<田臥勇太サンズ契約記者会見>
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NBAジャパンは7日、都内で田臥勇太選手(23)のフェニックス・サンズとの契約記者会見を行った。 田臥選手は、黒いスーツに白のシャツを合わせた姿で登場。コメントの後、長い質疑応答の時間が取られ、関心の高さが伺われた。 田臥選手に関する今後の予定は以下の通り(時間は現地時間)。
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詰め掛けた取材陣 |
田臥勇太選手 コメント 「昨日正式にフェニックス・サンズと契約をしました。サインはしたのですが、これからがまた険しい戦いだと思っています。自分なりに努力していきたいと思っていますので、これからもご声援よろしくお願いします。」 林秀樹氏(NBAジャパン・マネージングディレクター) コメント 「この度フェニックス・サンズと田臥勇太選手が契約を結ぶことができました。渡米の時期が迫っているこの時期に、こうしてみなさんと直接お話できる機会を頂けたことを、大変嬉しく思っています。本来、選手の契約に関する記者会見については、チームのスタッフやヘッドコーチなどとやるのが本筋だとは思うのですが、田臥選手もまもなく渡米が迫っており、日本でそういった形を設けさせて頂くのは大変難しいと思いまして、この度NBAジャパンの方で設けさせて頂きました。 田臥選手は、これから練習を積み、プレ・シーズンマッチ・レギュラー・シーズンへと向かっていくわけであります。田臥選手のこのような活躍は、バスケットボールを愛好する皆様、NBAを見ていただいている皆様を、非常に勇気付けられることと思っています。私どもも、このような田臥選手のサポートができて、大変嬉しく思っていますし、これからもNBAを応援してくださる皆様と一緒に暖かい声 |
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援を送っていきたいと思っております。 ブライアン・コランジェロ氏(フェニックス・サンズのジェネラル・マネージャー)より、田臥選手について、「大変レベルの高い選手である」「今回の契約によって日本人初のNBAプレーヤーとなるための最大限の機会を与えられることとなる」ということを報告されております。この高い評価と、大きなチャンスを今の段階で与えられたということは、田臥選手にとって、非常に大きな自信につながっていることと思います。 NBAは非常に競争の厳しい世界ではありますが、田臥選手はサマー・リーグなどで自分の力を証明してきたり、自分の力をチームにアピールしてきました。コランジェロ氏は「ゲームの感覚、パスをする能力に長けており、また、観客を沸かせることができる選手だ」とも評価しております。これはNBAの高いレベルでも適応するということを裏付けていることであり、私としても、非常にうれしく思います。」 |
<質疑応答>
―率直な気持ちは? 田臥「サインできたことは非常にうれしく思っています。しかし、これはスタートラインに立っただけなので、これからが本当の勝負だと思っています。なので、もう一度気を引き締めて、これからもやっていきたいなと思っています。」 ―日本人としてアメリカでやっていく中で、大変だったことや、これから大変だと思われることは? 田臥「単純に言葉が違うわけですから、苦労してきましたし、これからも大変だとは思います。あとは、生活の習慣も全く違いますし、そういうところでも苦労はしています。しかし、大学に3年間行って、昨年からあちらでチャレンジしていますし、その後マイナー・リーグでもやってましたので、その点では、大分慣れてきました。そういう面では自信をもってやれるようにもなってきましたね。」 ―高さという部分で、克服すべきポイントは? 田臥「今までバスケットをやってきて、自分より大きくないやつというのはそうそういないので、もう慣れっこです。どうやって、何をすれば、自分をもっと出していけるのかと、日々考えながらやっていますし、毎日新しい発見があります。あと |
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は、そういう身長のハンデをマイナスだとは思わず、逆に他の選手が持っていないけれど自分にはできる、ということを着実にやっていきたいなと思っています。具体的には、プレー面で言うと、ベンチから出ることが多くなると思うので、そういう時は流れを変えたりとか、こいつが出てるときはなにかが起きるとか、チームとしての勢いがついたとか、そういう存在になれればいいなと思っています。」 ―背番号は? 田臥「本当は13番(現在サンズではスティーブ・ナッシュ選手がつけている)をつけたかったのですが、無理なので、今考え中です。」 ―昨年のデンバー・ナゲッツとの契約と、今年のフェニックス・サンズとの契約との違いは? 林「詳細はチーム方針として公表できないのですが、この時期に田臥選手とこういう契約をするというのは、田臥選手へのチームの高い期待度を表すと思っています。“チームとしては全ての機会を田臥選手に与えるつもりでいる”というコメントからも、非常に強い期待が感じられます。チームとして全面的にバックアップしていくということの表れでもあります。」 ―サンズというチームについての印象は? 田臥「スティーブ・ナッシュ選手が入って、昨年とは違うぞっていう感じですね。そういう良い選手と一緒に、同じコートでやれるというのは、すごく楽しいです。」 ―サマー・リーグ(計9試合、平均15分出場)での手ごたえは? 田臥「去年サマー・リーグでナゲッツに参加した時は、いろいろな流れみたいなことが全くわからないままやっていたのですが、今年はそういう流れとかが全てわかった中でプレーできていたので、気持ち的には毎日余裕をもってプレーができました。あとは、ポイントガードが2人だけだったので、試合に結構出してもらえて、自分のやるべきことが毎試合しっかりできていたと思います。」 ―ここまでは長かったか?短かったか? 田臥「短くはなかったですね。特にアメリカ挑戦ということに具体的に取り組むようになったのはここ何年間なのですが、すごく濃い数年間でした。そういう意味では短く感じますが、ただ短いのではなく、すごく濃い日々が続いていたという感じがしています。」 ―昨年と今年とのプレー面の違いは? 田臥「去年は失敗を恐れて、すごくプレーが消極的になっていたと思います。それが反省点だったので、今年はそれこそ“今年駄目ならあきらめる!”くらいの気持ちで、“ダメもと”でやって、それで積極的なプレーができていたので、そういう点はよかったと思います。」 ―NBAジャパンは今後どのようにサポートしていくのか? 林「田臥選手はアメリカで生活していくわけですが、NBAジャパンとしてはメディアの皆様が取材しやすいようにサポートしていきます。また、できれば近いうちにチームからのコメントをお届けできるようにしたいと考えています。こちらからも是非皆様に暖かく田臥選手を見守っていただけるようお願い致します。」 ―ロスター入りを果たすための、自分のアピールすべき長所は? 田臥「小さいので、クイックネスを活かしていくことです。あとは、サマー・リーグでもスターターのPGがスローダウンしてしまったり、チームの勢いがなくなったときに、自分が出て流れを変えたり、勢いをつけたりできていました。そういう控えとして出たときの役目っていうものがあると思いますので、そこをアピールしていくしかないと思ってます。」 ―自身にとってのモデルプレーヤーは? 田臥「去年デンバー・ナゲッツでアール・ボイキンス選手と一緒にプレーしました。同じような身長の彼と一緒に練習できたのはすごく勉強になりました。」 ―ボイキンス選手と比べると違いは? 田臥「彼は経験がありますから、一緒にやっていてすごく自信をもってやっているなと思いました。自分はあまり経験がないので、そういうところが違いますね。」 ―自身の評価の上昇に関して 田臥「契約は結びましたが、ごく一部のスーパースターでない限り、いつ、どこで、どうなるか、全くわからない世界がNBAだと思います。それは去年ナゲッツでやっていて身にしみて感じたので、常に毎日が挑戦という気持ちでやっていかないといけないです。」 ―アメリカでの生活は、コンディショニングの昨年との違いは? 田臥「アメリカでは独りでの生活が基本です。このオフには3ヶ月くらいコンディショニングを集中的にやって、食生活とかもかなり気をつけて、かなり筋肉を落としたら、その結果顔がこけました(笑)。」 ―もしロスターに残ったとして、対戦してみたい選手は? 田臥「ナッシュが好きなので、彼と一緒にやれるのはすごく楽しみですし、あとはボイキンスと今度は相手チームとして戦うのも楽しみです。あとは…シャックがどれくらいでかいのか、実際にコートの上で肌で感じてみたいですね(笑)。」 |
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<取材・文 渡辺美香/構成 北村美夏> |
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