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12月23・24・25日、JBLはスーパーリーグの9週目としてスタンコビッチカップのため順延となっていた内の6試合を千葉ポートアリーナ他で行なった。
木曜日(祝)に2試合行なわれ、日立-松下電器は松下電器が終盤日立の追い上げにあうも逃げ切り勝利した。三菱電機-トヨタ自動車は第4クォーター三菱電機が10点以上のビハインドを逆転し2点差で勝利を収めた。
金曜日は松下電器が日立に連勝し、トヨタ自動車は前日の逆転での敗戦の雪辱を果たした。新潟-東芝は金曜日・土曜日とも東芝が勝利した。


写真:残り8秒の決勝ゴールをダンクで決めた三菱電機#22ヘール



<スーパーリーグ第9節>
12月23日(祝) 会場:千葉ポートアリーナ

TEAM
 



 
TEAM
 
88
25
1st
21
86
 
三菱電機
20
2nd
23
トヨタ自動車
 
19
3rd
25
24
4th
17

スターティングメンバー
三菱電機:#1沖田、#6松島、#10大野、#21ラング、#22ヘール
トヨタ:#1棟方、#9折茂、#13オバノン、#21マーシャ、#34高橋

第1クォーター序盤から点の取り合いとなり、一進一退の展開となる。残り6分三菱電機は#21ラングのミドルシュートで12-13とすると、残り5分30秒トヨタ#34高橋のフリースローが2本ともはずれ、その後三菱電機#10大野のシュートで14-13と逆転する。しかしここからトヨタ#13オバノンにインサイドで粘られ、再びリードされる。残り1分47秒三菱電機#6松島のフリースローで20-21と1点差とすると、残り23秒に#21ラングがミドルシュートを決め、さらに残り1秒ハーフコート付近から放った三菱電機#22ヘールのシュートはゴールに収まり、25-21と三菱電機が4点リードして第1クォーターを終える。

第2クォーター三菱電機は#12柏倉の3ポイントシュート、#21ラングのゴール下で得点を重ねリードをひろげる。そして残り4分26秒三菱電機#6松島が1on1からミドルシュートを決めると、39-29と三菱電機のリードが二桁となり、トヨタにタイムアウトを取らせる。オフェンスを速い展開にしてきたトヨタに#22網野の3ポイントシュート、#21マーシュの速攻ダンクと得点され、残り3分28秒39-34となったところで三菱電機がタイムアウトを取る。その後三菱電機#6松島・トヨタ#21マーシュと点を取り合うが、残り2分をきってからトヨタ#12渡邉にドライブインや1on1から連続得点され追いつかれると、残り49秒勢いの出たトヨタにオフェンスリバウンドをねじ込まれ43-44と逆転され、三菱電機はタイムアウトを取る。そこからどちらもシュートまでなかなかいけなかったが、最後に三菱電機#12柏倉がドライブでボールをキープするとディフェンスをかわして切れ込み、残り1秒でレイアップシュートを決め45-44と三菱電機がわずか1点リードして前半を終える。

第3クォーター序盤リズムが掴めない三菱電機はトヨタ#34高橋と#13オバノンに連続して得点され、45-52と一気に離されそうになる。三菱電機は#6松島・#21ラングのポストからの1on1でなんとかつなぐも、トヨタ#9折茂に3ポイントシュートを決められ、残り6分10秒49-55となり三菱電機はタイムアウトを取る。タイムアウト明け三菱電機はディフェンスをゾーンに替えてスチールからの速攻を繰り出すが、ファールで止められてしまう。その後トヨタ#9折茂にトランジションからの3ポイントシュートを決められ49-58とリードをひろげられるも、三菱電機も#12柏倉が落ち着いてゲームをコントロールし、#10大野の3ポイントシュート、#12柏倉のレイアップシュートで離されない。そこから交互に点を取り合い、一進一退の展開となる。結局64-69とトヨタに5点リードされて第3クォーターを終える。

第4クォーター、オフェンスのリズムが作れない三菱電機は得点が伸びず、逆にトヨタに1on1から得点され、残り6分34秒には68-80とトヨタのリードを12点とされてしまう。三菱電機は#21ラング・#22ヘールにボールを集め得点するも、トヨタ#21マーシュにオフェンスリバウンドをダンクで決められ、なかなか流れが変わらない。しかし、残り4分26秒トヨタ#13オバノンが得たフリースローを2本ともはずしてしまうと、流れが三菱電機に傾く。ボールの周りがよくなった三菱電機は怪我でベンチに下がった#10大野の代わりにコートに入った#9梶山が残り4分5秒に3ポイントシュートを決めると、流れは一気に三菱電機へ。続けて残り3分24秒に#22ヘールがシュートブロックにあったボールをリカバーしそこから3ポイントシュートを決め80-82と2点差にする。残り1分59秒に三菱電機#22ヘールがカットインからシュートを決め84-84と同点とすると、さらに#9梶山がスチールから繰り出した速攻をブロックされるも後ろから走りこんだ#22ヘールがリバウンドを決め逆転する。残り1分21秒、トヨタ#9折茂に1on1からミドルシュートを決められ同点とされるが、その後どちらも厳しいディフェンスで得点を許さない。しかし残り8秒、打ち急いだトヨタのシュートが大きくはね、それを取った三菱電機は先に走っていた#22ヘールにつなぎダンクシュートを決めると、88-86と三菱電機がリードする。トヨタのスローインのボールを三菱電機#12柏倉がトヨタ#12渡邉に厳しく当り時間を使わせると、残り2秒ハーフコート付近でファールで止め、トヨタにタイムアウトを取られる。ハーフラインからのトヨタのスローインは逆ウイングにいる#13オバノンに入るが、三菱電機#9梶山が懸命にシュートチェックにあたり、#13オバノンの放ったシュートはゴールに入らず、88-86で三菱電機が最大12点のビハインドを跳ね返し勝利した。
(渡辺美香)

冷静なゲームメイクでチームをリードした三菱電機#12柏倉

熱いマッチアップを見せた三菱電機#6 松島とトヨタ#34高橋

1on1で点を取り合った三菱電機#10 大野とトヨタ#9折茂
三菱電機・福島雅人ヘッドコーチ
「第2クォーターでだしはよかったのですが、途中からアンラッキーなシュートがあったりでリズムを崩してしまいました。第3クォーターはトヨタの方が「このゲームはいける!」みたいな気持ちになっていて、こちらが受身になってしまいましたね。あと、うちの外国人選手に疲れも見えていえました。しかしみんなアグレッシブにプレーして、よく我慢して10点くらいでついていけていました。ゾーンディフェンスは前半ちょっと使ったのですが、結構いけるという感じでしたので、最後の大切なところにとっておきました。本当は5点差くらいで使いたかったのですが、実際には10点差になってしまいましたが、選手たちがよく集中力をだしてやってくれました。接戦を勝つというのは選手たちのゲームへの意識が挙がるので、とても大きいですね。
(怪我をした)大野は明日はもう使いません。オールジャパンまでによくなるといいのですが。先日は#11鵜沢が活躍してくれましたし、だんだんいい感じになってきてますね。PGが#1沖田と#12柏倉がいつもどちらかがいいとどちらかが悪いといった感じで、なかなか2人ともがいいことがないので、ここが両方調子がいいといろいろなことがやれるのでいいのですがね。」

三菱電機・#12柏倉秀徳選手
「今日は久しぶりに30分出ましたね。今日のような接戦でも気持ちが強くやれたのはスタンコビッチカップの経験も大きいです。プレータイムは多くなくても自分のできることをやっていくということで、自分の仕事を改めて考えさせられましたから。第4クォーター10点差がついていましたが、とにかくディフェンスで我慢して、インサイドにつないでいこうと…絶対流れがくると信じていました。PGとしてはミスマッチが多かったので、どこを攻めるかというところをよく考えるようにしました。うちはインサイドはいい選手が3人いますからね。あとはとにかくボールを止めないことです。常に動きの中でオフェンスを作っていくようにしました。最近の試合では全然自分から攻められてなくて、それで考えて今日は積極的に自分も攻めるようにできました。自分が攻めることでディフェンスは迷いますから。残り8秒からのトヨタのスローインはボール運びにプレッシャーをかけて、うちはまだファールが少なかったのでファールで止めればいいと思っていましたし、その通りにできました。しかし最後のスローインが#13オバノン選手に入ったときはちょっと焦りましたね。
オールジャパンは初戦が学生チャンピオンの慶應義塾大になるかもしれませんが、後輩の志村(仙台高)や(代表で一緒の竹内)公輔もいますから個人的にはとても楽しみにしています。うちはインサイドに古田さんもいて(外国人選手がいなくても)やりやすいですね。オールジャパンでは学生はのびのびやってきますからある意味怖いです。試合のはじめからしっかり締めてかからないといけないですね。」

トヨタ自動車・小野秀二ヘッドコーチ
「ゲームとしてはいい形でできた部分がだんだん(試合毎に)多くなっていっていると思います。しかし、最後の一押しというか、大切なところでミスが出ますね。練習ではちゃんとできているのですが、試合ではファンブルやパスミスが出て、それでリズムを崩してしまいます。精度が今ひとつです。ミスが出るとき時はいつも個人個人が急いでしまうからです。これはこれまでもずっとで、今年のこのチームの課題です。これが克服できればもう1つレベルアップできるのでしょうが。今日はディフェンスでもコミュニケーションが上手くいかない場面もあって、それが相手の得点につながったりもしたので、そういう意味でも課題の多いゲームでした。」


<スーパーリーグ第9節>
12月23日(祝) 会場:千葉ポートアリーナ

TEAM
 



 
TEAM
 
73
15
1st
28
90
 
三菱電機

19

2nd
21
トヨタ自動車
 
14
3rd
20
25
4th
21



<スーパーリーグ第9節>
12月24日(金) 会場:千葉ポートアリーナ

TEAM
 



 
TEAM
 
99
17
1st
28
105
 
日立
29
2nd
28
松下電器
 
21
3rd
23
32
4th
26

スターティングメンバー
日立:#3柏木、#7五十嵐、#11菅、#25山田、#40カーナー
松下電器:#6永山、#9仲村、#14石坂、#24ストルト、#30ブース

第1クォーター、松下電器はジャンプボールをキープするとそのまま攻め込むも#30ブースのシュートがはずれ、逆に日立#40カーナーに1on1からシュートを決められ先取点を取られてしまう。松下電器#24ストルトのオフェンスリバウンドで入れ返すも、日立の速いテンポからの攻撃に#11菅のミドルシュート、#3柏木のドライブインで得たフリースロー、さらにはスチールからの速攻と連続得点され、開始から2分半で4-10と日立にリードされる。残り7分36秒に日立#3柏木が2個目のファールでベンチに下がると日立のペースが鈍るが、松下電器も日立のゾーンディフェンスを攻めあぐねなかなか得点が伸びない。松下電器はトランジットの展開に持ち込み、#9仲村の3ポイントシュートが決まり9-12とすると、そこからリズムをつかみ、残り5分22秒に#30ブースのフリースローで12-12と同点とする。リズムが掴めずシュートが入らない日立に対し、松下電器は#24ストルトや#11川面のフリースローで着実に得点を重ね、残り2分には20-16とリードを奪う。さらに残り1分をきってボールの回りがよくなった松下電器は#6永山のミドルシュート、#24ストルトの3ポイントシュートと連続して決めると、最後は#30ブースがブザービーターとなるミドルシュートを決め、28-17とリードを11点にひろげ第1クォーターを終える。

第2クォーターはスタートから日立#11菅と松下電器#6永山が3ポイントシュートを入れあい、さらには松下電器#30ブースと日立#40カーナーの1on1、日立#3柏木と松下電器#24ストルトの3ポイントシュートと一進一退の展開となる。中盤から松下電器は#31青野がインサイドで得点を重ねるも、日立#40カーナーを止められず点差はひろがらない。結局56-46とわずかに1点リードを縮められ、松下電器が10点リードで前半を終える。

第3クォーター序盤日立#25山田・#3柏木に連続してミドルシュートを決められ、流れが傾くが、松下電器#11川面が速さを活かしたオフェンス展開で流れを渡さない。残り8分3秒には#11川面がカットインからバスケットカウントを決めリードを守る。残り7分に松下電器#30ブースの3ポイントシュートも決まり引き離しにかかるが、残り6分48秒松下電器#14石坂が5個目のファールでベンチに下がる。ここで松下電器は落ち着いてオフェンスを展開し、ポストの#31青野からのパスアウトで#11川面が3ポイントシュートを決め、流れをキープする。残り4分19秒には松下電器#31青野のファールが4個となるが、日立も#25山田が4ファールとなり、さらに残り2分43秒には日立の貴重なインサイドプレーヤーである#40カーナーが接触からの転倒で怪我をしてベンチに下がる。しかし松下電器もオフェンスにチグハグさがでてしまい、日立にスチールからの速攻などで連続得点されてしまう。なんとかこのクォーター2点リードで79-67とわずかにリードをひろげ第3クォーターを終える。

第4クォーター開始から日立#24佐久本に3ポイントシュートを決められ、流れは日立に。さらにオフェンスリバウンドを取られてセカンドチャンスから日立#11菅に3ポイントシュートを決められると、残り8分17秒再び日立#11菅に3ポイントシュートを決められ、80-76と4点差に迫られると松下電器はタイムアウトを取る。松下電器は#24ストルトのオフェンスリバウンド、#30ブースのフリースローでなんとかつなぐが、日立#3柏木の3ポイントシュートが決まり、なかなかリードをひろげられない。残り2分55秒日立#7五十嵐の3ポイントシュートが決まり、93-88と5点差に詰められるが、松下電器は#30ブースが続けてオフェンスリバウンドをねじ込むとリードを守る。しかし、残り2分をきって日立#11菅にカットインからのシュート、ミドルシュート、3ポイントシュートと連続して決められ、残り30秒で101-97と再び4点差とされる。ここで日立はファールゲームを仕掛けてくるが、松下電器#6永山・#1木下が落ち着いて決めリードをひろげると、残り1秒に日立#21戸倉にオフェンスリバウンドを飛び込まれフリースローを与えるも勝敗にはひびかず、105-99で松下電器が勝利した。
(渡辺美香)

攻守ともにアグレッシブにプレーした
松下電器#11川面と日立#20佐藤

35得点の松下電器#30ブースと
ディフェンスで貢献した日立#25山田
第4Qで3ポイントシュート3本を含む13得点した日立#11菅
松下電器・天日謙作ヘッドコーチ
「疲れました。ここに来てようやく春に自分が考えていたようなラインナップが揃ってきましたね。#31青野も復調してきましたし、#21佐藤も年明けのオールジャパンにはプレーできますから。今日は日立が(#40カーナーの負傷退場で)日本人だけになってからむこうのアグレッシブなプレーにリバウンドが取れなくなってしまいました。まだまだ課題がありますが、また徐々に修正していきたいです。」

日立・倉石平ヘッドコーチ
「とにかく走って速さで展開していくしかないです。#40カーナーの怪我は多分捻挫でしょうが、うちとしては怪我が悪くても使っていかないといけないくらいです(実際は24日はプレーせず)。代わりにと思って入れた#22山下も全然ダメでした。やはり大きな試合を経験してないですから、どうプレーしたらいいかが判ってないですね。素質的にはいいものは持っているのでもったいない。終盤追い上げたのは開き直っただけの話です。うちはガード陣は自分たちのリズムでできているのですが、今度は周りが上手くついていけていない。(今日のカーナー選手の故障といい)明るい話題がないですね。暗い話ばかりです。早く「勝ってよかった!」と言われるようにならないといけないです。」
日立・#3柏木真介選手
「(スタンコビッチで捻挫した足関節は)まだ練習の時など痛みがありますが、今はとにかく「やるしかない!」って感じです。自分の調子的には決してよくはないですね。先のOSG戦では全然ダメでした。でもその後から少しずつよくなってきましたね。「もっと攻めていかなくては」と思うようになったのがよかったのでしょう。パスがまわるようになって、速い展開ができるようになってきました。しかし、今はセンターが1人だけなので苦しい部分はありますね。特にリバウンドですが、これはもう「みんなでがんばる」しかないです。今日も(カーナー選手が下がった後は)「全員で取りに行こう!」って言っていたのですが、なかなか難しくてむこうにオフェンスリバウンドを取られてしまっていました。もっと頑張らないといけないですね。
シーズン前は今のような(自分がチームの主力としてプレーしている)ことは全然予想していなかったです。でき過ぎですね。自由にやらしてもらえているのでよかったです。#7五十嵐さんとも大学から一緒ですし、今年は代表チームでも一緒にやれたので、すごくやりやすいですし。
スーパーリーグの選手として初めてのオールジャパンですが、特別何も変わらないですね。うちは今勝てていないので(スーパーリーグとか関係なく)とにかく一生懸命やるだけです。」


<スーパーリーグ第9節>
12月24日(金) 会場:千葉ポートアリーナ

TEAM
 



 
TEAM
 
94
25
1st
27
104
 
日立
20
2nd
19
松下電器
 
16
3rd
30
33
4th
28



<スーパーリーグ第9節>
12月24・25日(金・土) 会場:新潟市東総合スポーツセンター

TEAM
 



 
TEAM
76
15
1st
24
84
 
新潟
21
2nd
20
東芝
18
3rd
14
 
22
4th
26

TEAM
 



 
TEAM
69
22
1st
26
84
 
新潟
9
2nd
19
東芝
14
3rd
16
 
24
4th
23

<取材・文 渡辺美香>
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