュートや#55角井の1on1#4矢野の速攻で追い上げられ、13−10とされる。しかし、高さで勝るシャンソンはセンター#33河にボールを集め、得点を重ねる。残り2分をきって26−14とリードを12点とするが、残り1分からトヨタに速攻を連続して決められ、26−22とシャンソンのリードが4点となって第1クォーターを終える。 第2クォーター序盤はどちらもリズムが悪く攻めあぐねるが、シャンソンが#0永田のオフェンスリバウンドや#3三木の3ポイントシュートなどで徐々にリードをひろげていく。ディフェンスでもあたりを厳しくし、トヨタにオフェンスを組ませない。しかし残り3分半にトヨタ#8榊原の3ポイントシュートで流れが変わり、トヨタ#2桜庭の3ポイントシュートや#8榊原のドライブインで得点され、残り1分49秒には38−36と2点差にまで詰められる。シャンソンは#23池住の3ポイントシュートでなんとかリードを守り、44−39で前半を終える。 第3クォーターに入ると、シャンソンのオフェンスが単調になり、流れがトヨタになる。トヨタ#4矢野のシュートが連続して決まり、残り5分7秒には52−54と逆転され、シャンソンはタイムアウトを取る。その後シャンソン#7相澤が積極的に攻め流れを作ると、残り2分4秒には#3三木のドライブインシュートがバスケットカウント・1スローと決まり、60−56とシャンソンがリードを奪う。その後どちらも攻めきれず、ファールによるフリースローが多くなるが、それもトヨタ#4矢野は2本ともはずし、シャンソンも#8石川と#3三木が1/2しか決められず、どちらも得点が伸びない。残り8秒にトヨタ#8榊原に1on1からミドルシュートを決められ、64−58とシャンソンがわずかにリードをひろげて第3クォーターを終える。 第4クォーターは交互に点を取り合う展開となるも、残り6分11秒にトヨタ#4矢野の3ポイントシュートが決まり、68−66と2点差に詰められたところでシャンソンはタイムアウトを取る。その後トヨタ#15池田のドライブインで同点とされるが、残り3分にシャンソン#0永田がオフェンスリバウンドに飛び込み、バスケットカウントと1スローを決め、さらに続けてゴール下で得点し、リードを保つ。残り2分をきってシャンソン#7相澤がコーナーから3ポイントシュートを決め、76−70と6点差とすると、トヨタの焦りを誘う。残り1分からファールゲームとなるも、シャンソン#8石川と#7相澤がこれをきっちり決め、81−71でシャンソンが開幕から5連勝を飾った。 |
オフェンスの柱となるシャンソン#33河 |
トヨタのセンター#55角井 |
攻守に強さを発揮・シャンソン#0永田 |
シャンソン化粧品 李ヘッドコーチ |
シャンソンは#33河のポストにどうあわせて展開していくかが、まだ上手く形ができきれず、少し上手くいくと全体の流れが止まってしまい、リズムが悪くなる。李ヘッドコーチのいう「その場・その場の対応が多い」ことは、個々にオフェンスの展望が不十分だからではないだろうか。個々の力があるので今はそれで何とかなっているが、他のチームがチーム力をアップしてくれば、そうそう勝ちきれなくなるかもしれない。しかし、毎試合課題を感じながらも、次の試合ではある程度修正してくる点はさすがだ。 トヨタは上手くトランジションの速い展開にもち込んだ時はいい流れになり、追い上げもできたが、それが長くつづられなかったことで引き離すことができず、最後は力負けといった感じになった。トランジションの基本のリバウンドが取れなくなったことが痛かった。追い上げは集中力の持続が必要で、強い相手にはそこで力尽き、追い抜き、引き離す、までなかなか気持ちが持続できないように思った。 (渡辺美香)
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<WJBL 第3節(振り替え)> 10月21日(木) 会場:代々木第2体育館 <WIリーグ>
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<取材・文 渡辺美香> |