<デフ男子日本代表>
〈5〉『デフ×ストリート=SNOWMAN。』

雪森 文晃
186cm/PF

柔らかいステップやシュートタッチにセンスがあふれている。ハンドリングのよさも代表チームでは群を抜くが、「ストリートでは1番ヘタ」だと謙遜する。だが彼が“魅せる”プレイヤーであることは間違いない。

「今は聴こえないほうがいいと思うようになった」―自らにたくさんのものをくれたバスケットを、今度はその姿で子供達に伝えていく。

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バスケットを始めたときのことを教えてください。
「中3の時。理由は…モテたいから(笑)、自分を変えたい、バスケットを通じて友達を作りたいなどです。それまではパソコンやゲームばかりしていました。きっかけの3つ、達成できたか?最初の以外は(笑)できたと思います」

バスケットをやっていて良かったこと、逆に大変だったことは
「良かったことは、たくさんの人と知り合えたこと。それから内面的に成長できたことです。以前は聴こえないことがコンプレックスだったけれど、今は聴こえないほうがいいと思うようになりました。だから大変はことは特にないです」

練習の指示にはどう対応したんですか?

「コーチが何て言っていたか後で友達に聞きました。周りが考慮してくれたので、恵まれていたと思います」

チームでの役割や自分の持ち味、、課題は何だと思いますか?
「持ち味は魅せるバスケット。ダンクとか色々な方法があると思う。観て楽しいバスケをしたいです。それからどこからでも得点を取れるところ、リバウンドも得意です。そしてチームを盛り上げることも。
課題は、ずっと、いつでも、メダルを取ることです。」

ちなみに、ストリートでバスケットをするきかっけとなったものは?
「知ったのはナイキのフリースタイルのCMです。きっかけは、地元の体育館の一般開放でやっていた時に、たまたまSauceというチームの代表の人と同じチームでやって、“うまいね、今度来れば?”って誘われたんです。行ってみたらすごく楽しかった!1on1で勝てない人もいたし、フリースタイルも自分よりうまくて、自分も上手くなりたいなと思って続けて行くようになりました。」

ストリートと代表、2つのバスケットがあることは雪森選手にとってどうですか?
「ストリートは魅せるバスケで楽しい。代表は一生懸命やるバスケで楽しい。バスケは楽しいって事を子供達に伝えたいなと思うようになりました。あと、ろうバスケは競技人口が少ないので盛り上げたいのですが、ストリートとの交流がそのきっかけになれればと思います。それでお互いに、バスケット全体を盛り上げられたらいいなと思いますね。」

では最後に、雪森選手にとって“代表”ってどんなものですか?
「楽しめるところ、です。壁はあるけれど、自分からいくのは楽しい。壁っていうのは世界の壁です。プレーとか1つ1つ覚えないとだけれど、“仲間”って意識があって、みんなと交流するのも楽しいです。」

(2004年6月14日、12月22日インタビュー)

<取材・文 北村美夏>

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