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アイシン、東芝の持ち味を出させずタイに 2005.3.23 |
(東芝・アイシン2勝2敗) <スーパーリーグプレーオフファイナル> 3月23日(水) 会場:代々木第2体育館
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チームが機能したアイシンと1人1人が孤立した東芝 対照的な展開でタイに スターティングメンバー アイシン:#2佐古、#6後藤、#7外山、#22ケーペル、#32ヘンダーソン 東芝:#5ルイス、#6クラインシュミット、#8節政、#34伊藤、#51北 #22ケーペルの3Pシュートを口火にアイシンが前半で勝負を決める この日東芝らしさが見られたのは1Qはじめだけ。#8節政の速攻、#6クラインシュミットから#5ルイスへの合わせで加点する。だがアイシン#22ケーペルがもともと得意ながらこのファイナルでは1本も成功していなかった3ポイントシュートを決めると勢いづき、#2佐古からの速攻も決めて残り3分30秒6-9とする。東芝はタイムアウトをとるが#6クラインシュミットのアシストからのシュートを決めきれない。 2Qに入ってもこれまで決めてきた#5ルイスの1on1やミドルシュート、#6クラインシュミットの1on1がことごとく入らず、ディフェンスでもシュートに対するチェックが甘くなる。フリースローも落とし、残り1分を切ってからはアイシン#22ケーペル・#2佐古に続けて3ポイントシュートを決められ30点差がつく。 こうなると後半はアイシンのベンチメンバーにのびのびとプレーされ、ゲームも |
コントロールされるが東芝は単発の得点しかできず。4Q後半は両チームともスタートメンバーを下げた。 明日の最終戦はチームとして立ち直れるか 3Qの10分間で東芝の日本人選手が放ったシュートは、#51北の2P1本・#1小野の3P1本、そして#3佐藤のフリースローのみ(チーム計は2P・3P・FT合わせて19本)。一方のアイシンは中外ともまんべんなく打てている。まさに東芝の鎌田ヘッドコーチの言う「1対5」の状態になってしまった。 この日これだけ点差が開いたことで、東芝は“悪いところは出きった”と3戦目のアイシンのように開き直りたい。逆にアイシンはもう1度集中しなおして最終戦に臨みたい。 (北村美夏) |
東芝・鎌田ヘッドコーチ 「今日の試合はまず我々の試合が全くできませんでした。アイシンのディフェンスが良かったのもありますが、うちのオフェンスで“勝ちたい”という気持ちが先行して1人でボールを持つ時間が長くなって、1対5でバスケットをする展開になってしまいました。そうしてオフェンスのリズムが取れず、そこから簡単にブレイクを出されて前半でゲームが決まってしました。 (点差がついたがハーフタイムの指示は)スターとメンバーで行きましたし、3Qで何とか10 点差くらいに戻せばチャンスがあるかなと思い、原点に戻って自分達のファストブレイク、それからパッシングを指示しました。それから自分達はディフェンスでリズムを作るのでディフェンスを頑張ってリバウンドを取っていこうと話しました。 (オフェンス面では)どうしても1対5で攻めているので、リバウンドを取られていい形でファストブレイクを出されてしまいました。ボールを持っている以外の選手の足が止まって見てい |
る状態で、そこから戻れず向こうの速い展開に追いつけずどんどん悪循環に陥ってしまいました。 (明日に向けて)もう1度うちらしいバスケット、ディフェンスでリズムを取れるようプレッシャーをかけることとリバウンドをしっかり取っていきます。オフェンスはそこからいい形でしっかり展開するパッシングができればと思います。」 東芝・#11折腹選手 「そうですね…うちらしくないバスケットをしてしまったなと。でも別にみんな気負っていたわけではないので明日は勝って優勝したいです。 (足が止まった要因は)今日決めてやる、という気持ちもあったのかなと思います。 (明日に向けて)明日は1・2戦目のいいところを思い出して、泣いても笑っても最後になるので気持ちを前面に押し出してやりたいです。」 東芝・#8節政選手 「基本である皆で守って皆で攻めれて、リバウンドやルーズボールに行ってというのができなかったです。 (足が止まった要因は)自分もそうですけど、敵はアイシンなのに審判にフラストレーションをためて力が入って、皆で守ることができず、オフェンスも皆で走るところが走れていなくてアイシンのディフェンスに戻られてそのままアイシンのペースになってしまいました。 (オフェンス面では)パスしたら1回止まってからパス、となってパス回しがしまってうまくいかなかったです。インサイドにボールを入れると皆足が止まっていたし、アイシンのディナイが良くていつもの場所でもらえず、さらに上に出なくてはならなくてそれでセンターにボールを入れるのに時間がかかってという悪循環でした。 (明日に向けて)東芝バスケットをすることと、皆で常に声を掛け合って助け合ってやっていきたいです。」 |
アイシン・鈴木ヘッドコーチ 「一昨日の試合でうちのいい形がオフェンス・ディフェンスでできていたのでそれを今日は徹底してやろう、細かいアジャストはありますが基本的にうちらしいバスケットをしようと選手と話しました。そこで#22ケーペルの3ポイントシュートがやっと決まってくれて、今まで我慢していたかいがありました。これまでなかなか入らなくて苦しかったけれどうちらしいオフェンス・ディフェンスが40分できました。 (昨日の休息日で1番大事にしたことは)肉体的にも精神的にも非常に疲れている状況なので、とにかく選手を休息させる事が第1でした。あとはやっぱり彼らは能力があるし絶対に勝てると、ここで勝てば逆に向こうにプレッシャーがかかって自分達に有利だから自分達を信じて集中することを精神面で強調しました。あとは疲れを取ることですがそれは個人やトレーナーがケアしていました。 (東芝のターンオーバーは)まずうちの選手が一生懸命ボールにプレッシャーをかけていま |
した。それから東芝は前半は集中がふわっとなっているというか、1・2戦目のように入っておらず、そこからミスにつながったのではないでしょうか。」 アイシン・#2佐古選手 「前半でこういう点差がつくとは思わなかったんですけど、まぁ優勝したわけではなくここでタイであと1戦あるので、明日は気持ちを切り替えて頑張りたいと思います。 (昨年の追われてと今年の追いついての違いは)例年であれば2戦目が終わった時点で僕等の負けは決まっていたのが、今年は5戦になってここで息を吹き返せるのが新システムの怖さだと思います。3戦目1つ勝ったことで勢いはアイシンになってきた感じがします。先勝した方が有利なのは間違いないですが、タイに戻された時にプレッシャーがかかるのは先勝した方だから僕らに波が来ています。ミラクルを起こせる可能性が出てきました。下馬評では5戦になって僕達おじさんチームには勝てないのではと言われていたかもしれないけれど、その中で勝つのが真のチャンピオンだし、自分達の評価が確立的なものになってくると思います。勝つことが自分達にどれだけ力になるかを考えれば負けるわけにいかないのでそういう意味で勝ちたいです。 (東芝の方が疲れていなかったか)自分のことでいっぱいいっぱいなので(笑)相手のことはあまり考えていません。ただ最初の勢いがあった東芝と変わってきてるかなと感じます。それが疲れなのか精神的なものなのかはわかりませんが。」 アイシン・#6後藤選手 「振り出しに戻っただけなので明日のゲームに集中できるようにしたいです。東芝の怖さはうちが1番知っているので明日、最高のゲームができるようがんばります。 (昨年の追われてと今年の追いついての違いは)比較した事がないのですが、まぁ過ぎたことですよね。とにかく今日なら今日、今なら今自分オプレーで何をすべきかどうすべきかを考えるのでうまく言えません。一生懸命やればたとえ負けたとしても達成感、爽快感は感じられます。中途半端が1番良くないので、結果うんぬんより一生懸命やります。 (東芝の方が疲れていなかったか)自分達より疲れているとは全く思っていませんが、いつものスタートより重いかな?とは思いました。ただ僕に関しては全然平気です。嘘でも平気って言います、はい。」 アイシン・#22ケーペル選手 「今日はとにかくチームバスケットができました。いいディフェンス、シュートもよく入ってチームとして1つにまとまってプレーできました。でも#6後藤の言った通り振り出しに戻っただけで、チャンピオンシップゲームが明日あるのでまた頑張ります。 (1・2戦と変わったところは)とくに変えたことはありません。いつもと同じです。ただ1・2戦目は入っていなかっただけで、コーチやチームメートがポジティブにサポートしてくれて自分もポジティブでいられました。シュートに関しては自分はもともと自信があるので今日はよく入ってよかったです。いつか入ると皆が信じてくれたし、自分も信じていたので昨日集中してシューティングをやり、今日はとにかく打ち続けること、コーチの指示通りオープンになれるようにプレーしました。それが今日入って、チームも買ってくれて良かったです。 アイシンには特に問題なくなじめましたし、コーチからスタッフまで自分にとてもよくしてくれて大好きです。今年アイシンでプレーできたのは嬉しいと思い増すし、優勝してしめくくりたいです。」 |
<取材 北村美夏、渡辺美香/文 北村美夏> |
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