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スポーツを好きになった原点に立ち返ってほしい


スポーツライター塾主宰・小林信也インタビュー


「スポーツライターになりたい」という志を持つ人たちに応えるスポーツライター塾は開講から7年。小林信也スポーツライター塾で何が学べるのか、小林さんが考えるスポーツライターに必要なものとは何か、伝えたいことは何か。実践塾生がインタビューさせてもらいました。
(取材・構成/下田完吾、最上和志)


■ 僕が描く‶スポーツライター〝と、新聞記者・雑誌編集者は違う

――スポーツライター塾を始めたきっかけを改めて教えてください。

僕のところで勉強していた2人のスタッフが「スポーツライターになりたい若い人がたくさんいる。でも、どうやってスポーツライターになればいいかわからないし、勉強する場もない」と話してくれたのがはじまりです。
僕がスポーツライターになった頃は、なりたい人どころか、スポーツライターという言葉も認知されていなかったから「なりたい若者がたくさんいる」ことにまず驚かされましたね。
 確かに、他の業界にはその仕事に就くためのプロセスやルートがあるけれど、スポーツライターの場合は見えなかった。スポーツ新聞やスポーツ専門誌に関わっている人が経験を積み、スポーツライターになるのが一般的。でもそれは違うと思っていた。僕が描いているスポーツライター像と、新聞記者や雑誌、テレビ等でスポーツ報道に携わっている人では、磨くべき感性や描くテーマそのものが違う。素材が同じスポーツでも、表現の深さや方向性が違うと自分自身の経験から感じていたからです。
 
 ちょうどそのころ、40代半ばを過ぎていた。そろそろ自分の経験を若い人たちに伝えても許される歳かなと考えて、スポーツライター塾を始めました。



■なぜスポーツライターになるのか?
――スポーツライター塾を7年間続けるのは簡単ではないと思います。継続している理由をお聞かせください。

始めた以上は続けたい、という気持ちがまずひとつ。スポーツを表現、創造するのは僕の生涯の仕事です。それに関わる仕事を途中で投げ出したくありません。


――「伝えたいこと」とは何ですか?

 塾で伝えたいことは初めから変わっていません。スポーツライターの使命です。スポーツはなぜ社会に存在するのか。それを伝え、現実を少しでも変える一翼を担うのがスポーツライターです。取材力、文章力だけではなく、人間性、人間味、感じ方も行動力も重要。それでいいのだろうか? という視点もなければならない。日々何を感じ、学んでいけばいいかを改めて感じてもらうのがスポーツライター塾です。「なぜスポーツライターになるのか?」「スポーツライターとして何ができるか、何をしていくのか」、プロを志す上での基本です。
 最初の基本塾(3ヶ月)では、「なぜスポーツを好きになったんだっけ?」「なぜスポーツライターを仕事にしたいと感じたんだっけ?」、自分に問いかけてほしいと思っています。案外みんな、自分がスポーツを好きになった原点を忘れているんですよ。
 
 今のスポーツ界はお金が基準だったり、勝ち負け、記録や数字にばかりこだわっている。スポーツライターはそうではない。スポーツライター塾6回の講座、経験を通じて「スポーツを好きになった原点」「ドキッとした原点」に立ち返ってもらえたらうれしいです。
 基本塾ではまずピュアになる。縁あって実践塾に進んだら、さらに一歩一歩階段を上っていく感じでしょうか。実践塾ではチームの一員として僕の仕事を手伝うなど、現場の経験を提供します。塾生にも月刊武蔵野スポーツ新聞の取材や単行本の編集作業に参加します。実践の場でアドバイスをして経験を積み重ねます。



――全6回の講義内容を教えてください。

 順番が変わることもありますが、各回の主なテーマは「スポーツの社会的意義・スポーツライターの使命」、「人の話を聞いて書く」、「インタビュー実習」、「スポーツ科学とは何か」、「スポーツを書く基本」、「課題原稿と総合学習」。これに関連して、塾生からの素朴な質問や疑問にも答えます。
 なぜスポーツが社会に存在するのか、スポーツライターはどんな仕事をしているのかが第1回のテーマ。「人の話を聞いて書く」はスポーツライターの基本。自分の我を捨てて人の気持ちを尊重する。簡単そうで実はそれが難しい。最終回は課題原稿に取り組んで原稿を講評し、それまで学んだことを集約してアドバイスをします。
6回で取材力がつくわけでも、素晴らしい文章が書けるわけでもありませんが、「スポーツライターってどんな仕事なのか?」「自分で何を磨いていかなければならないか」実際に体験して、本当に「この仕事、やりたい!」と思うかどうか、身体で感じてもらえるようプログラムしています。


■目指しているからこそわかるものがある

――スポーツライターは自分自身もスポーツに取り組んだほうがよいのでしょうか?

 優れたスポーツライターが、素晴らしく競技もできたら最高でしょうね。必ずしも優れた選手でなくても、選手の感覚をきちんと文章にする「プロフェッショナル」であればいい。
 そのためにも、ずっとスポーツをやり続けることは大事だと思います。選手の最高の瞬間や切実な葛藤を、まったく何かに打ち込んでいない人が引き出せるのか。目指しているからこそわかる感覚がたくさんあります。
 スポーツライターなのだからスポーツをしているほうがいいけど、他の分野でも何か戦っていることが重要です。中途半端が困ります。書き手が自分のレベルでわかった気になって書いてしまう場合が多い。選手や監督にしかわからない気持ちを、わかったかのように書くとウソになる。下手でも一生懸命スポーツに取り組んでいると謙虚になる。やっていないと口先だけの評論家になっている自分に気づきにくい。「自分はわかっていない」とわかって取材や執筆に取り組む姿勢が大事です。


――受講するには強い思い、覚悟がなくてはダメでしょうか?

 塾の存在を知って何かを感じたなら、まず飛び込んでくれてもいいです。基本塾は新しい自分、新しい情熱に「出会う場」ですから。きっと想像とまったく違う話や熱が待っているでしょう。気持ちがうずいたら門を叩いて扉の中に入ってみて下さい。そのためのスポーツライター塾です。大切なのは、来て感じて、どう変わるかです。
 学生や社会人といったいまの立場もまったく関係ないですよ。変わる覚悟のある人、大歓迎です。