<JBL日本リーグプレーオフ> ファイナルはこちら
決勝はさいたま-豊田通商 2005.3.5

3月5日、JBLは日本リーグプレーオフセミファイナルを所沢市民体育館で行った。

石川-豊田通商は#3矢野・#12竹原が確率良くシュートを決めて3Qに突き放した。さいたま-日立電線は残り5分を落ち着いて乗り切ったさいたまが3連覇に王手をかけた。 

ファイナルは明日6日に行なわれる。


<日本リーグプレーオフセミファイナル>
3月5日(土) 会場:所沢市民体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
84
18
1st
18
94
 
石川
24
2nd
23
豊田通商
(レギュラーシーズン3位)
10
3rd
28
(レギュラーシーズン2位)
32
4th
25


豊通、石川のDFを逆手にとり第3Qに勝敗決める


スターティングメンバー

石川:#1日下、#7小川、#15藤井、#51福島、#52ストゥープス
豊田通商:#3矢野、#5山田、#12竹原、#32ミルホーランド、#45マッキー

 石川は豊田通商#32ミルホーランド・#45マッキーのインサイドに対しダブルチームに行くが、#3矢野・#12竹原にそのリターンから3ポイントシュートを高い確率で決められてしまう。だが石川も#52ストゥープスの3ポイントシュート、#15藤井のカットインなどで対抗し前半は1点リードで終える。

  しかし3Qは一転攻撃が慎重になりすぎ、なかなかシュートを打てない。そしてリバウンドも豊田通商の外国人選手に加え#1恒岡・#20岩田にもぎ取られ、残り5分一気に11点差がつく。タイムアウトを取るが踏ん張れず、ディフェンスでもワンテンポ遅れてファールトラブルとなり、フリースローで計31失点と差が開く。

 4Qは開き直れてカットインや3ポイントシュートを狙っていき、最後までベンチ・コートとも声を絶やさずプレー。北陸電力から石川になって1年目のシーズンを笑顔でしめくくった。
(北村美夏)

中外でチームに貢献した
石川#52ストゥープス
その他の写真を表示
石川・福光ヘッドコーチ
「第3Qの出だし、ハーフタイムに“ここが勝負所だよ”と言って入ったのですが、うまくいかなかったのがあの点差になったと思います。今年のゲームはどうしてもどれか1つのQでペースダウンしてしまう悪いクセがあって、それが今日の3Qでした。これが実力ということです。
(対豊通で意識したことは)ビッグマンがいるチームに対して全部は抑えられないので、豊田通商#32ミルホーランドと#45マッキーのインサイドをつぶすのはゲームプラン通りにいったのですが、外のキーの選手にシュートをことごとく入れられてしまいました。
(3Qのタイムアウトは)やるべきことは決まっていたので、気持ちのリセットのために取りました。
(今年1年を振り返っては)自分の勉強不足でしたね。もっともっとちゃんとしたバスケットができたと思います。選手の能力はあるのにそれをきちんと掌握できなかった采配ミスです。これからは5人で1つのボールを守るようなチームにしていきたいです。
(来年への課題は)オフェンスでは、ここ1番のシュートの確率が落ちるのでスクリーンプレーなどチームオフェンスを磨くことです。ディフェンスでは先にも言ったように、5人で守って高さに対応していきたいです。
(選手へメッセージを)苦しいシーズンでも持ち前の明るさで乗り切ってくれました。これを継続していきたいです。」

石川・#1日下キャプテン
「試合前から体調も良く、いい感じで入れました。オフェンスもディフェンスも機能していたと思います。でも3Qは終始豊通ペースの中でバスケットをしていて、そこを崩していかないとと思いましたが点差も開いてしまいました。でもそれぞれが自分の持ち味を出した試合をできたと思います。」

豊田通商・ヘッドコーチ
「前半しまらないゲームをしてしまいましたが、ハーフタイムで気合を入れて後半3・4Qに勝負をかけられました。
(ハーフタイムの指示は)リバウンドですね。ディフェンスを頑張る中でもディフェンスリバウンドを頑張ろう、と。前半はいまひとつ徹底できていなかったですが3Qに#20岩田・#1恒岡あたりがいいところでリバウンドを取ってくれて、自分達のオフェンスにつながりました。
(明日に向けて)明日もそこ(リバウンド)だけですね。今まで1試合で12〜3本負けていて、その半分が点につながったくらいの点差で負けているんですよ。なのでそこをしっかりすれば勝てると思います。今年は怪我人がいなくて助かっているし、うちもこの辺で勝っておかないと。外国人選手ももちろん日本人選手もリバウンドを取りに行くモチベーションを持って40分戦えば、明日もいい試合ができるでしょう。」


<日本リーグプレーオフセミファイナル>
3月5日(土) 会場:所沢市民体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
64
11
1st
14
78
 
日立電線
19
2nd
15
さいたま
(レギュラーシーズン4位)
20
3rd
23
(レギュラーシーズン1位)
14
4th
26


さいたま、日本人選手が奮闘 日立電線はラスト5分のミスに泣く


スターティングメンバー

さいたま:#1レモンズ、#12安藤、#13ドッド、#32岡田、#33倉澤
日立電線:#1高橋憲、#3小泉、#8高橋秀、#10佐俣、#44阿部

日立電線は#3小泉の体を張った活躍で開始3分7-1とリードする。だが得意の3ポイントでエアーボール、速攻のレイアップミスなど足踏みをする間に9-7と追い上げられる。さいたまは交代で入った#30柴田・#7松藤が得点にからみ逆転する。
第2クォーター、こちらも交代で入った#11高橋学の得点で日立電線が再びリズムをつかみ、21-21から#8高橋秀の3ポイントシュート、#3小泉の合わせで残り4分28-21と一気に差をつける。だがまたもイージーシュートを落とし、さいたまの3ポイントシュートのリバウンドを掴みきれず残り55秒さいたま#12安藤の3ポイントシュートで再逆転される。ロースコアで日立電線ペースながらミスが目立つ前半となる。

3Qはハーフタイムにヘッドコーチから「アウトサイドの日本人がもっと頑張れ」と指示を受けていたさいたま#32岡田が積極的に攻めていく。日立電線は3ポイントシュートで対抗するが単発になっていき、残り4分には支柱である#3小泉


積極的に攻めてチームを勝利に
導いたさいたま#32岡田
その他の写真を表示
が3ファールでベンチに退かざるを得なくなる。さいたまはそこを突いて残り1分#33倉澤が連続3ポイントシュートを決め、52-47と差を付ける。だが日立電線#1高橋憲が残り5秒で3ポイントシュートを決めくらいつく。

4Q、さいたまは#1レモンズがリバウンドシュートを立て続けにねじ込む。日立電線も#1高橋憲らが果敢に突っ込み残り3分62-61と1点ビハインドでついていく。だがタイムアウト明け、一瞬フリーになったさいたま#33倉澤が3ポイントシュートを決めると、日立電線のターンオーバーをいずれも得点につなげる。さいたま#30柴田のロングシュートで残り1分30秒71-61と一気に2桁差をつけると、日立電線はたまらずタイムアウト。だがパスカット、パスミスと続き、残り1分10秒73-61でタイムアウトを取った後はファールゲームに出る。だが#3小泉の3ポイントシュート1本にとどまり、力尽きた。
(北村美夏)
さいたま・三木ヘッドコーチ
「日立電線は4位通過だけれど、トップ10に5人も入っているようにもともと3ポイントシュートの力がすごくある。それを封じるべくディフェンスしましたが、予想以上に前半はやられました。なのでハーフタイムにはスイッチアップの指示と、それから外国人選手のところがダブルチームでこられているので日本人選手が頑張ろう!と言いました。それに#30柴田らが応えてくれて、速攻も決まっていきました。後やっぱり#32岡田ですね。普段はシュートもあまり打たないけれど今日は指示したことをとにかくやってくれました。
(シーソーゲームの展開が続いたが)向こうが先に動く展開にしたかったのでタイムアウトは我慢しました。もちろん抜け出されたら取ろうと思っていましたが、そういう意味で逆に相手がしかけてくれたので楽でした。
(ガード3人の起用は)まずスタートの#32岡田は、後半の仕掛けは気持ちがプレーに出ていたしアグレッシブにできていたのでいけるところまで行きました。今日は彼のよさがすごくでていましたね。それで最後は締めて明日につなげるために#7松藤、その後はプレスにこられたので#5村田と代えました。
(明日に向けて)逆に豊通みたいな方が戦いやすいですね。日立電線などはダブルチームやフルコートで当たってきますが明日のその可能性は少ないので、オーソドックスなバスケットになるでしょう。今回は今日の対策を主にやっていたので出たとこ勝負ですが、レギュラーシーズンはプラン通りのゲームが出来ています。3勝したことで逆に慢心しないように、気持ちを大事にしたいです。それと今日ロースコアだったようにオフェンスの確率の高い攻め方ができていなかったので、そこは修正しようと思います。」

日立電線・川島ヘッドコーチ
「一言で言うと悔しいです。
さいたまの両外国人選手の得点を抑えるために、2‐2‐1から2‐3ゾーンとマンツーマンでポストトラップというディフェンスをやってきて、それは今日出せました。インサイドに重点を置くとどうしても外があきますが、そこはやられてもしょうがないと思っていましたが結果的に(さいたま#33)倉澤に4本、(#32)岡田に2本と多く決められてしまいました。それに対してうちは64点で、%も良くなかったですね。うちの武器である3ポイントの確率が最後まで悪かったのは誤
算というかどうしようもなかったです。やはりどこかで疲れがあったのかな。普段ならどこかで(当たる時間帯が)くるかなという感じなのですが、結局最後までこなかったです。

最後の勝負所でミスが重なりました。そこから、というところだったので悔やまれます。(残り3分のタイムアウトでの指示は)ボールを取りに行くということでトラップディフェンスをかけましたが、ミスが続けて出たので1本確実に行こうと指示しました。でもさらにまたミスが続いて、そこで集中力が切れた感じです。
でも、前半にインサイドのシュートミスがいくつかあって、そういうのをきっちり入れていないとチャンピオンチームには勝てないですね。そこ(最後の勝負所)までの過程でオフェンスのミスがありました。ディフェンスはうまくできたと思いますが、離せるときに畳み掛けられなかったのがさいたまとうちの差かなと思います。

(勝負所でさいたま#1レモンズに決められたが)オフェンスと同じようにインサイドのリバウンドを意識していたのですが、最後は取りに行く気持ちが弱くなっていたところがあったかもしれないですね。

(シーズンを振り返って)シーズン初めのプランは怪我人が2人出たことで崩れましたが、年明けから残ったメンバーでマンツーマンを強化したのが後半戦に徐々に出てきました。プレーオフ前はさいたまを意識してインサイドのディフェンスをからませてやっていきました。その部分については100%まではいっていないけれど今日の試合を見ればプレーオフを目指したチーム作りができたのではと思います。でも満足はしていません。」

日立電線・#3小泉キャプテン
「スコアを見るとわかるのですが、さいたまを70点台に抑えたのは僕らは初めてなのでそれは収穫です。でも、残り5分で自滅、というイメージが見ている人もあったと思います。勝負がかかったところで自分達の力を発揮できず、窮地に追い込まれた時本当の力が試されるなと思いました。
今まで、残り5分で同点だったり勝っていた試合もありましたが、最後にまくられる(逆転される)ということは、自分達の力がまだ足りなかった結果なのでそれは真摯に受け止めようと思います。バスケットは習慣のスポーツなのでその残り5分のイメージから常に練習していても、やっぱりミスしてしまったということは、外国人選手がいるいない関係なく、相手の方が強かったと真摯に受け止めています。

相手には外国人選手が2人いるので、こちらのインサイドでの得点が限られてきます。でも外ばかり回していてもだめなので、そこで1回パスやドライブを入れる、そういった展開
作るようにしました。でも終盤足が止まる中でボールが回せず、ディフェンスのプレッシャーを受けて苦しいシュート打たされるシチュエーションが出てきました。そうなるとリバウンドの制空権は圧倒的に外国人選手2人にあるので、踏ん張らないといけないところで踏ん張りきれず点数が離れていきました。シュートまでいけないケースもあって、そういいうところできちっ、きちっと自分達のバスケットをやらないと勝てないかなと思います。

(4Qの残り5分については)ディフェンスで色々なバリエーションを使ってロースコアに持ち込んで自分達のペースでいけましたが、前半、3Qのどこかで自分達の特長でもある飛び道具(=3P)がもうちょっと入って、10点リードであの場面を迎えられれば…というところです。前半しっかり決められるシュートを決め切れなかったのが敗因の1つですね。

(vsさいたまについて)さいたまとやるのは今年で最後なので勝って終わりたかったです。これまでに12・3回やって紙一重のところまではいけても1回も勝てず、超えたかったです。

(プレーオフのチーム状況、コンディションは)去年のスターターが途中で戦線離脱という中で、残ったメンバーのコンディションは最低限のところまで持ってこれたと思います。(個人的には)万全な状態でできましたよ。
去年のプレーオフではさいたまの外国人選手2人に合わせて70点取られましたが、今年は27点ですからそういったディフェンスはできましたが、予想外にガードの2人に点を取られてしまいました。

(アウトサイドは捨てていたのか)バスケットは確率のスポーツなので、より入りやすい外国人選手2人のインサイドを守るには外は捨てざるを得ません。それより自分たちが64点しか取れなかったのが敗因です。80点取らないと勝てませんよね。3ポイントが8/36ですからね。レギュラーシーズンはもう少し高い確率なのですが。まぁでも向こうもディフェンスが良かったですし、僕らが3ポイントが得意だとわかっていて集中していたので、来シーズンへの課題を残してくれたさいたまの選手達に感謝もしています。」

<取材・文 北村美夏>
塾生コラムメインへ