<キリンカップ特集インタビュー>
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〈1〉『頑張っているところを見に来て下さい!』
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4月に始まった今年のA代表候補の活動を今振り返ってみてどうですか? 「今年は個人の技術に関する練習が多かったので、ためになりましたね。学生メンバーが週末だけ参加ということで平日は人数が少なく、きついはきつかったですが、一生懸命やるしかありませんから。」 その学生メンバーは、先輩・網野選手から見てどうでしたか? 「全員が手を抜かず、気持ちを入れて練習をやってくれました。自分達もさぼれないという気持ちにさせてくれて、今チームはとてもいい感じですね。」 それはいいですね!では、6月に行われたヨーロッパ遠征はどうでしたか? 「去年経験していて大体の流れが頭に入っていたので、気持ち的に今年の方が楽にいけましたね。でも体力的には相変わらずきつかったですよ…(笑)。でもああいったバスケットしか出来ない環境で出来たのは本当に良かったですね。」 去年と比べてここが変わった、良くなったと感じたところは? 「外国人に対して慣れたことですね。試合中にカットインが結構出来るようになりました。実は1試合目の時、シュートで解決しようとしてジェリコHCに怒られたんです。中に入れ!と。それで行ってみたら意外と行けました。他にHCから言われたのは、“プレイタイムに対してスティールが少ない”と。でもあまり狙っているわけではなかったのでいいかなと(笑)。ディフェンス面でのことを結構言われましたね。練習で当たっていっている分、手を使いすぎてしまってファールも多くなってしまいましたし。」 では、逆にまだまだだなと感じたところはありますか? 「1on1でまだ付ききれない。オールコートで当たりたくても足がついていかないところですね。外国の選手の当たりはやっぱり強くて、ディフェンスでもオフェンスでも押し返される感じでした。例えばドリブルを止めたのにステップで入られてしまったり、ゴールサイドカット(ボールをもらう動き)でも強く入ってこられてしまった。」 なるほど。それでは、網野選手についての質問に移ります。網野選手の持ち味は何ですか? 「運動量が多いところ。というか、多くしようとしています。オフェンスでもディフェンスでも、自分が動けば相手も動いて疲れさせられますからね。」 理想とする“自分像”は? 「監督が期待した役割、それは試合によって違ってくると思うのですが、それをきちっと計算できる選手になりたいです。今ですか?今は行けるだけ行け!って感じだし、まだそこまで近付けていないですね。」 網野選手にとって、“日本代表”ってどんなものですか? 「自分の目指していたものです。そこでバスケットができるのは誇りに思いますね。見られている立場で責任もあるし、ここでやりたくても出来ない人がたくさんいると思うから、その人たちの分も頑張って結果を残したいです。やっぱり、代表が強くならないと、バスケット界は変えられませんからね。強くなればメディアにももっと取り上げられると思うし。」 やはり、“日本のバスケットを変えたい”という気持ちは強いのですか? 「そうですね。今、代表には柏倉、五十嵐と同期で学生の頃から仲が良かった選手もいて、そういう話をよくするんですよ。自分達の代には田臥というスターもいるわけだし、俺らが変えていきたいねって。せめて、スーパーリーグや学生の試合がある度に会場が埋まるようにしたい。アメリカでは何万人と入っているのだから、代々木第2体育館で3000人いっぱいに出来るはず。でも実際はどこで何をやっているのかなどがわからないのが現状ですよね。」 最後に、キリンカップに向けて何か意気込みがあればどうぞ。 「キリンカップはこれまでに何回か経験していますが、負け越しばかりだったので、今年は少なくとも2勝1敗でいきたいです。去年とは違ったバスケットスタイルを見せたいですね。本当に見に来て欲しいです!」 (2004年7月10日インタビュー) |
<取材・文 北村美夏> |
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