<WJBL2004-05 プレーオフ>                特集ページはこちら

 WJBLは、2月26日からさいたま市総合体育館などにおいて、Wリーグ・セミファイナルとなる日本航空vsトヨタとシャンソンvsJOMOが始まった。2戦先勝でファイナル行きが決まる。

 3月1日、どちらも1勝1敗のタイで迎えた第3戦が代々木体育館で行なわれた。

 日本航空vsトヨタは日本航空がアウトサイドからのシュートを確率よく決め、粘るトヨタを退け、2年ぶりのファイナルシン巣津を決めた。
 シャンソンvsJOMOはシャンソンがパワーと高さでJOMOを圧倒、序盤からシュートが決まらないJOMOを引き離し、昨年に続きファイナルへと駒を進めた。


 ・・・第1・2戦こちら

(写真は後ほど掲載します。)


<WJBL セミファイナル第3戦>
3月1日(火) 会場:代々木第2体育館


             

99

30
1st
17
82
日本航空

21

2nd
22
トヨタ
(シーズン成績2位)
21
3rd
18
(シーズン成績3位)
27
4th
25


日本航空・3ポイントシュートが効果的に決まり、粘るトヨタを振り切り、2年ぶりファイナル進出!

coming soon

日本航空 林ヘッドコーチ
(今日の試合について)今までの試合の中で、一番きつい試合でした。ディフェンスが破られました。トヨタさんが破ってくれました。非常に良い勉強になりました。勝利といえば、フォワード陣が爆発しました。2,3年前の決勝いったときのフォワードに戻ってくれた。
(第1戦で負けたあと)子どもたちを特別になだめました。安心させるようになだめました。練習よりは、安定させないといけない方が課題だった。きつい練習はさせなかったんです。説明会をしました。ビデオを見ながら確認する、そういう形でやりました。藪内夏も、落ち着いて攻撃できたから、そこから始まりました。
(シャンソンとの対戦について)一番大きいのは、河選手とか、20点はとられる選手を保有してますから、それをいかに点を縮めていくのか。レギュラーシーズンで20点差離すような試合が有りましたけど、あのように一方的なゲームはできないと思います。あとは、選手がどのくらい体力を維持しながらやっていけるかです。
(永田睦子選手について)
河よりかは、永田選手ですよ。日本ではほとんど生まれない選手ですよ。あの人は本当に守りにくいです。ファイト、リーダーシップあるし、チームが困ったときにリバウンドとってくれるし、一番恐ろしい選手ですね。河選手は守られますよ。永田選手はどんなに守っても20点は取ってきますから。
(4人ファールアウトしたことについて)終わりのミーティングでも怒りました。経験不足ですね。必要ないときに手出している。接戦のゲームなら負けてました。2年前の決勝のとき、1分残ってるときに3点勝ってました。でも藪内がファールして、カウントとられて、ファールアウトして逆転されました。自分を管理する、そういうところがまだ足りないところですね。
(シャンソン戦に向けての対策) 今からです。プレーオフのゲームも見て、また新しく準備します。今まで通りはできないと思います。」

日本航空 #7薮内夏美選手
「出だしはちょっと攻撃性が足りなかったのですが、監督からももっと打っていいと言われたので開き直っていけました。
(1戦目との違いは)特にチームフォーメーションなどは変えていないのですが、やはり気持ちの面で違いました。気持ちを強くして試合に臨みました。
(1戦目ではミスマッチをついても攻撃が多かったようですが)ミスマッチをつくのも一つの方法ですから。しかし今日は外のシュートがよく決まっていたので、積極的に外から打つようにしました。(最初の3ポイントシュートはバンク(ボードに当てる)でしたが)あれは時間がなかったので、とにかく高くあげるようにして投げました。入ってラッキーでした(笑)。
(ファイナルに向けて)シャンソンはいつもディフェンスを強化してアジャストしてくるので、それに対しての修正が必要です。シュートやリバウンド、パスなどの精度もあげていかないといけないです。(今日のファールトラブルのように)修正すべき課題をファイナルまでにしっかりとやっていきたいです。」

トヨタ自動車 丁ヘッドコーチ
(今日の試合について) 今日は残念じゃないです。満足してます。うちの選手一人一人に、本当に感謝します。今日はJALが凄かったです。柳本が凄すぎました。ディフェンスは3点シュートを守るディフェンスをやってました。藪内(夏)も凄かったし、うちが弱いんじゃないです。相手が強かったんです。
 (初めてのプレーオフはどうだったか)トヨタで3年目でプレーオフにいきました。セミファイナルで、JALに2回で負けるのがイヤだった。でも1勝はしました。
 実力、力、当たり、身長、そういうものは仕方ないです。セミファイナルで足りなかったものを来シーズンで活かしたいです。角井や池田は、技術的な面では上です。それは自信あります。でも気持ちの面で負けました。桜庭は本当に頑張りました。」

トヨタ自動車 #15池田麻美選手
「1戦目は本当に大事な試合と言うことで、みんなで気持ちを高めて、いい形ではいることができました。しかし、その後はJALの気合いの方が勝っていました。特に第2戦はすごかったですね。今日は気合を入れなおして臨んだのですが、リバウンドを取られてしまって、ディフェンスも機能しなくて、やられてしまいました。
(初めてのセミファイナルでしたが)緊張するかなと思ったのですが、いつも通りに入っていけましたね。
(今シーズンの自分のプレーは)リバウンド・ブロックショットは自分でもがんばれていると思うのですが、オフェンスの波があって、全然点が取れないときがあるので、そういう面でチームに迷惑をかけてしまってました。
ファイナルに行けなかったのはやはり残念ですが、みんなよくやってくれたって(試合後)ヘッドコーチにも言ってもらえました。
(今年はAJでのベスト5とプレーオフ進出と個人的にもチーム的にも飛躍の年だったのでは)そうですね。常にヘッドコーチから『目標を高く持つこと』と言われているのですが、今までは「チーム中で頑張って、試合に出られればいい」っていう気持ちでやってきたところもありました。でもこれからはもっと上の、もっと高い目標を持って、ステップアップしていきたいです。」

   

<PICK UP!>
トヨタ自動車 #2 桜庭珠美選手(弘前学院聖愛高出身・10年目)


「向こうで…。」
そう指差すと彼女は、日本航空の選手のカメラ取材の間をすり抜けて行った。通路を曲がって、それらが見えなくなると彼女はようやく立ち止まって振り向いた。

今日の試合のことを聞くと、少し困ったような顔をしながら「うーん…、満足してますね。」と言った。「ここ(プレーオフ進出)を目標にやってきていたので、それができて満足です。」と。

1度プレーヤーを引退し社会人となった。バスケットから離れたわけではなかった。だから彼女はコートに戻ってきた。シーズンが終わった今、彼女の目標はとりあえず達成された。

来シーズンの事を聞くと、「何のこと?!」とでもいうように小さく笑った。

「まだ何も考えてません。やっと終わったところですし。ちょっと休んで、気持ちの整理をして、それからコーチやチームスタッフの方たちとも話し合って決めたいと思います。」

今シーズンの彼女のプレーに魅せられたファンは多い。来シーズンもその姿をコート上で見たいと願っていることだろう。

「その言葉を胸にしっかり残して、これからよく考えます。」

いつもの笑顔でそう言うと、彼女は体育館をあとにした。

(渡辺美香)

<WJBL セミファイナル第3戦>
3月1日(火) 会場:代々木第2体育館

             

82

17
1st
9
59
シャンソン

17

2nd
8
JOMO
(シーズン成績1位)
20
3rd
15
(シーズン成績4位)
28
4th
27


シャンソン・高さとパワーでJOMOを圧倒!2年連続ファイナル進出!

coming soon

シャンソン 李ヘッドコーチ
「今日の試合は久々にうちの持ち味を出すことができました。また永田が1・2戦とも調子がよくなくて、彼女自身フラストレーションが溜まっていましたが、今日は爆発してくれました。
(序盤のあまりいいかたちではなかったが)緊張ですね。絶対勝たないといけないということで、選手一人ひとりが固くなってしまってました。相手のディフェンスも厳しかったですし。あとはちょっと慎重に行き過ぎたところもありますね。
(この3戦は)両チームとも疲れが溜まっていましたね。どちらのチームも体調のよくない選手が多く、大変厳しいものでした。
(1敗したのは)言い訳になってしまいますが、うちのチームは膝に故障を持っている選手が多くて、長い時間の移動で膝が硬くなってしまって、上手く動けませんでした。「なんであそこまで行って試合をしなくてはいけないのか」と思ってしまいました(笑)。
(ファイナルに向けて)待ちに待った決勝ですから、選手たちもリベンジしたいという気持ちがとても強いです。正直言って、今シーズンの成績からもJOMOには負けないだろうと思っていました。対戦成績などのいろいろな数字的なものをみても、負ける要素はありませんでしたから。負けるとしたら気持ちの緩みだけでした。今日のゲームは決勝に向けていい結果が出せていると思います。」

JOMO 内海ヘッドコーチ
「選手たちのこのゲームにかけるものというのは相当のものでした。しかしそれが出だしでそうとうプレッシャーになってしまってましたね。またシャンソンのディフェンスのプレッシャーもすごかったので。まだまだこういう(大事な)ゲームで自分たちの力をしっかり出せるだけのものがこのチームにはないですし、自分にもそれを出させるだけの力がなかったです。
先手を取らないと(今の)シャンソンには勝てません。しかし今日は前半の得点が低すぎました。
また来シーズンしっかりチームを作っていきます。」

<取材・文 酒井陽・武山智史・渡辺美香>
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