バスケットを始めたときのことを教えてください。
「中学1年のときに、友達に誘われたのがきっかけでした。シュートが入る時楽しいなって思いましたね。」
それまでに何かスポーツはしていたのですか？
「小学校では水泳、サッカー、空手のクラブに入っていましたが、そんなに本格的には取り組んでいなかったので、今に何が生かされているかは分からないですね…。でも今も友達とキャッチボールをしたり、テニスやサッカーをするのは好きですよ。いいリフレッシュになりますね。」
バスケットをやっていて良かったこと、逆に大変だったことは？
「良かったことは、やっぱり色々な人と出会えたことかな？こういう仲間と知り合えたのもバスケを通じてだし、感謝したいですね。それから成長することも出来たと思います。バスケットを通して、マナーや礼儀とか、体力づくり(健康)に気を付けるようになりました。
逆に大変はことは、耳が聞こえないので、中・高・大と周囲のコミュニケーションに悩まされてきたことだと思います。スイッチの掛け声や、ボールをもらう際の声など音に関するものは自分にとってもみんなにとってもシャットアウトされてしまうんですね。
スクリーンボイスがある、というのも実は大学に入るまで知らなかったんです。その分他の4人がカバーしてくれていたんですよね…。」
その悩みには、どうやって対応したんですか？
「まず、自分の視野を他の人よりももっと広げる努力をしてきました。常にきょろきょろしていたりとか。もちろん、スクリーンを掛けられたら他に人に叩いてもらったり、指示や忘れていることをベンチの人にアピールしてもらうなどもありましたが、最終的には自分の努力でカバーしたいです。ボールが欲しいとき大きく手を振ってアピールをしたりとか。」
では、代表の林監督は辻選手にとってどんな存在ですか？
「自分はずっと普通学校の部活に参加していて、大学1年の4月から友人の紹介でデフバスケに参加するようになったのですが、監督やコーチに指導してもらうのははじめてなんです。今までそういう人が部にいなかったので。林さんは、顔だけでも迫力があって、はっきり言うひとで、いつも落ち込むくらいです。でも、まぁ、一応“神様”ってことで(笑)。色々なことを教えてくれます。」
チームでの役割や自分の持ち味、、課題は何だと思いますか？
「持ち味はランニングプレーと、インサイド。ゴール下シュートだけは確実に決めようって、チームの皆にも言われているので、それが意識づけになってますね。コーチにいつも点を取ることが仕事、と言われているのでチャンスがあれば迷わず行くようにしています。高校のときも、最後は自分の1on1ってパターンが多かったですね。
課題は、シュートフォームがばらばらなこと。状況判断も足りないし、スクリーンアウト、攻守の切り替えの意識が足りていないこと。監督やコーチが言ってくれるので気をつけて行きたいです。
」
最後に、辻選手にとって“代表”ってどんなものですか？
「うーん、自分はまだ胸を張って“代表”と言えるようなレベルではないので難しいです…。大学には自分よりうまい人がいるし、さっき言ったようにまだ出来ていないこともたくさんあるし。こうして監督やコーチに教えてもらうようになって、やっと少しずつ自覚が出てきたかな？だからそういう意味で、一言で言うと��勉強”の場ですね。」
（2004年6月13日インタビュー）
