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<シャンソン 優勝!>

  3月10日から大阪市中央体育館において始まったWJBL・Wリーグファイナル・シャンソンvs日本航空が3月15日代々木体育館において終了した。

 3月15日の第4戦は、2勝1敗と優勝に王手を掛けているシャンソンが試合開始からリズムよく得点をかせねると、最後まで集中を切らさずこのゲームを勝利した。これで日本航空との対戦成績が3勝1敗となり、シャンソンのリーグ優勝となった。シャンソンの優勝は5年ぶり15回目。


 また試合後の表彰式ではファイナルのMVPとリーグ・オールジャパンを含めた年間のベスト5が表彰された。

 優勝したシャンソンは日韓Wリーグチャンピオンシップで、韓国WKBLリーグの優勝チーム・ウリィ銀行と対戦する。

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(写真は後ほど追加します。)

<WJBL ファイナル第4戦>
3月15日(火) 会場:代々木第2体育館


             

80

29
1st
14
62
シャンソン

19

2nd
19
日本航空
9
3rd
9
23
4th
20

#8石川とハイタッチをする#33河

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 < シャンソン 優勝!>
第1クォーターで一気に引き離すと、粘る日本航空に厳しいディフェンスで流れを渡さず、5年ぶりの優勝を決める。
シャンソン 李ヘッドコーチ
「大変うれしいです。私はとても運がいい人かなと改めて思いました。これだけの選手が揃っていて、会社の理解があってバックアップしてくれて、みんなで一丸になって戦えて、そして結果を残してくれる。最高じゃないですか。
(このファイナルのターニングポイントは)第2戦はとりあえず勝たなくてはが優先していました。そして3戦目を大差で勝って、今日は(自分たちが)油断しないかぎり問題ないだろうと思っていました。私は常に選手たちには自信があることをオーバーに見せるようにしていました。ずっと負け続けた気持ちが残っていると硬くなってしまいますから。
(石川選手について)石川は『次に誰かいるから』と今(記者会見の質疑応答で)言いましたが誰よりも身体能力をもっている選手で、これからの可能性をたくさん持っています。さらに与えられた任務をこれだけ忠実にできたということが、このファイナルの結果につながりました。影のMVPは彼女だと言っても過言ではないです。
(これから勝ち続けるのは)このチームは最初に来た時は層が厚いと思っていたのですが、実際にゲームとなると使える選手が限られていました。同じレベルでできる選手をもっと育てないといけないと思います。それから今結構怪我人がいるのですが、体力面をもっと強くしていかないといけません。勝ち続けることは簡単ではないです。」

シャンソン #3三木選手(キャプテン)
「4年間本当に勝つことができなくて、(その間に)やめていった方々や会社の方々などみんながそれほどしっかりしていないキャプテンの私を支えてくれました。またファンのみなさんにも心からありがとうと言いたいです。
(ここまでで辛かったことは)4年間勝てなかった間もどんどん試合はあって、チームメイトでいろいろ話し合って、それでも勝てなかったときが一番辛かったです。
(どうやってチームを立て直していったのか)前評判とかはいろいろ聞いていて、でもやってみないとわからないと思って周りの意見は気にしていませんでした。(シーズン中も)どうすればチームが一つになれるか私なりに悩んで、でもとにかくコミュニケーションをとっていくことが一番大事だと思ってやってきました。
(来シーズンに向けて)まずは痛いところを治して、疲れを取って、休みたいです。」

シャンソン #0永田選手
「4年間ずっと悔しい思いをしてきましたが、今日のこの日のために辛い思いをしてきたんだと思います。すごくうれしいです。
(苦しかったことは)今シーズンが一番苦しかったです。
(どうやってチームを立て直していったのか)“ダントツ”とか言われていたのですが、実際には苦しい展開になったりしました。その中でももうちょっとできるはずなのにと思いながらも、やっぱり試合では上手くいかなかったり。でもいろいろな経験の中でチームのみんなで“ここが大事”ということを確認しあって、コミュニケーションをとっていくようにしました。監督とも最初はなかなか話しづらかったのですが、練習中から自分たちでコミュニケーションをとっていくようにしました。そういうところがこういう結果につながったと思います。
(来シーズンに向けて)若い子にもすごく才能を持ったいい選手がいっぱいいますから、そういう選手たちにもっと頑張ってほしいです。」

シャンソン #7相澤選手
「チームで一つの目標にむかって戦っていくということは前から変わらずですが、勝って終わったのは久しぶりなので、とても充実しています。よかったです。
(ここまでで苦しかったこと)年も年なので常に自分のコンディションを整えることが難しくなったことと、チームが負けていると気持ちがなかなか通じ合わなくて、何か上手くいかない、噛み合わないというという時が苦しかったです。
(以前のシャンソン時代の優勝との違いは)前の時は自分はベンチメンバーで、チーム15人で戦うということはそれぞれの立場でやっているのでそれは変わらないのですが、今回はスタートで試合に出られて優勝したのですごい幸せです。優勝自体には変わりはないですが、コートにたって力を出して勝ち取ることができてうれしかったです。
(来シーズンに向けて)チームのことは李さんにまかせて、私は個人的にしっかりとコンディションを整えたいです。」

シャンソン #8石川選手
(今シーズンはスタメンに定着しましたが)いろいろ教えていただいたことをできるようになって、そして優勝できて最高です。
(苦しかったことは)この4年間と(今年の)オールジャパンで優勝できなかったことが苦しかったです。
(このファイナルでの活躍を自分ではどう思うか)ファイナルはいるまでに、今まで練習してきたことをきちんとできれば勝てると思うようにしました。そういうメンタル的なところがよかったのと、私がダメでも他の選手がいるので、そういう意味で思い切りよくやれたということがあります。
(来シーズンに向けて)もっと体力をつけて、パワーアップしたいです。」

シャンソン #33河選手
「チームのみんなに助けられながらやってきた1年だったと言う思いです。このチームの一員でいられてすごく幸せ者だと改めて思いました。
(苦しかったことは)自分はまだ2年目なのですが、去年は1年目であっという間に終わってしまいましたが、今年になってすごく優勝というものを去年よりも強く考えるようになりました。そんな中膝の怪我で試合に出られなかったときが辛かったです。
(来シーズンに向けて)自分は元々膝が悪いので、(膝に)負担がかからないように他の部分をしっかりトレーニングすることに力を入れたいです。」

日本航空 林ヘッドコーチ
「みなさんの期待に応えられるゲームができなくて申し訳ないです。もっともっと練習をしっかりやって、来年は皆さんの期待に負けないようにしなくてはいけないです。
うちのゲームはオフェンスラインがつながってつくっていくものですが、先週から攻撃のつながりができなくて、まとめていこうと何度もしたのですがそれができず、うちのゲームらしいゲームができませんでした。今日も改めて思ったのですが、もっとしっかりと(攻守で)1対1ができるように育てていかないといけない。いい勉強をしました。」

日本航空 #7薮内夏美選手
「最後までうちらしいバスケットができませんでした。
(第3戦後チームでどのように話してきたのか)昨日と今朝と練習をして、もっとしっかりと足を使っていこうとみんなで確認したのですが、センターの河選手のところで上手くいかなくて、それで河選手以外のところで得点をされてしまいました。
(途中追い上げたところではどうだったのか)相手もそこから(日本航空を)振り切ることができなかったのですが、逆に自分たちもそこに留まってしまいました。
(パスカットなどターンオーバーが多かったが、それは日本航空の問題なのか、シャンソンの読みがよかったのか)JALの攻撃は速いパス回しが必要なのですが、そこで無理をしてしまって周りとのコミュニケーションが取れなくなってターンオーバーになってしまうことが多かったです。(シャンソンのディフェンスに関しては)相手が対応してくることはわかっていたし、(ボールに)手出しをしてくることもわかっていました。しかし自分たちが無理なパスを通そうとしたり、(受け取る側が)1歩動けば取れるのに動かなかったりというような小さな部分でよくなかったです。
(この1年を振り返って)今年は6番手、7番手の選手が育って頑張ってくれたことがよかったです。」

『“我慢”という戦略〜李玉慈〜』

 リーグを19勝2敗というダントツの強さながら、その2敗が全て日本航空。全日本選手権でも決勝で負けた。プレーオフまでの今シーズンの対戦成績は1勝3敗だった。

  しかし、今回のファイナルを勝ち抜いたもととなったディフェンスの秘策はシーズン中からずっと持っていたという。使えば勝てる・・・しかし、彼女は使わなかった。河が怪我のため予定が狂ってしまった全日本でも、この秘策は使わないつもりだった。
 「どこが出てくるかは大体判ります。だから決勝(ファイナル)にあわせて用意していました。リーグ優勝をするために。」

  勝てる確信…しかしその中にわずかにある不安。それが選手たちがシーズン中に持った“負けのイメージ”だった。「今シーズン負けているから、そのイメージを選手たちから除くにはどうすればいいか、悩んだ時期もありました。」(第2戦終了時)。

  今日会見での彼女の「自信があることをオーバーに見せるようにしてきました。」という言葉に隣にいた永田が手をたたきながら大きく笑った。「あれはオーバーだったんだ!」。
  「絶対勝てる!」というヘッドコーチの言葉が選手たちの中に確信として伝わっていったのは、おそらく第3戦が終わってからだろう。

  シャンソンにヘッドコーチとして来てまだ1シーズン目。しかし彼女はここを“実家のようなもの”という。だからこそ彼女は我慢することができた。それは彼女がチームを、そして選手たちを信じていることができたからだと感じた。
(渡辺美香)

<取材 武山智史・渡辺美香  文・構成 渡辺美香>
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