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12月10〜12日、JBLはスーパーリーグ7週目を代々木第2体育館他で行なった。 金曜日に一足早く2試合行なわれ、日立-オーエスジーはオーエスジーが第4クォーターに12点差を跳ね返して3点差で勝利。東芝-松下電器も後半東芝が逆転して勝利を収めた。 土曜日に行われたトヨタ-アイシンは、第4クォータートヨタに追い上げられるもアイシンが逃げ切り1敗を守った。 オーエスジー-日立は星を分け、東芝・アイシン・三菱電機は連勝した。 |
<スーパーリーグ第7節> 12月11日(土) 会場:府中市総合体育館
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スターティングメンバー トヨタ:#1棟方、#9折茂、#12渡邉、#13オバノン、#21マーシャ アイシン:#2佐古、#6後藤、#7外山、#22ケーペル、#32ヘンダーソン 第1クォーター開始後すぐにアイシン#6後藤・トヨタ#9折茂と点を取り合う。その後トヨタ#12渡邉に積極的な1on1からリズムを作られ連続得点を許し、残り7分には6-10とリードされる。しかしそこからアイシンは#32ヘンダーソンがゴール下で強さを発揮し同点に追いつくと、そこからは点を取り合うシーソーゲームとなる。残り3分半をきって、アイシン#22ケーペルが3ポイントシュートを決め、17-16とゲーム最初の得点以来始めてアイシンがリードする。残り1分47秒にはアイシン#32ヘンダーソンが得たフリースローを2本とも決め、22-19とわずかにリードをひろげると、残り1分35秒のトヨタ#34高橋のフリースローが2本ともはずれる。しかし残り55秒、トヨタ#34高橋に1on1からのミドルシュートを決められ1点差とされると、トヨタのディフェンスの動きがよくなりアイシンは攻めきれず、残り35秒には24秒オーバータイムを取られてしまう。残り20秒に再びトヨタ#34高橋にフリースローを与えるが、今回も2本ともはずれて1点リードを守り、さらに残り7秒にアイシン#2佐古がドライブでファールを受けたフリースローを1本決め、23-21とアイシンがわずかに2点リードして第1クォーターを終える。 第2クォーターに入ると、どちらもオフェンスがもたつき、なかなか得点が伸びない。その中でアイシンは#7外山のミドルシュートや#32ヘンダーソンのゴール下で少しずつ得点を重ね、残り4分には30-25とリードする。残り3分を過ぎてようやく両チームとも動きがよくなり点を取り合う展開となる。残り43秒にトヨタ#13オノバンに3ポイントシュートを決められると、さらに残り20秒にはトヨタ#9折茂にミドルシュートを決められ39-36と詰められかけるが、そこからアイシン#2佐古が冷静に攻めファールをもらいフリースローを1本決め、40-36とアイシンが4点リードして前半を終える。 第3クォーター中盤まではどちらもペースがつかみきれず、1on1での得点が多く交互に得点を重ねる。しかし、残り6分ごろからアイシンはあわせて中に切れ込んでいくオフェンスを展開し、トヨタのディフェンスを崩しにかかる。しかし、トヨタ#21マーシャの1on1を止められず、残り4分42秒には48-46と2点差にまで詰められるが、アイシンはディフェンスを厳しくしスチールからの速攻を繰り出し得点を重ね、残り3分22秒には55-46と9点差としてトヨタにタイムアウトを取らせる。その後も流れはアイシンのまま変わらず、59-50とアイシンが9点リードで第3クォーターを終える。 第4クォーター開始後すぐにトヨタ#13オバノンに得点を許すが、その後どちらもオフェンスのペースが作れず、得点につながらない。残り7分37秒、アイシン#22ケーペルがオフェンスファールを取られると、アイシンはタイムアウトを取るが、タイムアウト明けの7分1秒トヨタ#21マーシャに1on1からの得点を許してしまう。その直後トヨタ#13オバノンがボールをすぐに渡さなかったとしてテクニカルファールをとられ、アイシンはフリースローを得る。しかしその後奮起したトヨタ#13オバノンに速攻をバスケットカウントでねじ込まれ、1スローも決められる。ここからアイシンは#32ヘンダーソンが積極的に仕掛けフリースローを得、徐々にトヨタを引き離していくが、残り2分13秒トヨタ#13オバノンが1ドリブルでディフェンスをかわしての3ポイントシュートを決めると流れはトヨタに行きかける。しかし残り1分52秒アイシン#32ヘンダーソンがゴール下でファールを受け、そのファールでトヨタ#13オバノンをファールアウトさせることに成功する。このまま流れはアイシンでいくかと思われた残り1分31秒、トヨタ#12渡邉にドライブでディフェンスを崩されると、アウトサイドの#5上山に3ポイントシュートを決められ、67-64と3点差に迫られ、アイシンはタイムアウトを取る。その直後の残り1分12秒、アイシン#2佐古が1on1から素早く3ポイントシュートを決めリードを守るが、トヨタ#34高橋にゴール下でシュートを決められ70-66と4点差となる。残り33秒トヨタボールとなると、トヨタにタイムアウトを取られる。その後のオフェンスでアイシンは厳しいチェックでトヨタにフリーを作らせないが、トヨタ#5上山に1on1からディフェンスを振り切られ3ポイントシュートを決められ、残り13秒で70-69と1点差となる。残り5秒にトヨタ#34高橋にファールで止めるられタイムアウトを取られる。アイシン#22ケーペルのフリースローは1本目がはずれるが2本目は決まり、71-69と2点差となって最後のトヨタの攻撃を厳しくチェックすると、トヨタ#3半田の放ったシュートはゴールに届かずタイムアップとなり、71-69とわずか1ゴール差でアイシンが勝利し1敗を守った。 (渡辺美香)
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冷静にチームをリードした アイシン#2佐古 |
1on1で点を取り合ったアイシン#32 ヘンダーソンとトヨタ#21マーシャ |
速さのある展開で流れを作った トヨタ#5上山 |
アイシン・#6後藤正規選手 「今日のゲームは内容的にはうちの自滅的な部分が多いです。トヨタはバランスがよくてどこからでも得点が取れるチームだし、トランジションを保ったアップテンポなゲームをやってきます。でも、今日の試合が競った原因はこちらに非があると思ってます。トヨタも決して“すごくいい”という状態ではなかったので。 終盤はとにかく“次のオフェンスではどうするか”“次のディフェンスではなにをするか”ということの確認を繰り返しました。アドバンテージはこちらにありましたから焦りはなかったです。点差が詰まった時も集中を維持できていましたね。負けないという強い気持ちがありました。 今のチーム状態は怪我人などがいてコンディション的に決してよくはないです。しかしこういうときこそチームのメンバー全員でやっていかないといけないです。(自分たちスタートメンバーが)40分フルに出続けることはできませんからね。控えのメンバーなどがみんなが与えられた仕事をしっかりやっていくことが大切になってきます。 トヨタも実力のあるチームなので明日もきっと競ることになるとは思いますが、今日のような“自滅的なゲーム”にはならないようにしっかりやらないといけないですね。」 |
<スーパーリーグ第7節> 12月12日(日) 会場:府中市総合体育館
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<スーパーリーグ第7節> 12月10日(金) 会場:代々木第2体育館
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スターティングメンバー 東芝:#5ルイス、#6クラインシュミット、#11折腹、#51北、#55宮永 松下電器:#6永山、#9仲村、#14石坂、#24ストルト、#30ブース 第1クォーター、東芝が#5ルイスへのダブルチームでターンオーバーを出せば松下電器はその速攻でブロックショットを浴びるという重い立ち上がりとなる。どちらもシュートが入らず、残り7分20秒での松下電器#24ストルトの3ポイントシュートでやっと得点が動く。その後松下電器が#14石坂のリバウンドシュート、ブロックショットなどでリズムを作るが、東芝は#5ルイスがチャージングを取られるなど乗り切れない。残り5分15秒に#5ルイスのターンシュートでやっと得点をあげるが、松下電器#30ブースのインサイドに手こずって気持ちよくオフェンスにつなげられず、残り3分30秒ルーズボールからの速攻で松下電器#24ストルトにダンクを決められ4-15とされたところでタイムアウトを取る。 ここで東芝を救ったのはキャプテンの#11折腹。#6クラインシュミットのカットインに合わせてバックシュート、インサイドアウトパスを受けての3ポイントシュートを決めて残り1分40秒11-17ともり返す。だが松下電器#30ブース・#31青野に決められ11-21とはやくも10点差となる。 第2クォーター、松下電器は#30ブースが得点を重ね、残り7分40秒東芝#34伊藤から3つ目のファールを奪うバスケットカウントを決める。そのワンスローは外れるが、#6永山の3ポイントシュートにつなげて28-13と15点差をつける。さらに#6永山の連続得点で35-15と20点差をつけて残り5分45秒東芝にタイムアウトを取らせる。 東芝はここで#1小野を起用すると、すかさず持ち味の3ポイントシュートを決めて応える。さらに松下のシュートミスを続けて速攻につなげ、残り3分50秒35-22となって今度は松下電器がタイムアウトを取る。 松下電器は#24ストルトの3ポイントシュート・フリースローで再び突き放そうとするが、東芝#1小野・#6クラインシュミットのシュート・フリースローでじわじわと追い上げ、残り2分10秒30-40と点差を戻す。さらにシュートが入った後にオールコートのトラップディフェンス〜2-1-2ゾーンというディフェンスを仕掛け揺さぶる。すると、松下電器も2-3ゾーンを仕掛け、結局チームファールによるフリースローを2投ずつ決めて44-34松下リードで折り返す。 第3クォーター、松下電器は速攻で詰められかけるが、#14石坂がブロックショットを連発して食い止める。だが得点が止まり、そのリバウンドから東芝の得点につなげられ残り6分15秒49-44と点差が詰まる。東芝は#51北が松下#6永山のカットインを読んでカット、速攻に行こうとするところでアンスポーツマンライクファールをもらう。これを2投きっちり決めると、その後のスローインで#11折腹が3ポイントシュートを決めて残り5分20秒51-51と一気に追いつく。さらに#6クラインシュミットのルーズボールが出るなど流れが東芝に行きかけたため、松下電器は残り4分55秒タイムアウトを取る。 この後は3ポイント合戦になる。まず東芝#51北が決めると松下電器#24ストルトが返し、さらにもう1本決めると今度は東芝#55宮永が返しと東芝がくらいつく。だが残り2分を切ってから松下電器#30ブースがインサイドで加点し、62-57と松下電器が何とかリードを守って終える。 第4クォーター、松下電器は#30ブースが引き続きミドルシュートを決める。東芝は松下のゾーンに対して#51北らのアウトサイドシュートが入らず、残り7分10秒62-68と追いつけない。だが#6クラインシュミットがカットインしてシュート・フリースローを決めついていく。そして残り4分40秒東芝#3佐藤の3ポイントシュートで70-71と再び差を詰める。そして残り2分35秒、リバウンドからの速攻で、#6クラインシュミットがファールを受けたシュートがインターフェアでカウントとなり73-71と逆転する。さらに#11折腹がピック&ロールから0度でのワンドリシュートを落ち着いて決め、75-71として残り1分32秒タイムアウトとなる。松下電器は#14石坂がリバウンドにからみ粘るが、それがヘルドボールとなって27.4秒を残して東芝ボールになる。松下電器はここからファールゲームに行き、東芝#6クラインシュミットに2投決められるも、インサイドで面を取った#24ストルトがバスケットカウントとなるゴール下シュートを決め残り18.5秒で77-74とわからなくする。だが東芝はタイムアウトを取って落ちつかせると、うまくパスで逃げてフリースローも決め、80-76で逆転勝利を収めた。 (北村美夏、写真:渡辺美香)
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要所でのシュートをことごとく決めた 東芝#11折腹 |
PGとして20分近くプレーした 東芝#3佐藤 |
本来のFポジションで力を発揮した 松下電器#24ストルト |
東芝・鎌田光顕ヘッドコーチ 「ひどい展開でしたね。トランジッションのところで簡単なレイアップをさせないなどのディフェンスの狂いがオフェンスにも影響しました。でも後半よく足が動いてノーマークシュートを打たせないことができていました。 オフェンスでは前半点差があいてしまって厳しかったのですが、思い切りやるしかない。第2クォーター途中から積極的に打てていたと思います。ただやっぱり外のシュートが入らないときついですね。#51北のところも(松下#9)仲村がタイトについていましたし。ボールを止めてしまう事があって、#6クラインシュミットも下げられずに体力面が心配でしたが、今日はオフェンスリバウンドが取れたので良かったです。相手がゾーンだったということもあるでしょう。 練習試合ではフルメンバーでやって2回とも負けていたんです。なので(シーズンの勝敗に関係なく)そんなにうちが有利とかいうことはなかった。ただ3ポイントシュートが当たったらいやなのでそこだけは気をつけてやりました。 明日は出だしをきちっとやりたいと思います。向こうもインサイドのダブルチームに来るので、うまくスペースを取って崩していきたいですね。」 松下電器・天日謙作ヘッドコーチ 「さっきあっち(ミーティング)でも言ったのですが、前半向こうのオフェンスリバウンドは5、なのに後半は10。ちゃんとシュートは落としてくれてるんですよ。ウィークサイドのリバウンドとかロングリバウンドとか色々あったかもしれないけれど、それを取って走らへんかったらだめです。それが点伸びん理由ですね。リバウンドを取らんと始まらへん。それから(東芝#6)トムがゾーンになったらドライブすると言っていたけれど対応できなかった、それに尽きますね。でも大きな問題があるとは思いません。 (第2クォーター途中に右足を捻挫した#6永山は)ちょっと心配ですね。今んとこ大丈夫ですが、次の日ダメっていうのも結構あるんで。(18分出場の#31青野は)マックス近く出しましたね。20分がマックスです。彼は僕らにとって力になるので、これからもできるだけタイムを与えていきたいです。ゲーム勘が戻るまでにはまだ時間がかかると思いますが使っていかないとできないですから。(#14石坂のスタート起用は)もともと#24ストルトが3番なので、石坂を4番として出してみました。布陣はこのままいきますよ。やっと構想していたチームになってきましたよ。 明日は相手のオフェンスリバウンドを減らさないとどうしようもないです。これ7、8個だったら勝ってますもん。2桁以下じゃないととずっと言っています。あとはノーマークのシュートが落ちただけなので、戦術的には変える必要はないと思います。」 |
<PICK UP!>「理想のガードへの道」東芝#55宮永雄太 「勝てて良かったぁ」と真っ先にもらした。 コンディションを落としていたベテラン#8節政にかわってスタートガードに抜擢。 「悪くても先輩が控えているから思い切ってやってこいと送り出した」(東芝・鎌田HC)。本人も「練習でもAチームに混ざる事が多かったので、もしかしたらというのはありました」と特別な緊張はなく臨んだはずだった。 だが、5分近く無得点という立ち上がりとなる。「とりあえず、バランスよく皆にボールを回していこうと思ってやったのですが、パスする人する人シュートが入らなくて雰囲気が悪くなってしまいました」 。そして第1クォーター残り3分30秒でのタイムアウトで交代となる。 この後、宮永はベンチで落ち込むのではなくチームの追い上げを信じていた。「最初はシュートが入らなかっただけ。皆ペースを上げていってくれると思っていました」。その通り東芝は第3クォーターに追い上げを見せ、残り6分44-49と点差を縮めたところで再び宮永の出番がくる。「最初はまんべんなくボールを回そうと思い過ぎた。もっと自分が行っても良かったかなと思って」、今度は自らもシュートを狙っていき、3ポイントシュートも決めて3ファールだった同じポジションの#3佐藤の穴を埋めるのに貢献した。 |
宮永の理想は“チームを勝たす事ができて、自分も得点を取れるガード”。チームの勝利と自分のプレーを出すことをずっと目標にしている。それに近付くためにも「今日みたいなゲームはいい勉強になりました」。実はこの日、#8節政はスタンバイはしていたという。だが結果的には彼を温存したままで東芝は勝利を収める事ができた。チームの勝利にとって、宮永は確かにプラスに働いている。 (北村美夏) |
<スーパーリーグ第7節> 12月11日(日) 会場:とどろきアリーナ
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<スーパーリーグ第7節> 12月10、12日(土、日) 会場:能代市総合体育館、鐘山スポーツセンター総合体育館
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<スーパーリーグ第7節> 12月11、12日(土、日) 会場:名古屋市東スポーツセンター
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<取材・文 北村美夏、渡辺美香> |
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