ろうバスケットで指導するようになったときのことを教えてください。 「もともと自分も中、高、大とバスケットをやっていました。大学生の時に(在住する)北海道のろうチームの練習に行っていた事がきっかけですね。チームのメンバーは人柄が良くて、仲が良いです。僕はこの(インタビューのやり取りの)通り健聴で試合に選手としては参加できないので、スタッフとしてベンチに入るようになりました。」 プレイヤーからコーチと言う立場になってみてどうでしたか? 「緊張しましたね。コーチングの勉強をしたことがなかったので、むしろ迷惑かもしれない(笑)。今も自分が勉強させてもらっています。」 外から見てみてのろうバスケの良さは。 「バスケットはみんなでやるもの、協調性が大事なので、仲間意識が強く“勝ちたい”という思いが共通しているところがいいと思います。」 やっていて良かったこと、時はありますか? 「自分達が出した指示が当てはまってプレーもよく、力が発揮できた時ですね。メンバーの能力は高いのでそれを引き出すのがスタッフの仕事です。そのためにはみんなのことをよく知って、性格をつかまないといけないですね。みんなのいいところが集まったらすごくいいチームになると思います。」 逆に大変なところはありますか? 「あまり大変と思いませんね。今まで辞めたいと思ったときはありません。林監督とも性質がすごく合っていると思うんですよね。林監督にはガンガン行ってもらって、自分はクッション役になって、バランスよくやっています。」 Aコーチとして気をつけていることはありますか? 「伝わっているかどうかですね。どんな状況でも言っていることを理解してもらう。 ろうバスケチームの中でもデフファミリー(家族もろう者)の選手は、普段全て手話ですし文法も変わってくる。なので細かい説明がわかりにくいと思うんです。その中で全員にきちんと伝わるように手も口も使って、繰り返したりするようにしています。 聴覚障害というのは情報障害、コミュニケーション障害なんです。だから伝えるということに1番気を使っています。」 デフリンピックに向けては。 「課題は多いですね。3ポイントシュートや速い流れでのシュートなどみんなのいいところを出せるようにしたいです。チームの形にはめるんじゃなくて、ろうバスケはメンバーも限られている世界なので持っているところを生かし、伸ばしていきたいです。」 (2004年6月14日インタビュー)
<取材・文 北村美夏>