<JBLスーパーリーグ第13節レビュー> 特集ページはこちら
|
2月4〜6日、JBLはスーパーリーグ13週目を代々木第2体育館他で行った。
金曜日のトヨタ自動車-三菱電機はどちらに転ぶかわからないシーソーゲームの末延長にもつれこんだが、リバウンドに勝るトヨタ自動車が制した。 土曜日の新潟-東芝は苦しい内容ながら東芝が要所を締め、アイシンに続きプレーオフ進出を決めた。 首位のアイシンは2連勝、日立-松下は星を分けた。 |
<スーパーリーグ第13節> 2月4日(金) 会場:代々木第2体育館
|
プレーオフへ 譲れぬ戦いはトヨタに軍配 スターティングメンバー 三菱電機:#1沖田、#6松島、#9梶山、#21ラング、#22へール トヨタ自動車:#1棟方、#9折茂、#13オバノン、#21マーシュ、#34高橋 トヨタは#9折茂のファーストシュートがエアーボールとなると、いきなりタイムアウトを取る。その後三菱が#6松島のジャンプシュートで先制するが、トヨタ#1棟方が3ポイントシュートを返すと中・外ともに決め合う展開となる。連続3ポイントシュートを決めた三菱がリードして進むが、残り1分からトヨタが#34高橋のダンク、#13オバノンのバスケットカウントで21-17と逆転し、三菱のタイムアウトとなる。ワンスローも決まるが、三菱も#45古田が残り5秒でゴール下をねじ込んで先のファールを帳消しにし、22-19と3点差とする。 第2クォーターは三菱#21ラングのシュートで始まり、さらにゾーンディフェンスを敷く。トヨタは#12渡邉の3ポイントシュートで対応するが、三菱も#22ラングが返し譲らない。残り4分35-34でトヨタリードと一進一退となる。互いにボールがリズム良く回せない中、残り2分45秒トヨタが先にタイムアウトを取る。そしてその直後にチェンジングでゾーンディフェンスを敷くとこれが効き、三菱のハイローのパスをカットするがそれを得点につなげられない。逆に高い位置でパ |
スミスが出て、ルーズボールでチームファールのフリースローを与え37-38と逆転される。残り27秒でのゴール下のシュートも落ち、数秒の間に速攻で三菱#6松島にゴール下を決められ37‐40で折り返す。 第3クォーターも一進一退の攻防が続く。トヨタは#1棟方がアシスト・フリースローとコントロールするのに対し、三菱はインサイドにパスを入れられないが、センター陣の1on1で残り5分40秒48‐48とついていく。そして#1沖田の3ポイントシュートで3点のリードを得るが、残り3分20秒リバウンド時の接触で#9梶山が負傷退場となる。そのファールが個人4つ目となったトヨタ#21マーシュもベンチに下がる痛み分けとなる。だがその後フリースローを2投ずつ決めた残り29秒、#9梶山の代わりに入った#20岡村もディフェンス時に負傷し交代となる。最後の攻撃を#22ヘールに託すも3ポイントシュートがエアーボールとなり、54‐57とリードながら苦しい状態で終える。 第4クォーター、復帰した三菱#9梶山が3ポイントシュートを決める。2本目は外れるが#6松島がリバウンドをねじ込む。だがトヨタもスティールからの速攻でファールを得た#12渡邉がきっちり2投決め、さらに#34高橋も1on1でフリースローを得るが、これは2投とも落としてしまい58-64と詰められない。そこで残り7分30秒ながら#21マーシュをコートに戻すが、リバウンドからのイージーシュートを落としてしまう。だが三菱#6松島もこれに付き合うと、24秒ぎりぎりまでシュートを打たせないディフェンスを見せ、苦しいパスをカットして#12渡邉の速攻につなげ、残り6分10秒62-64として三菱のタイムアウトとなる。三菱はその後#12柏倉が運んでそのままジャンプシュートを放つが外れ、逆に速攻を出されてしまう。そこで#1沖田を戻すと、スローインを#6松島がカットし速攻につなげるが、このレイアップも落としてしまう。#1沖田の3ポイントシュートでやっと加点するがすぐにトヨタ#12渡邉に返され、さらにヘルドボールをとられるなど攻めきれない。逆にトヨタ#12渡邉に3ポイントシュートと見せて今度はアシストを出され、#34高橋のダンクで残り4分30秒67-67と振り出しに戻る。 この後、先に三菱#22ヘールがジャンプシュートを決めるが、再三のインサイドからのパスアウトで#1棟方が3ポイントシュートを決め逆転となる。三菱はやはり外からのシュートになってこれが落ち、トヨタ#13オバノンのジャンプシュートで72-69とされた残り3分タイムアウトを取る。すると#9梶山が流れながらも3ポイントシュートを決め再び同点とする。だが1本ずつ決めた残り1分10秒、三菱はトヨタ#12渡邉にチームファールによるフリースローを与えて76-74とまたしてもビハインドになる。インサイドに入れないまま24秒クロックぎりぎりで#22ヘールに託すと、そのカットインがバスケットカウントとなる。決めた後足をつられせながらの執念に、トヨタはタイムアウトを2回続けて取り作戦を徹底させる。残り45秒でのカウントワンスローも決められ76-77とされるが、先のタイムアウト時に投入された#12渡邉がピックロールから前があき、3ポイントシュートを放つとこれがバンクで入り残り32秒79-77で今度は三菱のタイムアウトとなる。#21ラングの1on1はトヨタ#13オバノンから5つ目のファールを奪うがスローイン。残り12.5秒でコーナーの#22ヘールに渡り、ディフェンスが2人よるが同時にひいてしまい、フリーになって3ポイントシュートを入れ返す。だがトヨタ#22網野はあきらめず速攻のシュートに行き、その#22ヘールから残りわずか3.7秒でファールを得る。この1投目は決めるが、2投目はリングの付け根にあたり、リバウンドを三菱#6松島がもぎとって80-80で延長となる。 延長は三菱ボールで始まるが、24秒ぎりぎりまで攻められず無理なシュートとなる。だがリバウンド、さらにそのスローインでトヨタが続けてファールし、チームファールのよるフリースローを得て2投きっちり沈める。だがトヨタ#22網野もカットインでフリースローを得て、今度は2投決め返す。さらに三菱が24秒オーバータイムになったのに対し、トヨタは#21マーシュのリバウンドシュート、さらにリバウンドからの速攻で#1棟方が3ポイントシュートを決め、残り2分35秒87-82として三菱のタイムアウトとなる。だがその後も24秒オーバータイムとなり、残り2分を切っての#6松島のフリースローも2投ともはずれ得点につなげられない。トヨタ#1棟方から#12渡邉へのバックドアで万事休すかと思われたが、これが落ち、#21マーシュもリバウンドシュートを落としてしまう。そこからロングパスでの速攻を#34高橋が止めに行くがファールとなり、#22ヘールがそのフリースローを2投決め残り1分15秒87-84とあきらめない。さらにトヨタ#22網野の3ポイントシュートのリバウンドも#22ヘールが取って速攻につなげ、5人目で合わせてトップから3ポイントシュートを沈め、残り45秒で87-87と追いつく。だがこの後、トヨタはタイムアウトから#21マーシュのリバウンドシュートにつなげたのに対し、三菱は21秒を残しながら#22ヘール・#21ラングともシュートを打てず、ワンゴール差でトヨタが逃げ切った。 (北村美夏) |
トヨタ自動車・小野ヘッドコーチ 「今日は折茂の調子が悪くて…それにチャックのファールアウトとありましたが、その分も渡邉や網野が頑張りましたし、みんなが最後までよく集中が保てていました。ようやくうちのチームらしいオフェンスも出来てきましたし、チーム力が上がってきているように思います。 (試合前の指示は)負け数の方が多くて自信をなくしていたので仲間を信じて自分達のバスケットをしようと伝えました。(ゾーンディフェンスは)作戦として練習してはいたのですが、これまで出す機会がありませんでした。でも今日はチャック(#13オバノン)と#21マーシュのファウルトラブルがあったのですっと切り替えられました。(接戦を制した決め手は)うーん、特にこれというのは難しいのですが、#12渡邉がいいところで3ポイントを決めてくれたのが印象に残っていますね。(2戦目に向けて)まだ負けの方が1つ多いし、なかなか連勝できていないのでもう1つ勝ちたいです。」 |
三菱電機・福島ヘッドコーチ 「延長になる前に決めたかったですね。あのフリースローの前で終わりたかったです。選手の表情を見ても勝ったと思ったらファールの笛でしたから。相手のゾーンに対してインサイドで攻めれると良かったのですが、アウトサイドを見なくなってしまうなどうまくできなかったです。最後はうちがリバウンドをきちんとやっていればというところですね。トヨタのリバウンドシュートが2本くらいありましたよね?結局延長はがっぷり四つになるのでああしてセカンドショットを決めれるチームが有利ということです。 (選手の怪我は)ちょっと多いですね。#9梶山の捻挫、#20岡村も足と続いているのでちょっと今頑張らないといけないですね。大野も今週復帰したのですが昨日また調子を落としていましたし。 (2戦目は)少しでも星をかせぐためになんとか1勝1敗で行きたいですね。」 |
<スーパーリーグ第13節> 2月6日(日) 会場:小笠山総合運動公園体育館(エコパアリーナ)
|
<スーパーリーグ第13節> 2月5日(土) 会場:代々木第2体育館
|
良さの封じ合い 我慢比べを東芝が制す スターティングメンバー 新潟:#4長谷川、#10庄司、#21デービス、#25竹田、#33ギャリソン 東芝:#5ルイス、#6クラインシュミット、#8節政、#34伊藤、#51北 #25竹田のジャンプシュートで新潟が先制する。その後は互いにパスミスやトラベリングなどが続く。東芝#51北の3ポイントシュートも新潟#33ギャリソンが返し、新潟が東芝#5ルイスに寄ってスティールから速攻につなげてもゴール下に残っていた東芝#6クラインシュミットが返しと主導権を握れない。残り4分、新潟#4長谷川が3ポイントシュートを決めて12-9としたところで東芝は#11折腹、新潟は#9小菅・#15堀田を投入と動く。すると新潟はこれが当たり、#15堀田のシュートと速攻から#9小菅のリバウンドシュートが決まり残り2分18-11で東芝のタイムアウトとなる。この後東芝は#51北の裏パスからのシュート、#8節政の1on1で加点するが、新潟も#9小菅がさらに3ポイントシュート・フリースローと活躍して23-17と新潟リードで第1クォーターを終える。 第2クォーター、新潟は#10庄司・#33ギャリソンのロングシュートが落ちるのに対し、東芝は#5ルイスにディフェンスが寄ってフリーになった#8節政が2本続けて3ポイントシュートを沈め25-25とし残り6分30秒新潟のタイムアウト |
となる。新潟はインサイドに入れず、さらに#10庄司がファールでベンチにと苦しいが、25-30から#21デービスがフリースローを1投ずつ決め31-30と再びリードする。だが東芝#51北にロングシュートで返され、#33ギャリソンからパスがさばけなくなり残り1分45秒タイムアウトを取る。するとその直後のディフェンスでは東芝#5ルイスを3枚で囲む。パスアウトされるが、このリバウンドで#5ルイスから3つ目のファールを奪いベンチへ追いやる。さらに#33ギャリソンがジャンプシュートを決め33-32とすると、55秒を残して今度は東芝のタイムアウトとなる。新潟は#4長谷川が1on1を決めるが、東芝#3佐藤が様子を見て自ら放った3ポイントシュートが決まり35-35と並ばれる。 第3クォーター、#4長谷川の連続得点で新潟が40-35とする。だが立ち上がりにも関わらずボールのないところでの接触が増え、東芝#51北の速攻を止めたファールがアンスポーツマンライクファールのバスケットカウントとなる。このワンスローを決めさらに東芝ボールとなると、新潟#10庄司・#4長谷川とファールコールが続く。新潟はこれを東芝#5ルイスの3秒オーバータイムで逃れるが、中・外ともシュートが落ち、東芝#6クラインシュミットにゴール下を決められ42-45となる。ここでそのゴールしたボールをさわった東芝#6クラインシュミットがテクニカルファウルとなるが、新潟#33ギャリソンはフリースローを1投しか決められずボーナススローインからのシュートも落としてしまう。さらに東芝#6クラインシュミットの面取りに新潟#10庄司が4つ目のファールとなり、6分を残してベンチに下がる。東芝はここを突きたいが、#51北の3ポイントシュートは決まるも後のシュートは新潟に付き合って落としてしまい残り3分20秒新潟に速攻を決められ49-54となったところでタイムアウトを取る。だが新潟#33ギャリソンのシュートタッチが戻って3ポイントシュートを決められ、52-54と詰められる。しかし新潟はこの後ファールによるフリースローを与え、残り55秒にはコーナーで待っていた東芝#3佐藤に3ポイントシュートを決められ54-64と2桁差となってタイムアウトとなる。この後#4長谷川がローポストのシュートをねじ込み、残り5秒でのスローインは#33ギャリソンの3ポイントシュートが外れるも#15堀田が走りこんでタップで放ったリバウンドシュートが決まり、58-64とつなげる。 第4クォーターは#4長谷川のシュートでまず新潟が60-64と詰める。だがシュートが落ちる間に東芝がインサイドで決め、残り6分45秒にはリバウンドから#6クラインシュミットが3ポイントシュートを決め60-71と再び2桁差として新潟のタイムアウトとなる。新潟#33ギャリソンが3ポイントシュートを返すが東芝#51北にさらに返される。さらに#7板倉にも3ポイントシュートを決められ、#21デービスはフリースローを2投とも落として苦しくなる。だが新潟がコートに戻った#10庄司、#25竹田も3ポイントシュートを決め残り2分69-79と追いすがると、東芝#6クラインシュミットがエアーボール・ファールとミスを続けて東芝のタイムアウトとなる。すると新潟はゴール近くでミスが出てしまい、さらに#10庄司がパスアウトに寄って5つ目のファールとなってしまう。さらにミスからの速攻をファールで止めるがこれがアンスポーツマンライクファールとなり、このフリースローを東芝#8節政がきっちり決め残り1分10秒69-82と差が開く。なおも東芝ボールとなるが、スクリーン時に今度は東芝#6クラインシュミットがアンスポーツマンライクファールとなる。このフリースローを新潟#4長谷川が2投決めるが、東芝に24秒いっぱい使われてしまう。新潟#33ギャリソンがすかさず3ポイントシュートを決め76-82と追い上げるが残りが15秒しかなく、ファールでとめるもチームファールによるフリースローをきっちり決めた東芝が逃げ切った。 (北村美夏) |
東芝・鎌田ヘッドコーチ 「(ミスの多い展開だったが)勝って自力でプレーオフを決めるために集中していこうと話して試合に入ったのですが、ちょっと気負いすぎたし向こうも気合が入っていましたね。出だしが良くないも、向こうもちょっと走られましたがそんなにいい状態ではなかったので何とかという感じでしたがやり直さないといけませんね。 それからペイントでフラストレーションをためて自滅した感じです。#5ルイスのところがダブルチームでこられたのでそこをどう展開するかだったのですが、寄っていたのが(相手の)ポイントガードだったので(味方の)フリーのポイントガードを起点にやれと話しました。#8節政も#3佐藤も3ポイントに関してはいい感じで打っていたのでその辺は楽でしたね。ただ、いかんせん#5ルイスと#6クラインシュミットがカリカリしてボールを持ちすぎてしまい、いいオフェンスにつながらなかったです。 (スタッツを見て)ターンオーバー17は多すぎですね。こういうところを気をつけないと。数字的に見るとシュートの確率などいいように見えますが、ターンオーバーは多いしリバウンドも取られすぎですね。 |
(プレーオフが決定したが)もっといい状況で臨めるようにということと、控えメンバーが入っても流れが切れないように徐々に経験を積ませることも含めてやっていきたいです。(控えメンバーは)ちょっとちゅうちょしているところがあるので、もっと積極的にやってほしいですね。#33宋は先週まで腰を痛めていたのですが、明日は少しやって来週のトヨタ戦からは計算に入れて考えていきます。 あとは内容良く勝ちたいですね。」 |
新潟・廣瀬ヘッドコーチ 「今は力が入らないです。僕は何も言えません。皆さんがどう感じ取るか。事実結果は負けです。しっかり反省と準備をして明日に臨みたいと思います。 (反省と準備を具体的に)プレッシャーがかかったところでボールが止まってしまったことですね。4Qの入りはインサイドで攻めようとしたのがかえって重くなってしまいました。なので明日はもう1回自分達らしさを出したいと思います。 それから相手に大事なところでトランジッションを出されたことですね。簡単に取られるとダメージが大きいので、明日はそれをやられないように40分しっかり守りたいです。 あとは#6クラインシュミットのところ。やられ方を限定していて、前半は良く抑えたのですが後半は合わせでやられてしまったのでチームとしてのローテーションを確認しなおしたいです。 |
#5ルイスのところは前半ダブルチームに行くタイミングが早すぎて(東芝#8)節政のところでポンポンと決められてしまいましたが、うちは能力的に優れているわけではないので動くディフェンスをしないといけないんです。1人1人が気持ちを持ってローテションしていかないといけないですね。 (#12平岡に代わり#4長谷川のスタート起用は)それは、練習で平岡がやってほしいことをやれていなかったのでペナルティーです。こういう状況でしっかりやれないとスタートの資格がないということです。長谷川も悔しい思いしていたので今日出だしから良かったですし、そういう意味でチームの戦う気持ちはあったので、明日はそれを持続しよりいっそう強い気持ちで臨みたいです。 状況は厳しいですが、プロはやることが決まっています。どんな状況でもそれをやり続けます。」 新潟#4長谷川選手 「勝てる試合だったけれど、簡単なシュートミスなど自分達のミスで負けたのが悔しいです。何点取ったとかではなく、勝てる試合を落としたのが悔しい。ただ、コンディションが良ければ今日みたいなプレーができるのでまた一生懸命勝ちに行きたいと思います。 (明日に向けて)大事なところで簡単なミスが続いたのでそれをなくすのと、相手にイージーシュートを打たせない粘り強いディフェンスをしたいです。特にスクリーンのところでノーマークを打たれたのでコミュニケーションをしっかりとりたいです。」 |
<スーパーリーグ第13節> 2月6日(日) 会場:船橋市総合体育館(船橋アリーナ)
|
<スーパーリーグ第13節> 2月5、6日(土、日) 会場:刈谷市体育館
|
<スーパーリーグ第13節> 2月5、6日(土、日) 会場:豊中市立豊島体育館、奈良県立橿原公苑第1体育館
|
<取材・文 渡辺美香、北村美夏 構成 北村美夏> |
|