<JBLスーパーリーグプレーオフ> 特集ページはこちら

アイシン、本来のオフェンスで一矢報いる 2005.3.21

3月21日、JBLはスーパーリーグプレーオフファイナルを代々木第2体育館で行った。 

この日も守り合いの中で東芝の#5ルイス・#6クラインシュミットが活躍し先行したが、アイシンの外のシュートが良いタイミングで決まり逆転、東芝の追い上げを振り切って1勝目をあげた。

第4戦は23日に行なわれる。


(東芝2勝1敗)
<スーパーリーグプレーオフファイナル>
3月21日(祝) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
66
12
1st
21
59
 
アイシン
15
2nd
10
東芝
23
3rd
13
16
4th
15
 


自分達のバスケットを続けたアイシンが逆転で1勝


スターティングメンバー

アイシン:#2佐古、#6後藤、#7外山、#22ケーペル、#32ヘンダーソン
東芝:#5ルイス、#6クラインシュミット、#8節政、#34伊藤、#51北

立ち上がりは東芝ペースもアイシンが照準を合わせていく
1Qは東芝の決定力が勝り、#51北の3ポイントシュート・#8節政の緩急をつけたゲームメイクなどで加点していく。アイシンはシュートの形は作るがそれが落ち、ディフェンスでもファールがかさみ流れがつかめない。
2Qもアイシンは得点的には#32ヘンダーソンと#22ケーペルがつなぐ状態。東芝もシュートが落ちるが#6クラインシュミット、#34伊藤がオフェンスリバウンド2からみ得点をあげていく。
その流れが変わったのは残り2分20秒。東芝#5ルイスがリバウンド時に3ファール目を犯してベンチに下がると、そのスローインから#2佐古が3ポイントシュートを決めて27-29と2点差に迫る。

前半と対照的な展開でアイシンが逆転、押し切る
前半はその後得点が動いたのは東芝#34伊藤のリバウンドシュートのみでどちらも決めきれず終わる。言い換えればイーブンに戻った流れを引き寄せたの

要所で3ポイントシュートを決めた
アイシン#2佐古
その他の写真を表示
はアイシン#2佐古。自ら得点を取りに行ってレイアップを決めると、前半無得点だった#6後藤のシュートも続けて決まり逆転する。東芝が#51北の速攻で36-36の同点とすると、今度は#7外山の連続シュートで引き離す。東芝は残り1分を切ってからのフリースローを1/4しか決められず、6点のビハインドを追う。
4Q、東芝は#6クラインシュミットのアシスト・3ポイントシュートで1点差に追い上げるが、その後の速攻を決めきれない間にアイシン#7外山の3ポイントシュート、さらに#22ケーペルの速攻で#5ルイスの4つ目のファールを取られ残り5分20秒53-49と点差を戻される。
タイムアウト後、東芝#6クラインシュミットが展開せずに放った3ポイントシュートは外れ、その後アイシン#32ヘンダーソンが24秒ぎりぎりで打った3ポイントシュートは入るという1Qな流れを逆にしたような展開となる。さらにパスアウトから#2佐古が3ポイントシュートを決め、61-51とついに二桁差を付ける。
だが東芝も粘りを見せる。タイムアウトの後、#6クラインシュミットがバスケットカウントを決めると、フリースロー、ルーズボールからの速攻で 連続得点し、残り1分15秒61-57で今度はアイシンのタイムアウトとなる。
「東芝」「レッツゴーアイシン」という大歓声の中アイシンボールで再開され、24秒ギリギリ使ってのシュートは外れ、リバウンドは東芝#6クラインシュミットに出る。#7外山がファールで止めると、そのフリースローを1投しか決められず、3点差で残り44秒。ここでゲームを決めたのはアイシン#2佐古。まだショットクロックは残っていたが、スクリーンを使っての3ポイントシュートを沈める。その後の東芝#6クラインシュミットの速攻はファールはなくリングをこぼれる。ファールゲームでアイシンがフリースローを落としてくれるも及ばなかった。
(北村美夏)
東芝・鎌田ヘッドコーチ
「出だしにアイシンが積極的にシュートを狙ってきて、それは予想していてディフェンスも対応していたのですが、#5ルイスのファールトラブルで若干リズムが崩れてしまったかなと思います。それでも交代した後ゾーンがうまくいっていたので後半もいい感じでいけるかと思ったのですが入りが良くなく、アイシンのペースでゲームを作られてしまいました。インサイドを抑えたかったので(アイシン#32)ヘンダーソンへダブルチームに行ったのですが、そこからうまく展開されて要所要所でノーマークの3ポイントシュートを決められたという展開だったと思います。
(後半良くなかったのは)アイシンのディフェンスが良くて、各選手がボールを持ち過ぎて展開できず、苦しいシュートになってしまいました。
(昨年と比べて)去年よりさらに“チーム一丸”なっていると選手も手応えがあるようですし、私もコートで一緒に戦っていて思います。#6クラインシュミットが盛り上げてくれて、日本人選手もついていく。チームとしてまとまっていると感じます。
(後半のアイシン#2佐古のしかけにういて)くるだろうなとは思いましたがあそこまで積極的にくるとは予想していませんでした。勝負所でノーマークシュートを打たれたのはうちのローテーションが原因ですね。」

東芝・#8節政選手
「“あれがアイシン”の一言に尽きます。うちにちょっとシュートミスとかあったので、そこでリードさたのでアイシンのゲームプラン通りの展開が続きました。1つのミス、簡単なシュートミスにつけこむのがアイシンはうまいので。明後日はしっかり1・2戦目のディフェンスをやって勝ちたいと思います。
(昨年と比べて)外国人選手に頼るところは大きいのですが、日本人の役割、アシストやリバウンドなど日本人だからできる仕事があって、それを自分達が試合に出てやれるというやりがいがあるのが1番大きいです。
(後半のアイシン#2佐古のしかけにういて)あのプレーが、佐古さんがバスケットを知っているという1番の結果です。そういう説得力のあるプレーでした。自分としては、外国人選手がスクリーンにくるのでなかなかはずせなかったり#5ルイスに助けてもらうことが多いのですが、出過ぎると(アイシン#32)ヘンダーソンがノーマークになって迫さんからパスが入ってしまったりして、その辺がうまくいかなかったです。
(後半、アイシンにうまくシュートをうまく散らされたのは)#5ルイスのファールが多くダブルチームにいったのですが、(アイシン#32)ヘンダーソンもそれがわかっていて、うまくパスを回されて外から打たれました。
(後半速攻がうまくいかなかったのは)単純に自分のミスです。なるべくディフェンスをひきつけようとして、無理な体勢からパスしようとしたのがうまくいかなかったです。」

東芝・#51北選手
「非常にきつい試合でした。負けましたけど、今日のうちのディフェンスは悪くないと思います。ただオープンであいたところを上手く決められました。それとやはりうちのファストブレイクのもったいないミスが何本か出たのと、後フリースローの確率が悪いので、勝つためにはそこをしっかりしないとと思います。
(昨年と比べて)スタートはもちろん、今年は控えのメンバーが非常に伸びました。昨年はベンチメンバーが出た時にかみ合わなくてフラストレーションがたまる場面もありましたが今年はスムーズで、その辺が1番大きいと思います。
(アイシン#6後藤とのマッチアップは)彼にはとられたくないと思ってディフェンスしていますし、向こうも同じだと思います。4戦目以降はシューティングガードとしていかに打つところで売って決めるところで決めるかですね。やっぱり疲れますけどやっていて楽しいです。」

アイシン・鈴木ヘッドコーチ
「昨日は東芝のディフェンスが機能してうちはおかしかったけれど、今日はうちのディフェンスが40分通してしっかり機能し、いいオフェンス、チームでやるオフェンスができました。途中シュートが入りませんでしたが、チームでできたのがうちのバスケットができた要因だと思います。
(今日、らしいバスケットができた要因は)今時根性論なんてという感じかもしれませんが、勝負に対するメンタルの影響はやはり大きいです。初戦はかたさがあったにしても、昨日は本当にチームが1つになっていなかった。だから昨日個々に話をしました。そうしたらみんな真剣にチームのことを考えてくれていたのでその辺りをちょっとだけ解決できました。今日も出だしシュートが入りませんでしたが、後半本来やってきたオフェンス・ディフェンスのスタイルが出せました。やっぱりスランプになり何なりありましたが、気持ちをすっきりして臨めて、じわじわいいて行けるぞ、と思っていい形でシュートも入ってきましたね。
(#5佐藤について)本当は15分くらい出る選手ですがコンディションでちょっと苦しい部分があります。でも今日は#2佐古を休ませるため、短い時間だけど行くぞと伝えたらその時間の中でいつものように全力でプレーして、いい仕事をしてくれました。
(次戦に向けて)試合前なのでそういう質問は“お断り”します(笑)。ただ一生懸命やりますよ。後がないのでね。
(あと2戦だが)現状は“あと2つでしょ”という余裕はないです。まず明後日の試合に勝つことを考えます。今日のように(チーム)1つで臨みたいですね。」

アイシン・#2佐古選手
「昨日のゲームが終わって、ヘッドコーチが修正した部分がいい形でオフェンスの方でできました。#22ケーペルが1・2戦目はなかなか外から打たせてもらえなかったのですが、今日は入らなかったけれど打つことでオフェンスのリズムが良くなって、ディフェンスのリズムもいい具合にできたと思います。1Qは良いシュートなんですが入らなくて12−21たったので、そのシュートを打ち続けられるリズムをすごく考えました。自分達はせっぱつまっていたから何か開き直る事が必要で、それを1Qという早いタイミングでできたのが良かったのかなと思います勝負所で東芝のファストブレイクを出させなかったのが、今日自分達が我慢できた最大の要因だったと思います。
(シュートクロックを残しての3ポイントシュートについて)10点差で残り2分きってから、2回ともいいシュートが打てなかったのが東芝にファストブレイクで時間を使わずにシュートを打たれた原因でした。だからあの場面では時間を使って3点差で逃げ切ることを考えるより、まだこの先があるから自分達が攻めている気持ちを見せるためにシュートを打ちました。いつもはあまり打たないのですが今日は9本も打っていて、それだけ打てばタッチがつかめるので自分のリズムで打たせてもらえば入る自信があったので打ちました。もし2点決められても攻めて終われる時間があったのが最大の要因ですね。
(後半の仕掛けについて)点差より、ある意味自分が起爆剤になれればとリズムの中でシュートを打ったつもりです。でも9本も3ポイントを打ったらもう1本、5本くらい決めたかったんですけどね。あと#32ヘンダーソンに負担が相当かかっていて、ディフェンスをひきつけてくれているのに打てないのは彼にとってもきついから入る入らないよりまずはタイミングで打とうと思いました。
(試合前の円陣は初めてでは)誰が言い出したか?(#6後藤)正規かな。正規ですね。本当は自分達が紹介が先だと勘違いしていて、間がもたなかったからそのままというだけで(笑)。でも今日良い事があったので次もやるかもしれないです。チームが1つになっている感じでしたね。」

これがその円陣シーン
アイシン・#7外山選手
「僕のことなんですが、今日は最初力が入りすぎて、1人空回りしていいリズムに乗れなかったのですが、後半に入ってから少しずつ力が抜けていってチームに貢献できたと思います。
点差がついてもあまり気にしていなくて、点差がついたからどうするでなくここ2日間自分達のバスケットができていなかったからいいシュートをしようと思いました。インサイドに偏って自分達のシュートが打てていないとコーチからも言われたし、シュートを打っているとそのうち入る波が来るので打ち続ける事が大事だと思うので、入らないから打たないではチームのオフェンスのリズムが悪くなるので打ち続けました。」

アイシン・#32ヘンダーソン選手
「今日の1戦は本当に大事な試合で、ここで勝つか負けるかという覚悟を持ってチームで頑張ったので勝てたと思います。
昨晩妻と話していてレフェリーのことは気にせずプレーしたらとアドバイスをもらい、確かに自分はビッグマンだしさらに強いプレーで頑張ろうと思いました。
(今日気をつけたのは)ディフェンスを見ることです。自分にとってそうしてパスをさばくのは難しいことではないので。
(前半ビハインドの時の心境は)最初に考えたのはチームにとって何がベストかということです。自分がお手本になるようにハードにプレーしてチームのモチベーションを上げようと思いました。それでガードの選手もハードにプレーして勝ちにつながりました。」

<取材 北村美夏、渡辺美香/文 北村美夏>
塾生コラムメインへ