男女ベスト8出揃う:北陸高(北信越)、大会史上初の高校チームとしてベスト8進出 2005.1.3 特集ページはこちら
1月3日、代々木第2体育館・東京体育館で男子第80回女子第71回全日本総合バスケットボール選手権大会(オールジャパン)が行なわれ、男女2回戦が行なわれた。

東京体育館Dコートでは、オーエスジー・トヨタ自動車が学生チームを大差で退け、それぞれクラブチーム・高校チーム対決を制して勝ちあがった柏リーブス−北陸高は終盤北陸高が突き放し、高校チームとして大会史上初のべスト8入りを果たした。

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<男子第80回女子第71回全日本総合バスケットボール選手権大会 男子2回戦>
1月3日(月) 会場:東京体育館Dコート

TEAM
 



 
TEAM
 
83
20
1st
21
110
拓殖大
18
2nd
24
オーエスジー

12

3rd
42
33
4th
23

スターティングメンバー
拓殖大:#5伊藤、#6熊谷、#8加々美、#9小島、#10長谷川
オーエスジー:#5本郷、#7陳、#8桑原、#9鈴木、#41斉藤

 オーエスジーは1回戦とは見違えるようなスピーディなオフェンスで8-3とリードするが、拓殖大も#5伊藤の3ポイントシュートで残り2分15-19とついていく。オーエスジーはここでタイムアウトを取り、ゾーンディフェンスをしく。さらに拓殖大は#10長谷川が2つめのファールでベンチに下がり苦しくなるかと思われたが、逆にオールコートディフェンスで20-21と追い上げる。残り1分を切ってから肩の怪我をものともしない#5伊藤のパスカットも飛び出し、ブザービーターとなるワンドリ3ポイントシュートを狙うがリングに入りかける惜しいシュートで20-21と互角の展開で終える。第2クォーター、リバウンドからの速攻で拓殖大が逆転するが、オーエスジーは#3大口・#5北郷と2ガードでコントロールする。#3大口に代わった#11松藤もアシストを量産し、#4勝又らのインサイド・#5北郷の3ポイントシュートで43-33と2桁差を付ける。だが残り1分を切ってから拓殖大#5伊藤に連続得点され43-38で折り返す。

  後半、オーエスジーは#8桑原の3ポイントシュートでスタートすると、ディフェンスでも拓大をインサイドに入れさせず外からのシュートのリバウンドを速攻につなげて残り7分56-41と一気に広げてタイムアウトを取らせる。だが勢いは止

速い展開のきっかけとなるアシストを
量産したオーエスジー#11松藤
まらずこのクォーターだけで7本の3ポイントシュートを決め、#7陳のパスカットからの速攻で残り2分には78-48と30点差をつける。第4クォーター残り5分には92-51となるが、拓殖大は#8加々美らの得点でそこから2分間で96-65と意地を見せる。だがオーエスジー#12竹田らに立て続けにフリースローを取られて確実に決められ、主力がファールアウトしていき力尽きた。
(北村美夏)

拓殖大・池内監督

「ゾーンを上手く攻められなかったですね。もちろん指示は出していきましたがすぐに修正できず、いかにもシューターというシューターもいないのでポイントをつかめませんでした。オフェンスがうまく行かない分ディフェンスのピックアップが遅く、フリーのシュートを打たれてしまいました。でも選手たちは最後まで良くやってくれました。それに去年は1回戦負けだったので、今年は1つ勝って2つできたので少しずつ良くなっていると評価しています。

1年間やってきてかなりいいチームになったと思います。バスケットはやはりチームプレーですから、チームワークをずっと言ってきたのですが、選手はそれ以上に話し合ったりしてよくやってくれました。4年生の、試合に出ているメンバーで言えば#4清水、#6熊谷、#7篠原がよくまとめてくれたのがいい結果につながりました。リーグも3位、インカレも4位とあと1歩でしたが、非常にいいチームでした。彼らに感謝したいし来年もそれを引き継いでいきたいですね。」

「おいどうした、がんばれ!」拓殖大
 
  拓殖大は前半、ファールトラブルに苦しむも38-45でついていく。だが第3クォーター、中から外から次々に決められスーパーリーグの洗礼を受ける。集中力が完全に切れてもおかしくなかったが、変わらぬスタンドからの声がコートの選手たちを支えた。「おいどうした、がんばれ!」。登録メンバーに入れなくて悔しいはずなのに、リーグ中も“一番”と書いたハチマキをつけ、インカレからはオレンジのTシャツまで着こんで声の限りに応援していた彼らもまた、一緒に戦っていた。
  「いいチームでしたよ」と敗戦直後の池内監督は言った。また、このチームとして最後となる試合後のミーティングの後、1部の選手は目を赤くしながらも笑顔を浮かべていた。その表情は晴れやかですらあった。仲間と顔を合わせれば笑顔がこぼれる、裏方のメンバーが必死で応援する、それはきっと“いいチーム”の証だ。 
(北村美夏)


<男子第80回女子第71回全日本総合バスケットボール選手権大会 男子2回戦>
1月3日(月) 会場:東京体育館Dコート

TEAM
 



 
TEAM
 
64
20
1st
26
100
専修大
14
2nd
24
トヨタ自動車

16

3rd
31
14
4th
19

スターティングメンバー
専修大:#5中川、#9長澤、#10波多野、#12伊藤、#15小淵
トヨタ自動車:#1棟方、#8加藤、#9折茂、#22網野、#34高橋

 第1クォーター残り3分で16-15トヨタリードと互角の展開。専修大は#10波多野のジャンプシュートが良く決まり、トヨタ#9折茂に続けて決められるも第1クォーターを20-26とついていく。だが第2クォーター、高さのあるトヨタ#8山田・#34高橋・#7加藤にインサイドを突かれる一方、専修大は得点が止まってしまい34-50とされて前半を終える。

  第3クォーターもトヨタは#9折茂の確実なシュート・#22網野のインサイドで余裕を持って得点していくのに対し、専修大は#15小淵が何とかつなぐのが精一杯で50-81と離される。第4クォーター、専修大はキャプテン#4佐々木をコートに送る。点差は開いたが、#10波多野がインサイドで1on1、さらに残り2分60-100でのタイムアウト後に入ったばかりの#6末松が3ポイントシュートを決めるなど最後に4年生が意地を見せた。
(北村美夏)

これが見納めとなる
専修大#9長澤のゴール下

専修大・中原監督

「オールジャパンは“来年のチーム”という感じでやっていました。なのでスーパーリーグ相手でもオフェンスは1on1でどれだけできるか、ディフェンスも自分のマークにやられないように、と臨みました。気後れする事がなかったのでよかったと思います。

来年のチームですか?(今年卒業する)#9長澤のように幅とパワーでうまく高さに対応できるタイプの選手はなかなかいないので、誰でも運べて、誰でも外からシュートを打てるようなチームを作ります。今日も4クォーターは全部#12伊藤にポイントガードをやらせようかなと思っていた(実際は3Q残り3分に負傷交代)んですよ。あとは特に#13横村がいいですね!U-20には選ばれなかったのですが、その間に頑張っていたし今とにかく練習中いいですね。一生懸命だし持っている力の片鱗が出てきている。ドライブからのダンクなら、うちでいえば大宮か横村か、それから桜井くん(良太:愛知学泉大4、日本代表)かってくらいですよ。後は経験ですね。こういう選手をまた育てていきますよ。」

「シュートを打って下さい」 専修大

  いつでもチームメートを鼓舞し、相手がスーパーリーグのチームだろうとこきおろしてしまう専修大のスタンドからの声が、この試合中ただ1度だけ、懇願になった。「シュートを打って下さい」。残り20秒を切って、トヨタがボールキープしてこの試合を終わらせようとしている時だった。シュートを打って下さい。もう1度専修大のオフェンスを見させて下さい。だが#5中川直の3ポイントシュートはエアーボールとなり、最後にネットを揺らすことはできなかった。#10波多野がテクニカルファールを取られ、手を挙げて“ごめんなさい”とちょこんと頭を下げて見せるのも今日で見納めだ。

  だが、去っていく選手ばかりでなく、これからを担う選手の姿も印象に残った。特に果敢にゴールに向かう#12伊藤は頼もしく、#13横村ら1・2年生の活躍もあった。 新しいチームの最初のシュートは、どんなシュートになるのか。今から楽しみだ。
(北村美夏)


<男子第80回女子第71回全日本総合バスケットボール選手権大会 男子2回戦>
1月3日(月) 会場:東京体育館Dコート

TEAM
 



 
TEAM
 
62
17
1st
16
71
柏リーブス
10
2nd
22
北陸高

22

3rd
12
13
4th
21

スターティングメンバー
北陸高:#4寺嶋、#7山本、#8立花、#9馬、#14篠原(徹)
柏リーブス:#4水野、#6子安、#9中平、#13木村、#14高橋

 柏のエース#14高橋がロングシュートを決めれば、北陸は好調を維持する#7山本が3ポイントシュートを決め返す立ち上がりとなる。その後北陸が#11小林の連続得点で残り4分13-8とするが、ミスの間にシュートを決められ残り2分13-12とされる。さらに柏#4水野のインサイドで逆転されるが、残り15秒から北陸は#7山本がロングシュートを決め第1クォーターを16-17とする。第2クォーター北陸は#9馬がゴール下シュートをことごとく落としてしまうが、リバウンドを粘ってフリースローで離し残り5分30-21としてタイムアウトとなる。その後は一進一退となり38-27と北陸が点差をキープして折り返す。

  だが第3クォーター立ち上がり、北陸の得点源の1人である#14篠原のシュートがことごとくリングに嫌われてしまう。残り5分15秒攻めあぐねて3秒オーバーを取られたところでタイムアウトを取るが、あけた直後に柏#14高橋にトップから3ポイントシュートを決められ40-38とワンゴール差に迫られる。さらにリバウンドから速攻を決められ40-40と振り出しに戻る。この後柏#4水野がバスケットカウントを決めれば24秒クロック残り1秒で北陸#8立花が3ポイントシュート

要所で決めた北陸高#11小林
を決め返すなど譲らない。北陸は残り1秒で柏#14高橋に3ポイントシュートのファールを与えてしまうが、そのフリースローを1投落としたことで50-49とわずかにリードを守る。

 第4クォーターは残り5分でも56-53と点差がつかないが、柏#14高橋のバックシュートがブロックされたのに対し北陸#7山本がダブルクラッチを決め、徐々に引き離す。柏はフリースローを2投とも落としてしまうなど得点が止まり、残り2分30秒62-53とされてタイムアウトを取る。北陸高に時間を使われてしまうが、残り1分を切って#14高橋がロングシュートを決めた上にスローインをカット、そのパスを受けた#13木村も3ポイントシュートを沈めて残り46秒で64-60とわからなくなる。だが時間がなく、ファールゲームに行くも北陸#7山本にきっちりフリースローを決められる一方3ポイントシュートが入らず71-62で北陸高が高校チームとして初のベスト8を決めた。
(北村美夏)

北陸高・津田監督
「今日は自分達のプレーをしよう、走って負けないようにしようと臨みました。でも相手の方が年を重ねている分そう簡単に勝たせてもらえなかったですね。接戦でしたが、余裕はありましたよ。#11小林が頑張ってくれて助かりました。ベスト8は素直に喜びたいですね。

(28日に決勝があったウインターカップの後)そのままこちらで正月を迎えました。29日以外は練習していましたね。集中を続けるのはやっぱり大変ですよ。ただ今年のチームは朗らかな子が多く、切り替えのできる子達なのでだいじょうぶです。それにシーズン最後の大会ですし、せっかくのいいチャンスなので1つ1つ頑張ろうと。ただ、明日から岐阜で大会が始まるので#9馬以外の1年生は移動させようと思っています。

(選手起用に関しては)#6西村は29日に体調を崩してしまって、2日間練習できなかったんです。昨日は宿舎に帰らせて寝かせていたんですよ。だからまだ本調子ではないですね。(得点源の選手のシュートが落ちていたが)#14篠原徹は昨日から首の調子が悪くて、#9馬も足を以前に怪我しているので連戦だときついのでしょう。でもよくやってくれましたよ。

スーパーリーグチームとの対戦では、何かを学んで終わりたいですね。」

<取材・文 北村美夏、渡辺美香>

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