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豊田通商、15年ぶりの優勝 2005.3.6

3月6日、JBLは日本リーグプレーオフファイナルを所沢市民体育館で行った。

ファイナルはさいたま-豊田通商というレギュラーシーズン1・2位の対戦となり、アウトサイドの日本人選手を抑える作戦に出た豊田通商がリードを守りきり、15年ぶりの優勝を飾った。

JBL日本リーグ2004-05アウォード
MVP 竹原太一(豊田通商#12)
ルーキーオブザイヤー 安齋竜三(大塚商会#13)  
コーチオブザイヤー 福光博(石川)
ベスト5 PG:矢野真伸(豊田通商#3) 3年連続3回目
  SG:竹原太一(豊田通商#12)
  F:倉澤健二(さいたま#33)
  CF:N・ストゥープス(石川#52)
  C:K・レモンズ(さいたま#1) 2年連続2回目



<日本リーグプレーオフファイナル>
3月6日(日) 会場:所沢市民体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
81
25
1st
20
93
 
さいたま
9
2nd
18
豊田通商
(レギュラーシーズン1位)
16
3rd
20
(レギュラーシーズン2位)
31
4th
35


豊通の日本人封じが功を奏し、ハンデをはね返す15年ぶりのV


スターティングメンバー

さいたま:#1レモンズ、#12安藤、#13ドッド、#32岡田、#33倉澤
豊田通商:#3矢野、#5山田、#12竹原、#32ミルホーランド、#45マッキー

立ち上がり、さいたま#13ドットのバスケットカウント・#1レモンズの3ポイントシュートが決まり14-7と勢い付く。だが豊田通商も両外国人選手の得点と速攻でついていく。
そして2Q、豊田通商のディフェンスが効き始め、さいたまを#1レモンズ・#13
ドットの合わせて9得点のみに抑える。オフェンスでは得点源の#3矢野のシュートが落ちていたが、#20岩田らがつなぎ逆転して折り返す。

だが3Q、今度はさいたまが豊田通商のインサイド以外の点をシャットアウト、#32岡田の得点で42-40と再逆転する。さらに#13ドットの3ポイントシュート・#1レモンズのインサイドで47-41となるが、ここで豊田通商#3矢野が目を覚まし、3ポイントシュートと速攻を続けて決めて47-46とする。さらに残り4分、さいたまのリズムを作っていた#32岡田が4ファールでベンチに下がるとボールが回らなくなる。

MVPに輝いた豊田通商#12竹原
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一方の豊田通商は#3矢野が3ポイントシュート、アシストと自在にプレー。残り1分をきってから、インサイドがダブルチームされたパスアウトから#12竹原が3ポイントシュートを、さいたまの苦しいシュートのリバウンドから#3矢野がブザービターで速攻を決め、流れを呼び込む。

4Qは豊田通商#7上坂の3ポイントシュートで始まり、61-50と2桁差を付けてガッツポーズが出る。さいたまは続けてフリースローを得るがこれを決められず、じりじりと差を広げられる。残り5分には#12竹原の3ポイントシュートが決まって71-54となるが、さいたまは#12安藤がロングシュートを続けて決め71-62とあきらめない。豊田通商が#5山田の3ポイントシュート、#3矢野の速攻で再び引き離すが、さいたまも#12安藤・#1レモンズの得点で1桁差に戻す。残り2分には#13ドットの3ポイントシュートで79-72まで追い上げるが、豊田通商#12竹原がうまくファールをもらいコントロール、メンバーの入れ替わりや練習の少なさなどのハンデをはねのけて15年ぶり2度目の優勝を飾った。
(北村美夏)
さいたま・三木ヘッドコーチ
「外国人選手はガチンコ、アウトサイドの3人をどう抑えるかだった。(豊田通商#12)竹原はこのところ調子が良く注意していたが、彼は100%集中していたね。
ディフェンスは良かったが、オフェンスの点の取り方が昨日もそうだったが非常にまずかったです。
(最初の雰囲気がとても良かった)今日が(JBL)最後ということで逆の意味で盛り上がれて、チームが1つになってエントリーできました。ただもっと離している雰囲気なのに、3〜5点くらいしか離れていなかった。本来なら10点差くらいついている感じなのに、向こうが我慢していたということでしょう。
(4Qの指示は)踏ん切り良くやるしかない、あと10分しかないんだから集大成のつもりでやってこいと言いました。でもフリースローのその思い切りの悪さが出ましたね。自分達からリズムを崩していきました。結果が全てです。」
豊田通商・ヘッドコーチ
「ディフェンスを頑張ってリバウンドを取る、それがしっかりできたと思います。去年と違って#3矢野と#12竹原の2本柱でやれました。
先のことを考えても仕方ないので、去年悪い成績だったのでまずリーグで優勝しよう!と今年5月の始動の時に全員で改めて確認しました。なかなか練習時間が取れない中で、最後の2試合どう戦うかだけを考えてやってきました。それが良かったと思います。」

豊田通商・#12竹原選手
「豊田通商というチームは練習も週に1回しかできず、集まってやる時間が少ないですが、シーズンを通してできるだけコミュニケーションを取って何を頑張ったら勝てるかずっと話してきて、それが最後のゲームで1番出たのが良かったです。(練習が少ないことはハンデに感じたか)練習不足を口にしたら僕らは全てが終わります。
(去年と違うところは)#3矢野・#7上坂・#32ミルホーランド(以上ニデックより)・#20岩田(オーエスジーより)というバスケットの経験のある選手が移籍してくることで、言葉で解説しなくてもプレーで見せる選手がいてくれてやりやすかったです。

(リーグでは3戦ともさいたまに負けたがどう攻略したのか)1戦目はボロ負けでどうなるかと思いましたが、2戦目は守って70点台ペースとうちのリズムでできたという手応えがありました。3戦目も#32ミルホーランドがいない中でゾーンを敷いて最後までもつれた。だから頑張るところをきちっと頑張ったら勝てるのではという思いがありました。
今日の得点は実は出来すぎで、うちはディフェンスのチームです。どうやって相手を70点台に抑えるかと考えた時、他のチームは外国人選手を抑えに行きますが、うちは彼らにはなんぼでもやられていい、その代わりセカンドショットと日本人を抑えようとしたのが効いたと思います。

(後半に活躍した)昨日からタッチが良かったので、ヘッドコーチが“矢野と竹原は積極的に打っていけ”と言ってくれました。攻めるときは矢野を見ながら攻めています。彼にプレッシャーがきていたのでたまたま僕があきました。それぞれの仕事をしただけですね。
(優勝した瞬間の気持ちは)矢野と同じです。僕も1位になったことがないので、気持ちは矢野と一緒です。」

豊田通商・#3矢野選手
「持ち味のディフェンスを頑張れました。1Qは気負いがありましたが、2Q以降はペースも点数も描いていた通りですね。前半は2人(矢野、竹原)ともシュートが入らなかったけれどディフェンスが機能して競れていたので、逆にこのペースでいけば勝てる!と思っていました。レギュラーシーズンは3Qに離すことが多くかったのですが今日もその通りに行って、最後は気持ち的に1つになってやってきたことをできました。

(移籍して栄光を掴んだ)ニデックが僕を育ててくれたので、ニデックの皆への感謝の気持ちです。
今年は移籍1年目で、皆リーグで知っている選手といっても不安がありました。誰か信頼できる人がいるとやっぱり心強いのですが、そんな中で#12竹原さんと試合で現地入りした日に夜遅くまでバスケの話ばかりして、竹原さんがいての僕、僕がいての竹原さんっていう存在にお互いがなれたのが良かったです。怒る時は怒ってくれるし、自分にとってすごく大きな存在で彼のおかげでここまでこれました。それにチームのみんなも、僕が言いたいことを言ったのを聞いてくれて、外国人選手とのコミュニケーションも良かったし最高のチームでした。

(優勝した瞬間の気持ちは)僕日本一になったことないんですよ。日本ニは何回もあるんですけど。だから日本一っていう感覚がわからなくて、最後こうやって(勝って)終われた事がないのでとにかく手を上げていたかったです。何を思ったとかではなく、とにかく手を上げて、1番だぞって表現したかったですね。」

<取材・文 北村美夏>
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